大橋崇行のレビュー一覧
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レーベルの目指すところはさておき、登場人物のキャラクター性をとても強く引き立たせた作品だと思いました(例えば主人公はいわゆる腐女子で変態です)。
ギャグのネタが既存の作品を用いたものだったり、ちょっとメタっぽかったりするところもありますが、物語はとても面白いです。
大正の年号が(おそらく)現代まで続いているという設定の下で、主人公あやねが巻き込まれた事件をきっかけにある魔法使いと知り合うことで物語が始まります。
最初は日常ものの作品のように穏やかなものですが、途中からシビアな表現も含まれ始め、厳しい世界観が露わになります。
そんな中で、主人公を巡るストーリーがとても素敵でした。登場人物のだいた -
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高校の朗読部を舞台にした青春小説。
主人公は、かつて天才子役と呼ばれていて、朗読コンクールでは○年連続優勝という輝かしい成績だったが、あることがきっかけで人前で声を発することができなくなった。
周りの仲間と関わりながら、朗読を通して、言葉の解釈、表現などを発信することで、自分たちがどう成長していくのか感動を誘ってくれます。
読んでいて思ったことは、暗い過去を背負っている主人公、元気なヒロイン、だけど・・・など、どことなく漫画の「四月は君の嘘」の要素に似ているなというのが正直ありました。でも、この作品は言葉を表現することで感動を与えてくれます。
朗読というと、地味で淡々と読んでいるというイメ -
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書店に平積されていた文庫本、知らない作家さんでしたが何気にタイトルみてジャケ買いしてしまいました。
週末に奥の細道を追体験しようと名所旧跡を旅する話なんですけど、私も30代の時にふと思いたって「更科紀行」とか「笈の小文」のルートを辿ったことあるので無茶共感してしまいました。芭蕉のBLについては「笈の小文」が秀でてると思うのですが、「奥の細道」は芭蕉の紀行文になるのかな。白河の関以北は当時もあまり知られてない最果て感あったし追体験したく思ってたんです。今ならばフォト撮ったりして手軽にSNSにUPしたりできるわけですが、江戸時代では、俳句の中に風景や心情を封じ込めることがフォトの役割をしてた気がし -
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ネタバレ町を徘徊する黒い影。それは貴方が見つけてくれるのをずっと待っている。ずっと、ずっと。でも、もし見えたとしても、気づかないふりをしなくてはいけない。そうしなければ、貴方は後悔することになる。
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世にも奇妙なストーリー。このシリーズも早くも第四弾。回を追うごとに怖さの濃度が上がっている印象。今回も容赦なく怖い。帯に前の巻の感想が一言ずつ載っており、感想を述べた人物の学年が乗っているのだが、小学5年生から高校生までと幅広い年齢層が愛読している。
大人が読んでも十分楽しめる内容なので、この人気は非常に納得。怖い話もあり、感動的な話もありでいろいろ粒ぞろいだった。 お気に入りの話は「天井裏の足 -
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ネタバレどの町にも存在する暗がり。校舎の中に、家の中に、神社の中に。これは、そんな闇から生まれた恐怖の物語。 物語達は人々を飲み込み、陥れた、絶望の淵へと引きずり込む。気付いときには、もう手遅れなのだ。
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世にも奇妙なストーリー、第三弾。第一弾、第二弾は特殊な環境に置かれる町そのものにスポットを当てた作品だったが、この度から特定の町で起こった出来事という縛りがなくなっていた。そのためなのか、広義での怖い話、となっており、様々なパターンの怖い話が詰め込まれていて非常に楽しめた。
また、怖い話ばかりではなく、不思議な話であったり、読んでいて切なくなるような話もいくつか見られた。 お気に入りの話は「 -
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ネタバレ円朝の怪談咄「牡丹灯籠」をもとにした書き下ろし
シリーズ第1作に続いてあまり幽霊は活躍しない。
「幽霊より人間が怖い」という言葉どおり、悪人伴蔵が何人も殺し、事件が起こる前からの因縁がからみあう。怨念、愛憎よりも、欲がまがまがしいことを引き起こす。
松浦シオリが描いた表紙の美しいお露の幽霊も、恋い焦がれて死んだのではなく、実は金を盗むために伴蔵が殺したもので、その幽霊に取り殺されたとされた萩原進三郞も、金の仏像を盗むために伴蔵が殺し、無関係の骨を置いて偽装したものだった。
平行して、お露の父親で籏本の飯島平左衛門が、妾のお園と共謀した隣家の源次郎に殺されるが、真相は下僕の孝助が昔切り捨てた