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3.6あの子は、どこから戻れなくなったんだろう── 小説家志望の女と、少年犯罪の加害者・元少年Aとの運命の出会い 東京で働きながら小説家を目指していた今日子は、震災が起こった翌年に夢を諦め、母のすすめで実家に戻る。 妹とその夫、娘との二世帯住宅の生活に倦み疲れながらも、小説を諦めきれない。 そんな中、過去に凶悪犯罪を起こした少年Aが地元にいるという噂を耳にする。 そしてパソコンなどを検索して知った少年Aの姿に急速に惹かれていく。 一方、神戸生まれで、東京に住む十七歳の莢(さや)も、少年Aを崇拝し、「聖地巡礼」と称して事件現場などを訪れていた。 また少年Aに当時七歳の娘を殺された母親は、息子、夫とともに同じ場所にとどまり、一見平穏そうに見える暮らしを送っていたが、教会の人間から、Aのファンの話を聞かされる。 少年犯罪の加害者、被害者遺族、加害者を崇拝した少女、その運命の環の外にたつ女性作家……それぞれの人生が交錯したとき、彼らは何を思い、何を見つけるのか。 著者渾身の長編小説! 作家が書くことに固執するのは、「人間の中身を見たい」からなのだ。これは、小説ノンフィクションのジャンルにかかわらず、作家が持つ病理なのだ。その意味で、私もAの同志なのである──佐藤優氏・解説より
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4.5現代のロンドン。日本からビクトリア・アルバート美術館に派遣されている客員学芸員の甲斐祐也は、ロンドン大学のジェーン・マクノイアから、未発表版「サロメ」についての相談を受ける。 このオスカー・ワイルドの戯曲は、そのセンセーショナルな内容もさることながら、ある一人の画家を世に送り出したことでも有名だ。彼の名は、オーブリー・ビアズリー。 マクノイア曰く、「とにかく、世界は知ったわけだ。あのオスカー・ワイルドを蹴散らすほどの強烈な個性をもった若い画家が存在するということを」。 保険会社に勤める病弱な青年・ビアズリーは、1890年、18歳のときに本格的に絵を描き始め、ワイルドに見出されて「サロメ」の挿絵で一躍有名になるが、その後、肺結核のため25歳で早逝。 フランス語で出版された「サロメ」の、英語訳出版の裏には、彼の姉で女優のメイベル、男色家としても知られたワイルドとその恋人のアルフレッド・ダグラスの、四つどもえの愛憎関係があった……。 退廃とデカダンスに彩られた、時代の寵児と夭折の天才画家、美術史の驚くべき謎に迫る傑作長篇。 ※この電子書籍は2017年1月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
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5.01巻165円 (税込)未曾有、といわれる災厄がひたひたとやってきた。 新型コロナウイルスによる感染症。 気がついたら世界中を覆っていたこの疾病を広めないためには、 今のところ人と人を遠ざけるしか手立てがない。 このような災禍の前で、言葉は、物語はどんな力を持つのか。 私たちはどう向き合って、どう乗り越えていくのか。 緊急特集として、十四人の表現者たちに それぞれの想いを書き下ろしていただいた。
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-平穏な日々が、暗転する――その幸福は、本物ですか? 奥田英朗、初期の傑作にして大藪春彦賞受賞作! ほんの小さなきっかけから追い詰められてゆく人たち。 どうして自分が、こんな目に。 ドアホンを手に取ると「警察です」という 男の低い声が恭子の耳に飛び込んだ。 心臓が早鐘を打つ。ドアホンを置く手が小さく震えた。 怖がることなんか何もない。 うちは貧乏でも金持ちでもない平凡な家庭なのだ。 何も起こるわけがないじゃないか。 (本文より) 妻を事故で亡くして以来、不眠に悩まされている刑事、九野。スーパーのレジ係として働きながら子育て中の主婦、恭子。華やかではないが平穏な二人の日常が、ある事件を機に交錯し始める――。小さなほころびがいつの間にか取り返しのつかない事態へと発展する、人生のもろさ、人の危うさを描いた著者初期の傑作! 奥田英朗は、新人の頃から凄い!
