あらすじ
病に倒れた最愛の父を支えるため、倉敷紡績で働く少女すてら。社長の大原孫三郎の知遇を得、贈られた雑誌〈白樺〉でゴッホの絵を見て心打たれ、「ゴッホが絵を描いたように小説を書く」と、自身の道を定める。あることをきっかけに岡山を去ることになったすてらは、東京へと向かうが……。著者がかつてない熱量で「小説」と「アート」への愛を込めた最新長篇!
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Posted by ブクログ
明治から大正に掛けて、岡山の倉敷紡績で働いていた工女が、東京に出てきて文士として成功するまでの物語。
山中すてら本人も父親も、すてらを応援した大原孫三郎(倉敷紡績の社長、大原美術館の創立者)も、厚い信仰心に支えられて、それぞれの人生をまっすぐに進んでいく様子が素晴らしかった。
すてらのモデルが居るのかと思ったが、そうではないらしく少し残念。児島虎次郎(大原の支援を受けて欧州に留学。西洋絵画を収集して帰国し、大原美術館の礎となる)という画家のことは知らなかったが、当時の欧州で勉強していた若き日本人画家達を想像するとワクワクする。続編で、すてらも渡欧するらしいので楽しみ。
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ほぼ一気読み…読みやすいんだけど、最近こういった誰かの人生と帆走する感じの物語はなんか疲れちゃうものでね。
しかもこれ、3部作らしい(^◇^;)
まぁ、読みますけど(笑)
本好きなら、この小説を低く評価する人はまずいないんじゃないかなー。
Posted by ブクログ
この本、実は何年か前に文芸書に掲載している事を知って、既に最初から最後まで読んでいて、その時は毎月の1番の楽しみでした。1冊の本として一気に読むと、さらに良かったです。主人公の人生を共に生きた心地。自分の人生はたったの1回ですが、小説を読むと多くの人々の様々な人生を疑似体験出来て、それも読書の良いところですね。
マハさんは、以前キュレーターもされていて、この本にも美術の専門知識が多く盛り込まれています。今回は、岡山の大原美術館関連の人々や作品が多く登場します。以前岡山に住んでいたことがあるものの、知らなかった事も多く、タブレットで検索しつつ読み進めたのも楽しかったです。
主人公の人生は、まだまだこれからも続きます。文芸書でも、今月からこの本の第2章が始まりました。これから主人公は一体どうなるのか。続きを、ワクワクして待っています。
Posted by ブクログ
マハさんの最新作、期待して読み始めた。
だけどつまらなくて、大好きなマハさんの小説だが最後まで読み切れるかと思いつつ、読み進めたらグイグイ引き込まれ、読み切ってしまった。
主人公のてすらはマハさんそのもの。
この小説は3作まで続くとのこと。
とても待ち遠しい!
今年は倉敷にある大原美術館に是非行ってみたい。
Posted by ブクログ
なんて素晴らしい本。
ゆっくりと読みました。
アートを通じて広がっていく世界を描いた1人の女性の人生の本。
とっつきづらい内容にも関わらず
ここまで面白い内容にできるのは原田さんの才能。
最後の一言、グッときた
Posted by ブクログ
女文士山中すてらの物語。
紡績工場で仲間内で物語を書き始め、そこからその文章を褒められ、励まされ、苦しいときも筆を置かずに、生きるために小説を書き続ける、書くのをやめない人。
心の師に認められることの幸福。
日々の揺らぎをつぶさに見つめて、物語に昇華していく。
言葉を紡ぐこと、誰のものでもない、自分だけの言葉で。
読みやすく、励まされる物語だった。
Posted by ブクログ
まず『すてら』という名前にすごくひかれた。物語の中に出てくる小さな小説がいくつも出てくるけどそれが一つ一つに感動があり、一つの作品なのに何層もの感動が得られる。すてらの成長に伴なって親目線で読んでいく部分から自分の人生と重ねてみる部分とができ、さらにはどんどん飛躍していく様がとても心地よかった。
Posted by ブクログ
倉敷紡績で働く16歳の工女・山中すてらは、小説家になることを夢みる文学少女だ。熱心なキリスト教徒である父親に連れられて教会に通い、聖書を読むために文字の読み書きを覚え、宣教師のアリスと話すために英語を覚えた。そんな彼女の12年間を描くサクセスストーリーだ。
背景には大原美術館の創設者・大原孫三郎の存在があり、松方幸次郎を描いた『美しき愚かものたちのタブロー』にも通じる。ちょっと懐かしさを感じる古臭い文体が作品に合っていた。
続篇の構想もあるようだが、本書のエピローグが1922年。震災や戦争などが重なる重苦しい話になりそうだ。
Posted by ブクログ
けっして
恵まれているとはいえない
それでも
小説を書くことを
前を向いて生きていくことを
やめない
主人公 山中すてら
彼女がどうなるのか
読んでドキドキして欲しい
#晴れの日の木馬たち
