井上宮のレビュー一覧

  • じょかい

    Posted by ブクログ

    日常がじわじわ崩れる不気味さと、黒いマスクの女や肉感的な『じょかい』が迫る恐怖が強烈。液体を貪る音、肥満化する男…生理的嫌悪感MAXで背筋凍る。終盤のゾッとする真相も最高でした

    0
    2025年03月15日
  • ぞぞのむこ

    Posted by ブクログ

    不条理なんてものじゃない、まさに’奇’としか言い表せない怪奇小説。

    素手で神経を引っ張られるかのような読み心地。

    本作に登場する「漠市」という街は幻だとか人里離れた山奥だとかではなく普通に電車で行けて一応普通に人々も暮らしている街。
    だからなのか、全くもって理解し難く得体の知れない怪異が巻き起こるにも関わらずどことなく既視感や身近さすら感じる街。

    正直、この本を読み始めてからずっと頭が痛い。
    家に持ち帰ってはいけなかったのかも。

    どうでもいいがサブタイトルが『ギャグマンガ日和』のブルルさんみたいでちょっと笑ってしまう。


    〈ぞぞのむこ〉 すべてのはじまり。呆気に取られているうちにあれ

    0
    2021年12月24日
  • じょかい

    Posted by ブクログ

    私はきっと、人間の力では決して抗えないことを叩きつけられるような、暴力的な恐怖(怪異)を定期的に摂取しなければいけないという病気持ちなんだと思う。(我ながら生粋のドMだな…)
    発作的に飛び込んだ書店にて購入。
    表紙イラストの目を引く不気味さと、分かりやすく尚且つその意味を知りたくなるタイトルに惹かれた。
    その判断、正解。

    読み進めていくにしたがって、"不気味さ"が情報という肉を纏い、脚がが竦み身の毛がよだつほどの"怪異"へと変貌する。

    フーダニットとホワイダニットの混合ホラー。
    かのじょは"誰だ"?
    かのじょは"何&qu

    0
    2021年03月16日
  • 骨の子供

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     郊外の町、虹田町(こうでんちょう)には蛇に似た固有種イビを乾燥させて軒先に吊るし、厄除けにする奇妙な習俗があった。家族で転居してきた小5の佳夏がある禁忌に触れたことで幼い妹の陽菜にイビの化物イビラが憑依してしまう。妹の顔に現れたイビラの醜悪な貌は佳夏以外の大人には見えず、陽菜の異常な食欲や奇妙な行動も理解してもらえない。誤解や噂話から学校でもいじめの標的となる佳夏だが、不登校気味の同級生理來と1つ年上の美少女エリィという味方を得て、妹を助けようと奔走する。イビラの本体とは、佳夏に聞こえる陽菜や無数の子供たちの声の意味とは、そして年に一度のイビおくり祭りの意図とは……。

     物語は佳夏をはじめ

    0
    2025年11月10日
  • 骨の子供

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ある田舎町の固有種“イビ”、イビに纏わる古くからの習わし、イビの化け物と噂されるイビラ…この作品も井上さんの構築するオリジナリティーホラーワールドにどっぷりハマる。
    小学生が主人公ながら、因習以外にもいじめや子どもから見た大人の身勝手さといった怖い現実が盛り込まれ、読めば読むほどゾクゾクする感覚に襲われっぱなしだった。
    信じられるのは血縁より他人との絆、が裏テーマか。時代や状況次第で自分も我が子を裏切る親になる可能性があるのがとても怖い。
    ラストは悲しくもあるのだが、同時に穏やかで爽やかな温かさに心が満ちる。

    0
    2025年11月03日
  • ぞぞのむこ

    Posted by ブクログ

    ■「ぞぞのむこ」

    部下の矢崎とともに偶然漠市に迷い込んだ会社員・島本。翌日から幸運が続き、元カノののぞみが突然現れる。しかし彼女は無表情で言葉もなく、異様な静けさを帯びて…。「漠市」の呪縛に巻き込まれていく恐怖作。 

