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19世紀後半、栄華を極めるパリの美術界。画 商・林忠正は助手の重吉と共に流暢な仏語で 浮世絵を売り込んでいた。野心溢れる彼らの 前に現れたのは日本に憧れる無名画家ゴッホ と、兄を献身的に支える画商のテオ。その奇 跡の出会いが〝世界を変える一枚〟を生んだ。 読み始めたら止まらない、孤高の男たちの矜 持と愛が深く胸を打つアート・フィクション。
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Posted by ブクログ
史実とフィクションを掛け合わせることで、まるでその当時、その場所で、確かに彼らが出会い、物語を紡いでいたと、錯覚してしまうような没入感で、胸に込み上げてくるものがあった。 フィンセントとテオの互いを思いやる気持ち、苦悩と葛藤、すれ違う姿に心が苦しくなる。 もっとも大切な人であり、お互いがお互いの全...続きを読むてであり、まるで呼応するかのように生きていた。 1番理解したいと思い、それでいて理解しきれないもどかしさ。 幸せな場面が描かれれば、かえって切なさや孤独を感じてしまう。 生きている間、世の中に理解されなかったフィンセント。それでも、周りの人々が彼の才覚を感じとり、渾身的に支え、来るべき時、次世代に繋ぎ、こうして今、世界中の多くの人を魅了している。約150年も昔の人々と、少し繋がれた気がした。素敵な本だった。 ゴッホの思い、そしてテオやヨー、ゴッホを支えた人々に思いを馳せながら、ゴッホの絵を鑑賞してみたいと思った。
ゴッホについて何も知らないまま読み始め、読み進めるうちに様々な絵を、浮世絵を、芸術家を調べもっと知りたいと思わせてくれる作品でした。
読み進めるうちにどんどんその世界に没入してしまった。時代の息づきと登場人物の息遣いが生々しく感じられる作品だった。すばらしい
久々にハマった一冊。胸が締め付けられる思いもあり、ゴッホの絵がどんな風に描かれたのか、フィクションながらも理解する一助となって面白かった。半年後のパリ旅行のため、色々調べている中で読んでいたので、まだ行ったことないのに位置関係が多少分かったのもまた面白かった。最後まで読んだ後に最初の章を読み直すとさ...続きを読むらに奥行きが深まる。 テオとヨーのゴッホへの想いが伝わってきた今、ゴッホの家族に焦点を当てた上野のゴッホ展に行きたい気持ちが高まったので終わる前に絶対滑り込む!!
楽園のキャンヴァスに匹敵する、傑作。 テオとフィンセントのお互いを思い合いつつも、重荷に感じたり、疎ましく感じたり。 兄弟というには余りにも強烈な感情を持ち合う二人の関係性は、複雑ながら非常に危険な魅力を感じさせる。 ゴッホの生涯に対して、弟のテオが多くの影響を与えた、いや、献身的に支えたのは知っ...続きを読むていたが、そこに色が加わった気がする。 あの時、ニューヨークで観た星月夜をもう一度観たくなった。今見たら違う景色、メッセージが視えてくるのではと思わされる。
ゴッホ兄弟の物語は苦しい。苦しいのが分かっているのに、何でこんなにゴッホ兄弟に惹かれるのだろうか。ゴッホがテオの息子の誕生を祝って贈った「アーモンドの木」の絵画の下で、まるまると幸せそうな赤ん坊の寝顔を涙ぐみながら兄弟で眺めていた時間は、どうか物語ではなく真実でありますように。【再読】
芸術を新たな視点から楽しめた。印象派をより深く楽しめる気がする。 わたしも、たゆたえども沈まず、弱さや葛藤に向き合っていきたい。
この本を手に取ったとき分厚いなと少し引きましたが読み始めるとすぐに夢中になりました、見事なストーリーです、ありがとうございます 読み終えた後の余韻が残る中で続けてリボルバーも読めた僕は運が良いです ⋯⋯⋯パリに行きたいなぁ〜
特別芸術に明るいわけでもないが、ゴッホ展を観に行った後、ふと星月夜の表紙のこの本が目に留まった。史実に沿ってなかなか忠実に描かれており、リアルとフィクションの境界が分からなくなるくらいであったが、当時のパリの情景やゴッホを囲む人々の様子がありありと思い浮かばれた。数々の名作が生まれたアルルの街にも是...続きを読む非人生で一度は訪れたい。原田マハさんの作品をもっと読みたくなった。この次は楽園のカンヴァスを読むことにする。
ゴッホ展に行くことになったので前から気になっていたのもあり、書店で購入し読みました。 初めからフィクションだという事は理解した上で読み進めていたのですが、フィクションとは思えない生々しさがありました。 ファン・ゴッホ兄弟それぞれの心理描写も素晴らしく、登場人物の心情が痛いほど伝わってきて思わず息を飲...続きを読むみました。 重吉という登場人物がこの作品のリアリティ演出する重要な人物で、重吉によって変化していくパリや人々の様子が鮮やかに描き出されていて本当に面白かったです。
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たゆたえども沈まず
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原田マハ
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