筑摩書房作品一覧

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  • 出版という仕事
    4.3
    出版という仕事は、編集であれ、営業であれ、「おもしろい」を日々扱う。そういう仕事なのです――。一冊一冊に向き合い、著者と読者をつなぎ続けて四半世紀。「仕事としての出版」の現実とこれからを語ります。 【目次】第1章 ようこそ、出版の森へ/第2章 「本好き」と「出版の仕事」を分けるもの/第3章 編集者のしごと――企画のたて方とそれ以前の話/第4章 先人たちの歩んだ出版の森/第5章 営業のしごと――最初の読者として/第6章 商売として――読者と消費者のあいだ/第7章 未来の森を育む
  • 不登校のあの子に起きていること
    4.0
    不登校の小中学生は約34万人。もしクラスの子が、自分が、わが子が、不登校になったとき、どんな困難や解決方法があるのか。学校に行かない・行けない彼らをとりまく環境はどうなっているのか。子どものつらい気持ち、親の孤立などの現状を伝える。 【目次】第一章 三四万人という数字の背景──不登校の現状/第二章 学校に行かないのもつらい──子どもの気持ち/第三章 軽視されている保護者の孤立──親の気持ち/第四章 ゲームと寝坊のスパイラル──家庭での対応方法/第五章 先生も不登校のプロじゃない──学校との相談・交渉/第六章 不登校ビジネスに要注意──適切な居場所探し/第七章 不登校は「お先真っ暗」なのか──その後の進路
  • 賽の河原 ――供養の宗教学
    3.8
    死別した、愛する人はどこにいってしまったのか。人間はその答えを求めて、死後の世界についてあれこれ考えを巡らせる。日本では、亡くなった子どもの行先として、独自の「賽の河原」が考えられた。著者は、10年以上にわたって、死者の口寄せなどで知られる津軽地方の「シャーマン」たちの調査をしてきた。本書は、「和製の地獄」とも言われる賽の河原を中心に、日本の供養を考えるものである。
  • 忙しい人のための美術館の歩き方
    4.0
    美術館に行きたいけど行けていないあなたへ。忙しいあなたにこそ、至福の余白時間を美術館で過ごすことが人生に必要なのです。美術館を出た後、世界が違って見えるはずです。時間がなくても、知識がなくても、大丈夫。とある現役学芸員が、美術館での過ごし方のキモとコツを、最新の美術館事情とともにガイドします。「語れる」ための鑑賞の心得も、レクチャーしますよ。さあ、スマホから顔を上げて、出かけましょう。
  • 「主体性」はなぜ伝わらないのか
    4.0
    多くの企業が、就活生や若手社員に「主体的であること」を強く期待している。この傾向は小学校から大学まで、教育現場にも波及している。しかし、最長16年間も育まれたはずのこの資質は、「学生に不足していると思う能力」第1位として指摘され、企業内部においても世代間の大きなすれ違いを生んでいる。この本では「上司が評価してくれない」「若手は言われたことしかしない」といったお互いの不満を解消し、「主体性」という曖昧で便利な言葉に込められた意味を解き明かす。
  • 有吉佐和子ベスト・エッセイ
    4.0
    研ぎ澄まされた美意識旺盛な好奇心と行動力 有吉佐和子のエッセイ集ベスト版! 『華岡青洲の妻』『恍惚の人』『青い壺』『非色』・・・・・・ 今また読まれている理由がこの1冊でわかる。歴史や社会問題、伝統芸能から現代人の心の機微まで、作品のテーマは多岐にわたり、また書くものは次々にベストセラーとなった昭和を代表する作家・有吉佐和子。若くして始まった作家人生を支えたのは美への探究心や旺盛な好奇心、行動力であった。その明るくバイタリティに溢れる人物像や創作の現場がうかがえるエッセイやルポルタージュをまとめる。ちくま文庫オリジナル・アンソロジー。
  • 星の牧場
    3.7
