人生は11勝10敗と心得よ! このムズカシイ時代を、滑稽だけど懸命に生きる人たち――。自己啓発書を読み漁って空回る若きサラリーマン、お見合いパーティーに参加しても動物の行動を観察するように冷静になってしまう三十代女性、リストラされたことを家族に言いだせない二代目ベンチマン……。短篇の名手が描いた、ユーモラスでビターな7つの物語。
Posted by ブクログ 2019年07月28日
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大好き萩原浩の作品。
やっぱし面白いな~。地の文で笑っちゃう。
内容はわりかしヘビーというか、理不尽なことばっかなんだけど面白い。
オレオレ詐欺は大阪のおばちゃんには通用しないのと、
動物園での婚活パーティが特に面白かった。
ベンチマンは母、強しって感じ。かっこいいな女の嗅覚。
あと戦国武将...続きを読む
Posted by ブクログ 2017年11月24日
短編7作を纏めた本書は、荻原らしいユーモアに満ちたものです。
解説者「温水ゆかり」氏が解説している
「ユーモア小説はいい。役に立つわけでも、人間関係がよくなるわけでも、人生が劇的に改善されるわけでもないが、くすっと笑えば、どんよりした日常に一瞬陽が射す。」
同感である。
そのテーマに、本書では「節電...続きを読む
Posted by ブクログ 2016年05月02日
とかく現代は気疲れする毎日だ。それでも、私たちは生きていくために懸命に何かを為さなければならない。そんな私たちのユーモラス&ビターな人間愛あふれる七つの物語。
お気に入りは『ベンチマン』。サラリーマンの悲哀と家族の温かさが心に沁みる。いつ降りかかってくるかわからない悲劇が、荻原さんの手にかかると妙に...続きを読む