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ランクA病院の愉悦(新潮文庫)【電子特典付き】
とんでもない医療格差が出現した近未来の日本。売れない作家の終田千粒(ついたせんりゅう)は「ランクC病院」で銀行のATMに似たロボットの診察しか受けられない。そんな彼に「ランクA病院」潜入取材の注文が舞い込む表題作。“日本一の健康優良児”を目指す国家プロジェクトに選ばれた男の悲喜劇「健康増進モデル事業」など、奇抜な着想で医療の未来を映し出す傑作短篇集。『ガンコロリン』改題。※【電子版あとがき】をはじめ、ストーリー上の出来事が一目でわかる【桜宮年表】や【作品相関図】、小説・ノンフィクション作品の【海堂尊・全著作リスト】、小説作品の【「桜宮サーガ」年代順リスト】など数々の電子版特典を巻末に収録! -
110番のホームズ 119番のワトソン 夕暮市火災事件簿
第一回「バディ小説大賞」受賞作! 刑事と消防士の最熱イケメンバディ降臨。 夕暮市消防署の消防士の棉苗上亮は、刑事の穂村彗星と火災現場で出会う。 どんな難事件も解決する彗星は「火事場の奇人(シャーロック)」と呼ばれていた――。 彗星の信条は「焦げ付いた空間から、真実というダイヤモンドを拾い上げること」。 二人の出会いと、反発しあいながらも、互いに成長していく姿を描く。 文春文庫とエブリスタがタッグを組んだ、バディ小説大賞の第1回受賞作。 *第1回バディ小説大賞受賞作「BURN OUT ROOM」が「ROOM1 ジャワ・ハイツ203号室」と改題され、新たに「ROOM2 スィート・ウィリアム・ガーデン 熱帯館」と「ROOM3 HBカレー工場」が加筆されています。 -
「貞子」シリーズ
日本で一二を争う最新治療が望める総合医療センターに、秋川茉優(あきかわまゆ)が臨床心理士として来たのは半年前のことだ。その病院に、記憶を失っていた少女が運び込まれたことから、怖ろしい物語が始まる。茉優の弟・和真(かずま)は自分の動画配信チャンネル『ファンタステイック・カズマ』を持っている。伸び悩む再生回数を増やそうと、最近放火事件がおき、多くの死者を出した団地に潜入。心霊動画の撮影を試みるのだが……。その後の和真、焼身自殺した女性と謎の少女の関係。鳥の啼く夜に次々と死んでいく人たち。二十年以上も前の貞子の呪いが復活したのか――。映画で語られなかった背景や登場人物たちのエピソード満載の充実のノベライズ。 ※本作品は映画「貞子」ノベライズです。映画本編とは一部内容が異なります。 -
『線は、僕を描く』を良く知るために
喪失感を抱いた大学生・青山霜介は、アルバイト先の展覧会場で水墨画の巨匠・篠田湖山と出会う。なぜか湖山に気に入られた霜介は、その場で内弟子にされてしまう。それが気に入らない湖山の孫・千瑛は、霜介に一年後の「湖山賞」をかけての水墨画勝負を迫る。わけのわからないうちに水墨画の世界に引っ張り込まれた霜介だったが、次第に水墨画の魅力に魅了されていく。 水墨画とは筆先から生み出される「線」の芸術。描くのは「命」そのもの。 描くことで次第に回復していく霜介と千瑛の勝負の行方は。 第59回メフィスト賞受賞作『線は、僕を描く』の試し読み16ページを含む、作品を良く知るための小冊子。 -
すべての愛しい幽霊たち