#原田マハ
#新潮社
Posted by ブクログ
原田マハ先生の「美術」へ対する熱い思いを綴った小説、いつも自分の気持ちも喚起されて読んでました。今回は同じ芸術でも文学、明治から大正時代しかも女性…それだけでも心持ってゆかれたのにフランス絵画への憧憬まで描いて頂けた。主人公のすてら女史同様私も揺さぶられ続け、前を向いて行かねばならないとしみじみと胸を熱くしたのでした。
Posted by ブクログ
原田マハさんの文章は本当にうつくしく、心にじわっと沁みるような言葉で、日本語ってこんなにきれいなのか、と毎回気づかせてくれる。
どうやったらここまできれいな文章を書けるのだろう。きっと、すてらの周りの登場人物たちが受けた感動はこういうものなんだろうなあ。
雨のち晴れ。良いことばかりは続かない。けれど辛いことばかりでも無い。
辛いことがあれば、それは涙がそそぎ落としてくれる。
すてらの心には世界を感動する才能があって、すてらを支える人たちがその才能に気づき応援し、小説の素晴らしさを、絵画の素晴らしさを、世界の素晴らしさ読むひとに教えてくれる。
私は相変わらず、書いて、書いて、書いて書いて書いて、書き続けております。
高市総理よりも先に、何よりも書き続けることを誓ったすてらが、パリで何を書くのか。
続きがよみたくてたまらないですよ、山中すてら先生。
Posted by ブクログ
激動の時代を生きた女性達の姿をみずみずしく書いた素敵な作品だった。
辛いことや悲しい事もありつつも小説家になるという夢を持ち叶えていく。
これはマハさん自身をも投影しているのだろうか。
それにしても、これを読む一冊前に読んでいた
朝井まかてさんのグロリアリサエテに偶然にもよく似てる。
女流作家、史実とフィクションを入り交ぜる手法、出版時期。
目線や表現はもちろん全く違うけれど、小説の舞台である明治から大正、昭和にかけての時代背景、出てくる人物、主人公の女中という立場、地方から東京へでてくる描写、さらに夢のため海外へ旅立つ女性の姿等類似点が多く、読み比べると楽しい。
このタイミングでこの内容、これから起こるであろう、今起こりつつある新たな時代を何か感じとっているのだろうかなどと思ってしまった。
Posted by ブクログ
才能とは欲したもののためにどこまで努力できるか。
時代背景もあるが、当時人物たちが皆必死に生きている感じがする。
何かを頑張りたくなったけれど、その何かに未だ私は出会えていないのかもしれない。
Posted by ブクログ
明治から大正を生きる一人の少女が
人生の荒波に揉まれながらも
人々に感動を届ける小説家へと
成長していく物語。
途中、主人公の“山中すてら”に大きな影響を与える
ゴッホやセザンヌ、モネの作品が登場したり、
大原孫三郎と児島虎次郎、武者小路実篤、夏目漱石らと
相見える場面が描かれたりする。
極めつけは「劇中劇」ならぬ「小説 中 小説」が挿入されるなど
アートと小説とが見事に融合する力作となっていた。
読んでいくうちに
主人公の“すてら”がマハさん自身のように見えてくる。
これまで幾多のアート小説を手掛けてきた
マハさんだからこそ描くことのできる世界だから。
「書いて、書いて、書きまくらなければ。
私も、ヴァン・ゴオホみたいに」
これはマハさん自身の独白のようにも思えた。
Posted by ブクログ
きっと誰かがどこかで受け止めてくれるんだっていう希望とそれを繋いでいこうっていう未来で溢れた勇気をくれるストーリーでした。年の初めにこの本から始められて良かった。
Posted by ブクログ
多少なのですがネタバレしないと何も書けないので、ネタバレ機能をかけます。
1910年(明治43年)5月。
岡山県倉敷から始まります。
幼い頃、母に見捨てられた山中すてらがやがて女文士となるまでのサクセスストーリー。
すてらは12歳で母に見捨てられ西日本ずいいつの紡績会社、倉敷紡績の工女として働き始めます。
すてらは社長の大原孫三郎に目をかけられます。
すてらには三つの好きなことがあります。
「読書」
「物書き」
「翻訳」
すてらには幼い頃教会でアリス・ペティ・アダムスという24歳の女性と出会い英語を学びます。
そして会社の「文化祭」ですてらは<回転木馬>という初めて書いた小説を読んでもらうチャンスに恵まれますが…。
この物語はどこまで本当でどこからがフィクションなのかと思い調べてみました。
大原孫三郎が倉敷紡績の社長であり、画家の児島虎次郎とともに大原美術館を建てたのは事実であとは、夏目漱石なども出てくるのですがフィクションでした。
このお話で私がもっとも心打たれた場面は、女文士でありすてらの師となったイサがなぜ男性の筆名で小説を書いているかという理由。泣けました。
イサの言った言葉で「小石にでもなって、あなたのポケットの中に入れられて連れて行ってくださいましたらようございましたのに…」はほろりとしました。
一番最後のすてらの旅立ちの手紙もとてもよかったです。
これやっぱり続編ありますよね?