    ■「じょっぷに」

    漠市の文具店でハサミを万引きしようとした女子大生。罪悪感を抱いたまま帰宅すると、なぜか異様な切断音が脳内に響き続け、「返せない」ハサミに取り憑かれてしまう。繊細な狂気と理不尽な怪異が交錯する一篇。 

    ■「だあめんかべる」

    介護施設に勤める男性が、漠市出身の同僚が行う奇怪な介護法を不審に思い調査を始める。そこで知った、漠市流・老人ケアの禁断の手法とは

    0
    2025年07月19日
  • ぞぞのむこ

    Posted by ブクログ

    ぞぞのむこ / #井上宮
    6編からなる「漠市」を巡る奇妙な短編集。
    大変面白かった。
    まずそれぞれのタイトルのセンスが良い。
    「じょっぷに」「ざむざのいえ」等、不安を煽るのにとても好奇心を掻き立てられる。
    これはぜひ本編を読んで意味を確かめて欲しい。
    ホラー好きに堂々お勧めできる一冊!

    0
    2022年10月03日
  • ぞぞのむこ

    Posted by ブクログ

    コワいの読みたくなって、検索して探したやつ。

    デビュー作。
    めちゃめちゃコワいわけじゃないけど、なかなか読ませる。
    面白かった!

    漠市に近づいちゃいけないねー!
    いろいろヤバい、漠市をめぐる連続短編集。

    井上宮って、男性かと思ったら、主婦だって。スゴイね!!

    0
    2021年08月27日
  • ぞぞのむこ

    Posted by ブクログ

     単行本として2018年に刊行されたホラー短編集。2016年の表題作で「小説宝石新人賞」を受賞したデビュー作品集らしい。
     この文庫を近所の書店で見て、「五感に刺さりまくる不条理ホラー!」と書かれた帯に惹かれて何となく買った。ホラーが不条理だというのは、良いことである。しかし買ったものの、「新人」の作品らしいし、どうせたいしたことないだろうなあ、と思い直して読むのを後回しにしていたのだが、読んでみたら、意外と「掘り出し物」だった。
     文体は良くはないが、まあ、不可ではない。まれに、異なるテクスチュアを混合したようなテクニカルな書き方をしている箇所があったが、これはわかりにくくて良くなかった。

    0
    2021年08月09日
  • ぞぞのむこ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    痛い痛い、気味悪い、でもクセになるホラー短編集。
    忌み恐れられている漠市に関わってしまったばかりに、とんでもなく不条理な事態に陥ってしまった普通の人々の絶叫体験。
    ぞぞ、アタサワ、トーロプ…漠市が秘める不可思議なワードや漠市という怪しげな世界の構築についもっと知りたいという欲がムクムク。危ない危ないw
    どの話も強烈にパンチを食らったようなインパクトだが、「だあめんかべる」と「ざむざのいえ」はその形容し難いこれ以上ない程のおぞましさに絶句、そして喝采。
    漠市のナビゲーターとも言える矢崎くんの消息が知りたい。

    5歳の息子が工作でハサミを使ってる時に思わず「じょっぷにじょっぷに」と呟いたら、息子も

    0
    2021年04月11日
  • ぞぞのむこ

    Posted by ブクログ

    トラウマ級の不条理ホラー。脳が嫌だなって感じる部分をぎゅいぎゅい押してくる感じがすごい。ストーリーは無茶苦茶なんだけど、とにかく嫌さがすごい。伊藤潤二の漫画を下品(というと語弊があるが)にした感じというか。
    一切の非がない子供が犠牲になる「ざむざのいえ」が一番キツイ。
    一気に読むと吐き気がします。一話ずつどうぞ。

    0
    2020年09月12日
  • ぞぞのむこ

    Posted by ブクログ

    本作は「ぞぞのむこ」「じょっぷに」「だあめんかべる」「くれのに」「ざむざのいえ」「ナメルギー反応」の六編からなる短編集。
    表題作「ぞぞのむこ」で第10回小説宝石新人賞を受賞。
    タイトルを見ただけでは何のことやらさっぱりですが、本作を読めばなるほどと。そこからのネーミングなのねと分かります。
    どのエピソードも呪われた町「漠市」が絡んだ不条理ホラー。力技の作品なので深く考えながら読むのはNGです。

    0
    2025年01月14日
  • じょかい

    Posted by ブクログ

    人の話を聞け!
    登場人物全員に対して思った一言。
    主人公の苦労は今の世の中によくあり共感しそうになるけれど、なんでそうするという行動が多くてもやもや。最後の展開が長々してた。

    0
    2024年12月30日
  • ぞぞのむこ

    Posted by ブクログ

    辻褄の合わないてんが所々あったが、漠市に関わるホラーの、気持ち悪さは伝わってきた。いつも近くにいる傍観者、矢崎はいったい何者?