    児童文学者で小説家の庄野英二の代表作になる長編ファンタジー小説。世界大戦の復員兵イシザワ・モミイチは戦地で、愛馬ツキスミを失い、心に深い傷を負って、記憶もまた失っている。ある日、牧場で働くモミイチは、馬の蹄の音を聞き、それに導かれるように山に分け入ると、クラリネットを吹く男に出会う……。刊行当時、数々の名だたる児童文学賞を受賞した名作の復刊。解説 絲山秋子
  • 新版 いくさ世を生きて ――沖縄戦の女たち
    5.0
    終戦から33年が経過した1978年、著者・真尾は沖縄へ向かう。県民の四人に一人が犠牲になった地上戦に巻き込まれ、親を、子を、夫を、友を、尊厳を、あらゆるものを奪われた女性たちの痛みの記憶は、戦後なお静かに秘められていた。黙する声を聴き取ろうとする「己の罪深さ」を強く自覚し、それでも未来へ言葉を残す。祈りを届ける傑作ノンフィクション、待望の復刊。解説 吉川麻衣子(沖縄大学教授)
  • 意識の不思議
    3.0
    意識はどこにあるのか? 脳はただの物質で、脳で行われているのは単なる電気信号の伝達だ。なのに、私たちは、何かが見えていると感じたり、リンゴは赤いなぁと感じたりする。脳のどこで何をどのように感じているのだろう? 電気信号がある時に意識となるのなら、機械にも置き換えられるのだろうか? 意識が湧くその仕組みが分かってくると理論的には脳と機械を繋いで意識をアップロードすることも可能になるかもしれない。私たちは機械の中で生き続けられるのか?? 壮大な研究に挑む。 (1)意識はどこにあるのか? 意識はどのように発生するのか? そのメカニズムから意識を機械に移植するという脳神経科学の最先端の研究までをわかりやすく解説。(2)私たちの身体や脳は電気仕掛けで動いている。では、私たちが感じているこの「意識」はいかに生じるのか? 意識の発生するメカニズムから、意識を機械に移植するという脳神経科学の最先端までを分かりやすく解説。 【目次】第一章 意識について三つの不思議/第二章 脳を研究する方法/第三章 脳と機械はどう違うのか/第四章 機械脳の作り方/第五章 機械の中の意識を確かめる/第六章 意識を機械にアップロードする/第七章 デジタル世界で生きる未来
  • だれが戦争の後片付けをするのか ――戦争後の法と正義
    4.3
    戦争にかかわる法は、人類の歴史のなかで着実につくられてきた。21世紀に入り、「戦争後の法(ユス・ポスト・ベルム)」と呼ばれる概念が注目されている。本書では、ロシア・ウクライナ戦争をおもな例にとりながら、戦争犯罪の捜査・裁判、兵士の帰還、被害者への賠償といった戦後処理の実践を紹介する。類のない、「終戦後」論である。
  • アラン ――戦争と幸福の哲学
    -
    アランは思想の体系化や理論化を嫌い、具体的なものを目の前にして語り、ノートを毎日持ち歩き、プロポ(哲学断片)を綴り続けた。名著『幸福論』を通じて広く親しまれてきた彼の哲学には、二度の世界大戦が影を落としている。戦争の愚劣さを体験するため、自らすすんで従軍し、危険な前線に立ったアラン。その言葉は、暗い現代を生きる私たちに何を投げかけているだろう。生涯と思想の断片をつなぎ、「考えるとは否と言うこと」というアランの声に〈いま〉耳を傾ける、第一級の評伝。
  • 経済学者のアタマの中
    4.0
    経済学者が日々考えているのは「世の中をよくするための仕組み」です。伝統的経済学、行動経済学の考え方の本質と、学問全体の見取り図がわかる「経済学」入門! 第一人者が案内します。
  • もっと学びたい!と大人になって思ったら
    3.5
    社会科8科目の予備校講師で現在は人生3度目の受験生。49歳のときに2度目の大学卒業を果たした著者が伝える「大人になっても学び続ける」技術。メリットとデメリット、時間とお金、大学再入学の経験を本音で伝える1冊です。講義をする側・受ける側双方の経験を通して得た知見を語ります。 【目次】第1章 なぜ学び続けるべきなのか?/第2章 学び続けてよかったこと・わかったこと/第4章 大学・大学院での「学問」ってなんだろう?/第5章 学びの不安に応えるQ&A
