さよなら、ニルヴァーナ

さよなら、ニルヴァーナ

815円 (税込)

4pt

あの子は、どこから戻れなくなったんだろう──
小説家志望の女と、少年犯罪の加害者・元少年Aとの運命の出会い

東京で働きながら小説家を目指していた今日子は、震災が起こった翌年に夢を諦め、母のすすめで実家に戻る。
妹とその夫、娘との二世帯住宅の生活に倦み疲れながらも、小説を諦めきれない。

そんな中、過去に凶悪犯罪を起こした少年Aが地元にいるという噂を耳にする。
そしてパソコンなどを検索して知った少年Aの姿に急速に惹かれていく。

一方、神戸生まれで、東京に住む十七歳の莢(さや)も、少年Aを崇拝し、「聖地巡礼」と称して事件現場などを訪れていた。
また少年Aに当時七歳の娘を殺された母親は、息子、夫とともに同じ場所にとどまり、一見平穏そうに見える暮らしを送っていたが、教会の人間から、Aのファンの話を聞かされる。

少年犯罪の加害者、被害者遺族、加害者を崇拝した少女、その運命の環の外にたつ女性作家……それぞれの人生が交錯したとき、彼らは何を思い、何を見つけるのか。

著者渾身の長編小説!

作家が書くことに固執するのは、「人間の中身を見たい」からなのだ。これは、小説ノンフィクションのジャンルにかかわらず、作家が持つ病理なのだ。その意味で、私もAの同志なのである──佐藤優氏・解説より

...続きを読む

詳しい情報を見る

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

さよなら、ニルヴァーナ のユーザーレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    窪美澄さんの作品の中で1番好き
    少年の持つ異常性癖で感情が顕になった時のシーンが今でも頭に残っている
    狂気じみて哀しい、だがその少年はとても美しい
    少年を崇拝する者がいる
    理解し難いことに魅力される者もいる
    バラバラだけど繋がっている
    こんな世界があるのだと撃ち抜かれた気分

    物語はスピーディーで終

    0
    2023年05月16日

    Posted by ブクログ

    ほんとうに恐ろしいのは、叶ってしまった夢に振り回されることだ。叶ってしまった夢を現実として継続させていくことだ。
    個人の魂を国家が管理して、国家に不都合な世界観や思想を持つ者に関しては、それを徹底的に改造する。これはファシズムの思想だ。本書で描かれているのは、「正常」「人権」という名で、知らず知らず

    0
    2023年04月08日

    Posted by ブクログ

    自分は作家でこそないのですが仕事柄文章を書くことが多く、この作品に出てくる「作家」の心境とリンクするところがすごく多く、共感できて安心する半面、「ああやっぱりそうなんか、そうするしかないんか」と、絶望というか心が抉られるような気持ちにもなりました。題材や話の展開も相まって余計に。でも現実でも、救われ

    0
    2023年03月17日

    Posted by ブクログ

    読んでいる間も、読み終わった今もずっと考えてる。
    でも、やっぱり理解や共感は難しい。
    だからといって何故か放り出せない感情が付き纏う。

    こんなにも複雑な気分なのに、またすぐ読み直したくなってるのは何でだろう。
    なんだかすごい力….魅力?いや、違う、魔力を持った作品だ。

    0
    2025年01月20日

    Posted by ブクログ

    何度も何度も読んでしまう。
    私が少年Aに興味を抱いているからだろうか。
    うんん、違う気がする。
    なぜだかこの小説を読んでいると、私自身の中身も洗い出されているような気がして、苦しくて、たまらなくなる。
    普段の倍以上ひとつひとつの文章に感情移入してしまう。

    話自体が面白いかと言われたら正直分からない

    0
    2024年10月16日

    Posted by ブクログ

    神戸で起きた女児殺害事件を題材に、加害者の少年、被害者の母親、犯人を崇める女子、実録小説を書かんとする作家志望の女の各視点から罪と罰に迫る。人間のリアルな感情をシビアに表す著者の持ち味が発揮された力作

    0
    2024年10月05日

    Posted by ブクログ

    ううん…すごく考えさせられた…
    視点が変わると事件の見方がこんなに変わる、
    登場人物すべてに共感できてしまって、なんだかつらくなった…

    実際に起きた少年Aの事件を題材にしているけれど、犯人像はかなり違う印象。
    この本だとAにも辛い過去があって、魔が差した、みたいに読めて
    同情してしまったし、更生し

    0
    2023年09月17日

    Posted by ブクログ

    誰も幸せにならない辛い辛い話しだった。

    さよなら、ニルヴァーナというセリフは、死をイメージさせる涅槃からの別れ、生きるというメッセージだったのかな?

    と、勝手に解釈した。窪美澄作品の中でも特別異様な作品だったけど、やっぱり読み終わった後に心に残るもやみたいなものがたまらない。

    0
    2023年07月22日

    Posted by ブクログ

    窪さんの作品で初めて読んだもの。

    衝撃でしたね〜

    フィクションと書いてますが、これ本当なのでは?と思ってしまって、息を呑みながら読みました。

    0
    2022年09月23日

    Posted by ブクログ

    すごく読み応えがあった。けれども救いのないラストだなあ、、晴信がすごく美化されてる気がする。
    確かにこの国は、被害者が守られず加害者が守られる不思議な国だと改めて思った。

    0
    2020年12月04日

さよなら、ニルヴァーナ の詳細情報

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

この本をチェックした人は、こんな本もチェックしています

文春文庫 の最新刊

無料で読める 小説

小説 ランキング

窪美澄 のこれもおすすめ

同じジャンルの本を探す