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万寿子さんの庭
年齢差を超えた友情を描く、感涙の物語。 「あなたがお隣に引っ越してきてから、わたしの人生はまた乙女時代に戻ったかのような活況を取り戻しました」 竹本京子、20歳。右目の斜視にコンプレックスを抱く彼女が、就職を機に引っ越した先で、変わり者のおばあさん、杉田万寿子(ますこ)に出逢った。 万寿子からさまざまないやがらせを受け、怒り心頭の京子。しかし、このおかしなやりとりを通じて、意外にも2人の間に、友情ともいうべき感情が流れ始めるのだった。 半世紀の年齢差を超えた友情が、互いの人生に影響を与えていく様を温かな筆致で描く感涙の物語。 -
裁判官 三淵嘉子の生涯
2024年ドラマ主人公のモデル「三淵嘉子」。 日本史上、女性で初めて法曹の世界に飛び込んだ 彼女の人生を綴った長編小説。 嘉子は、明治大学専門部女子部で学び、日本初の女性弁護士の一人となる。 世間からも注目をされていたが、戦争に突入する時代に弁護士となった嘉子は、 活躍の場を得られないまま終戦を迎える。 戦争で全てを失った彼女に残されたのは、かつて学んだ法律の知識だけだった。 多くの困難を乗り越え、念願の裁判官に就任した嘉子と彼女を慕う仲間たちは、 苦境から抜け出せない人々を救うために、政治の力だけでは解決できない 問題に向き合っていく。 -
災祥
第9回小説現代長編新人賞を受賞した新進気鋭の作家による、史実とファンタジーが織り交ざった切なくも美しい明代末期の物語。 舞台の中心は中国・北京の紫禁城。泰昌元年(1620年)、皇帝の息子である朱由検(しゅ・ゆうけん)はある日、何者かに井戸へ突き落とされ生死を彷徨う。目を覚ました時、そこには見たことがない一人の女性が立っていた。しかし、初めて見るその女性は、この世の者ではないという。朱由検は、彼にしか見えず、敵か味方かもわからない謎の美女・懐允(かいいん)に次第に惹かれてゆく。 時は経ち、皇帝・崇禎帝(すうていてい)となった朱由検は政務に行き詰まっていた。弩爾哈赤(ヌルハチ)率いる後金軍からの攻撃、臣下の裏切り、国内で蔓延する疫病など、手の打ちようが無い状態が続くが、いつも心の支えとなっていたのは、懐允の存在だった。 この手で触れ、温もりを感じることの出来る妃と、触れることは出来ないが唯一心を許すことのできる懐允の狭間で揺れる恋の葛藤。刻一刻と迫りくる明代絶滅の危機。 ──孤独な皇帝が最期に放った言葉は、ある女性への愛、そして民衆への愛だった。 -
ぼくは朝日
小学4年生の朝日は、父と10歳離れた姉・夕日の3人で暮らしている。母は朝日を産んだときに天国にとられてしまった。同級生の富樫くんや近所のカズ坊さん、町の人との交流によって少しずつ大人を理解していく朝日は、ある日、心を痛めた夕日の前で場違いな発言をし、事態が急変する――。 昭和の温もり溢れる家族の感動小説。 「解説文や書評や文芸賞の選考などなど、仕事で小説を読む時には、いつもペンを片手に持つ。気になったところ、面白かったところをチェックするためだ。 『ぼくは朝日』の文庫版ゲラもそうして読んでいたのだが、途中でペンを放り出した。素敵なフレーズ、面白ポイントにアンダーラインを引いていたら、どのページも線だらけになってしまったからだ」(荻原 弘 解説より) -
黒部の太陽
