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Posted by ブクログ
すごい。
ドキュメンタリーがあれば小説は不要なんじゃないか。そう思うことがしばしばあった。イジメを題材にした書籍はまさにそうで、取材した事実に個人の想像がかなうわけがないと思っていた。
しかし本書でその思い込みは打ち破られた。閉じられた王国での王族たちの無邪気なゲームに付き合わされる庶民たち。そんな構図を思い出し、不快な気分が蘇る。いじられる登場人物の内面描写の精度が高く、ほんとうに不快だ。この不快さはドキュメンタリーでは感じることがない。
これが仮想体験なのか。。
不快だが、同じ気持ちで子供時代を過ごした仲間がいるのだと知れて救われた気持ちになる。
小説って、こういうものなのだなと。
外形的な事実ではなく、同じ気持ちの人間がいたのだと伝える媒体が小説なのだと。
Posted by ブクログ
朝比奈あすかさん、3冊目。
胸にぐーっと来てぽろぽろ涙が出ました。
自分自身の小学校時代を思い出し、こんなこともあったようななかったような…
4人組女子やその周囲の女子たちのパワーバランスにヒリヒリ。
また小学生の母目線で見ると、子どもたち、みんなそれぞれ選ぶことのできない与えられた環境下で、全員が毎日すごく頑張っているということを再認識しました。
自分の子どもだけでなく近所の子どもたちが困っていたら、(鬱陶しがられても)気付いて声を掛けられる人間でありたいと改めて襟を正してくれるような作品でした。
小学生の親のみなさん、是非読んでみてください。
Posted by ブクログ
小学校6年生の世界
きっと誰もが、尾辻、川島、武市、見村、宝田を知っている。ページをめくるたびに思い出される、心に影が差すような経験があるはずだ。
それほどに小学生、あるいは中学生の微妙な世界を再現している。
子どもたちの未熟な心は、些細なことで膨らんだり、潰れたり。親や周りの大人たちの無遠慮な言動も子どもたちには大きな影響を与えている。
子どもの心身の発育に問題があったとき、わたしたちはどうしても親や周辺の大人に問題があると考えてしまうけれど、本当にそうなのだろうか?
三組で1番の問題児のように見える前田には、いわゆる発達障害であろう武市にも温かな眼差しを向ける優しそうなお母さんがいる。
子ども自身が自分や周囲のことを知り続けようと思わなければ、今自分に見えている世界がすべてと思ってしまえば、簡単に間違えてしまうのかもしれない。
わたしがこの本を読んで考えていきたいなと思ったのは、
こんなに未熟で発達もバラバラな子どもたちを何十人も一人の先生が担当し、全員に同じレベルを求めるなんて、システムが間違っているのではないか?ということ。
そして、配慮が必要なのは、子どもだけでなく大人もだということ。
ー皆さんは、どうせ、たいした大人にはなれない 人のせいにしてばかりの人たちは何にもなれない
ー「こんなものは、全部通り過ぎる」などと嘯いていられるのは、彼女たちがいてくれるからだということに、杏美はまだ気づいていない
ー三人という関係性を巧みに操れるほど成熟していない九歳の少女たちは、愛憎帯びた幼稚なパワーゲームを始めるのが常だ
Posted by ブクログ
学級崩壊している6年3組。幾田先生の「あなた達はろくな大人になれない」大人になった私は、どんなにこれを言うのが辛かっただろうかと思う。犯罪なのだ、と伝える場面では胃が痛くなるほど緊張した。この子どもたちの親の年齢も過ぎたのに子ども目線の語りでは自分も過去を思い出し、先生の気持ちになるシーンもあった。今の小学生も、その年齢の子を持つ親も大変だ。
自分が一人にならないために心を砕く、周りから浮かないよう水面下の細工も必要で、注目の的になりたがる男子や目立ちたい女子、なぜか先生から優遇される子もいたことを思い出す。二度とあの頃の学校が全てだった年齢に戻りたくない。
それをリアルに感じられる描き方が素晴らしい。
いい作品です!
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