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左大臣の姫が、何者かによって腹を食い破られ、路傍でこと切れていた。異様な死に様を見た左大臣は、犯過人の首に千貫文の値をつける。荒れる都のただ中で、散楽舞の青年・小槌丸は、ある企みを抱えていた。それは生き別れの兄であり、右大臣の息子である月夜彦を暗殺し、入れ替わること――。
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Posted by ブクログ
ほんわかした作品を書かれる作家さんというイメージを持っていたのですが、いい意味で期待を裏切られました。 登場人物それぞれに思惑があり、裏切り、騙し合う。禍神・狼神の不気味さ、人の欲の深さをまざまざと見せつけられた感じです。 『月夜彦』憐れな人でした。
この辺りの時代の小説は夢枕獏の陰陽師くらいしか知らないので読むのに少し時間がかかった。けど読みやすい。 読んだ後気づいたけど、ほとんどの登場人物は死んでる気がする… 最初は妖とか出てくるファンタジー?と思ったけどどちらかと言えばそれは少しおまけ要素なのかも。 理不尽だと思った神様はやっぱり神様なだ...続きを読むけあって平等なのね、というのが最後に分かってすごく腑に落ちた。 ドロドロした人間の欲が渦巻いて、位の高い人間のどす黒さをより濃くしている。そういう人間ばかりが登場するせいか、小槌丸が純粋にすら見えてくる。(そんなわけはないのだが) 小槌丸が嫌っていた月夜彦、時折兄として導こうとしているというか、救ってあげようとしているというか、そういう描写が色々あったように思えて切ない。 小槌丸にとっても月夜彦にとっても女神のような存在だった千名姫は人間どころかお前が妖だよっていう… エログロに近いけどそこまでではないかな。もうちょっと艶めかしくても良かったかなと…一番いいなと思ったのは幼く淫蕩な乙姫ですね。 ラストの描写、小槌丸の身分が明らかになったので…というように思えないのが余韻を残してとてもいい。 力のある神様より欲を持った人間が一番恐ろしいということを描いた分かりやすくて面白い作品だった。
散楽舞をして暮らす小槌丸、御曹司は月夜彦。神が力を持ち怨霊も化生も跋扈する都で起きる凶事。 場面場面は面白いけど、全体としてみると絡み合ってて私には分かりづらい。時々関係がわからなくなる、登場人物関係図がほしいなぁ
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