  • 死刑について私たちが知っておくべきこと
    4.3
    死刑制度に「なんとなく」で賛成または反対していませんか。冤罪があれば取り返しのつかない「究極の刑罰」にもかかわらずその実態は知られておらず、十分な議論もなされていない。日本の死刑制度とその運用にはどのような問題があるのか、維持するのならどうあるべきか、考えるための材料を示す。 【目次】第1章 死刑はどのように運用されている?/第2章 刑事政策の暗黒時代とその後/第3章 被害者を支援するとはどういうことか/第4章 死刑存置派と死刑廃止派の水掛け論/第5章 日本の市民は本当に死刑を望んでいるのか/第6章 「死刑は残虐な刑罰か」の過去・現在・未来/第7章 アメリカが死刑を維持するためにとった7つの観点/第8章 死刑存廃論のミニマリズム
  • 世界の力関係がわかる本 ――帝国・大戦・核抑止
    4.3
    戦争をなくしたい。兵器のない世界をつくりたい。でも、自分だけ先に武器を手放してしまったら、他の国に侵略されてしまうかもしれない……。そんなジレンマのなかで戦争と平和を繰り返す、世界の国々の力関係を読み解きます。 【目次】第一章 世界の力関係はどう変わってきたか――帝国と主権/第二章 帝国の出現を防ぐ手立てとは何か――勢力均衡/第三章 世界大戦はなぜ起こったか1――脆弱性による戦争/第四章 世界大戦はなぜ起こったか2――機会主義的戦争/第五章 国連はなぜ機能しないのか――集団安全保障/第六章 核兵器はなぜなくならないのか――核抑止/第七章 戦争はどう終わるのか――戦争終結/第八章 人類はまた大戦争を引き起こすのか
  • 「頑張れない」子をどう導くか ――社会につながる学びのための見通し、目的、使命感
    4.0
    「やらない」「できない」のは、大人のせい!? やる気や「できる」を増やす声のかけ方や環境の整え方を、ベストセラー『ケーキの切れない非行少年たち』著者の児童精神科医と現役教諭が日常生活ですぐに使えるヒントを具体的にアドバイス。 【目次】第一章 子どもが“見通し”をもてるように/第二章 子どもの“目的”を支えるために/第三章 やる気を“使命感”に繫げるために
  • 検証 異次元緩和
    -
    日銀が黒田総裁のもと採ってきた大規模金融緩和政策は、雇用環境の改善、財政赤字の縮小など多くの成果をもたらしてきた。だがそうした事実にもかかわらず、大規模な緩和が物価の急騰、為替の暴落など様々な副作用をもたらしてきたとの批判がある。そこで本書では、客観的なデータに基づいて大規模緩和の成果を検証。大規模緩和に対する否定論が十分な事実に基づかない議論であること、緩和の副作用もありえないことを示す。あわせて今後の金融政策の採るべき道筋を示したい。
  • 子どものおしゃれにどう向き合う? ――装いの心理学
    3.8
    「ちょっとぽっちゃりしてきた?」「最近は小学生でも脱毛するんだって」「ほら、クラスのあのかわいい子」……大人の何気ない声かけ・言葉が、子どもたちの身体への意識に影響を与えます。子どもたちにとっておしゃれとは、社会と向き合い、そして自分を知るための大切なツールなのです。イメージで語る前に、まずはその実態を探ってみましょう。 【目次】はじめに/第1章 おしゃれと装いの心理学/第2章 見た目を意識する子どもたち/第3章 メイクアップ・体毛処理/第4章 瘦身体型とダイエット/第5章 おしゃれによる心身のトラブル/第6章 メディアの影響/第7章 (母)親の影響/第8章 親が本当に困っていること/第9章 大人は子どものおしゃれにどう向き合っていくか/第10章 子どもにとってのおしゃれの意味や意義/おわりに
  • 実践! 新社会人のキホン
    5.0
