作品一覧

  • 骨の子供

    骨の子供

    小説・文芸

    3.9
    1巻814円 (税込)
    小学5年生の佳夏は、一家で引っ越した地方都市で蛇に似た固有種“イビ”をじょっきんと切って軒先に吊るすという奇妙な風習に出会い面食らう。ある日の夜中、おぞましい化け物(イビラ)の声を聞き恐怖した佳夏は、「自分か妹の陽菜、どちらかを選べ」と迫られ、恐怖のあまり妹を差し出してしまう。翌朝、陽菜は姿を消し、再発見されたときにはその頬にイビラの顔が浮かび上がり、異常な食欲と奇行を見せ始める。果たして彼女たちは化け物に打ち克つことができるのか。田舎町に古くから伝わる習わしに翻弄される少年少女たちを描く恐怖の長編小説。
  • じょかい
    値引きあり

    じょかい

    小説・文芸

    3.5
    1巻1,270円 (税込)
    男はリビングでくつろいでいる。キッチンでは妻が夕食の支度をしている。幼い息子は冬でもないのにマスクをつけて、テレビ番組を見ている。男はキッチンへビールを取りに行く。妻の作っている料理に「美味しそうだね」と声をかけ「息子は風邪でもひいたのか?」と聞く。そしてふと気づく。自分たち夫婦に息子なんていただろうか? そして妻を見て驚愕する。誰だ、この女は? 日常が奇妙に歪む、戦慄のノンストップホラー!
  • ぞぞのむこ
    値引きあり

    ぞぞのむこ

    小説・文芸

    3.8
    1巻585円 (税込)
    部下の矢崎と莫市に入り込んでしまった翌日から、島本には次々と幸運が舞い込んできた。そんなある日、家に帰ると自宅の前に元カノののぞみが座り込んでいて――(「ぞぞのむこ」)。奇妙な町・莫市に関わってしまった人々が、ふとしたことから怪異と不条理に飲み込まれる。第10回小説宝石新人賞受賞作を含む、奇想あふれるホラー短編集!!

ユーザーレビュー

  • 骨の子供

    Posted by ブクログ

    虹田町は蛇に似た固有種「イビ」を軒先に吊るしたりという奇妙な風習がある町。そこに越してきた小学五年生の佳夏は、山で子供の骨を発見してしまう。そして彼女のもとに訪れたなにものかは、妹の陽菜に取り憑いた。徐々に変貌していく妹、しかしそれに気づかない大人たち。じわじわと恐怖が高まっていくホラーです。
    子供たちが主役のジュブナイルだけれど、恐怖感は圧巻。得体の知れない「イビ」も、町に秘められたおぞましい過去も、妹を徐々に乗っ取っていく異形の存在も気持ち悪くて恐ろしいですが。一番恐ろしいのはやはり、佳夏が追い込まれていく境遇です。「しんじない、だれもしんじない」の繰り返しで、読む方の精神状態もどんどん追い込まれていきます。こういうのを子供の頃に読むとトラウマになりそうだなあ。
    佳夏に味方してくれる存在もあって戦いに挑むことになる終盤はわくわくとはらはらどきどきの連続。だけどこれはハッピーエンドになるのかバッドエンドになるのか、ぎりぎりまで予測ができませんでした。ああもう心臓に悪い。

    0
    2026年04月09日
  • じょかい

    Posted by ブクログ

    日常がじわじわ崩れる不気味さと、黒いマスクの女や肉感的な『じょかい』が迫る恐怖が強烈。液体を貪る音、肥満化する男…生理的嫌悪感MAXで背筋凍る。終盤のゾッとする真相も最高でした

    0
    2025年03月15日
  • ぞぞのむこ

    Posted by ブクログ

    不条理なんてものじゃない、まさに’奇’としか言い表せない怪奇小説。

    素手で神経を引っ張られるかのような読み心地。

    本作に登場する「漠市」という街は幻だとか人里離れた山奥だとかではなく普通に電車で行けて一応普通に人々も暮らしている街。
    だからなのか、全くもって理解し難く得体の知れない怪異が巻き起こるにも関わらずどことなく既視感や身近さすら感じる街。

