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Posted by ブクログ
あらすじを読んで「入れ替わりネタか、よくある話かな…戦争関係の話は重いし暗いからちょっと気が進まないな」と思ったのですが、読み進めるとさすが荻原さんといったところ。
たしかに重くて暗い部分もありますが、その中での幸せやおもしろさを心地よく散りばめてくれて、「つらいから読みたくないな」という気持ちにはなりませんでした。
むしろ、これからどうなってしまうのか、続きが気になって止まりません。
荻原さんは、自分が経験されたわけではないのに、対象のもの、雰囲気をリアルに描写されるのが本当に上手なので、戦争、サーフィンを経験したことのない自分も、まるでその場にいるような臨場感を味わえます。
他の方の感想で、この小説を元に映像化された作品があることを知れたので、探して見てみます。
Posted by ブクログ
2001年9月12日、
ニートでサーフィン中の健太が、大波に呑まれ。
1944年9月12日、
海軍で飛行訓練中の吾一が、海上に、墜落。
お互い、目が覚めた時、
そっくりな二人は 入れ替わっていてーーー。
欲張り放題、
自分の幸せのためだけに生きる現代を、軍国少年・吾一は、嘆く。
死ぬために生きる、命をかけて過ごす、
そんな切迫感が当たり前の時代に、
サーファー少年・健太は、たじろぐ。
それぞれの時代錯誤のチグハグ会話に、クスッとなり。
時空を超え、大切な人を信じ、想いを馳せる姿にウルっとなり。
いろんな感情が、行き来する。
いろんなものが、つまってる。
最後まで、想像力掻き立てられて、
物語は心の中で続いてゆく…
読書の醍醐味をいっばい味わえた一冊。
Posted by ブクログ
フリーターが戦時下へ!
帝国海軍航空隊員が現代へ!
過去を知る者と、未来を知った者。
瓜二つの二人がタイムスリップして入れ替わる物語。
タイムスリップは偶然なのか?必然なのか?
戦争をテーマにした話ではあるけれど本書は重苦しさを感じさせない。
主人公の健太(フリーター)は「根拠なしのポジティブ」思考で楽観主義者なので物事を明るい方向に切り替えてしまうのと、ちょっとおバカキャラなので周りを明るい雰囲気にしてしまう。
能天気過ぎて「それはないだろ!」とイラっと来る場面も。
もう一人の主人公吾一も現代と戦時下のカルチャーショックを受けている様子がコメディタッチで描かれていて、無理して現代の言葉を使うシーンとか使い方が全然違ったりしていて思わず笑ってしまう。
現代と戦時下の出来事とギャップを交互に描写することにより、平和と戦争の悲惨さがより理解しやすく描かれていて、特に渋谷での吾一のこの言葉には心に重くズッシリときた。
自堕落な感じの若者や喧騒な街並みを見て、
「これが自分達が命を捨ててまで守ろうとしている国の50年後の姿なのか!」とかなり悪い方にショックを受けてました。
吾一と同じ年齢の若者達が戦争の事などまるでなかったように忘れてしまっている姿に、今私達の平和は先人の犠牲のもとに今の平和があるのを忘れてはならないという著者のメッセージのようにも思います。
本書の物語のなかだけでなく実際にも行われていたのだろうと思われる理不尽な命令や罰則には心が痛みます。
下司官の憂さ晴らしとしか思えない日常化した暴力の正当化や、日本の降伏後の上官命令による無駄な戦闘と特攻隊への強制的志願。
たくさんの命が失われることに…。
何かあれば非国民、お国のため戦場で命を散らすのは名誉なことだという価値観とNOと言えない同調圧力。
命令する方は安全な場所で物見遊山。
大切な人を守りたいという気持ちを利用して。
誰を守るため、何を守るための戦争なのか?
とても強い不条理さを感じます。
また、NOと言える社会作りには教育、選挙の大切さを感じました。
中盤までは途中少し中弛みしてしまうけど、それ以降は進撃ラッパの合図とともに怒涛の快進撃、物語に没頭してページをめくる手が止まらない。
結末は読み手の想像に委ねる形でモヤモヤが残りますが、いろいろな結末が想像できて面白いから、これもアリかなと思う。
疑問に思ったのは何で結末を委ねる形にしたのか著者の思いが知りたいかな。
戦争の悲惨さを忘れてはいけない
同じ過ちを繰り返さないように
戦争を知ることが平和へのだい一歩
Posted by ブクログ
毎年、8月15日が近付くと戦争関連の映画やドラマが放送されるが、2年前ほども、この本が原作となって森山未来の主演で放送された。
それはかなり感動したが、原作本を改めて読むと・・・ん~。
それほど、森山未来の演技がよかったのだろう。
内容はタイムスリップもの。
現代の若者と60年前の戦争末期の特攻飛行兵が入れ替わってしまうという内容。
今も昔も、風俗や習慣は変わってはいるが心根は同じだという筋書き。
まあ、よくある話ではあるな。
アメリカ映画なんかでは、最後には元に戻ってハッピーエンドとなるんだろうが、これは違う。
最後の1行に、それらしき記述があるが、元に戻れたかどうかは読者の判断に任せている。
この辺が日本的だ。
本を読むよりもDVDをお勧めする。
Posted by ブクログ
2001年に暮らすフリーターの健太、1944年に海軍の飛行兵として生きる吾一、ふたりが同時にタイムスリップし、それぞれの時代で入れ変わった。…
現代人から見た戦争、昔の人から見た今が、良く表現されていて、とても面白かった。
健太の気持ちは共感に値するもの。
一方、吾一の、未来を嘆く気持ちと言うのは、いい着眼点だなと思わされた。
ファンタジーコメディ風ではあるが、テーマが戦争なので、考えさせられることは多数有り。
そして、二人の関係性が上手く繋がることには感心しきり。
結局どうなったかは、読み手に任されるという終着点。
やられた。
『正しい戦争なんて、どこにもない。戦死に尊いも賤しいもない。』は健太の言葉。
手軽に読める戦争小説。オススメです。
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