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3.7※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 直木賞作家が60代にして漫画家デビュー! 荻原浩にしか描けない、センチメンタルで不可思議な絵物語。「アマゾン川流域に流れ着いた瓶の中には、日本語で綴られた遥か遠い地からの手紙が入っていた……(大河の彼方より)。「93歳。病室で最期の時を迎えようとしている幸子のもとに、次々と懐かしい人々が訪れて……」(人生がそんなにも美しいのなら)。「4月1日の午後1時にあの桜の木の下で会おう。幼なじみの二人が交わした約束の行方は……」(あの日の桜の木の下で)など、人生のほろ苦くも愛おしい一瞬から、日常の半歩先に広がるブラックで奇妙な世界まで、全9編収録。
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4.1電子版限定、物語に登場する巨匠達の名画も収録!美の巨匠たちは、何と戦い、何を夢見たのか-。ドガ、セザンヌ、モネ、マティス。時に異端視され、時に嘲笑されながらも新時代の美を果敢に切り拓いた偉大なアーティスト四人の愛と友情、そして格闘の日々を色鮮やかに蘇らせる短編集。「この世に生を受けたすべてのものが放つ喜びを愛する人間。それが、アンリ・マティスという芸術家なのです」(うつくしい墓)。「これを、次の印象派展に?」ドガは黙ってうなずいた。「闘いなんだよ。私の。――そして、あの子の」(エトワール)。「ポール・セザンヌは誰にも似ていない。ほんとうに特別なんです。いつか必ず、世間が彼に追いつく日がくる」(タンギー爺さん)。「太陽が、この世界を照らし続ける限り。モネという画家は、描き続けるはずだ。呼吸し、命に満ちあふれる風景を」(ジヴェルニーの食卓)。語り手は、彼らの人生と交わった女性たち。助手、ライバル、画材屋の娘、義理の娘――彼女たちが目にした、美と愛を求める闘いとは。『楽園のカンヴァス』で注目を集める著者が贈る、珠玉のアートストーリー四編。
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3.8香田陽皆は、雑貨店に勤める引っ込み思案な28歳。 地元で愛される洋菓子店「スイート・ホーム」を営む、腕利きだけれど不器用なパティシエの父、明るい「看板娘」の母、華やかで積極的な性格の妹との四人暮らしだ。 ある男性に恋心を抱いているのだが、なかなか想いを告げられず……(「スイート・ホーム」)、料理研究家の未来と年下のスイーツ男子・辰野との切ない恋の行方(「あしたのレシピ」)、香田一家といっしょに暮らしはじめた“いっこおばちゃん”が見舞われた思いがけない出来事(「希望のギフト」)など、うつくしい高台の街にある小さな洋菓子店を舞台に、稀代のストーリーテラーが紡ぎあげる心温まる連作短編集。
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3.8祝・直木賞受賞! これぞ荻原浩の真骨頂! 受賞第一作となる最新長編小説。 富士山麓の苺農家を舞台に、新たな人生を模索する家族の物語。 突然、父親が倒れ帰省した望月恵介が手渡されたのは『農業相続人の手引き』と『いちご白書』(苺栽培の教本)。音信不通の間に、野菜農家である父親は多額の設備投資をし、苺栽培を始めていたのだ! 後を継ぐことを迫る母親。しかし、恵介は東京の生活、グラフィックデザイナーとしての夢を捨てられない。何より農業なんてかっこ悪い。 37歳。人生の岐路に立たされた恵介は、試しに父親のハウスに生った苺を囓る。 「あ。何これ。うまい。」 採れたての苺はいままで食べた苺のなかで一番甘くて、おいしかった。 父親の苺に心を動かされ、恵介はしばらく実家を手伝うことを決意する。 ところが、今度は東京にいる妻・美月との間にスキマができ始め...... 甘い苺づくりに夢をかける望月農園の“甘くな~い”お仕事小説。
