井上宮のレビュー一覧

  • ぞぞのむこ
    不条理なんてものじゃない、まさに’奇’としか言い表せない怪奇小説。

    素手で神経を引っ張られるかのような読み心地。

    本作に登場する「漠市」という街は幻だとか人里離れた山奥だとかではなく普通に電車で行けて一応普通に人々も暮らしている街。
    だからなのか、全くもって理解し難く得体の知れない怪異が巻き起こ...続きを読む
  • じょかい
    私はきっと、人間の力では決して抗えないことを叩きつけられるような、暴力的な恐怖(怪異)を定期的に摂取しなければいけないという病気持ちなんだと思う。(我ながら生粋のドMだな…)
    発作的に飛び込んだ書店にて購入。
    表紙イラストの目を引く不気味さと、分かりやすく尚且つその意味を知りたくなるタイトルに惹かれ...続きを読む
  • ぞぞのむこ
    ぞぞのむこ / #井上宮
    6編からなる「漠市」を巡る奇妙な短編集。
    大変面白かった。
    まずそれぞれのタイトルのセンスが良い。
    「じょっぷに」「ざむざのいえ」等、不安を煽るのにとても好奇心を掻き立てられる。
    これはぜひ本編を読んで意味を確かめて欲しい。
    ホラー好きに堂々お勧めできる一冊!
  • ぞぞのむこ
    コワいの読みたくなって、検索して探したやつ。

    デビュー作。
    めちゃめちゃコワいわけじゃないけど、なかなか読ませる。
    面白かった!

    漠市に近づいちゃいけないねー!
    いろいろヤバい、漠市をめぐる連続短編集。

    井上宮って、男性かと思ったら、主婦だって。スゴイね!!
  • ぞぞのむこ
     単行本として2018年に刊行されたホラー短編集。2016年の表題作で「小説宝石新人賞」を受賞したデビュー作品集らしい。
     この文庫を近所の書店で見て、「五感に刺さりまくる不条理ホラー!」と書かれた帯に惹かれて何となく買った。ホラーが不条理だというのは、良いことである。しかし買ったものの、「新人」の...続きを読む
  • ぞぞのむこ
    痛い痛い、気味悪い、でもクセになるホラー短編集。
    忌み恐れられている漠市に関わってしまったばかりに、とんでもなく不条理な事態に陥ってしまった普通の人々の絶叫体験。
    ぞぞ、アタサワ、トーロプ…漠市が秘める不可思議なワードや漠市という怪しげな世界の構築についもっと知りたいという欲がムクムク。危ない危ない...続きを読む
  • ぞぞのむこ
    トラウマ級の不条理ホラー。脳が嫌だなって感じる部分をぎゅいぎゅい押してくる感じがすごい。ストーリーは無茶苦茶なんだけど、とにかく嫌さがすごい。伊藤潤二の漫画を下品(というと語弊があるが)にした感じというか。
    一切の非がない子供が犠牲になる「ざむざのいえ」が一番キツイ。
    一気に読むと吐き気がします。一...続きを読む
  • ぞぞのむこ
    禍々しくも不可思議な、奇妙な町・漠市。
    部下の矢崎と漠市に入り込んでしまった翌日から、島本には次々と幸運が舞い込んできた。そんなある日、会社から帰宅すると自宅の前に元カノが座り込んでいて……。(表題作)
    漠市に関わってしまった人々に起こる不条理ホラー短編集。


    周辺住人から忌避される奇妙な町・漠市...続きを読む
  • じょかい
    うぐぐ、気持ち悪い、気持ち悪い、気持ちが悪い。

    女の怪物・じょかいと高音・低音を使い分ける二重人格の少年・祥太。
    平凡な日常を送っていた男達が、じょかいと祥太に関わる事で変貌を遂げて行く。

    豊満な胸を持つじょかい、その胸の先端にある穴から溢れ出す得体の知れない流動食を貪り食いつくし肥満化して行く...続きを読む
  • じょかい
    本当に嫌な気分になるけど
    ハッピーエンドと思えば救われるいい話かも。
    ただ時代背景に無理がある、
    コロナ前なら景気はいいし、33才なら再就職できる。バイトもオリンピック前なら土木の求人いっぱいあった。飲食もバイト経由で正社員もある
    どっちかと言うと氷河期かな。嫌な時代だった。
    やっぱりこの話はハッピ...続きを読む
  • じょかい
    『口裂け女にご用心:あなたの身近に既にいるかも』

    表紙を見て、怪談っぽいホラーを想像していたが、怪談にグロテスクな描写を追加したような、食事前後には読みたくない本だった。次回はないかな・・・
  • じょかい
    前作「ぞぞのむこ」で謎の都市・漠市を通じて強烈な擬音を印象に残してくれた著者。今回は目に見えるような悍ましい食事風景をいきなり投下してくれます。徐々にあきらかになる題名の意味と生態はキモチワルイという表現しか思いつきません。前作と系統は似ていましたが、ずっと似たような怪異とキモチワルサが繰り返される...続きを読む