大橋崇行の一覧
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ユーザーレビュー
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幽霊のお艶がカランコロンと下駄の歯音を響かせ、愛しいひとのもとを訪う怪談「牡丹灯籠」を、宿世の因縁、仇討ちと絡め、幽鬼も生々しく美しく描いた時代小説
北町奉行 依田豊前守政次が御用聞きに扮して活躍、怪談の真相を紐解、すっきりした余韻の江戸捕物帖です
Posted by ブクログ
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レーベルの目指すところはさておき、登場人物のキャラクター性をとても強く引き立たせた作品だと思いました(例えば主人公はいわゆる腐女子で変態です)。
ギャグのネタが既存の作品を用いたものだったり、ちょっとメタっぽかったりするところもありますが、物語はとても面白いです。
大正の年号が(おそらく)現代まで続
...続きを読むいているという設定の下で、主人公あやねが巻き込まれた事件をきっかけにある魔法使いと知り合うことで物語が始まります。
最初は日常ものの作品のように穏やかなものですが、途中からシビアな表現も含まれ始め、厳しい世界観が露わになります。
そんな中で、主人公を巡るストーリーがとても素敵でした。登場人物のだいたいが女性で、主人公に好ましい印象を抱いているのが良かったです。
Posted by ブクログ
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新人さんの本らしく、
勢いがあり、最後はちょっと乱暴。
朗読っていうネタは面白い。
コロナ禍で、朗読に注目集まったし、
こういう高校の部活増えてもおかしくないかも。
Posted by ブクログ
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高校の朗読部を舞台にした青春小説。
主人公は、かつて天才子役と呼ばれていて、朗読コンクールでは○年連続優勝という輝かしい成績だったが、あることがきっかけで人前で声を発することができなくなった。
周りの仲間と関わりながら、朗読を通して、言葉の解釈、表現などを発信することで、自分たちがどう成長していくの
...続きを読むか感動を誘ってくれます。
読んでいて思ったことは、暗い過去を背負っている主人公、元気なヒロイン、だけど・・・など、どことなく漫画の「四月は君の嘘」の要素に似ているなというのが正直ありました。でも、この作品は言葉を表現することで感動を与えてくれます。
朗読というと、地味で淡々と読んでいるというイメージが昔あったのですが、Eテレの「おはなしの国」や実際に体験してみると、とても奥深いなと思いました。
一つの文章でも色んな解釈が生まれ、それを自分を道具にして発信する。単純だけれども難しさが相当にあり、初めて朗読に触れ合う人もガラリと印象が変わるのではないかと思いました。
なかなか文章だけで朗読の良さを伝えることは難しいかなと思いましたが、それぞれの部員がどのように課題を解釈し、どう表現するのか、苦悩する姿が丁寧に描かれていて、青春してるなと感じました。
ぜひ音声も聴いてみたいなと思いました。
自分自身と戦い、自分自身で答えを見つけていく。朗読だけでなく、他の分野でも似たようなことと通じるのではないかと思います。青春小説だけでなく、バーンと背中を押してくれるような前向きにもなれましたし、感動もさせてくれました。
Posted by ブクログ
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町を徘徊する黒い影。それは貴方が見つけてくれるのをずっと待っている。ずっと、ずっと。でも、もし見えたとしても、気づかないふりをしなくてはいけない。そうしなければ、貴方は後悔することになる。
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世にも奇妙なストーリー。このシリーズも早くも第四弾。回を追うごとに怖さの濃度が上がっている印象。今
...続きを読む回も容赦なく怖い。帯に前の巻の感想が一言ずつ載っており、感想を述べた人物の学年が乗っているのだが、小学5年生から高校生までと幅広い年齢層が愛読している。
大人が読んでも十分楽しめる内容なので、この人気は非常に納得。怖い話もあり、感動的な話もありでいろいろ粒ぞろいだった。 お気に入りの話は「天井裏の足音」「町にひそむモノたち」「草笛亜沙美はなぜ幽霊になったのか」。
「天井裏の足音」
祖父が住んでいる古い日本家屋を舞台にした恐怖体験。祖父の家には曰くのある古い井戸がある。それはその昔、この家に勤めていた使用人が盗み食いを働き、怒った主人が井戸に逆さづりにして責め殺してしまったという話だ。小学生の頃はその話が怖くて怖くてたまらなかった語り手だが、中学生になると流石にその怖さは薄れてくる。代わりに、トイレまでの道筋にある渡り廊下の天井裏から人間が歩き回るような足音がすることに気が付いた。はじめは気のせいだとも思ったし、祖父に掛け合っても相手をしてくれないため気にしないようにしたのだが、ある日出来心で足音に向かって話しかけてしまう。それからというもの足音は存在感を増してしまった。正体が知れぬままというのはどうにも怖くなってしまった語り手は、天井裏にスマホを仕掛けて動画を撮影することにした。