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病に倒れた最愛の父を支えるため、倉敷紡績で働く少女すてら。社長の大原孫三郎の知遇を得、贈られた雑誌〈白樺〉でゴッホの絵を見て心打たれ、「ゴッホが絵を描いたように小説を書く」と、自身の道を定める。あることをきっかけに岡山を去ることになったすてらは、東京へと向かうが……。著者がかつてない熱量で「小説」と「アート」への愛を込めた最新長篇!
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Posted by ブクログ
良い絵を見るけど、それは良い絵かどうかわからないけど、とりあえず有名だから見る。いい絵だなって思う時もあるし、全然落書きじゃないかと思う時もある。メロスが政治がわからないと同等に、絵がわからないのだと思う。 でも、文章というのは素敵だ。どんな絵か全然わからなくても、どういうふうに素敵で魅力的なの...続きを読むかは読めばわかる。ことが多い。読んで初めて、その絵の素晴らしさを知る。 山中ステラは倉敷紡績で働いていて、母はおらず、父は棒手振りをしていたが、病気で教会のお世話になっている。倉敷紡績の社長は大原孫三郎。敬虔なクリスチャンで、社員たちの生活向上や文化的生活の向上に努めている。それぞれの発表の場として文化祭が行われることになった。すてらは「回転木馬」という小説を発表する。 20歳になりみな結婚のために辞めていく。すてらも退職せざるを得ず、高橋家の女中を始めたが給金は少なく、休みもなく、続いて書くことができない。娘と本の話が合うことがわかったが、そのために追い出される。お嬢様は年寄りとの縁談が決まって絶望していたが、花かんむりという小説を書き上げ、すてらに託して自殺してしまった。尊敬していた作家常和田伊作に届けなければ東京に向かう。 常和田伊作はなんと女流作家だった。すてらは女中として住み込み、書く。すてらも脱稿したら、漱石先生の木曜会に行きましょうと先生に言われている。
素晴らしすぎた。何もかも。 こんなにも溺れていたいと思える作品を生み出してくれた原田先生に感謝したい。大好きだわー。 大正時代のお話。言葉の訛りや、時代ならではの言葉で綴られる文章に若干構えながら読み進めるも、文章から読み手に伝わる力と構成力が凄すぎて、直ぐに慣れてしまい飲み込まれていきました。終始...続きを読む、主人公すてらの感情に寄り添いながら読み進め、喜びや哀しみを共に味わい、微笑ましかったり、ドキドキしたり、泣いたりと、とても充実した読書をさせていただきました。 また、この小説は作者の良さがふんだんに味わえる作品で、「小説を書くということ」「絵の素晴らしさ」を芸術という一つの括りとして、紡いでいく流れは圧巻。そしてそれを紡績工勤めの女性が繋ぎ合わせていく。もう最高。この世界は、なんて素晴らしいんでしょう。 感想が止まないくらいに凄かった!あー皆さま、是非読んで下さい!!そして感想書いてください。熟読させていただきます。 そして、ブクトモの皆さまの評価の正確性ときたら、本当に素晴らしいですね!いつも本選びの参考にさせていただいております。本作についても、お教えいただきありがとうございました。
病気の父のために12歳で新たな世界で働き始め、自分の好きな事を見つけ溢れ出すように始まり、そこから世界が広がっていく。 読む楽しみを読者に届けたい、読んでもらう喜びが書き続ける理由となる。 諦めかけた心を諭してくれた恩人や新たな世界へと導いてくれる出会い。 読んでいるうちにワクワク、好奇心が止まれ...続きを読むなかった。 そして恩師たちの言葉が心に深く刻まれて 今の自分への応援されている気持ちになり また頑張ろうと前向きにしてもらえた作品。 ・イサの言葉 雨はそのうち必ず止みます。 そうすれば、あくる日は必ず晴れの日になるのです。そういうふうにできているのです。 ・大原社長の言葉 常に先に進もうとする意志、進むべき道を見つけようとする意欲。 新しく何かを始めることを恐れず、好奇心を持って挑み、着実に自分のものにしていき いかなるあたらしい世界を見せてくれるのだろうかと期待される存在になった。 その期待に応える使命を全力で支援する。 ・児島先生の手紙 雨のち晴れ。 人生、いいことばかりではない。 土砂降りの日もある。 しかし雨はいつか止む。 そして晴れの日が訪れる。 だから急がず確実に一歩一本進めばいい。