心臓移植手術を受けながら、生物学者はどんな夢を見たのか(「デニス・ノーブルの心臓」)。ダイアナ妃に憧れた少女が語る、プリンセスの結婚から死去までの日々とは(「ダイアナを夢見て:十二フレーム」)。“聖戦”に参加するためリクルーターの電話を待つイスラム教徒の青年たちは、観光地で何を思うのか(「ラディカル・フィッシュを褒めたたえて」)。芸術家の老女が、家のあちこちにいる幽霊たちへ向ける想いとは(「すべての愛しい幽霊たち」)。幅広い分野の著名人たち、そして世間に名前の知られていない市井の人々。彼らの人生がさりげない語り口で描かれ、浮かび上がる鮮烈なイメージが、わたしたちの心を奪う。ブッカー賞候補作家が贈る、切なさと愛おしさに満ちた12編。カナダ総督文学賞最終候補作。/【収録作】「雪解け」/「ソロで、アカペラで」/「デニス・ノーブルの心臓」/「シルヴィアはあの世でピンクの服を着る」/「大切なものがある」/「オシレイト・ワイルドリー」/「ダイアナを夢見て:十二フレーム」/「ラディカル・フィッシュを褒めたたえて」/「チェーホフを思いながら」/「市民による逮捕の方法」/「わたしたちはメソジスト教徒だ」/「すべての愛しい幽霊たち」 -
ただいまラボ
研究のために鹿の耳を刻み続ける!?実家が動物病院という学生が多い!?就活先はペット保険会社!?研究室でカビが生えたら大騒ぎ!?バイト先はもちろん動物病院!?……理系の青春はこんなに面白い!獣医学科で動物たちの生命と向き合う学生たちの笑いあり涙ありの日々を、瑞々しい文章でリアルに描いた青春小説。「シカミミ!」獣医学科の分子生物学研究室に入った太一を待っていたのは、実験用の鹿の耳を切り刻み、彼女とすれ違い続ける毎日だった……「ナツジツ!」夏休みに実家の動物病院に帰省した東は、十年ぶりに子連れで帰ってきた、元ヤンキーの姉の姿に驚愕するが……「ネガコン!」就活中の新倉は、インターン先のペット保険会社で呑気すぎる学生たちとの共同作業に苛立ちが募るばかり……「コンフル!」何でも器用にこなしてきた透は、余裕のはずの卒業論文で追加実験を命じられ、合コンで出会った子とも上手くいかず……「ブンセイ!」5年生になったミカは、大学の実験と動物病院でのバイトで、続けて初めて動物の安楽死の現場に立ち会って……理系の青春はこんなに面白い!獣医学科で動物の生命と向き合う学生たちの笑いあり涙ありの日々を、獣医師の著者が大学院時代に瑞々しい文章でリアルに描いた青春小説。 -
白夜の警官~BLACKOUT~
英国でドラマ化の人気シリーズ、第3弾! アイスランド北部の町、ソイズアールクロークル近くの建設現場で、撲殺された男性の死体が発見された。 被害者は建設業者のエリアス・フレイソン。シグルフィヨルズルに住民登録をしていたため、アリ=ソウルが捜査に駆り出される。 慈善事業にも関わっていたというエリアスだが、自宅からは大金の入ったスポーツバッグが見つかり、同僚からは陰の仕事に手を染めていた可能性を耳打ちされる。 一方、首都レイキャヴィークのニュース編集室に勤める女性ジャーナリスト、イースルンがこの事件の調査のため北に向かう。エリアスの元妻によれば、被害者は金や女性関係に汚かったらしい。さらに捜査関係者は、エリアスが行っていた不正の先で、ある少女が命の危機に瀕していることをつかむ。 その頃、アリ=ソウルの同僚であるフリーヌルに、脅迫めいたメールがいくつも届いていた。ある過去を抱えていたフリーヌルは、精神的に追い詰められていく。 噴火の影響で火山灰雲が垂れ込めるアイスランドの、白夜の二日間――。 捜査の先に見えたのは、日の沈まない極北の町に隠された暗い記憶の数々だった。 -
バベル九朔
