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よく晴れた冬の日、わたしは父を施設へ入居させることを決めた。厳格な祖母が仕切る家で、母の出奔後もひっそりと生きたかつての父。そして今、自分の人生を選び取ることで夫とすれ違いを深めていくわたし。生きるということは、二人の男を棄てることなのだろうか…。手探りで生きる人々の人生に寄り添い描いた作品集。短篇「夜と粥」を増補。
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Posted by ブクログ
「父を山に棄てに行く」此の言葉を聴いた時から気になっていた本でしたがやっと手にして読んでみて、彼女の才能に感謝です。
無様に。だけど、私はまだ生きているのだ-。焼夷弾が降る戦時下、喧騒に呑まれる80年代、そして黄昏ゆく、いま。手さぐりで生きる人々の「生」に寄り添うように描かれた8つの物語。
揺れ動く人間関係と「性」、それについて登場人物の心理描写を緻密に書いているのが窪美澄先生らしくてとても好き。 あとがきに 「それでも「性」の先に「生」がつながっていることは書けるのではないか。私が小説家として生き延びていくためには、それが大きなテーマになるのではないか、という思いがありました。」 と...続きを読む窪美澄が書いていることがとても印象的だった。
読み応えのある短篇集だった。 生きている限り切り離せない「生と性」がおそらくテーマで、そこに「死」のエッセンスが加わってくる。 自分自身歳を重ねて思うのは、まさに「すみなれたからだ」で何十年もこの身体と付き合ってきているのに、いまだに掴み切れない…というか、歳とともに変化してゆく部分を実感せずには...続きを読むいられないということだ。 太りやすくなる、疲れやすくなる、など加齢とともに表れやすい一般的な変化もあるし、女性ならば生理や出産などでの変化は人それぞれで、同じ女性同士でさえ理解し合えないことも多々ある。 そこに男女の性愛が加わろうものなら、悩み、虚しさ、過去に対する思いなど、様々なものがないまぜになっていく。 16歳と48歳の義理の父娘のインモラルな関係を描いた「バイタルサイン」、家族からは認知症と思い込まれている93歳の寝たきり女性が、戦時中に情事を重ねた男のことを回想する「朧月夜のスーヴェニア」がとくに印象に残ったし、他のお話よりエロかった(←褒め言葉)。 おもてには明かさない種類の性愛だからこそ…の雰囲気。 16歳のひと夏の恋を描いた「銀紙色のアンタレス」は切なく瑞々しくて、何となくダラダラと続く1組の同棲カップルの元に猫がやってきた「猫と春」はさらっとした中に深いテーマが隠されていると感じた。 「性欲ってどうしようもないな」と感じる事件も世の中ではよく起こっていて、どうしようもないからこそコントロールが必要で、でもそれが難しい関係性もあるからこそひとつの邂逅のような交わりに執着することもあるのかもしれない。 読んですぐに噛み砕くにはなかなか難しいテーマ。切り離せないからこそ悩むことも、よくある。
窪さんの小説を読んで、いつも思うのですが。 ほかの作家さんにない、奥行きというか心の動きというか、そういったものが怖いくらいに伝わってくるのです。 どうして踊るんだ?そこで触れたもの、見つけた物から感じたもの。そしてそれをどうして??とかね。 フィクションもあるけれど、ノンフィクションでもあると...続きを読むいうようなことがあとがきにありました。 ひとはけして人には言わないけれど、いろいろなものを抱えて生きているんだ、誰にも言えないこともあるでしょう。きれいごとだけでは生きていけない。そうですね、孤独なのかもしれないなあ、と改めて。 うまく書けなくて申し訳ないのですが、すばらしい作家さんだと毎回思います。
16歳の男女のすれ違う繊細な恋心にドキドキし おばあちゃんの家や海、龍宮窟の風景が絶えず脳内映像で浮かんでいた「銀紙色のアンタレス」 16歳の少女と46歳の義父とのインモラルな関係をハードに描いた「バイタルサイン」 同居する彼女と猫の様子が思わず目に浮かんで来る読後感の良い「「猫と春 」 ...続きを読む 家族に認知症と思われている老婆の戦時中の恋愛を描いた「「朧月夜のスーヴェニア」は人間の生と性が味わい深く心に残ります。 バラエティーに富んだ作品集で短編ながらも読みごたえのある1冊でした。
久しぶりにどっぷり小説の世界観に浸れました。 『バイタルサイン』『朧月夜のスーヴェニア』秀逸。 別の作品も読んでみたいと思える作家さんに出会えて幸せです。
性と生と死を扱った短編集。表題作は登場人物と同世代の読者にとっては、ドキッとさせられる内容。窪さんの作品は、綺麗事ではない苦しみや悲しみがいつもそこにあって、心の底の方を揺り動かされます。
初の窪先生。 人間から切り離すことのできない性と愛 表題作の短さが逆によかったし、いい意味で詰め込まれてるなと思う。 色濃く性を表す作品もあれば、ほのかだけど確実な感情のはじまりとか、心の機微みたいなものが正直に描かれている。 抗えない性というものの虚しさと儚さと尊さが沢山入っていました。
「猫降る曇天」の英字ビスケットの入りが好き。 窪さんの実体験なのかな?と思った。 完全に創作ならその想像力に戦慄する。
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