Posted by ブクログ
病に倒れた最愛の父を支えるため、倉敷紡績で働く主人公のすてらが、モダンアートに心を打たれ、自身の道を定め生きていく物語。
書影があまりに好みで購入しましたが、内容は原田マハさんらしい素敵な物語でした。
明治から大正にかけて、女文士として生きることを決意したすてら。色々な苦境がありながらも、自身の生きる道をしっかり歩んでいくすてらの姿に、同じ女性としてとても励まされました。
作中に出てくるすてらが書いた手紙の内容も秀逸で、情感のこもった言葉たちに感情が揺さぶられます。
そして何より最高過ぎるエピローグ。切ないけれどあたたかい気持ちになれる読後感が最高です。
物語を読むことの楽しさを改めて感じる作品でした。
Posted by ブクログ
やはりマハさんの作品は凄く心に響きますね!
しかも三部作になるのですね。
渾身の作の一部だけでも充分感動させられました。
作家の思い、「絵」を言葉で表現することの難しさ、周りの人たちの支えと神への祈り。
マハさんの作品だからこそ、深く伝わってきます。
私も同じ岡山で、倉敷で寮生活をしていたこともあり、倉敷紡績や大原美術館を懐かしく思い出しました。本当に孫三郎さんは素晴らしい方です。
あの時代に、岡山で芸術のこととか考え、先駆けて展覧会を開かれるなんて!
ぜひぜひみなさんもご一読くださいませ。
Posted by ブクログ
我ら諦めずに良きことを行い続ける。させれば、やがて刈り入れの時を迎えん
人の話に耳を傾ける。誰であれ、その人自身の物語があるはずだ。それを受け止め、胸に刻む。自分のことは多くは語らない、自作の小説以上に多弁なものは無いのだから
私にとって、書くことは、生きること。 書くことをやめないのは、生きることをやめないから。書くことをあきらめないのは、生きることを諦めたくないから
生きとし生けるもの、一つ一つに命があり、個性がある。この世に1人として同じ人間はいない。それと、同じく、この世にたった1点の作品。マティスと言う人そのものが絵になった
Posted by ブクログ
プロローグ
気付くとそこは1918年、夜のパリだった
何処かしこからジタンの紫煙が漂ってきて、
否応なしに鼻腔をくすぐる
懐からそっとロスマンズを取り出しデュポンで
火をつけた
セーヌ川沿いでは、複数のカップルがエッフェル塔のイルミネーションを肴に愛を語り合っている
この眺めは、100年前もそして今もさして変わらないのだろう
川沿いの広場には回転木馬がきらびやかなネオンと
共にゆっくりと上下しながら回っている
どの木馬に跨るか!?
数ある木馬は揃いも揃って一様に光を放っている
その中に一頭だけ地味な雰囲気とその独創性さを
醸し出しているそれに私は飛びのった
どうも、回転木馬には、一頭一頭固有の名前が
ついているらしい
私が乗った木馬は、『晴れの日の木馬たち』という名の木馬だった!
本章
『晴れの日の木馬たち』★Super8!!!
