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戦前の共産党の実態はどうだったか。その成立のいきさつ、コミンテルンによる支配、資金の出所、組織、相次ぐ転向者など──戦時下の弾圧による党崩壊までの激動の歴史を実証的に追い、当時の関係者の証言を記録する。理論や主張としてではなく、生きた人間研究としての初の本格的な通史。全3冊。
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Posted by ブクログ
[下部構造の暴露]主に戦前の日本共産党の歴史を、一次資料や関係者への証言を基に記した作品。その圧倒的な情報量と共産党の組織体制への批判から、特に70年代の中盤から後半にかけ、論壇をはじめとして右派・左派両方からの大反響をもたらし、第1回講談社ノンフィクション賞を受賞した作品です。著者は、『田中角栄記...続きを読む録』でも政界に鋭く切り込んでいった立花隆。 当時の思想的展開やイデオロギーではなく、人物や事件を中心として描かれているため、教科書からはどうしても落ちてしまう昭和の一側面を知る上で、今日的にも十二分に有益な作品かと思います。タイトルにあるように日本共産党のことを知ることができるだけでなく、その組織から見た戦前日本の情勢が映し出されており、その点も非常に興味深かったです。 〜ここにおいてようやく我々は、当初の問いかけ、社民化した共産党のアイデンティティはどこに求められるのかという問いに対する答えを得たことになる。それは、前衛エリート主義、独善性、秘密主義、指導部絶対性、一枚岩主義などなどを特徴とする共産党の体質とそれを形成している共産党の組織原則=民主集中制である。〜 骨太とはこういった作品を指していうものと痛感☆5つ (注:本レビューは全3巻を通してのものです。)
興味深く読んだ。さすが共産党。異常者の群れであることがよく分かる。著者の考え(思想を取り締まるべきではない。民主国家なんだから行動を取り締まるべき)はそれはそう思うが、しかし自由に革命運動させて全国各地で一斉蜂起されたらどうするの? それからおっとり刀で駆け付けても間に合わない、しかも警察内部や軍部...続きを読むに赤に染まった人間が多数いたら抑えることができるのか? 革命なったら「思想の自由」など消し飛んでしまう。だって国家が『下々の人民を共産主義的人間に再教育』するというのだから。色々な思想の内、共産主義思想はイケナイ、というのと共産主義以外の思想はイケナイ、とは太陽と冥王星ほどの隔たりがある。少なくとも監視対象とすべき思想だと思う。オウムと何ら違いはない。
戦前は組織としてぐだぐだ、戦後は二枚舌。1975年時点での日本共産党を断罪するために書かれた本。この巻では日本共産党の戦前の歴史について莫大な資料(と筆者自身が書くのはどうかとは思うが)をもとにして書かれている。 ぐだぐだと書いたが、それは組織運営自体のことである。リンチによる党員殺害、粛清の嵐な...続きを読むど局所局所を見ていくとオゾマシイ暴走しているのが戦前の日本共産党なのである。戦後はそれを隠ぺいし、生き残るために社会に適合したふりをしているのであろう、などなどのイメージは立花隆の文章のうまさに騙されているだけだと云う人もあるかもしれない。確かにそのようなところはある。立花隆が自身、もしくは自己の職業としてのジャーナリズムに言及するところ以外は「おもわず突っ込みを入れたくなる」ところがなかなか見当たらない。それは騙されているとも言えよう。だが、僕はこの本を読んで本質を求めるとは何かということを考えさせられた。記述政治、ジャーナリズム、etc. そのような本質というものとがっぶり四つこの本は取り組んでいる。その態度こそが大いなるものである、大いなる軽蔑、大いなる賛同である。日本共産党がどのようであろうとトリビアとしてしか頭には残らないだろう。何が僕にとって重要なのか、何を僕の中に残したいのかそれが重要なのだ。 どういう意図で書かれたのか、どこから莫大な資料を収集し、整理する金が出たかはひとまず置いておこう。陰謀論は頭の片隅において決して忘れない、そのこと自体が重要なのであり、エビデンスがないところでいくら騒いでもむなしいだけである。