1千万人に及ぶ巨大な人間の集団が働いた黒部の谷底。そそり立つコンクリートの岩壁に積み重なった7年の歳月の重さ―。黒部ダムを含む黒部川第四発電所の建設プロジェクト(通称くろよん)は、戦後の経済復興の本格化に伴う電力不足を受け、昭和31年に着手、38年に完成した。高さは186メートルで国内一。昭和39年、毎日新聞に連載された同名の記録小説に、数十枚の加筆を行ったこの作品は、「黒四で苦労した大勢の人たちの、人間の記録を書きたい。この工事で殉職した171人の人々のために、紙碑を立てたい」という著者、木本正次の強い意志によって産み出された。当時の関西電力会長、太田垣士郎は「ぜひ、生きた、血の通った文学の碑を立ててください。殉職者に限らず、黒四で苦労した人たちのために、どうか人間の記録を残してください」と答えたという。三船敏郎、石原裕次郎主演、熊井啓監督の大作映画の原作小説。 -
和カフェこよみ 五月くんの夏のおもてなし
鮎めし、水無月、氷室まんじゅう…… 季節のお料理と和菓子と、素敵な器がある、 和める場所。 爽やかな夏のごはんと 優しい言葉が あなたをお待ちしております。 表の顔は美貌の人気モデル“ましろ”。 素顔は豆腐メンタルな陰キャ女子・しずこ。 そんな彼女の"推し″は 和カフェ「こよみ」の学生店主・五月くん。 もうすぐ五月くんの誕生日。 ところが仕事でパリへ撮影に行くことに。 現地で慌ててプレゼントを用意したり、 帰りの飛行機が遅延して、 しずこは推しの生誕祭に間に合うのか!? 季節のごはんと ポーランドの食器が彩る美味しい物語。 一話 菖蒲のお酒と、手のひらを鳴らして 二話 アユの塩焼きと水のない月 箸休め 五月くんのいとこのライくんは 三話 天の川のそうめんと地上のお星さま 四話 タコときゅうりのおむすびと、 透きとおる銀幕の向こう 五話 ひんやりハモの落としと、夏の水菓子 -
君は強いからと捨てられましたが 恋愛嫌いの令嬢が初恋に溺れるまで
「恋は人を愚かにする」と考える、リアリストな男爵令嬢・アンナ。王太后付きの優秀な女官として活躍していた彼女は、不誠実な婚約者に捨てられたことを機に、ある仕事を任される。それは、戦で長らく領地を空けていた王弟・レオナールの領地経営補佐だった。冷酷という噂とは裏腹に、気取らず柔らかな雰囲気の彼に、アンナは出会った瞬間強く惹かれ……? 初恋に翻弄される令嬢と王弟による、初々しい西洋ロマンス開幕! -
秀長暗殺
天正十九年一月、大和大納言たる豊臣秀長が自らの城で毒殺された。彼個人に対する恨みか、それとも豊臣政権に対する不満か。いずれにせよ、このまま放置すれば、大和大納言家、ひいては豊臣の世が揺らぎかねない。そこで、一刻も早く事件の首謀者を見つけるべく、秀長の股肱の臣、藤堂高虎が秘かに動くことになった。疑わしき者は四人。千利休、徳川家康、豊臣秀吉、そして石田三成。いずれも当代きっての権力者だ。高虎は愚直にも、正面からこの曲者たちに話を聞いていく。そうして彼らと対話をするうちに、高虎が知らなかった、豊臣政権の抱える闇が徐々に明らかになっていくのだが―― -
もぐら伝
「ねえ、リュカントロプル(狼男)って聞いたことある?」 楢山と紗由美の結婚を見届けた後に旅に出た竜星が、行方不明となっていた。 刑事研修で警視庁に出向中の真昌は、指導員となった益尾とともに、竜星の消息を追う。 一方、裏社会ではある噂が流れていた。 ワーキングホリデーを名目に売春を斡旋する違法会社が、次々と「狼男」によって壊滅に追い込まれているという。 その姿を見た者は、再起不能の重傷を負うか、精神に異常を来してしまう、と――。 竜星が行方をくらました目的とは? そして「狼男」の正体とは? 誰よりも強く、優しいスーパーヒーロー・竜星の活躍を描く 「もぐら新章」第二部、ここに開幕! -
恋と王冠