    世代間ギャップ、時間意識やライフステージの変化。この三つは新社会人なら誰しもぶつかる問題である。それらを解決し、充実した社会人生活を送るにはどうすればよいか。ビジネスコーチが効果バツグンの知識とスキルを解説。 【目次】まえがき/第1章 世代間ギャップと社員教育の実情/第2章 知っておいてほしいこと/第3章 ぜひ実践してほしいこと/第4章 ウェルビーイングの実現に向けて/あとがき
  • 社会は「私」をどうかたちづくるのか
    3.3
    なぜ「私」は、今のような「私」であるのだろうか? 他者との関係性からより広い社会的状況までに影響を受け、「私」という存在は複雑にかたちづくられている。社会学のさまざまな観点からその成り立ちについて考え、「私」と社会をめぐる風通しをよくする手がかりを示す。 【目次】第1章 数字でみる「私」/第2章 他者と「私」/第3章 現代社会における「私」/第4章 つくられる「私」/第5章 語られる「私」
  • 国立大学教授のお仕事 ――とある部局長のホンネ
    4.2
    時は1993年。若き政治学者・木村幹(27歳)は、愛媛大学法文学部に助手として採用された。「雇用の安定した国立大学に就職し、研究に集中したい」という夢が早々に叶い、これで韓国の政治文化研究に打ち込めると思いきや、国立大学の置かれた状況は刻一刻と悪化していく。神戸大学に移るも、2004年の独立行政法人化により研究費も人員も削減され、予算獲得のための仕事が日々の研究を圧迫する。昇進しても、小さいパイの取り合いで疲弊するばかりだ。還暦間近のとある部局長が見つめた、おかしくも哀しい国立大学の30年。
  • 「東大卒」の研究 ――データからみる学歴エリート
    3.9
    学力格差や体験格差が深刻化する日本の教育。そんな中、入試難易度や威信という点においてトップに君臨しつづける東京大学に進学するのはどんな人たちなのか。学歴エリートはどこからきてどこへ行くのか。中高一貫男子校出身者の多さや地方女性の少なさの実態、親の学歴、家庭環境や文化経験、卒業後の職業・年収・役職、結婚や子育て、そして社会意識や価値観まで。東大卒業生を対象に行われた大規模な独自調査のデータから明かされる、学歴エリートの生態と格差社会のリアル。 【独自調査から徹底検証! データから読みとく学歴エリートの実態】こんなに多い!中間一貫男子校出身者/幼少時の読者や文化経験は?/地方女性という困難/親の学歴はどう影響している?/就職・年収・役職/「東大女性は結婚できない」は本当?/学歴エリートの偏った社会意識……
  • されど魔窟の映画館 ――浅草最後の映写
    4.5
    下町風情あふれる浅草に残った旧作映画を上映する昭和レトロな映画館。じつは所謂「ハッテンバ」だった。しかも警察や消防が時には出動してくるなど場内はカオス状態。多額の借金を背負い、そこに映写係で勤務することになった著者が体験する疾風怒濤の日々。かつては映画館街として栄えた浅草から、ついに映画の光が消える日がやってくる……。文庫オリジナル/解説 鈴木里実
  • 自分にやさしくする生き方
    4.1
    セルフケアは「一人で頑張る」ものではありません。日常のストレスに気づき、心の根っこにあるもやもやを解消し、自分にやさしくする技術を身につける一冊です。こんな人におすすめ:寝る前も勉強や仕事が気になってリラックスできない/休むと自分を甘やかしているようで罪悪感がある/人に迷惑をかけるのが怖くてSOSを出せない/みんなはもっと頑張っているのに……と落ち込む 【目次】第I部 自分にやさしく気づきを向ける/第1章 ストレスに気づいて観察する/第2章 ストレスを感じる自分にやさしさを向ける/第II部 周囲からのサポートを受けることで自分にやさしくする/第3章 孤立せずに人とつながることの重要性/第4章 サポート資源を確認したり調べたりする/第5章 サポートネットワークを作成し、積極的に活用する/第III部 「自分にやさしくする」スキルを身につける/第6章 安心安全を自分に与える/第7章 中核的感情欲求に気づいて、満たす/第8章 セルフ・コンパッションを理解し、実践する