現存の政党で唯一、戦前から存在する日本共産党。日本で全体主義が台頭した時代、最後まで戦争に反対した政党と言われるが、本書は、そんな長い歴史を誇る政党の結成から戦後の日本共産党のあり方を考察する。 共産党の核となるのが、マルクス・レーニン主義(正統派)で、さらに分かれて教条主義と修正主義がある。共...続きを読む産党側としては教条主義が絶対で、修正派は党の規約に反すると見なす(修正派は社会民主党へと流れた)。著者は、この規約というのが共産党の特異性だという。レーニン主義の要素、すなわち暴力革命、プロレタリアート独裁、民主集中制の3つのうち、民主集中制が特に重要である。これは、民主主義と中央集権が合わさった体制で、上層部と末端(細部と言われる)に分かれる。これは上層部の意見が絶対で、末端側がその意向に反した場合、処分が下される。このように、議会制民主主義であるのにもかかわらず、組織としての日本共産党は、民主主義に反し、むしろ全体主義ではないか、と著者は批判する。(ちなみに、諸外国でも共産党が誕生したが、面白いことに、専制君主制やカトリックの国々では勢力が伸びた一方で、アメリカやイギリスのような自由主義国では影響力は小さかった。)
戦前の共産党が壊滅にいたるまでの経緯について、克明な調査をおこない、その歴史を記した本です。第一巻では、世界革命をめざすコミンテルンの指導のもとでの日本共産党の活動の軌跡を追い、田中清玄と佐野博の二人による「武装共産党」時代までをたどっています。 戦前の共産党の歴史における最大の理論的な争点となっ...続きを読むたのは、山川イズムと福本イズムの対立ですが、本書ではインテリ優位の分離結合論が現場からの乖離という欠点をもっていたことが指摘され、いわゆる講座派がかかえる重要な問題としてその傾向が継承されていったことを指摘するとともに、この問題が「内なる天皇制」へと回帰することになった佐野学・鍋山貞親の転向の布石となっていったことが示唆されています。著者は、思想の解釈と評価をおこなうのではなく、健全なジャーナリズムの立場から事実を明らかにするという立場を堅持しており、共産党の歴史について知りたい読者にとって、現在でも有益な内容となっているように思います。 また雑誌連載時に、日本共産党が著者に反対するキャンペーンをくり広げていたので、著者のほうもそれに応答をおこなうとともに、当時の宮本顕治による共産党運営のありかたに対しても批判をおこなっています。
『田中角栄研究』と並び、おそらく立花隆氏の代表的著作の一つだろう。 本書の中心は、戦前における日本共産党の歴史である。また本書が書かれた1970年代の日本共産党が戦前と比較してどうであるかについて、筆者が論考を行っている。 一見すると、立花氏は共産党に対して批判的な立場に立っているように見える。...続きを読むだが読んでいくと、立花氏は共産党に対して必ずしも批判的な立場にあるわけではなく、中立的な立場から論考を加えている。 まだ第1巻しか読んでいないのでなんとも言えないが、字面をそのまま受け入れるのではなく、自分の頭で考えながら批判的に読むべきであるという、読書と思考の基本が本書を読むとよく理解できる。
「甲乙丙丁」を読んでいて、あまり背景を知らなさすぎるので、本書を読んでみることにしました。 立花隆の本だから、おもしろいに決まっています。 おもしろい本を読みながら、日本共産党の歴史も学べるので、一石二鳥です。 「甲乙丙丁」では、いろんな人物の戦前の活動ぶりが語られますが、その当時の共産党への強烈...続きを読むな弾圧ぶりに、いまさらながら驚かされます。 しかし、本書、とくにこの第1巻の焦点は、そういった弾圧ぶりを描くことにあるのではなく、密輸した拳銃で武装し、潰されても潰されてもしぶとく再建を図る非合法共産党と、それに対して次々とスパイを送り込み、悪辣なまでに容赦のない殲滅を図る特高との闘いを描くことにあるようで、これが手に汗を握るおもしろさ。一気に読んでしまいました。 複雑怪奇な話でも、まるで波乱万丈の冒険小説を読んでいるみたいにスラスラ読めるのは、立花隆の論術がいつものようにクリアで分かりやすいおかげだと思います。