様々な問題を抱える小国、ヴァルイーダ国の新しい女王となったのは、たった16歳のいたいけな少女イザベルだった。 そんな彼女の摂政として、イザベルの従兄弟で元皇太子のリュシアンが王宮に呼び戻される。 3年前に不義の子と発覚し王位継承権を取り上げられたリュシアンは、女王を傀儡とし、いずれは王冠を奪い取る算段でイザベルを支配しようとする。 一方、イザベルは初恋の人で憧れのお兄さまでもあるリュシアンとの再会に歓喜していたが、彼の腹黒い一面を偶然知り、ショックを受ける。 怒りに震えるイザベルは、リュシアンに自分を侮ったことを後悔させ、心から忠誠を誓わせ支配すること、そして絶対に王冠は渡さないことを固く決意する。 そして持ち前の頭脳と女王としての才覚を遺憾なく発揮し、画策を巡らせ始める。 こうして、表向きは女王と摂政として友好的な関係を築きつつも、裏ではお互いを手中におさめるべく激しい頭脳戦と駆け引きを繰り広げる日々が始まった。 そんな中、数々の国を傀儡にし支配を広げている大国の女王の魔の手が、ヴァルイーダ国にも迫ろうとしていてーー。 -
私を見下さないで
恋愛依存体質でホストに入れあげている京香と、親の言いなりで現役医学部生の大介は幼馴染。ある日大介にお見合い話が持ち上がり、ダサ男な見た目の彼を改造しようと奮起する京香だが!? 表題作の『私を見下さないで』ほか、パフェ専門店の美人店長に一目惚れし、下心ありきでアルバイトを続けている大学生の浜松は、単発バイトの指導を頼まれる。店に現れたのは、彫りの深い顔に色気のある声を持つ優秀なアルバイターで・・・!?(『パフェとガチ恋』)剣道部の可児先輩に惹かれ入部したミル子だが、先輩はケガで半年休学することに。休学後、留年して同学年になった先輩は、なぜか古めかしい言葉でしか話さなくなっていた。彼は本当に先輩なのか疑うミル子は・・・?(『僕の目を見て』)など、コバルト短編小説新人賞・集英社ノベル大賞受賞の著者が様々な恋と愛の形を鮮やかに描く6編の短編集。 -
やるせない昼下がりのご褒美
あの人と過ごす「おやつ」の時間が、今日を乗り切る力をくれる。 妻子ある相手と夜をともにした伊豆の山奥のホテルで。忘れられない同級生と屋上前の踊り場で。さまざまな果樹が茂る瀬戸内海の島の庭で。もうすぐ卒業するメンバーと取り組む最後の仕事で。幼い息子との思い出のドーナツショップで。憧れの女性たちと出かけたいちご尽くしのピクニックで。心とおなかの空腹をあたたかく満たしてくれる珠玉の6篇! -
カーティス・オルブライトの策略 復讐は珈琲の香り
◆あらすじ 幼少期の事件によって家族を亡くしたロベルト。 軍警察官として生き急いでいたある日、謎の男・カーティスと出会う。 彼はマフィア組織〈リストレット〉の幹部で、警察が逮捕できない異能犯罪者を始末しているという。 異能者の存在に驚くロベルトは、手を組まないかと提案される。 彼曰くロベルトの家族を殺した異能者が生きているというのだ。 仇を討つため、ロベルトは仲間になることを決める。 だが、カーティスには何か思惑があるようで……? ◆人物紹介 ロベルト 元軍警察官。幼い頃に家族を亡くす。 カーティス マフィア組織〈リストレット〉の幹部。珈琲愛好家。 イヴ カーティスの従者。白髪に赤い瞳。主人の言うことしか聞かない。 アンナ カーティスの妹。明るく派手好き。 -
前世従者だった公爵さまに溺愛されています
孤高の女伯爵アメリア・ファタールは前世で非業の死を遂げた――。 転生した彼女は、公爵家のメイドとして働いていた。前世と違い、身分や権力とは無縁の生活。しかし唯一の誤算は……前世で忠実なる従者だったルイスが、今世では公爵家の若き当主として転生していたこと。しかも前世と同様……いや、なぜかそれ以上の執念をもって、重めの愛を向けてくることだった! 「たとえ立場が変わろうとも、俺は一生あなたの忠実な下僕です」 実はその熱量の裏には、目の前で最愛の主人を失ったルイスの後悔が隠されていて……。