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4.2この著者にしか描けない、沖縄と美術の物語! 終戦後の沖縄。米軍の若き軍医・エドワードはある日、沖縄の画家たちが暮らす集落――ニシムイ美術村に行きつく。 警戒心を抱く画家たちだったが、自らもアートを愛するエドは、言葉、文化、何よりも立場の壁を越え、彼らと交流を深める。 だがそんな美しい日々に影が忍び寄る――。 実話をもとにした感動作! 「原田マハ氏は、小説家の優れた才能と人間的な温かさにより、どんなに善意の人間であっても、理解できない事柄があることを明らかにした。私は日本人が書いた沖縄をテーマとする小説で『太陽の棘』がいちばん好きだ。」 ――佐藤優(解説より)
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4.2夫とは職場の友人を通じて知り合った。口数は少ないし、ぶっきらぼうだけど、優しい。結婚して智晴(ちはる)が生まれ、慎ましいながらも幸せな3人生活が始まった。しかし生活はなかなか立ち行かない。息子を預けて働きに出た由紀子は、久しぶりの仕事で足を引っ張りながらも何とか食らいつき、家庭と両立していく。そんな矢先に発覚した、双子の次男と三男の妊娠……家族が増えてより賑やかになる一方、由紀子の前に立ち塞がる義母の死、夫との不和、そして――。「家族は時々、形を変えることがあるの。だけど、家族はずっと家族なの」。どんな形をしていても「家族」としてどれも間違ってない、ということを伝えたかったと語る直木賞作家・窪美澄が放つ、渾身の家族小説。文庫版には家族のその後を描いたスピンオフ短編「ははのけっこん」も収録。解説・白石一文
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-中江有里がハマった「トラ」の沼は 想像以上に熱く深かった。 38年ぶり日本一の2023年から リーグ最速優勝の2025年までの 阪神タイガースを徹底観戦。 緊急入院でぶっ倒れながら 病床の夢の中からも応援にのめり込んだ。 選手たちの活躍を観ながら思い浮かぶのは 自分の新人時代、日常の出来事 そして、愛読書のこと――。 観戦記×日常×書評 タイガースに熱狂する気持ちを言語化したら これまでにないエッセイになりました! トラに学ぶ29冊 ~まえがきにかえて~ 2023年 18年ぶりリーグ優勝 /38年ぶり日本一 ミエセス選手の奮闘に贈る 児玉清自伝『負けるのは美しく』 でも勝負は諦めない 緊急入院。夢でも気になる試合結果に 『アルジャーノンに花束を』が重なった夜 阪神、38年ぶり日本一。 甲子園がしびれた湯浅京己投手の『夜間飛行』 …ほか 2024年 CS敗退! 「A.R.E. GOES ON」ならず… オープン戦最下位は、最高の結末への伏線。 『名探偵ポアロ』は予感させてくれる 自力優勝が消えても、私は星を追い続ける。 アウレーリウス『自省録』のように 代打職人も俳優も待つのが仕事。 『11人いる!』が教えてくれた使命 …ほか 2025年 圧倒的リーグ優勝、 そして……! ♪人生今がラッキーセブン 『大地の五億年』ふうに言ってみる 7連敗のあとに連勝、 人生にも野球にも特別な「花」が咲く。 世阿弥も多分そう言ってた セ・リーグ最速優勝も、薄れゆく記憶は 『博士の愛した数式』。あの歓喜をもう一度 …ほか 勝っても負けても、終わらない! ~あとがきにかえて~
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4.3芸術(アート)という名のタイムカプセルが、いま開かれる――。京都国立博物館研究員の望月彩のもとに、レイモンド・ウォンと名乗るマカオ博物館の学芸員が現れた。彼に導かれ、マカオを訪れた彩が目にしたものは、「風神雷神」が描かれた西洋絵画と、天正遣欧少年使節の一員・原マルティノの署名が残る古文書、そしてそこに記された「俵…屋…宗…達」の四文字だった――。天才絵師・宗達の名画〈風神雷神図屏風〉を軸に描く冒険譚。「縦横無尽な想像力に操られたマハさんの筆致にすっかり魂を持っていかれた。カラヴァッジョと宗達を繋げてしまう発想には脱帽です」漫画家・文筆家・画家 ヤマザキマリさん推薦!