第3章(162)まで 日本共産党は大正時代に結成されたが、組織としては脆弱だった。世界各国でも共産革命の声が上がっていたが、ことごとく失敗し、成功したのはただひとつロシアだけだった。日本共産党はロシアコミンテルンと連結を取ろうと計り、資金援助などを得た。しかし日本の特高警察の強力な捜査力とスパイ活動...続きを読むで、多くの幹部が逮捕され解散状態になる。シャバの若手たちで党再建を計り、マルクスレーニン著書の膨大な知識のある福本和夫が象徴的立場になる。福本による党の方針は「まずはエリートで固めた党幹部たちがひたすら理論の探求をした後、革命を労働者に指導する」であり、これを福本イズムと言った。この福本イズムで党を再建し、ロシアコミンテルンの承認を目指した。 一方、ロシアでは幹部の権力闘争でスターリンが力を持ち始めていた。粛清が行われ、民主集中制(党指導部の上意下達の徹底)になる。また、他国の革命が上手くいかず、一国革命的になり、日本共産党への関心も無くなる。 コミンテルンからの承認のためロシアを訪れた日本共産党幹部たちは、福本イズムを否定され資金援助も止められる。これによって党の再結成は戦後まで出来なかった。 その後も特高警察による大検挙(3.15 6.16)で主要な幹部が逮捕され、田中清玄が首魁のなる。しかし弱小組織で民衆の支持もなかった。田中も逮捕され、首脳部を失った共産党に対して特高警察はある謀略を考える。特高のスパイだったスパイMこと飯塚ミツノブを共産党の首魁にするというのだ(二に続く) 昭和初期のプロレタリア芸術論は、芸術、文学自体の価値や独自性を認めず、政治に奉仕し、従属すべし、というもの。思想、心理にとどまるのは不足で共産党という党の側に立たねばならない370 いっせい検挙で地下活動に入った共産党。最高幹部の渡政のアジトは人形町。地下中央事務局は蛎殻町210 本書出版当時日本共産党は、天皇制には反対するが、「天皇教には反対しない」としていた191 大井広介は共産党を「左翼天皇制」と名付けた47 各国の共産党は、それぞれの国の社会主義政党から分離して生まれた。しかし日本共産党は、その当時社会主義政党が無い状態で突然ロシアコミンテルンの指導の元誕生した。45
共産党の黎明期(1922年頃)から1933年の「リンチ事件」までの党と特高の動きを追いながら、共産党の本質をあぶり出そうという本。1975年頃に文藝春秋誌上に発表され、その後加筆を経て1983年に文庫化された。 リンチ事件からは80年、本の執筆からも30年以上のタイムラグがあるわけだけど、言葉(取...続きを読む材内容)が活きているというか、相当な大部であるにも関わらず面白く読んだ。 単純な感想を書くと、「共産党、グダグダだなァ」ということであった。 少なくとも当初は、労働運動とは名ばかりのインテリの言葉遊びであった、「暴力革命」を指向していた、ロシア(コミンテルン)からの豊富な資金が遊蕩や横領に消えたりした、上層部の命令は絶対であった(しかも上層部は「現場」を知らなかったりした)、スパイが横行し、裏切りと猜疑、挙げ句にリンチが繰り返された・・・。 そしてプロレタリア独裁という麗しい旗印とは裏腹に、スターリン的な個人崇拝の体制にならざるを得ないだろうとオレでさえ思う、極度な中央強権システムであった。 時代背景も含めて、このような高みからその弊害が見通せなかったのは仕方ないにしても、やや短絡的・閉塞的な思想とシステムそのものには無理があったのではないかと思う。 今、日本共産党は合法政党となり、武装闘争も放棄し、比較的穏健で庶民に耳触りのいい政策を口にしている。 さて、黎明期のDNAは完全に変わったのだろうか。万一権力を握ったりしたら、一皮剥けちゃうんじゃないんだろうか・・・30年以上のタイムラグをまたどこかで埋めないといけないけど、その辺りが読後の率直なところである。
最近は、「なんだか、共産党の言っている事が一番まともそうだな」なんてつい思ってしまう事も多いのですが、この歴史の長い政党は一体何なのか?という疑問に答える、一つの本だろうと思います。反共宣伝だという人もいれば、その逆の人もいるでしょう。そんなにこの党自体に興味はないので、これ以外(吉本隆明の日共同伴...続きを読む知識人批判は別として)の共産党に関する文献は読んでいませんが、これはともかく面白い本でした。
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日本共産党の研究
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