やがて彼がアメリアの不可解な死の謎を追っていることも明らかになり!? 前世と今世、時を超えた主従逆転ラブロマンス&ミステリー! ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 登場人物 アメリア 【前世】「社交界の黒薔薇」と謳われた女伯爵。非業の死を遂げるが、その原因は謎に包まれている。 【今世】エインネルグ公爵家の超有能メイド。ご主人様であるルイスが今も「あなたの下僕です」と迫ってくるのが悩み。 ルイス 【前世】女伯爵アメリア・ファタールの忠実なる執事。アメリアのことを何よりも大事に思っていた。 【今世】エインネルグ公爵家の若き当主。転生して立場が逆転したのをいいことに、ここぞとばかりにアメリアに愛を囁く。 -
没落令嬢フェリシアの婚約
没落した家の生計を支えるため、商会で絵師として働くフェリシア。彼女に舞い込んできたのは、終戦の証として隣国から送り込まれた厄介者・第五皇子のオリバーとの婚約話だった。初の顔合わせで、オリバーが幼いころに国境沿いの森でよく遊んでいた初恋の男の子だったと発覚。再会を喜ぶフェリシアだが、オリバーには「君だけは嫌だった」と言い放たれ――。失われた初恋ともう一度向き合う、切なくも甘い西洋ロマンス! -
先視の王女の謀
女神の神託…それは月の女神に愛された国フォルトゥーナの王族にのみ告げられる絶対的な女神の意思。 第二王女ディアナは、神託に従い隣国のウィクトル帝国に嫁ぐことになるが、結婚相手の皇帝イーサンは男爵令嬢フィリアを溺愛するあまり、国の政務を怠る愚帝だった。 自らが仮初の皇后であると知ったディアナは戸惑いつつも、神託の実行のために行動を開始する。 あらゆる手段で情報を集め、巧みな交渉術で国の中枢を担う公爵家を次々と味方につけることに成功し、自身の立場を着実に確立していくディアナ。 そんな中、ある日突然豹変した兄イーサンに疑念を抱く王弟ユージンがディアナに接触してくる。 二人は協力して動き出すが、やがて帝国を揺るがす巨大な陰謀に巻き込まれていく。 皇帝の乱心、禁止された呪具、影の国と呼ばれる第三の国…女神の意思はディアナを思いもよらぬ運命に導いていき――!? カクヨムコンテスト10〈ファンタジー恋愛部門〉特別賞受賞作! -
和カフェこよみ しずさんの春めく推しごはん
セリ、なずな、ゴギョウ、ハコベラ…… 唱えるたびに、 自分に力がわいてくる。 「ものがたり洋菓子店」シリーズで話題 心もお腹も満たされる日本のごはん。 季節のごはんと和菓子、あります。 「美貌の人気モデル“ましろ”──その正体は 引きこもり歴三回を誇る(?)隠キャで 人見知りな”しずこ”である。 不向きな仕事に疲れはて、 偶然入った「和処こよみ」で 迎えてくれたのは、 癒し系の学生店主・五月くん。 季節の食材を使ったあたたかな料理と甘味、 ポーランドの食器について、 やわらかに語る五月くんに会うため、 しずこはお店に通うように。 しずさんと五月くんの美味しい物語。 【目次】 第一話 七草がゆと梅の花びら 第二話 梅とおむすびと春を告げる鳥 第三話 柚子の香りのおうどんと、 ほろほろ崩れるやさしい雨 箸休め しずさんの推し活風景 第四話 菜の花ちらしと真珠を抱くあこや貝 第五話 桜の炊き込みごはんと満開の桜、桜、桜 -
柘榴石の花嫁
「柘榴姫」と帝都で名を轟かせた少女は、自らの血が柘榴石という美しい宝石になる異能を持っていた――。 柘榴姫である朱織は、両親に大金と引き換えに売られ、座敷牢で囚われの生活を送っていたが、ある日、異能者の犯罪集団「鞘の会」に誘拐される。しかし間一髪で朱織を救出したのは、警視庁異刑部の藤司那月だった。 彼のもとで保護されることになった朱織は、鞘の会逮捕のために、那月と偽装婚約することに――!? -
