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Posted by ブクログ
この本を購入したのは2019年、発売された日だ。
無類の原田マハずきで、当然のように発売日に購入した。が、自身の出産育児のタイミングと重なり、積読されたまま、2026年を迎えた。
先日、陶器に興味のないわたしだったが、『ルーシー・リー展』に行く機会を得た。とにかく素敵で、彼女の作品が大好きになった。
そのタイミングで、本棚に忘れ去られたこの本を見つけた。なんだか光って見えて、よくよく帯を見ると、陶芸やら何やら興味の惹かれるの文字が書かれている。え?もしかして?あの?バーナード・リーチ?病的だと批判した?とにかく運命を感じて、読み始めた。
リーチが主人公のお話なのかと思っていたが、リーチを先生と慕う、日本人のお話。フィクションなのだろうが、とにかくカメちゃんに感情移入してしまい・・・。『劇的大事件!』みたいなものがある訳ではない(もちろん私みたいな一般人とは比べられないくらいの、平凡ではない人生なのだが)。なのに途中から涙が止まらなくなって、読み終わった時の、自分の泣き腫らした顔に笑った。
実在する登場人物、彼らとの関わり、それぞれの人生をより深く追ってみたい。
Posted by ブクログ
2025/08/11
とても読み応えがありました。延べ600ページくらいあって初めてこのくらいの分量の小説を読んだのですが、どんどん話に引き込まれていく感覚があります。
実在したイギリス人陶芸家のリーチ先生(バーナード・リーチ)や日本の文化を担っていた実在の人物たちの史実における交流や変遷を、沖高市とその父である沖亀之助という架空の人物をおりまぜることで進んでいく陶芸という芸術ジャンルの国際交流や、陶芸という世界を目指す人たちの当時の奮闘を描いたお話しです。
高市のいる町にリーチ先生が視察にやってきて、そこで高市がリーチ先生と過去に深いつながりのあった亀之助の息子であることが分かる。その後、亀之助の過去をなぞる形でリーチ先生がどうして陶芸の世界を目指すことになったのかに至る経緯(父の生き様)を知ることになる。
高市と亀之助は架空の人物であるということが分からないくらい史実に基づいて、けれども歴史を語りすぎることなく人々の人間模様に重点を置いて話が進んでいくので、ストーリーが分かりやすかったです。
尚且つ、日本とイギリスにおける戦時中の陶芸という文化面での交流についてや、そこに関わっていた文化面の先人たちの様子もイメージしやすく描かれています。
史実を元にしたフィクションですと注意書きが書いてありますがその解像度はきっとかなり高いのではないでしょうか。
当時を生きた文化人のそばでその様子を目撃した人になれる一冊だと思います。
Posted by ブクログ
西洋美術系の原田マハさんの本は結構読んだことはあるが、この前板上に咲くを読んで以前から気になってた民藝にとっても興味が湧きこちらの本を読むことに。
大人になってからでも同じ興味を持ってる人とはこうも簡単に友達になれるんだなって羨ましく思ったし、こんな高い志を持った人々が民藝を広めたんだなと思ったら行動した結果がはっきりと歴史に残されていて納得がいった。
この本を読む前はなかなか覚えられなかった人物名も物語を読むことですらすらと頭に入ってきた。
そして何より私が大好きなイギリスが出てきてまた行きたいところが増えた。リーチポタリー行ってみたいなーランズエンドの方も。
Posted by ブクログ
本書を読むと陶芸をしてみたくなる。
明治時代に日本の美術に興味を持ちイギリスから訪れたバーナード・リーチ氏は実在の芸術家だ。英国人として(外国人として?)初めて本格的に日本の陶芸を学び、母国でも陶芸および日用品の美しさを広めるために尽力した。彼が日本で交流し刺激を受けていたのは、武者小路実篤とか高村光太郎などそうそうたる白樺派の文豪たちであり、芸術家たちであった。
何十年もリーチの助手として共に成長した亀之助が主人公である。著名な陶芸家となったリーチ氏が晩年に九州の窯元を訪れたときに亀之助の息子と出会うことから話が始まる。
原田マハさんはあのペースで出版しながら、一つ一つの著書に克明なリサーチをしているのがすごい。陶器のことやイギリスのことなど情報がとても多いので、前半はやや冗長であるのが否めないが、彼女お得意のじんわりとした感動を呼び起こすストーリー展開ある。出てくる人があまりにも全員いい人すぎるかなとは思った。リーチ氏を全く知らなかったので、当時の日英の交流など知ることができて、とてもよかった。
本書を読んでから、リーチ・ポタリーが今でもセントアイビスで展開していて、実際に器を購入したり陶芸を学んだりできることを知って興奮した。陶器には詳しくないが、色合いに温かみがあり素敵だと思った。
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