作中に出てくる小説たちがどれも好みで面白くて、"どうしてこの世に存在しないんだ?"と歯がゆい気持ちになった。 すてらが見て触れる日常が、まっすぐで煌めいていて愛おしく、あついため息の連続。 主人公の名前もタイトルも、あらゆるものに対する"理由"が愛に溢れて...続きを読むいて素敵な作品だった。
読み終えるのが惜しいほど、素敵な物語でした。 主人公・中山すてらは、過酷な生い立ちの中で育ちながらも、倉敷紡績で働き、大原孫三郎との出会いや雑誌『白樺』との邂逅を通して、「小説を書く」という人生の道を見つけていきます。 とりわけ心に残ったのは、大原孫三郎がすてらに向かって言う「あなたには書く...続きを読むことをやめない力がある」という言葉でした。 すてらは、「私は書き続けたのではなく、書くことをやめなかった」と語ります。書くことは彼女にとって生きることそのものだったからです。 この言葉を読んで、「何かをし続ける力」と「何かをやめない力」は似ているようで違うのだと気づかされました。 「し続ける力」には情熱を感じるけれど、「やめない力」には信念を感じる。好きなことでも立ち止まる日はあります。でも、「これだけは手放したくない」という思いがあれば、歩みは遅くなっても前を向いていけるのかもしれません。 何を大切にして生きたいのかを静かに問いかけてくれる一冊でもありました。 ※主人公の名は中山星、「すてら」と読む。母に「いずれ捨てるから『すて』」と言われた子に、育ての父が「輝く星、世の光に」と願いを込めて付けた名前。このお父さんが本当にあたたかい人なのです。
この世界は、なんて素晴らしいんでしょう!心豊かな人に、世界は、素晴らしいものを見せてくれる。生きているとそして旅をすると、感動する景色を見る機会が訪れ、未経験の出来事に心が揺り動かされる。素晴らしきかな、この世界!
とてもよかった。昨今の朝ドラのおかげで明治時代にすんなり入れる。出て来る絵画がパッと浮かぶようになりたい。
明治、大正、昭和と女性の地位は本当に低かった。今では信じられない程、人権もなく意見を言うことも許されない時代。結婚式当日に夫と初めて対面するなんて事はざらにあった。女性の名前はカタカナで二文字の方が多く、およそ人名と思えないような名前の方もいる。読んでいて、苦しくて辛くて、もどかしくて涙が止まらなか...続きを読むった。すてらさんの凛とした強さで生き抜いて、自分の道を切り開いていく姿に凄く共感した。社会の理不尽さにさらされながらも、今、自分ができることを淡々と続ける。その先にあるわずかな光を追い求め掴みとる勇気を讃えたい。
とても良かった。 病弱な父親に代わり、10代前半から紡績工場で働いていた女性山中すてらが、苦労を重ねながらも小説家になるという夢を叶える話。 途中、我が子と重ね合わせると、あまりに過酷な環境に胸が痛む場面もあったが、かけがえない出会いにも恵まれる。 すてらの師匠である常和田先生、御用聞きのハチマキさ...続きを読むんなど魅力的な登場人物がたくさんいた。 作品に登場する『回転木馬』『花かんむり』『風のたはむれ』などの小説は、あらすじや一部の描写しかないが、ぜひとも実際に読んでみたいと感じた。
また素晴らしい作品に出会えた。 多少の読みづらさはあるものの、それを上回る没入感があり、一気に読み進めてしまった。文句なしの星5つ!
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晴れの日の木馬たち
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原田マハ
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