2026年私が読みたい本の1冊である
山中すてらの小説家になるまでの半生を描いた作品
内容は全く異なるが『檜垣澤家の炎上』の主人公
かな子を想起させる大河小説
明治から大正に掛けての12年間を見事に描き切っている
岡山倉敷紡績での少女時代から大原美術館の
大原孫三郎の後押しで小説を書くくだり
東京への進出から一端の小説家への試練と成長
そして、芸術の都パリへ
原田マハ節全開の史実という横糸とフィクション
という縦糸が織り重なった完璧なアート作品
早くも今年の一冊!!!と云いたい!
エピローグが完璧過ぎて、久しぶりに本って
本当に素晴らしいなと再認識した
素晴らしい!
素晴らしい作品に出逢えた!
ありがとうと、作者に云いたい!
エピローグ
気付くと、2026年、夜の東京だった
そう言えば、1918年も今年の干支も午年であった
空駆ける天馬
天馬空を行く
等々、翔び立つイメージがあるが、
私が跨る木馬は、100年以上も同じ所をクルクル周って僅かながらの上下運動を繰り返すのみで
一向に上昇する気配がないようだ
100年以上も一体何をやってたのだろうか(¯―¯٥)!?
もしかして、私が跨っていたのは、午(木馬)ではなく馬と鹿に跨っていたのかもしれない、、、
完
※読書とは、未知との遭遇とあらゆるイマジネーションを掻き立てるものだと痛感する
それが素晴らしい作品であればあるほどに
あの方に向かって声を大にして云いたい
これは、完全なるフィクションだと!
パリには居ませんよと!
そして更に云いたい、本作を必ず読んで欲しいと!
絶対泣けるし
宝物の一冊になるはずだと!
Posted by ブクログ
素晴らしい小説だと思つた。だいすきな小説だとも思つた。主人公の山中すてら彼女の生い立ちは不幸にあつたかもしれないけれど、よき出会いがあった。彼女自身のひたむきに日々を営みながら小説をを読んだり書いたりし続けたことで、出会いに恵まれてその機会をものにした。人生の酸いも甘いも苦しさも喜びも全部を生きる力に変換しているようで心から敬意を払いたい。そんな山中すてらの生きざまに力をもらつた。
表現については端的ながら美しい織物の用語が散りばめられており素敵だ。ただし文体は平易な感があり、それゆえリズム感は掴めなかったのだけれども返って主人公やそれを支える人間たちの善良さあるいは純粋な存在さが印象づいた。
Posted by ブクログ
倉敷紡績で働くすてらが、大好きな作家の元を訪れすてらが小説家になっていく。アートにも魅せられ、モネなどの作品にも惹かれてパリへ向かう。小説とアートへの情熱が半端ない作品。
Posted by ブクログ
とても面白かった
1900年頃の日本で活躍した女文士の小説家としての起こりから渡仏出立までの半生を描く
主人公の他にも優れた女文士が幾人も登場し彼女らは表情豊かに情感たっぷりに描かれ、周囲の人物も魅力的で瑞々しい
タイトルの木馬たちはおそらく女文士たちを指していると思われるが、物語全体が温かで、優しい光りに包まれているようであり、読んだあとに笑顔になるような素敵な作品だった
Posted by ブクログ
明治の終わり、倉敷の工場で働く少女。貧しいながらも読書が好きで自分でも小説が書きたい。彼女の流転の人生は。
非常に良かった。主人公すてらの健気さ、ストーリーの面白さ、どちらも素晴らしい。
Posted by ブクログ
わたしは本作を読み終わり、物語に圧倒されてしばし放心していましました。
すごく読みやすいけれど、重厚感があり、
小説とアートへの熱量が凄まじい。
そして歴史の転換点と言えるだろう女文士の存在。主人公すてらの感情の機微。なにより、女工から女文士へ、そこから単身渡仏できるくらいのすてらの成長。情報量が圧倒的になのに、物語が調和している。これが原田マハさんか…と心を打たれました。
読み終わり、パリへ向かったあとのすてらのことがもっと読みたい!そう思いました。すてらは、すてらと言う名前に相応しい活躍ぶりですね。
また、個人的にはハチマキがとても気になりました。本当に気の良いお兄ちゃんで、すてらはあのとき彼と出会えたからこそ今の道にいるのだろうなとも思います。他に、アリス先生も気になります。作中、あまり詳しく語られてはおらず、手紙でのやり取りが主ですがアリス先生の生い立ちなどもとても気になりました。
すてらは良き人々に恵まれたのだなと思います。けれどこれはすてらの運が良かっただけではなく、一生懸命に働き、文を書き、前向きに過ごしたすてらだからこそ周りに人が集まったのだろうなとも思いました。
読めてよかったと思う作品でした。