何とも知れぬものが屋根裏を足を音を立てて歩き回っている。しかも、平屋の日本家屋なので天井裏は非常に狭く誰かが入り込み、歩き回れる余地はない。最初は静かに歩いているだけの足音だったが、認知されていることに気づき、語り手に駆け寄るように足音が激しくなる。足音はどうやら渡り廊下しか歩き回れないようだが、あの明らかに走り寄ってきた音を聞いた後では、そんなことは気休めにしかならない。正体を知るため、決死の覚悟でカメラを仕掛け真相を探る語り手だが、読んでいる途中でなんとなく、その足音を立てている者の正体がわかってしまった。(当たってないほうが嬉しかった)真相を知った後、知らなければよかったと激しく後悔。でも、初めから答えは示されていたのだ。この家に出る幽霊らしい幽霊は一体しかいなかった。そして、その幽霊がどんな状態で死んだかを考えれば分かることだったのだが、足音がそこから響いていると思い込まされていたので、とても驚いた。この話は挿絵があったのだが、その挿絵がまた怖かった……。
「町にひそむモノたち」
大学生の友人が、実家に帰るといったっきり帰ってこない。心配した語り手とその友人は帰省した友人の実家がある町まで行ってみることに。その町はなかなか寂れた田舎だった。駅前には人がおらず、タクシーもない。駅の近くにあるといわれていた宿ですら、四キロ離れているというありさまだ。仕方なく歩いて宿を目指しつつ、友人の家を探すことに。しかし、初めての土地で右も左もわからない。町人に道を聞こうと、近くにいた老婆に話しかけようとするが、その老婆は普通では考えられないような、異形のものとあらわすにふさわしい風貌だった。関わり合いになりたくないと、語り手はその老婆を無視ようとしたのだが、何と友人は臆することなく話しかけてしまう。ぎょっとする語り手を尻目に、その老婆と話を始める友人。自分が見えるのかと老婆がたずねると、友人はためらうことなく見えると答えてしまった。この話がこの本の中で一番好みで、一番怖かった。絶望の度合いもぶっちぎり。友人の住む町に徘徊する異形のもの。目を黒い布で隠し、口を糸でジグザグに縫ってしゃべれなくしている。その風貌だけでかなりパンチがきいている。脳裏にその姿を思い描いただけで嫌悪感と恐怖に襲われる。そんな老婆によく話しかけられたよな、友人は。この時点で何かもうおかしかったのか?目隠しはともかくとして、口を縫われている時点で人間では何となく察せられるのに、それが「見えるか?」と聞いてきて「見える」と答えるのはご法度だろう。その後も、町を歩いていると異形のものがうろうろしておりどう考えてもまともな町じゃない。その後、友人の家に行き、(その友人の家で起った出来事も恐怖)電車を待っている間に立ち寄った町の資料館で、あの異形のものの成り立ちを知ってしまう語り手と友人。やっぱりご法度だったじゃないか……。それにしても、あの異形ものがどうやってできているかは分かったのだが、どこからやってきたものなのだろう。ある種の呪いの様に増えていく方法は資料に書いてあったので、よくわかったのだけれど。この異形のものの一番最初は何だったのか、これだけでもう一本小説が書けそう。しかし、こんなものがあちこちにいるのは嫌だなぁ。語り手の町には別の格好をした同じようなものがいるようなので、色々なバリエーションがあるのかもしれない。行く先々にもしこんなものがいるのだとしたら、もうどこにも行けない……。
「草笛亜沙美はなぜ幽霊になったのか?」
最初の雰囲気と最後の雰囲気が正反対で面食らった。住職をしている祖父をもつ大学生の語り手。祖父と同じく昔から幽霊が見える質の語り手は、時々除霊を手伝うようになっていた。そんなある日、突如祖父が「草笛亜沙美」という女性の除霊を任せてくる。除霊、といってもその幽霊が何故幽霊になったのかを解明し、幽霊に聞かせ説得して除霊するという穏便な方法をとっているので、そんなに大仰な事ではない。しかも、10万円というなかなかの報酬に二つ返事で了承した語り手だが、すぐに後悔した。何故かどれだけ調べても彼女の情報が出てこないのだ。自分がなぜ死んだのか全く分かっていない彼女の死因は、おそらく事故や事件に巻き込まれた突発的なものだと睨んだ語り手はいろいろなものを駆使して、彼女が死んだ理由を探るのだが、すべて空振りに終わる。そんな時、姉から彼女の正体を知る核心的な情報を得ることができたのだった。彼女の正体が知れるまでは、なんとなく明るい面白い雰囲気だったこの作品。しかし、彼女の正体が分かった次のシーンからがらりと雰囲気が変わった。正直、正体が分かった時、このままいい感じで感動的に終わるんだろうなぁ、と安直に考えていたのだが、そっち方向に転がるとは思わなかった。なぜ彼女が幽霊になったのかは納得できた。その理由が個人的な欲望に塗れていたとしても、よくわかった。しかし、祖父のその動機はどういう訳だ。なんでそんな回りくどいことをしたのだろう。語り手は跡継ぎになりたがってはいなかったが、それにしても強引すぎるし、結局は実にならなかった。祖父の目的がそこにあるなら、もしやこの草笛亜沙美の幽霊自体も仕組まれた事なのでは?と邪推してしまった。でもそうじゃないと、その後語り手の姉に起ころうとしている悲劇もあまりに都合が良すぎる……。
今回の本は、人間の心の醜さや欲望を現した作品が多かった。幽霊になってもなおその心を持ち、他者を陥れようとするのだからつくづく人間とは恐ろしい。
Posted by ブクログ
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