世界には「無駄」が必要だ。 カラス女、ヘンテコ店舗、夢の結末――雑居ビル管理人を最上階で待つものは? 全編ビルから出ずに繰り広げられる、最狭(さいきょう)かつ最高の冒険譚! 俺は5階建ての雑居ビル「バベル九朔」の管理人をしながら作家を目指している。 巨大ネズミ出没、空き巣事件発生と騒がしい毎日のなか、ついに自信作の大長編を書き上げた。 だが、タイトル決めで悩む俺を、謎の“カラス女”が付け回す。 テナントのギャラリーに逃げこんだ俺は、ある絵に触れた途端、見慣れた自分の部屋で目覚める――外には何故か遙か上へと続く階段と見知らぬテナント達が。 「バベル九朔」に隠された壮大な秘密とは? -
うつせみ屋奇譚 妖しのお宿と消えた浮世絵
調布は深大寺の近く――武蔵野の自然が残るその地には、子どもにしか視えない宿屋がある。幽霊や妖怪など<人でないモノ>が泊まる宿屋、「うつせみ屋」。人間は、〈特別な用〉がなければ、入ることができない。怖がりな小学六年生の鈴は、ある夜、浮世絵師だった亡き祖父の霊に「浮世絵から出ていった絵を――〈あの子〉を探してほしい」と頼まれ、祖父のヒントを頼りに、うつせみ屋にたどり着く。鈴がそこで出会ったのは、どこか寂しげな面持ちの青年店主・晴彦と、気まぐれに自分を助けてくれる白い狐だった。晴彦から、祖父が浮世絵師を志すきっかけとなった浮世絵コレクションを見せられた鈴は、うつせみ屋に通うことを決意し、時に晴彦からヒントを与えられながら、絵の正体へと近づいていく。人でないモノの宿は、怖い。しかし、妖の宴に巻きこまれ、妖と言葉を交わすうちに、鈴は怖がりながらも、うつせみ屋に惹かれるようになる。やっとできた学校の友達の京子にせがまれてうつせみ屋を訪れた鈴だったが、そこで京子が行方不明となり…。果たして京子を救出できるのか。あの白い狐は何者だったのか。ハラハラドキドキでラストまで一気読みの本作。 -
ショパンの心臓
「あの絵は、俺にとって“ショパンの心臓”なのだ」世間から忘れ去られた画家がひっそりと息を引き取った。彼が遺した最高傑作と呼ばれる作品と、「ショパンの心臓」という謎の言葉。そこには、二つの国に引き裂かれた作家の苦悩が隠されていた……。ポプラ社小説新人賞出身作家・青谷真未の記念碑的一作となる、エンターテインメント・アートミステリ。 -
トッピング 愛とウズラの卵とで~れえピザ
「今日は、で~れえ暑いねぇ」。岡山弁が飛び交う奉還町商店街で、雑貨カフェ「セワーネ(岡山弁で大丈夫という意味)」を営んでいるあゆみ。夫の雅彦は毎日大忙しだ。福男になりたくて西大寺裸祭りに参加するものの失神。早く帰宅したいから部長を辞めさせてくれと社長に直訴。妻のためだ。一昨年に発見された乳がん。手術も治療も順調だが心配でならない。雅彦の行動はすべてあゆみを元気づけたい一心からだ。雅彦の愛の“暴走”は日々加速する。そしてある日、雅彦はあゆみのために“で~れえ(すごい)”ことを思いついた!! ユーモラスな筆致ながら、夫婦や家族のあり方を問う、川上ワールド全開のハートウォーミングな家族小説。あなたはここまで妻を愛せますか!? -
キリングクラブ
