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ライターの収入だけでは満足な生活を送れない久保は派遣会社から紹介された職場で働き、糊口を凌いでいた。マニュアル作成の仕事を受けた久保だが、納期に追われて派遣の仕事との両立が難しくなる。折しも16年前の殺人事件が再注目される時、窮地に陥った久保の脳裡にあの光景が重なる。かつてない閉塞感を最大圧縮した凄絶作品!
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Posted by ブクログ
2017年、17冊目は真梨幸子。
あらすじ:派遣社員と二足のわらじを履く、フリーライターの久保。若さにまかせ、連続の徹夜で二つの仕事をこなしてゆく。そんな時、16年前のエリート中学校と進学塾にまつわる「西池袋殺人事件」が再びクローズアップされ始める。彼もまた、その進学塾から、エリート中学校に進んだ人間だった。
読ませる力は充分にあったが、クライマックス、オチは……。多くの登場人物と、複雑な人間関係。ソレがスパッと解決されるモノではない。また、真梨幸子流のイヤミスを期待すると、手元で変化して、的を狂わされるといった感じ。
全体的に覆うのは、えんじ色と言うより、ダークグレーな空気感。特に主人公の台詞は「」括りがナイので、心情なのか、発せられた言葉なのかの判断が難しい。おそらく、その辺は作者の狙いだろうが……。
デビュー二作目。真梨幸子の原点と考えると興味深い点も多々ある。キーワードを挙げておきましょう。「(ローリング・ストーンズ)ブライアン・ジョーンズの死」「新興宗教」「月刊グローブ」他の真梨幸子作品と地続きな原点と捉えるのも、また、一興。
Posted by ブクログ
ある少年が、受験戦争を潜り抜けて名門難関校に合格したのに家庭内暴力の末、父親に殺されてしまったという「西池袋事件」。
事件から16年後、新たな悲劇が起こる――。
「西池袋事件」を軸として、2つの仕事をかけもちしながら何とか生活している久保のパートと、落ちこぼれの少年と帰国子女の少女の交流を描く過去のパートが交互に語られる、複雑な構成。
独り言のような一人称が、どこまで現実でどこまで妄想なのかわからなくなります。
時系列もあいまいで先が読めず、ブツ切りのトピックを積み重ねるブログを読んでいるような感じ。
読者の共感を拒む文章が、いっそすがすがしい(笑)!
ミステリとしては破綻しているというか、ちりばめられた伏線がうまく回収されているようには思えないので結末ではカタルシスを味わえないのですが、どの登場人物も病んでいて、その病み描写が読ませどころ。
現代を生きる人の閉塞感を描きたかったのかなー、と思います。
もっと情報を整理して、綺麗で読みやすい構成にすることもできたんじゃないかと感じましたが、多分、あえてこんな構成にしたんじゃないかな。
多面性を持つ複雑怪奇な「人間」をなぞるように、複雑な構成にしたんじゃないかと。
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