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太平洋上の島に招待されてホラー作家はその双子と会った。皆既日食を見た後、弟のほうが言う。「ぼくらが世界を変えてやるよ」(「絆」)。きみは誰かの獲物になる――奇妙な男にかつて予言された女性からの連絡が絶えた。顔のわからない篤志家は敵だったのか(「瞬きよりも速く」)。圧倒的な想像力で未来の夢を描く傑作!
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Posted by ブクログ
短編5作。 すぐそこにあるような未来のかたち。 難解な部分も多いけれど、そこには温かみがあり、希望がある。 それがこんなにもうれしいとは。 わたしたちはどこまでゆけるだろう。
瀬名秀明さんの作品を読むのは、日本SF作家クラブ会長就任前に書かれた短編集『希望』以来である。本作『月と太陽』は、日本SF作家クラブ会長辞任・退会後に刊行された。その間に何があったのか。現在では公式サイトも消滅している。 『希望』は哲学的問いかけの連続で、僕にとっては難しい作品集だったし、瀬名...続きを読む作品から遠ざかるきっかけになった。久々に読んでみる気になったのは、本作の文庫版を見かけたからである。今回も戸惑うであろうことは、覚悟の上。 「ホリデイズ」。瀬名さんが飛行機の操縦免許を取得したことは知っていた。作中の作家とは、ご自身がモデルだろう。もっと飛びたいけどお金がないとか、あまりに生々しいし、痛々しいではないか。作家としてヒットに恵まれているとは言い難いだけに…。 一押しは「真夜中の通過」。瀬名さんとは母校が同じなので、キャンパス描写が懐かしい。JAXAによる「はやぶさ」のミッションを彷彿とさせる、人工衛星を巡る物語。それは一筋の光明だった。物語だった。こういう熱気を、僕はとっくに忘れている。 ここからやや難解になる。「未来からの声」。タイトル通りのタイムトラベルネタだが、声だけが未来から届いたらしいという設定。本編には、東日本大震災と思われる記述があちこちに出てくるが、それ以前の過去にメッセージを送れるものなら送りたい。 最も長く、最も難解な「絆」。前作『希望』の流れを汲んでいると思われるが、これが瀬名さんが考えるSFの形なのだろうか。結合して生まれた双子にとって、分離することは幸せと言えるのか? 哲学的な上に時代が大きく前後して、まったくついて行けなかったのが正直なところ。日食に関する話だけは興味深かった。 最後の「瞬きよりも速く」は、未来への警鐘と受け取ることもできる。ここに描かれたのは、管理社会のなれの果てか。これに近い研究が密かに行われていても、おかしくはない。後半3編中、リアリティという点では最も訴える1編だろう。 評価されないことへの苦悩をしばしば吐露してきた、作家・瀬名秀明。どうか執筆活動は続けてほしい。僕が作品を受け入れられるかは別として…。
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