真相が二転三転する様は、まさに圧巻! 驚異のミステリー長編! 人口の1%は存在すると言われるサイコパス。そのサイコパスの中でもトップの1%が在籍する秘密の社交クラブがあった。そのクラブ「キリングクラブ」に集まるサイコパスは、一言で言うと社会的成功者。医者、ジャーナリスト、弁護士、起業家。きらびやかな社会的実績とは裏腹に、刺激と自己利益のためなら人を人とも思わぬ内面の持ち主だった。 ある日、キリングクラブでウェイターのアルバイトをすることになった藍子。はじめは時給の高さに目が眩んでの腰掛けバイトだったが、そこに集まる人達が社会的に成功したサイコパスであることを知り、俄然興味を抱く。そして、事件は起きる。「キリングクラブ」の客であるジャーナリストの青柳が何者かに惨殺された。しかも、その死体は開頭され、扁桃体が抜き出されていたという。サイコパスは扁桃体に特徴があると言われており、犯人は「キリングクラブ」を狙った可能性も考えられる。「キリングクラブ」を守る番人・辻町と共に事件を調べ始めた藍子だが……。 -
わるもん
【第42回すばる文学賞受賞作】――純子ちゃんもあるやろ、お父さんに有罪だしたこと。硝子職人の父はいつの間にか「箕島家」から取り除かれてしまった。工場(こうば)で汗を流して働く以外は縁側から動かず、家族を見なかった父はどこへ行ったのだろう。笑顔が増えた母、家には寄り付かない姉の鏡子と祐子。ときどき現れる「ミシマ」さんという男性。純子だけが母の視線を受けながらずっと家にいる。大好きなレーズン、日課の身長測定、ビーカーで飲む麦茶、変わらない毎日の中、あるときから純子は父の「コンセキ」を辿り始める。日本のどこかで営まれる家族の愉快でちょっと歪んだ物語。 -
キッドナッパーズ
オール讀物推理小説新人賞を受賞した幻のデビュー作「キッドナッパーズ」と書籍未収録作品で編んだオリジナル短篇集! 「大声をだすな」 宅配便を装って侵入してきた男は、健次郎の腹にナイフを突きつけてきた。 平凡な日常に突如押し入ってきた犯罪者は声が甲高く、背が低く、野球帽をかぶった……小学生と見まがわんばかりの中学生!? 少年は「これは誘拐だ」と断じた。だが被害者は健次郎ではなく犯人であるはずの少年自身だという。 摩訶不思議な誘拐事件は二転三転し、ラストで意外な結末が待っていた! オール讀物推理小説新人賞受賞の表題作ほかを6篇収録。 解説・宇田川拓也 【オール讀物推理小説新人賞「選評」から】 「これこそ逆転に次ぐ逆転の連続で、着地がどうなるのかまったく予想できなかった。」(高橋克彦委員) 「何とか読者を面白がらせ、驚かせようとする創意工夫が、今回の作品に結実した」(宮部みゆき委員) 【収録作品】 キッドナッパーズ 目刺し 架空の風景 十字架ジュース ごとんがたん べつばら おなじ本でも -
推理作家(僕)が探偵と暮らすわけ
彼ほど個性的な人間にお目にかかったことはない。同居人の凜堂である。人目を惹く美貌ながら、生活破綻者。極めつけはその仕事で、難事件解決専門の探偵だと嘯くのだ。 僕は駆け出しの推理作家だが、まさか本物の探偵に出会うとは。行動は自由奔放。奇妙な言動には唖然とさせられる。だがその驚愕の推理ときたら、とびきり最高なのだ。 これは「事実は小説より奇なり」を地でいく話だ。なにせ小説家の僕が言うのだから間違いない。では僕の書く探偵物語、ご一読いただこう。 -
もつれ
予想の斜め上を行くポーランドの怪作小説! ワルシャワ市内の教会で、右眼に焼き串を突かれた男の遺体が見つかった。被害者は、娘を自殺で亡くした印刷会社経営者。容疑者は、彼と共にグループセラピーに参加していた男女3人と、主催者のセラピスト。中年検察官シャツキは早速捜査を進めるが、調べれば調べるほど事件の闇は深まっていく。一方で、愛する妻と娘に恵まれながらもどこか閉塞感を抱いていたシャツキは、事件の取材に訪れた若い女性記者に惹かれ、罪悪感と欲望との狭間で悶々とする。やがて、被害者の遺品から過去のある事件に気づくシャツキ。真実に手が届こうとしたその時、思わぬ事態が……。 日本中のミステリーファンを唸らせたポーランドの怪作『怒り』、その「シャツキ三部作」の第一作がいよいよ日本上陸。ハードボイルドなのにポップ、凄惨なのに笑える、一度読んだら中年クライシス男のボヤキがやみつきに!? 予想の斜め上を行く傑作ミステリー! -
