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ライターの収入だけでは満足な生活を送れない久保は派遣会社から紹介された職場で働き、糊口を凌いでいた。マニュアル作成の仕事を受けた久保だが、納期に追われて派遣の仕事との両立が難しくなる。折しも16年前の殺人事件が再注目される時、窮地に陥った久保の脳裡にあの光景が重なる。かつてない閉塞感を最大圧縮した凄絶作品!
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Posted by ブクログ
真梨幸子さんのデビュー後第2作目。ライターをしながらマニュアル作成で、なんとか社会の一端にしがみついている久保。 それでも生活が苦しく、派遣会社にも登録するが、なぜか生活は苦しくなるばかり。そんなとき、16年前の殺人事件が注目され、久保は自分を思い出してかけるが。 いまやイヤミスの大家とも言える...続きを読む真梨さんだが、この作品はイヤミスというより、社会派サスペンスに近いかな。 でも、単なるミステリよりもサイコパス系を得意とする真梨さんの原点のような気がする。この閉塞感、絶望感は他では味わえない。
真相の章までは『誰がどの人?』と思いながら読み進めるペースもめちゃくちゃ早かったけど、真相の章に入る直前から混乱(笑) 理解は出来たけどモヤモヤは残る。
1977年に起きた開成高校生殺害事件を参考にしている。この事件の詳細については本多 勝一著の『子供たちの復讐 』がある。真梨幸子、作家デビュー2作目になるが完成度が高いと感じた。二組の男女が過去と現代を通じて複雑に絡み合い驚愕のラストへ向かう、予備校へ通う幼い二人の関係性がとっても愛らしい。
真梨幸子さんのデビュー二作品目がやっと文庫になったと言う事で購入。 デビュー作の孤虫症と作風が違うと真梨幸子さんのTwitterでも読んでいたのでどんな感じなのだろうかとワクワクしていた。 読み始めは真梨幸子さん独特な雰囲気を醸し出していた。 二〇〇五年あるいはその十六年後の最後の方で主人公と吉沢さ...続きを読むんの関係が明らかに。 でも最後はえっこれで終わりなの?!と思ってしまう終わり方で長い話なのになんだか物足りない。 今まで読んだ作品とは違うモヤモヤ感。
大好きな真梨幸子さんの小説。これはほかの「イヤミス」と呼ばれる小説より、嫌な感じはしない。なかなか面白かったが、時間軸が行ったり来たりするのと、誰がどれなのか?が途中でこんがらがってしまったので★を減らしました。 派遣でデータ処理をしている派遣社員の中でほかの人のミスをカバーして残業したりとかの場面...続きを読むが、なんだかどろどろしていて真実味がありました。
2017年、17冊目は真梨幸子。 あらすじ:派遣社員と二足のわらじを履く、フリーライターの久保。若さにまかせ、連続の徹夜で二つの仕事をこなしてゆく。そんな時、16年前のエリート中学校と進学塾にまつわる「西池袋殺人事件」が再びクローズアップされ始める。彼もまた、その進学塾から、エリート中学校に進んだ...続きを読む人間だった。 読ませる力は充分にあったが、クライマックス、オチは……。多くの登場人物と、複雑な人間関係。ソレがスパッと解決されるモノではない。また、真梨幸子流のイヤミスを期待すると、手元で変化して、的を狂わされるといった感じ。 全体的に覆うのは、えんじ色と言うより、ダークグレーな空気感。特に主人公の台詞は「」括りがナイので、心情なのか、発せられた言葉なのかの判断が難しい。おそらく、その辺は作者の狙いだろうが……。 デビュー二作目。真梨幸子の原点と考えると興味深い点も多々ある。キーワードを挙げておきましょう。「(ローリング・ストーンズ)ブライアン・ジョーンズの死」「新興宗教」「月刊グローブ」他の真梨幸子作品と地続きな原点と捉えるのも、また、一興。
暗い暗い感じ。告白を何ヶ月か前にみたので、解説でこれがイヤミスと言われる部類だと知る。救いようのない嫌な感じを残すミステリーということか。もうちょっとあっという部分が欲しかった印象。
サクサク読めたんだが、疲れた。 なんか、みんなちょっと歪んでる。主人公がどう事件に絡むのか、彼女がどうなったのか・・ 最後が駆け足っぽかったかな。
真梨さんの本は、私の後ろめたさを、ぐりぐりぐりぐりしてきて、うっ、ってなる。落ち込む。 でも読む。
ある少年が、受験戦争を潜り抜けて名門難関校に合格したのに家庭内暴力の末、父親に殺されてしまったという「西池袋事件」。 事件から16年後、新たな悲劇が起こる――。 「西池袋事件」を軸として、2つの仕事をかけもちしながら何とか生活している久保のパートと、落ちこぼれの少年と帰国子女の少女の交流を描く過去...続きを読むのパートが交互に語られる、複雑な構成。 独り言のような一人称が、どこまで現実でどこまで妄想なのかわからなくなります。 時系列もあいまいで先が読めず、ブツ切りのトピックを積み重ねるブログを読んでいるような感じ。 読者の共感を拒む文章が、いっそすがすがしい(笑)! ミステリとしては破綻しているというか、ちりばめられた伏線がうまく回収されているようには思えないので結末ではカタルシスを味わえないのですが、どの登場人物も病んでいて、その病み描写が読ませどころ。 現代を生きる人の閉塞感を描きたかったのかなー、と思います。 もっと情報を整理して、綺麗で読みやすい構成にすることもできたんじゃないかと感じましたが、多分、あえてこんな構成にしたんじゃないかな。 多面性を持つ複雑怪奇な「人間」をなぞるように、複雑な構成にしたんじゃないかと。
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