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夫とは職場の友人を通じて知り合った。口数は少ないし、ぶっきらぼうだけど、優しい。結婚して智晴(ちはる)が生まれ、慎ましいながらも幸せな3人生活が始まった。しかし生活はなかなか立ち行かない。息子を預けて働きに出た由紀子は、久しぶりの仕事で足を引っ張りながらも何とか食らいつき、家庭と両立していく。そんな矢先に発覚した、双子の次男と三男の妊娠……家族が増えてより賑やかになる一方、由紀子の前に立ち塞がる義母の死、夫との不和、そして――。「家族は時々、形を変えることがあるの。だけど、家族はずっと家族なの」。どんな形をしていても「家族」としてどれも間違ってない、ということを伝えたかったと語る直木賞作家・窪美澄が放つ、渾身の家族小説。文庫版には家族のその後を描いたスピンオフ短編「ははのけっこん」も収録。解説・白石一文
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Posted by ブクログ
智晴がいい子すぎる。
ただ、きっと真面目な父と母の性格も遺伝してるのかなとも感じた。
自分の子も自分のやりたいことや好きなものを見つけてくれたら嬉しいなと改めて思わされた。
育児を進める中で何か決定的なことがなくてもボタンの掛け違いみたいなことからすれ違っていくことはあるし、とてもリアルだった。
優しいいい人なだけでは育児の慌ただしさは越えられない…
バイタリティがいるな…と日々感じている今、とても共感するところが多かった。
ずっと穏やかで静かな性格のまま育児をできる人は稀じゃないか?と思うし、そうできる人を尊敬する。
蓮の花が咲く音、思わず検索して、本当にポンっと音がなることがあるのに驚いた。
チリンとなるものは見つけられなかったが、綺麗な音だった。
Posted by ブクログ
大人の事情、子どもの事情。
どちらも互いの事情に巻き込まれざるを得ないのが、家族だ。
現在は母であり、かつては子どもだった私には、母・由紀子の第1部も、息子・智晴の第2部も、どちらも刺さりまくる。
でも、どちらも相手を思いやっているのが痛いほど伝わるので、あたたかい気持ちになる。
感情のちょっとしたゆらぎが丁寧に丁寧に描写されているので、心をほんの少し突かれただけで、なにかが決壊してしまいそうな読書だった。
ぐっとくるシーンはたくさんあるのだけれど、個人的に一番良かったのは、智晴が自分の進路を自分で決めるところ。
由紀子も智晴も、ずっと人のために生きてきた。自分のこれからを自分の思いだけで決める、その清々しさが尊かった。
Posted by ブクログ
最近立て続けに人間の見たくないものや恥ずかしい部分などの隠しておきたいでもそれが本性みたいなものがたくさん描写されるような書籍を読んできたのでなんだかとっても心が温まる作品でした。本作はざっくり分けると2部構成の第1部はある女性が結婚して妻として、母としてのお話が描かれ、第2部ではその子供(長男)の視線で描かれていく。その二人だけではなく、家族一人一人が成長する過程ももちろんであるが、『家族』がどう変化し、成長していくかについて描かれていく。中には悲しい出来事もあるけれど、登場人物一人一人がとっても優しくて温かい。こんなに柔らかくて温かい話を読んだのは久しぶりで、子供達だけじゃなく、周りの大人たちの成長を追っていくのがとても楽しい作品だった。
また白石一文さんのあとがきも良い。
私たちの人生というのは簡単に言えば、人間関係の数珠つなぎである。 自分は他人とかかわることによって初めて「自分」となる。だとすると、私たちの人生を善きものにするも苦難の塊にするも、結局はいかに人間関係をうまく取り結んでいくかにかかっている。そして、この人間関係を豊かで学び多きものにするというのが、実は、とてつもなくむずかしいのである。
小説というのは人間の複雑さを私たちに教え、自分なりの人間観、人生観を練り上げていくうえで欠かせない貴重な〝ものの見方〟を伝授してくれるツールなのだ。
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