    正直、この本を読み始めてからずっと頭が痛い。
    家に持ち帰ってはいけなかったのかも。

    どうでもいいがサブタイトルが『ギャグマンガ日和』のブルルさんみたいでちょっと笑ってしまう。


    〈ぞぞのむこ〉 すべてのはじまり。呆気に取られているうちにあれよと島本さんはドツボにハマっていく。妙に官能的。

    〈じょっぷに〉 暴力性と加虐性に溢れた一作。個人的にはあまり好きではなく、「じょぷじょぷ」という擬音にもそこまで惹かれず。なんだけど、p81の文具店に入った瞬間の空気の切り替わりだとかp104「ハサミ」の怖さはえげつない。

    〈だあめんかべる〉 タイトル的には一番わかりやすくリアル。老人ホーム職員の描写がじつに真に迫っている。本作中で最も力を吸い取られた結末。呆然。

    〈くれのに〉 確かに解説の「民話的」(p349)という表現がピッタシ。因果応報、的な。

    〈ざむざのいえ〉 いやー気持ち悪い。けど『かまいたちの夜2』で似たような話を読んだ事あるな…。

    〈ナメルギー反応〉 短編に不可思議とグロテスクがギュッと濃縮された話。悲惨なんだけど唐突さにちょっと面食らうかも。


    色々思う事はありつつも夢中になってしまった。
    もの凄く印象に残る一冊。


    1刷
    2021.12.24

    0
    2021年12月24日
  • じょかい

    Posted by ブクログ

    私はきっと、人間の力では決して抗えないことを叩きつけられるような、暴力的な恐怖(怪異)を定期的に摂取しなければいけないという病気持ちなんだと思う。(我ながら生粋のドMだな…)
    発作的に飛び込んだ書店にて購入。
    表紙イラストの目を引く不気味さと、分かりやすく尚且つその意味を知りたくなるタイトルに惹かれた。
    その判断、正解。

    読み進めていくにしたがって、"不気味さ"が情報という肉を纏い、脚がが竦み身の毛がよだつほどの"怪異"へと変貌する。

    フーダニットとホワイダニットの混合ホラー。
    かのじょは"誰だ"?
    かのじょは"何"だ?

    知らないことを恐れるのは人間の本能である。
    知ったうえで忌避するのは畏れであり、古来より人はそれを神として祀り、閉じ込めてきた。
    本作を読んで去来した感情はまさに、畏怖。

    しかし同時に井上宮さんの天才的発想に心から感動した。
    全ての伏線を見事に繋げ、生み出された新解釈。
    疑問符に提示された答えは私にとってもはや水源。
    その理論でいくと神話や怪談に幾重にも考察の余地が生まれるじゃないですか。
    井上宮さん天才か?たーのしー!
    新説での考察語りとか切実にしたい…!

    本作を生物ホラーと分類するなら、安生正さんの【レッドリスト】、超常的怪異と分類するなら、澤村伊智さんの【ぼぎわん(小説版)】がそれぞれ近いので、おかわりを求める人には是非一読をオススメしたい。

    0
    2021年03月16日
  • ぞぞのむこ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    呪われた街・漠市に関連する呪いの事件短編集。
    「ぞぞのむこ」:謎の女が家の前に居て介助して家に泊めた次の日から公私とも絶好調になる島本。しかし前日後輩社員の矢崎と漠市を訪れており、奇妙な女の子に触れていた。家に入れたのはぞぞで島本が追い出すと公私が絶不調になり島本も崩壊。家がぞぞだらけになる描写が気持ち悪。
    「じょっぷに」:万引き癖のある蕗子が漠市の文房具屋でハサミを万引き、それを目撃した大学の同級生矢崎に返した方がいいと言われたが逃げてしまう。捨てても戻ってくるハサミ。じょっぷにじょっぷにという効果音と共に友達や親を切り刻む蕗子。ぎゃーー
    「だあめんかべる」:会社を退職し老人ホームに勤める田村は金髪でギャル風メイクの彩野と対立している。彩野はスーパー介護士として暴れる老人たちを手懐けている。その真相を知りたい田村は謎の緑の玉を彩野が使っていることに気づく。緑の玉トーロプとは…謎のトーロプが老人たちを癒し、欲望で変身した時の気持ち悪さ。うげーうげー
    「ざむざのいえ」:かえしてかえしてかえしてと貴子の娘の亜美が言う。とにかく気持ち悪いし虫虫虫虫虫虫虫虫虫虫虫虫。描写が気持ち悪すぎ。

    0
    2026年03月31日

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