焔狼国の逆後宮 つがいの妃は空の玉座を守る
不死の呪いを持つ少女・麗娥(れいが)は、十八の時に故郷を敵国に焼かれるが、死ぬこともできず何十年も生きながらえている。 唯一の心の拠り所は、呪いを解いてくれるという「運命のつがい」の存在だけだった。 100年の時を生きた頃、遂に「運命のつがい」である楷翔(かいしょう)と出会う。 これで呪いが解けると喜ぶ麗娥だったが、期待とうらはらに楷翔は彼女を捕らえて王宮へ連れて行く。 どうやらこの国では長年まともな王が立たず、荒廃の一途をたどっていたのだが、占星術師が「不死の呪いを持つ少女が次の帝を指名すれば混乱は収まる」と予言したらしい。 王宮に着いた麗娥は、三人の皇子候補の中から帝を選べと迫られる。 当初は呪いを解くために楷翔を求める麗娥だったが、やがて国の惨状や皇子たちの事情を知り、国を救うために皇子たちの中から帝を選ぶか、自らのために王宮を逃げだして庶民である楷翔を選ぶか揺れ始める。一方で楷翔も徐々に麗娥に惹かれ、彼女の呪いを解く方法を独自に探し始めて……。 運命に翻弄される二人が選び取る、最善の道とは――。 -
深川ふるさと料理帖
「拙者、妹がおりまして」で人気沸騰の著者、新シリーズ開幕! 弱った時にはふるさとの味が一番。 お江戸の郷土料理小説、第一弾。 日ノ本各地の郷土料理を味わうことができる「ふるさと横丁」。 地方から江戸に出てきた人々が故郷の味を懐かしんで訪れる通りだ。 輪島出身のおなつは、ふるさと横丁にある「輪島屋」で働きながら許嫁である丹十郎の帰りを待っていた。 命懸けの任務が無事に終わるよう祈りながら作るのは、潮の香りが漂う卯の花ずしや茄子と素麺の煮物。 お腹も心も満たされる、ふるさとの味をめしあがれ。 第一話 いわしの卯の花ずし 第二話 えびすと金時草 第三話 なすと素麺の煮物 第四話 押しずし この作品は能登半島地震で被災した石川県を応援しています。 -
ジャレッド・エドワーズの殺害依頼
1968年9月、湖水地方にある町ブルー・ヒルの森において、40年以上も前に失踪したジャレッド・エドワーズの遺体が発見される。国内でも有数の資産家であるエドワーズ家でいったい何があったのか。醜聞と陰謀の気配に世間はざわつく。そんな中、一度も会ったことのない伯父の死に興味を抱いたマライアは、亡き父の古馴染みであるオーエンを巻き込み、謎めいた死の真相を探るべく、ブルー・ヒルへ向かう。それは、時を遡ること1923年。エドワーズ家の御曹司・ジャレッドと新米ページ・ボーイの出会いがすべての始まりだった――。果たして、ジャレッドの死に隠されていた真実とは? すべての真実が明かされた時、それぞれの胸に去来する想いとは――? -
皇宮軍人の花嫁女官
触れた相手を安らぎに導く不思議な手を持つ撫子は、どんな子どもも眠らせるという評判から子守りとして男爵家に勤めていた。けれど孤独な身の上で、幼い頃から愛されることを知らなかった。 ある時、勤め先の主人に迫られていたところを皇宮軍人・朝霧優雅に助けられる。撫子の力を知ることとなった優雅に、「厳しい教育で心を患ってしまった帝の御子――幼い東宮さまの心を癒やしてほしい」と頼まれ、撫子は彼と契約婚を交わして女官として宮廷に上がることに。 新参者への風当たりは強いものだったが、宮中の文化に戸惑いながらも、ひたむきに仕事に励む撫子。その行動が、閉鎖的だった東宮御所にやがて新風をもたらしていく。 当初は東宮のための任務と割り切り、「妻としての役割は求めない」と言っていた優雅も、徐々に撫子に惹かれていって――。 愛を知らない少女と不器用な軍人の、帝都宮廷ロマンス! -
芙蓉城の検屍官