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4.4美術(アート)という名のタイムカプセルが、いま、開かれる――。日本が誇る名画『風神雷神図屏風』を軸に、海を越え、時代を超えて紡がれる奇跡の物語! 20××年秋、京都国立博物館研究員の望月彩のもとに、マカオ博物館の学芸員、レイモンド・ウォンと名乗る男が現れた。彼に導かれ、マカオを訪れた彩が目にしたものは、「風神雷神」が描かれた西洋絵画と、天正遣欧少年使節の一員・原マルティノの署名が残る古文書、そしてその中に記された「俵…屋…宗…達」の四文字だった――。織田信長への謁見、狩野永徳との出会い、宣教師ヴァリニャーノとの旅路……天才少年絵師・俵屋宗達が、イタリア・ルネサンスを体験する!? アートに満ちた壮大な冒険物語!
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3.9※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【「FORTUNE BOOK」の使い方】 本書に収録されている120の言葉は、 読み方は自由です。 ・通して読む。 ・順番に1日1言読む。 ・おみくじのように 好きなところを開いてみる。 ・誰かに贈りたい言葉をみつけたら、 写真を撮って送る。 ・好きな言葉や、今の気持ちにドンピシャ! な言葉があったら、自分の言葉にする。 ・言葉のとなりのページに思いついたことを 自由に書いてみる。 ・メッセージを書き込んで誰かに贈る。 一日を始める、 一歩を踏み出す、 新しいあなたと出会える言葉集。 ・「まず、自分を幸せにする。」 ・「自分が変われば、世界が変わる。」 ・「時にいい風が吹く、それが人生。」等々 人間関係、こころの浮き沈み、 自分を磨く、前に進む 言葉を味方にして、しなやかに生きる。
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-※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 この本は あなたを知る 入口になる――。 「この本は、 あなたと私の コラボBOOKです」 原田マハ 【「FORTUNE BOOK」の使い方】 本書に収録されている120の言葉は、 読み方は自由です。 ・通して読む。 ・順番に1日1言読む。 ・おみくじのように 好きなところを開いてみる。 ・誰かに贈りたい言葉をみつけたら、 写真を撮って送る。 ・好きな言葉や、今の気持ちにドンピシャ! な言葉があったら、自分の言葉にする。 ・言葉のとなりのページに思いついたことを 自由に書いてみる。 ・メッセージを書き込んで誰かに贈る。 読んで、感じて、 思いを書けば、 あなたの心の行き先がわかる。 今日あったこと、 食べたもの、 うれしかったこと、 怒ったこと、 考えたこと、 思い出したこと、 見た映画、読んだ本、 耳にした曲……。 メモに、日記に、 ジャーナリングに 使いかたは自由です。
