【感想・ネタバレ】晴れの日の木馬たちのレビュー

あらすじ

病に倒れた最愛の父を支えるため、倉敷紡績で働く少女すてら。社長の大原孫三郎の知遇を得、贈られた雑誌〈白樺〉でゴッホの絵を見て心打たれ、「ゴッホが絵を描いたように小説を書く」と、自身の道を定める。あることをきっかけに岡山を去ることになったすてらは、東京へと向かうが……。著者がかつてない熱量で「小説」と「アート」への愛を込めた最新長篇!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

原田マハさんの文章は本当にうつくしく、心にじわっと沁みるような言葉で、日本語ってこんなにきれいなのか、と毎回気づかせてくれる。

どうやったらここまできれいな文章を書けるのだろう。きっと、すてらの周りの登場人物たちが受けた感動はこういうものなんだろうなあ。

雨のち晴れ。良いことばかりは続かない。けれど辛いことばかりでも無い。
辛いことがあれば、それは涙がそそぎ落としてくれる。
すてらの心には世界を感動する才能があって、すてらを支える人たちがその才能に気づき応援し、小説の素晴らしさを、絵画の素晴らしさを、世界の素晴らしさ読むひとに教えてくれる。

私は相変わらず、書いて、書いて、書いて書いて書いて、書き続けております。
高市総理よりも先に、何よりも書き続けることを誓ったすてらが、パリで何を書くのか。
続きがよみたくてたまらないですよ、山中すてら先生。

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2026年01月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

多少なのですがネタバレしないと何も書けないので、ネタバレ機能をかけます。



1910年(明治43年)5月。
岡山県倉敷から始まります。
幼い頃、母に見捨てられた山中すてらがやがて女文士となるまでのサクセスストーリー。

すてらは12歳で母に見捨てられ西日本ずいいつの紡績会社、倉敷紡績の工女として働き始めます。
すてらは社長の大原孫三郎に目をかけられます。
すてらには三つの好きなことがあります。
「読書」
「物書き」
「翻訳」

すてらには幼い頃教会でアリス・ペティ・アダムスという24歳の女性と出会い英語を学びます。

そして会社の「文化祭」ですてらは<回転木馬>という初めて書いた小説を読んでもらうチャンスに恵まれますが…。



この物語はどこまで本当でどこからがフィクションなのかと思い調べてみました。
大原孫三郎が倉敷紡績の社長であり、画家の児島虎次郎とともに大原美術館を建てたのは事実であとは、夏目漱石なども出てくるのですがフィクションでした。

このお話で私がもっとも心打たれた場面は、女文士でありすてらの師となったイサがなぜ男性の筆名で小説を書いているかという理由。泣けました。
イサの言った言葉で「小石にでもなって、あなたのポケットの中に入れられて連れて行ってくださいましたらようございましたのに…」はほろりとしました。

一番最後のすてらの旅立ちの手紙もとてもよかったです。

これやっぱり続編ありますよね?

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2026年01月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

かなりハードルを上げて読み始めたが、すべてが綺麗。登場人物、その場所が鮮明に浮かんで来る。
どの本を読んでも作者に圧倒される。

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2026年01月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

我ら諦めずに良きことを行い続ける。させれば、やがて刈り入れの時を迎えん
人の話に耳を傾ける。誰であれ、その人自身の物語があるはずだ。それを受け止め、胸に刻む。自分のことは多くは語らない、自作の小説以上に多弁なものは無いのだから
私にとって、書くことは、生きること。 書くことをやめないのは、生きることをやめないから。書くことをあきらめないのは、生きることを諦めたくないから
生きとし生けるもの、一つ一つに命があり、個性がある。この世に1人として同じ人間はいない。それと、同じく、この世にたった1点の作品。マティスと言う人そのものが絵になった

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2026年01月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

素晴らしい小説だと思つた。だいすきな小説だとも思つた。主人公の山中すてら彼女の生い立ちは不幸にあつたかもしれないけれど、よき出会いがあった。彼女自身のひたむきに日々を営みながら小説をを読んだり書いたりし続けたことで、出会いに恵まれてその機会をものにした。人生の酸いも甘いも苦しさも喜びも全部を生きる力に変換しているようで心から敬意を払いたい。そんな山中すてらの生きざまに力をもらつた。
表現については端的ながら美しい織物の用語が散りばめられており素敵だ。ただし文体は平易な感があり、それゆえリズム感は掴めなかったのだけれども返って主人公やそれを支える人間たちの善良さあるいは純粋な存在さが印象づいた。

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2026年02月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

わたしは本作を読み終わり、物語に圧倒されてしばし放心していましました。
すごく読みやすいけれど、重厚感があり、
小説とアートへの熱量が凄まじい。
そして歴史の転換点と言えるだろう女文士の存在。主人公すてらの感情の機微。なにより、女工から女文士へ、そこから単身渡仏できるくらいのすてらの成長。情報量が圧倒的になのに、物語が調和している。これが原田マハさんか…と心を打たれました。
読み終わり、パリへ向かったあとのすてらのことがもっと読みたい!そう思いました。すてらは、すてらと言う名前に相応しい活躍ぶりですね。
また、個人的にはハチマキがとても気になりました。本当に気の良いお兄ちゃんで、すてらはあのとき彼と出会えたからこそ今の道にいるのだろうなとも思います。他に、アリス先生も気になります。作中、あまり詳しく語られてはおらず、手紙でのやり取りが主ですがアリス先生の生い立ちなどもとても気になりました。
すてらは良き人々に恵まれたのだなと思います。けれどこれはすてらの運が良かっただけではなく、一生懸命に働き、文を書き、前向きに過ごしたすてらだからこそ周りに人が集まったのだろうなとも思いました。
読めてよかったと思う作品でした。

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2026年02月03日

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