【不審死の謎を解き明かす、中華検屍バディ・ミステリー!】 齢二十で難関試験である科挙を突破した李黎明は検屍官として芙蓉城と呼ばれる都・成都に赴任した。使命に燃える黎明だが、指導係の隆起には明らかに歓迎されていなかった。 ある日、富豪の商人が不審死を遂げた。全身の穴から血が噴き出た異様な死体に、隆起はとくに調べもせず呪詛だと判断する。しかし、納得のできない黎明は、一人で捜査を開始することに――!? -
夕闇通り商店街
神社の境内の先に、突然見えてくるのは「夕闇商店街」。 そこは幽世と現世の境目にある、あやかしたちが営む商店街。現世との境界があいまいになったときに、心が不安定な人間が導かれたように訪れるのだという。 眉目秀麗な店主がいとなむ『コハク妖菓子店』には、いっぷう変わった名前のお菓子が並び、迷い込んだ人間たちはついお菓子を手にしてしまうのだが―― -
平安後宮の鬼食い姫 黒弾正と内裏の鬼
平安時代、貧乏貴族の娘である明乃(あけの)は、ある日突然、父から「鬼になってくれ」と頼まれる。 鬼とは、宮中で高貴な人々の食事を前もって毒見するお役目である〈鬼食い〉のこと。 父の懇願と、美味しいものが食べられるという誘惑につられ承諾した明乃は、女房として内裏に出仕することに。 そして明乃には、幼い頃にお日さまの実――橘の実をくれた光の君こと晴久(はるひさ)親王に再会し、お礼を伝えたいという密かな願いがあった。 だがいざやってきた宮中では不穏な事件が続発しており、文武に秀で、怜悧だが厳格な黒ずくめの青年・黒弾正こと源蘇芳(みなもとのすおう)が内裏の「鬼」の正体を追っていた。 明乃は、貧しいがゆえに逆に研ぎ澄まされた味覚と食の知識を活かし、彼と共に事件の真相を解き明かしていくことに……!? 第10回 角川文庫キャラクター小説大賞 〈優秀賞〉&〈読者賞〉W受賞作! -
術式結晶は闇に歌う 帝都術式捜査録
大正の世、日本で発達した『煌花術式』という魔法は、もはや人々の生活にとけこむ技術となっていた。国が発展する一方、術式にまつわる犯罪や格差も増加する。それらによる歪みを追いかけているのが、警視庁術式捜査三課である――。三課に勤める警察官の篠原勇人は、『術者連続失踪事件』を追うなか、不可解な術式の痕跡を発見する。その先にいたのは、犯人らしき怪しげな人物と、見たこともない高度な術式を使う女性――鷹見瑠璃子だった。「犯人をおびき出した」という彼女はいったい・・・!? ふたりの出逢いが、事件を大きく動かしていく。果たしてたどり着く真実とは!? 大正×警察×異能ロマンタジー!! -
鋼の声が僕を呼ぶ
「誰だって痛みを抱えて生きている。」 孤独な男子高校生のコテツは、島根の刀鍛冶に引き取られて暮らすことに―。 人生に立ちすくんだ少年が一歩を踏み出す、再生の物語。 青春小説の旗手が贈る、感動の傑作! 天涯孤独となった彼は、島根に住む遠縁の剱田かがりという老婦に引き取られることに。 かがりは、現代日本において唯一と言われる女性の刀鍛冶で、寡黙だが瞳に燃え盛る炎を持つ刀匠だった。 自暴自棄になり言われるまま島根にやってきたコテツだが、転校初日、己の火傷を見るクラスメイトの視線に耐えられず、学校へいけなくなる。 部屋にひきこもるコテツに、かがりは「学校へはいかなくてもいいが、そのかわり仕事を手伝え」と言う。 かがりの弟子であるコウやカンナに教わりながら手伝いをするうちに、徐々に作刀に興味を持ち始めるコテツ。 現代日本において、刀をつくる意味とはなにか? かがりや兄弟子たちと関わり、悩みながらも、鉄を打ち、その熱に溶かされ、コテツは自らの心の形も変えていく――。
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