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Posted by ブクログ
私が本書を最初に読み始めたのは、実は四年ほど前のこと。冒頭の部分があまりにも壮絶すぎて、当時の私には受け付けられなかった。思わず断念、以降なかなか勇気が出ず、本棚にしまいこんでいた。けれども、どうしてもその先が読みたくて本棚の背表紙を見てはあの冒頭の壮絶さを思い出して断念、の繰り返し。四年経った今、あそこを乗り越えれば何とかなるはずと思い、冒頭部分を読み越えた。そうすると、あとはもう止まらなかった。
年賀状が送られた本当の意味も、目頭が熱くなるほどだった。
登場人物がみんな心優しい人たちで辛い時には、彼らの言葉を思い出したい。
文庫本の帯に「おにぎりが食べたくなる本」とあったが、冒頭の人生の生い立ちから引きこもりの心情からは想像できなかった。やがて舞台が変わり、物語は八ヶ岳の自然豊かな田園へ。そこでの出会いや体験が「おにぎりが食べたくなる本」という言葉に納得させられる。
人の手で握ったおにぎりは確かにコンビニとは違う温かさを感じる。
マハさんの本は私はとにかく大好きで、自分の好みの作風あっているのか、とても読みやすい。いつもスルスルと時間を忘れて読み進めてしまう。
マハさんの他の作品からもいつも元気を貰っている。なんだか言葉に神が宿っている感覚。
物語の舞台となった八ヶ岳にも行ってみたい。
八ヶ岳の峰々や田園の風景も、文章でしか表現されていないにもかかわらず、ありありと頭に浮かんでくる。ぜひともこの目で見てみたいと思った。
Posted by ブクログ
本を読む幸せは、今まで知らなかった時間を生きられること。今まで大切にしてきた時間をもう一度思い出せること。
そんな、ステキなものが、この本にはいっぱい詰まってる。東京で暮らしていると、生活のことやお金のこと、老後の心配など、リアル過ぎるほどの脅威を、知らないうちに植え付けられる。友人と話していても、あぁ、みんな不安なんだなと感じる。
でも、こうやって、『生きる僕ら』が、大自然の一部であることを思い出してみれば、生きる道なんていくらでもあるし、社会の脅かしに真の恐怖を感じて生きることの方が、実はマボロシなんだと分かってくる。スローライフって、理屈じゃない。米づくりの、毎日の、地道で地味な積み重ねが、人間の体と、その心を、作っていくんだ。
毎日、おにぎりを握る生活、最高だよ!
欲を手放して、私も『生きる僕ら』に立ち返ろう、と思った。
Posted by ブクログ
2026年
作品 No.12
私は原田マハさんが表現する“ひと”がとても好きだ。
彼女の描く“ひと”は、不器用で、もどかしくて、常に悩んで迷ってもがいている。でも、純粋で、素直で、精一杯に生きる。
タイトルと主人公に名付けられた「人生」という名前、どちらもこの作品にふさわしいものだと感じた。
主人公のおかれた境遇はとても壮絶で、自分には想像もできない。
しかし、そんな逆境とは裏腹に、のどかな田園風景と心安らぐおばあちゃん家の様子が目に見えるように浮かんでくる。
そんなギャップがこの作品を親しみやすいものにしている気がする。
人生とつぼみとマーサおばあちゃんの3人が暮らす家。
個人では孤独だが、3人集まるととても温かいものになる。
まさに米粒のように一人一人は小さいけれど、それが一緒になって一つ屋根の下で暮らすと、一人一人がつぶ立ってふっくらとつやつやしたものになっていく。
まさに、マーサおばあちゃん家は釜のように人の心を温めてくれる。
この本を読むと、梅干しおにぎりの酸味と甘味が口いっぱいに広がる。
さて、私も“結ぼう”かな、おむすびを。
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