ぼくたちは神様の名前を知らない
無意味で残酷な世界の前で、彼らが取り戻そうとしたもの。それは、つまり、希望だ――。東日本大震災がきっかけで、離れ離れになった幼馴染の六人。中学三年生になったある日、東京で暮らしていたセータの下に、仲間の一人が投身自殺をしたという知らせが入る。当時の担任とともに現場である北海道の岬に向かった五人だが、その帰りに橋から車ごと落下する事故が起きてしまい……。過酷な運命に翻弄されながらも、現実を受け止め、前を向こうとする少年たちの「再生」を描いた感動の長編小説。解説は、いきものがかり・水野良樹氏! 『蘇生』を改題して、加筆。 -
砂の街路図
父が隠していた、嘘より哀しい死の真相とは。 なぜ父は幼い自分を捨てて失踪し、死んでしまったのか――。母の四十九日を終えた岩崎俊也は、父の死の真相を求めて、両親が青春時代を過ごした北海道の運河町へと旅立つ。二十年前、父が溺死する直前まで飲んでいた酒場の店主によれば、同じ法科大学漕艇部員だった女性の密葬に参加するために滞在していたらしい。さらに、昭和44年に漕艇部で起きたある事件を機に、陽気だった父の人柄が激変したことを知る。 この街には、僕の知らない父がいた。 父が隠し続けた、ぬぐいきれない恥辱と罪悪感。 知られたくない、でも忘れられない過去がある。 果たして、父は事件に関係していたのか? 家族にさえ隠し続けていた苦悩と死の真相とは? 会心の野心作にして、まったく新しい「家族ミステリー」が誕生!! ※この作品は過去に単行本版として配信されていた同名タイトル の文庫版となります。 -
亀と観覧車
ホテルの清掃員として働きながら夜間高校に通う涼子、16歳。家には、怪我で働けなくなった父、鬱病になった母がいて、生活保護を受けている。ある日、クラスメイトからセレブばかりが集う「クラブ」に行かないかと誘われる。守らねばならないものなど何もなく、家にも帰りたくない。ちょっとだけ人生を変えてみようと足を踏み入れた「クラブ」には、小説家だという初老の男がいた。生きることを放棄しかけている親を受け入れ、人と関わらず生きる日々を夢見てきた涼子は、自らの人生に希望を見出すことができるのだろうか――。33万部超のヒットとなった『ピース』の著者が、原点に戻って描き上げた、一筋縄ではいかない一気読み「純愛」物語! 彼女は何をしたのか――このラスト、あなたならどう読む? -
もう「はい」としか言えない
浮気がばれて、パリへ逃げた。そこに悪夢が待っていた。 もう笑うしかない……松尾スズキ、衝撃の最新小説! 二年間の浮気が、キレイにばれた。別れたくない。二度目の結婚で、孤独な生活はこりごりだ。 妻の黒いヒールスリッパの鼻先に、海馬五郎は土下座するしかなかった……。 無条件降伏として、仕事場の解約と、毎日のセックスを、妻から宣言された。 性に淡白な海馬五郎は、追い詰められて、死すら望むものの、死ねるはずもなく、がんじがらめの日々を過ごしている。 半年ほど息苦しい生活を味わった頃、海馬五郎は、フランスのエドルアール・クレスト賞の受賞を知らされる。 