わるもん

わるもん

1,485円 (税込)

7pt

3.3

【第42回すばる文学賞受賞作】――純子ちゃんもあるやろ、お父さんに有罪だしたこと。硝子職人の父はいつの間にか「箕島家」から取り除かれてしまった。工場(こうば)で汗を流して働く以外は縁側から動かず、家族を見なかった父はどこへ行ったのだろう。笑顔が増えた母、家には寄り付かない姉の鏡子と祐子。ときどき現れる「ミシマ」さんという男性。純子だけが母の視線を受けながらずっと家にいる。大好きなレーズン、日課の身長測定、ビーカーで飲む麦茶、変わらない毎日の中、あるときから純子は父の「コンセキ」を辿り始める。日本のどこかで営まれる家族の愉快でちょっと歪んだ物語。

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わるもん のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2022年12月26日

    おそらく時系列も前後したりしていると思う。最後まで読むと妙な感慨がある。技巧的な小説ではあると思うのだが途中あっちにいったりこっちにいったりする思考や絶妙な掛け合いが素晴らしい。

    0

    Posted by ブクログ 2023年02月13日

    第42回すばる文学賞受賞作品。

    「箕島家」は硝子職人の父、 母、三人の娘、鏡子・祐子・純子の五人暮らし。

    しかし工場で働く以外は縁側から動かず、家族を見ようとしない父はいつの間にか「箕島家」からとり除かれてしまう。

    父がいなくなった途端、母に笑顔が増え、腰痛と肩こりが治り、心労が治まった。

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    0

    Posted by ブクログ 2019年06月01日

     春が来て、雪を溶かした。白くてきれいだった雪化粧は、泥砂混じりの黒ずんだ景色に変わった。
     雪の下から荒れ果てた庭が出てきた。箕島家そのものが押し入れになってしまったようだった。
     春が来たというのに、庭の花は一輪も咲かなかった。
    (P.134)

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    Posted by ブクログ 2019年05月18日

    普通ではない純子を家族が見守っている,純子の自由な感情のままに妄想する世界を受け入れて,若干の不思議感はあるが,違和感なく生活が営まれていることがいい.また,レーズンバターサンドの降臨する景色や縁側に寝転がっている父が楽しい.

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