    0
    2024年12月24日
  • じょかい

    Posted by ブクログ

    じょかい本体の描写がとても気持ち悪い。
    庭がゴミだらけになってたら近所から苦情とか来ないのか?もしかしたら文句を言って来た人も食っちゃった?
    知奈美にあんな逃げ方をさせるために2人の手首を紐で結んだのなら、作者底意地が悪すぎる。主人公もアホだと思うけど。

    0
    2024年11月25日
  • ぞぞのむこ

    Posted by ブクログ

    禍々しくも不可思議な、奇妙な町・漠市。
    部下の矢崎と漠市に入り込んでしまった翌日から、島本には次々と幸運が舞い込んできた。そんなある日、会社から帰宅すると自宅の前に元カノが座り込んでいて……。(表題作)
    漠市に関わってしまった人々に起こる不条理ホラー短編集。


    周辺住人から忌避される奇妙な町・漠市。漠市の怪異にまつわるホラー短編集です。不条理ホラーと銘打っているだけあって、大半の人がさしたる理由も過失もなく怪異の世界にのみこまれていくのが恐ろしい。
    ふとしたきっかけで漠市と関わってしまう→忠告を受けるがきかない、改善できない→破滅、というような、ある程度のパターンはありますが、グロテスクな話

    0
    2023年12月14日
  • じょかい

    Posted by ブクログ

    うぐぐ、気持ち悪い、気持ち悪い、気持ちが悪い。

    女の怪物・じょかいと高音・低音を使い分ける二重人格の少年・祥太。
    平凡な日常を送っていた男達が、じょかいと祥太に関わる事で変貌を遂げて行く。

    豊満な胸を持つじょかい、その胸の先端にある穴から溢れ出す得体の知れない流動食を貪り食いつくし肥満化して行く男達。
    心理的ホラーではないので背筋が寒くなる感じはないが、ただひたすら気持ちが悪い。

    日常のシーンが合間に描かれる事で地続きの恐怖を感じる。

    じょかいの目的が明かされる結末にぞぞっ。
    脳内でまだミミズが蠢いている。

    ウケケケケ。

    0
    2023年02月16日
  • じょかい

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    本当に嫌な気分になるけど
    ハッピーエンドと思えば救われるいい話かも。
    ただ時代背景に無理がある、
    コロナ前なら景気はいいし、33才なら再就職できる。バイトもオリンピック前なら土木の求人いっぱいあった。飲食もバイト経由で正社員もある
    どっちかと言うと氷河期かな。嫌な時代だった。
    やっぱりこの話はハッピーエンド。

    0
    2022年08月29日
  • じょかい

    Posted by ブクログ

    『口裂け女にご用心:あなたの身近に既にいるかも』

    表紙を見て、怪談っぽいホラーを想像していたが、怪談にグロテスクな描写を追加したような、食事前後には読みたくない本だった。次回はないかな・・・

    0
    2021年06月24日
  • じょかい

    Posted by ブクログ

    前作「ぞぞのむこ」で謎の都市・漠市を通じて強烈な擬音を印象に残してくれた著者。今回は目に見えるような悍ましい食事風景をいきなり投下してくれます。徐々にあきらかになる題名の意味と生態はキモチワルイという表現しか思いつきません。前作と系統は似ていましたが、ずっと似たような怪異とキモチワルサが繰り返されるのでちょっと冗長に感じてしまいました。全体をスリムに短編にするか、連作短編のように主人公を変えて長い年月で表現されたらもっと好みだったかも。それにしても黒いマスク…今後は見かけたらかなり気になるかもしれません。

    0
    2021年05月24日