「世界を代表する5人の自由人のための賞……?」 胡散臭いものだが、パリへの旅費と一週間の滞在費を支給してくれるらしい。 飛行機が嫌いで、外国人が怖い海馬五郎も、一週間は妻とのセックスを休めるというので、その誘いにのった。 これが悪夢の旅になったのである。 表題作『もう「はい」としか言えない』の他、海馬五郎の恥ずかしい少年時代をヴィヴィッドに描いた『神様ノイローゼ』をカップリング。 天才・松尾スズキのシュールでエンタテイメント精神にあふれる、まったく新しい小説世界へようこそ! 〈著者プロフィール〉 一九六二年、福岡県出身。 一九八八年に「大人計画」を旗揚げする。主宰として多数の作・演出・出演を務めるほか、エッセイや小説の執筆、映画監督など、その活躍は多岐にわたる。 一九九七年、岸田國士戯曲賞受賞。二〇〇一年、ゴールデン・アロー賞演劇賞受賞。二〇〇六年、小説『クワイエットルームにようこそ』が芥川賞にノミネート。二〇〇八年、映画『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』の脚本で、日本アカデミー賞最優秀脚本賞受賞。二〇一〇年、小説『老人賭博』が芥川賞にノミネート。 二〇一八年、「大人計画」は三十周年を迎えた。 -
愛と勇気を、分けてくれないか
痛くて、熱い、「あの時代」青春小説。 あの日、燃え上がった青春の火は、これからも きっとずっと消えない。 ――秦 基博さん こんな過去はなかったはずなのに懐かしい。 「青春」ってきっとこうだったのだ。 ――西 加奈子さん 痛みも無力も知ってしまった今、進むしかない。 愛と勇気を分けるためさ、進め、進め。 ――永作博美さん いつまでたっても、自分に何かを問いかけてくる。 それが、故郷・広島。――湯崎英彦・広島県知事 そうか、あれが青春の正体だったんだ。 痛くて熱い、「あの時代」青春小説の誕生! 80年代後半、広島市民球場が、デビューしたばかりのユニコーンが、確かに息づいていたあの日。 ひとりの転校生が、美少女に心を射抜かれた瞬間、それは始まった。 賑やかで、残酷で、なす術もなく熱病に浮かされたようになりながら、それでも全力で立ち向かうしかなかったあの日々が--。 -
琴乃木山荘の不思議事件簿
気鋭のミステリ作家が挑む「山岳×日常の謎」の新機軸! 架空の山小屋を舞台にそこで起こる不思議な事件を解決していく中編集。 第一話:晩秋。小屋の窓から見えた人魂の正体は? 第二話:3月。新雪が積もった離れの部屋で男が倒れていた。 周囲に足跡はない。これは密室? 第三話:梅雨。車を停めて山に登り、下りてきたら車の位置が変わっていた。 キーはロックされていたはずなのに。 第四話:7月。登山道の指導標が3年連続で故意に動かされた。 いったいなぜ? 第五話:9月。7年前に起きた失踪事件。 失踪した男が琴乃木山荘の従業員になっていた!? 第六話:晩秋。山荘玄関の看板が消えた。 見つかったのはなんと山頂だった。 第七話:冬。絵里は山荘のバイトを辞めるか迷っていた。 ある暗号を解けばその決断ができるはず。 暗号が解けたとき現われた驚愕の真実とは! ※本書は、山岳雑誌『山と溪谷』2017年4月号~2018年3月号に連載された山岳小説に書き下ろし一編を加えて単行本化したものです。 -
相続仮面