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4.2ああ、もっと読みたい。 偏読、雑読、併読、積ん読――楽しみ方いろいろあります。 年間300冊の本を読み、読書家で知られる女優の初エッセイ 子ども時代の読書体験、児玉清さんとの出会い――いつも、そこに「本」があった。 遠藤周作、東野圭吾、村上春樹、山本文緒など、大好きな「物語」の世界で想像の翼を広げ、ときに「今を生き抜く」ヒントが詰まった話題のノンフィクション、ビジネス書など、実用書の数々を手に取り、現実をかみしめる。 本書は毎日新聞本紙連載された読書エッセイと「週刊エコノミスト」に連載された3年半に及ぶ読書日記を中心に、選りすぐりの約100冊の本への想いを綴った。 女優であり、作家、脚本家として物語を紡ぐ、著者の感性と日常がみずみずしい。 「読書」という営みからあぶり出される女優の素顔が詰まった珠玉の初エッセイ。 不安な時ほど、その存在がしみる 大阪から上京して初のひとり暮らし。 休日は、朝起きてから夜寝るまで一人きりで「あれ、今日一言もしゃべらなかったな」という日もありました。ある日、さみしさにたえかねて、すがる思いで本屋へ行き、貪るように本を読みました。パリパリに乾いたふきんのような心が、文字の泉に浸り、徐々に柔らかくなっていくのを感じました。その時「本はわたしの心の友達」と確信しました。(まえがきより)
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3.8高校一年の夏、ぼくは彼に恋をした。 「ぼく」(羽田海)は、血の繋がらない継母の美佐子さんと二人暮らしをしている。 ぼくが高校一年の夏に、美佐子さんの仕事の都合で引っ越しをすることになった。 前の町で美佐子さんが勤めていた印刷会社が倒産したのだ。 幼いころは父さんと母さんがいたけれど ぼくが六歳のときに母さんは家を出ていき、 その後、美佐子さんと結婚した父さんもどこかに行ってしまった。 勉強も好きじゃないし、運動も得意じゃない。 いつか美佐子さんとも離れなくちゃいけない。 そんなとき、「ぼく」は、転校先の高校で忍と出会った……。出会ってしまった。
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3.6甲子園をめざす少年たちの熱い夏――高校野球小説アンソロジー! 都大会で対戦することになった甲子園本命校のエース・優一と颯太は幼馴染みで、かつてバッテリーを組んだ間柄だったが……(朝倉宏景「絶対的最後」)。高3の夏、野球強豪校で「補欠」の僕に訪れた驚くべきチャンスとは!? (早見和真「あの日、監督がうなずいていれば、僕は―-」)。“聖地”甲子園を目指し、切磋琢磨する球児たちの汗、涙、そして笑顔。野球を愛する人気作家8名が個性あふれる筆致で紡ぎ出す、小説6編、エッセイ2編。【収録作品(掲載順)】あさのあつこ「梅里駅前商店街の熱い風」/朝倉宏景/「絶対的最後」荻原宏/「わが家の高校球児」早見和真/「あの日、監督がうなずいていれば、僕は――」東川篤哉/「カープレッドより真っ赤な嘘」宮下奈都/「空くじなしの宝くじ」額賀澪/「肩車の権利」須賀しのぶ「甲子園に帰る」
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3.8セレブママとしてブログを更新しながら周囲の評価に怯える主婦。仕事で子育てになかなか参加できず、妻や義理の両親から責められる夫。出産を経て変貌した妻に違和感を覚え、若い女に傾いてしまう男。父の再婚により突然やってきた義母を受け入れきれない女子高生……。思い通りにならない毎日。募る不満。言葉にできない本音。それでも前を向いて懸命に生きようとする人たちの姿を鮮烈に描いた、胸につき刺さる6つの物語。 小説で誰かを救う。そんな大それたことは言いづらい。 だけど、それに本気で挑戦している作家は確かにいるのだと、 窪美澄を読むといつもそう思う。 ――朝井リョウ(作家) 文庫化に際し、オリジナル短編、一編追加!