ドロドロと混沌の遺産相続。そこに現れる謎のヒーローとは? 累計20万部突破の「ビジネス戦略ノベル」シリーズ最新作! 金額は関係ない! 愛と憎しみの資産防衛ノベル。 「銀行の預金は友里恵さんに相続させる。汐留のマンションは沙也加と亜美さんの二人に相続させる。そして、死亡保険金の受取人には……『金城陽菜』っていう名前が書かれていますが――」「お母さん、誰なのよ、陽菜って」沙也加が友里恵の両肩を揺さぶった。しばらくなすがままになっていたが、友里恵は「今まで黙っていて、本当にごめんなさい」と、うなだれながら話し始めた。「お父さんと……前妻の間の子の名前よ」「ちょっと、何、その話!」――本文より抜粋 税理士の慎吾は、親族同士で揉める相続の案件が大の苦手だった。ところがある日、相続相談の場に赤と銀のボディスーツに黄色いマスクの男が現れる。豊富な知識と不思議な力で次々と相続事案を円満解決する彼こそが、相続仮面と呼ばれる謎のヒーローだった! さらに相続仮面を追う謎の男も現れて……。生前贈与から節税手法、事業継承まで、相続の基本がわかる異色の資産防衛ノベル。 -
静岡の怖い話
静岡、沼津、富士宮などでおきた戦慄の実録怪異譚 老婆の霊が足首をつかむ! 【内容紹介】 ・家族団らん (静岡市) 静岡出身のカメラマンの母親は、息子夫婦とうまく行かない日々を過ごしていた。妖が生み出した幻影が、傷心の母を取り込む! ・未練気 (沼津市) かつては東京で不動産会社を営んでいたという男性。野心に満ち溢れていた彼を打ち砕いたのは、武士たちの怨霊だった! ・パワースポット (富士宮市) パワースポット巡りに訪れた青年実業家。神仏をどこか愚弄している彼の運命は、「光」を見た時から、大きく揺らいだ……。 著者について ●寺井広樹(てらい・ひろき) 1980年生まれ。怪談蒐集家。銚子電鉄とコラボして「お化け屋敷電車」をプロデュース。『広島の怖い話』『東北の怖い話』『北海道の怖い話』『熊本の怖い話』『茨城の怖い話』『お化け屋敷で本当にあった怖い話』(いずれもTOブックス)、『日本懐かしオカルト大全』(辰巳出版)など著書多数。 ●とよしま亜紀(とよしま・あき) 雑誌・書籍編集兼ライター。漫画原作等も手がける。 小学校時代より、幽霊、臨死体験、生まれ変わりといった「心霊現象」に興味を持つ。「怪談収集」「B級グルメ食べ歩き」がライフワーク。 -
目黒の狂女
日常の謎ミステリの元祖ともよばれる、老歌舞伎俳優・中村雅楽探偵譚。歌舞伎界で起こった様々な事件や謎が持ち込まれると、雅楽は経験に裏打ちされた鋭い洞察力で鮮やかに絵解きをしてみせる。竹野記者の手記によって、雅楽が遭遇したあまたの事件の顛末が明かされていくシリーズ第3巻は、昭和50年代を中心とした作品群。竹野記者が目黒のバス停でつづけざまに出会った狂女にまつわる表題作「目黒の狂女」。なぜ淀君は逃げ延びなかったのかという、歴史に埋もれた謎を雅楽なりの解釈で解明していく「淀君の謎」など粒ぞろいの全23編を収録。【収録作】「かんざしの紋」/「淀君の謎」/「目黒の狂女」/「女友達」/「女形の災難」/「先代の鏡台」/「楽屋の蟹」/「お初さんの逮夜」/「むかしの写真」/「砂浜と少年」/「大使夫人の指輪」/「俳優祭」/「玄関の菊」/「梅の小枝」/「女形と香水」/「子役の病気」/「二枚目の虫歯」/「コロンボという犬」/「神かくし」/「芸養子」/「四番目の箱」/「窓際の支配人」/「木戸御免」/講談社版『目黒の狂女』 あとがき=戸板康二/講談社版『淀君の謎』 後記=戸板康二/創元推理文庫版編者解題=日下三蔵
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