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3.9乙女な心を持つ美術系男子のラブコメディ! 有名政治家を父に持つ遠明寺美智之輔は、子どもの頃から絵を描くことが好きな乙女な男の子。恋愛対象が同性の美智之輔は、同級生の高瀬君に憧れていたが、思いを告げることもないまま、日本の美大を卒業後、憧れのパリへ留学していた。 ある日、アルバイト先のカフェで美智之輔は、ぼさぼさのおかっぱ髪でベース形の顔が目を惹く羽生光晴という女性と出会う。凄まじい勢いでパソコンのキーボードを打つ彼女は、偶然にも美智之輔が愛読している超人気ハードボイルド小説の作者。訳あって歴史あるリトグラフ工房idemに匿われているという。 過去にはピカソなどの有名アーティストが作品を生み出してきたプレス機の並ぶその工房で、リトグラフの奥深さに感動した美智之輔は、光晴をサポートしつつ、リトグラフ制作を行うことになるが、ある大きな転機が訪れる。 ※本書は過去に単行本版として配信された『ロマンシエ』の文庫版です。
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-村山由佳氏、おすすめ! 「作家・中江有里の真摯な声が聞こえてくる。人生からは逃げられない、けれど人は変われる、と」 30歳の大倉玉青は、人材派遣会社に登録し大手通信系企業の受付として働いている。大学時代は、演劇サークルに所属していた。愛読書の『走れメロス』をバッグに放り込み、苦行のような満員電車に乗り職場へ通うのは、ただ生活のためだけだ。その生活が空虚で、何のために生きているのかわからない。彼女は、5年前の自らの選択が生んだ「秘密」を抱え、それに関わる者の存在を「希望」と感じながら、ただ日々を過ごしていた。 そんなある日、劇的な邂逅から生活が急転。玉青は思う。この出会いを、わたしは信じていいのだろうか――。 女優・作家・歌手として多彩な才能を見せる著者が、二人の女性の交錯を軸に現代的テーマに迫った、温かでミステリアスな物語。 『トランスファー』改題。 【目次】 同じ夢 極夜 世界は広い 振り向かない男 話してくれて嬉しかった おやすみ 洋海 再びの夢 まだ、生きている まだ死ねない 痕跡 〈巻末対談〉松井五郎(作詞家)×中江有里 歌手活動の再開は、この小説がきっかけだった
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3.8自分を成長させてくれた、大切な二十四冊。カズオ・イシグロ、北村薫、スティーヴン・キング……彼らの本はまさに“人生の写真アルバム”。女優、コメンテーター、作家として活躍し、芸能界きっての読書家として知られる著者の、感動の読書エッセイ。 わたしの仕事部屋には、壁一面の本棚がある。不思議と目に飛び込んでくる本は毎日変わる。本は日によって目には見えない光を放ち、わたしを惹きつける。どれもこれもわたしのこれまでを伴走してくれた本たちだ。中でも大切な転機を、あるいは危機を救ってくれた二十四冊について本書で綴っている。少し大げさに言うなら人生の本棚。この二十四冊は、自分の成長の瞬間が収められた写真アルバムと同様だ。そして自分のアルバムみたいな本棚は、きっと誰もが持っている。読み終えた本を、あるいはこれから読む本を並べた本棚は、持ち主の生きてきた軌跡であり、これからの人生の一部になっていくかもしれない。そんな本が放つささやかな光は、人生の行方を照らし、時に道しるべになってくれると思う。(「切実な読書」――あとがきにかえて より抜粋)
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3.7一人の男を好きになった。 自分にとって最後の恋になるだろう、という強い予感があった。 人として、女として、生きるために。 直木賞作家が描く「最後」の恋。本当の、恋愛小説。 「素直な感動に満たされた。窪さんがこんな小説を書くなんて」ーーー唯川恵「解説」より 赤澤奈美は四十七歳、美容皮膚科医。 夫と別れ、一人息子を育て、老母の面倒をみながら、仕事一筋に生きてきた。 ふとしたことから、元患者で十四歳年下の業平公平と嵐に遭ったかのように恋に落ちる。 頑なに一人で生きてみせようとしてきた奈美の世界が、色鮮やかに変わってゆく。 直木賞作家、渾身の恋愛小説。
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3.7似ているが……ここは私の世界じゃない―― 作品初出は、コロナ禍で行動制限中の日経新聞夕刊 主人公が迷い込んだ異世界が現実を先取り? ある朝、通勤と反対方向の電車に、魔が差して乗ってしまった。山の中をさまよい、戻ってくると、誰もマスクをしていない! 今朝の会議はユーツ。こんな生活、いつまで続けるんだ……ぐだぐだ考えているうちに出てしまった下り電車は「急行」。次々と通過していく駅を見ながら40歳の野崎修作は「ろくでもない毎日からの脱出」とサボりを決める。スーツで山に登り、「日常」に戻ると……ん? 何かおかしい、街も家も会社も。どこかで聞いたような疫病が世界を分断していた。新宗教の持つ票があらゆる選挙を左右するらしい。「正義」に縛られた人たちはネット上で……ここは私のいるべき場所じゃない。私の世界へ帰るのだ。