  • 私たちは何を捨てているのか ――食品ロス、コロナ、気候変動
    3.7
    食品ロスは、コロナ禍やウクライナ侵攻、気候変動など、地球規模の事件と繋がっており、貧困や飢餓の問題にも影響を与えている。社会問題として複雑に絡まった因果関係を、多数の事例を挙げながら丁寧に解説する。牛乳、コメ、卵など身近な食べ物をめぐる話題から賞味期限と消費期限、ごみ問題まで、私たちの生活と直結する内容が満載。
  • フッサール入門
    4.2
    現象学は、世界とかかわる私の経験の仕組みを解明し、日常の事柄に新しい視点を与え、身近な他者ともう一度出会いなおす試みだ。一生をかけて愚直に著述を重ね、認識をめぐる哲学の根本問題と対峙し、現代哲学を切り拓いたフッサール。超越論的還元、エポケー、直観、志向性、ノエシス/ノエマ、知覚、生活世界、エンパシーといったエッセンスを平易に解きほぐしながら、誰も踏み入れたことのない場所で孤独に探究しつづけたフッサールの哲学的思考を追いかける、決定版入門書。
  • 日本経済の死角 ――収奪的システムを解き明かす
    4.2
    「失われた30年」で日本の生産性は上がっているのに、実質賃金が上がらないのはなぜなのか? 労働法制、雇用慣行、企業統治、イノベーション……日本経済の長期停滞をよみとく際の「死角」や誤算を白日のもとに晒し、社会が陥りかけている「収奪的システム」から抜け出す方途を明示する。予測的中率に定評のある最注目のエコノミストによる、まったく新しい経済分析の渾身の快著。経済構造に関わるあらゆる謎が氷解する。
  • 新版 禁酒宣言 ――上林暁・酒場小説集
    4.0
    「私は酒がやめられないのである」「だらしない話である。恥かしい話である」しかし不思議と憎めず愛しい、戦後・昭和の人間模様――。「小生、この度感ずるところあって、酒を止めることにしました。断然止めたいと思います。」「酒を飲むから、仕事が出来ぬ。仕事が出来ぬから、金があんまり入らない。」(「禁酒宣言」)止せばいいのに今日も今日とてふつか酔い、後悔してももう遅い。確かな筆致で人間の生活を描き続けた私小説作家・上林暁の世界から坪内祐三が選りすぐる、ユニークな酒場小説集。解説 青柳いづみこ
  • 読めば分かるは当たり前? ――読解力の認知心理学
    4.3
    読解力は一朝一夕で身につくものではなく、絶えず鍛えていかなくてはならないものです。まずは、自分の読解力の現状や、自分が望んでいるような「読解力がある状態」にどうやったらたどり着けるのか、その道筋を考えます。そして、自分の読解のクセやつまずきを知って、読解力を高めるためにもっともよい練習方法は何か選べるようになる事が重要です。この本を通して、皆さん自身で練習方法を見つけたり、練習方法を編み出すことができるようになってほしいと思います。 【目次】第一章 三つの読解/第二章  読んで理解するための心の「道具」/第三章 文字を読むのは簡単か/第四章 単語を知っているということ――ボキャブラリー/第五章 文の意味を読み解く/第六章 文章全体を把握する/第七章  表象構築のために何ができるか/第八章 心を動かす読解/第九章 状況モデルの批判とアップデート/第一〇章 おわりにーー読解力の地図は描けたか
  • 「嘘をつく」とはどういうことか ――哲学から考える
    3.5
    「噓をついてはいけない」と言われるけれど、噓をつくとは何をすることで、どう悪いのか。それでもなぜ噓をついてしまうのだろうか。「自分自身であること」を選び取るために、ごまかすことなく噓を真面目に考えてみよう。 【目次】第一章 噓をつくとは何をすることか/第二章 噓をつくことはどう悪いのか/第三章 それでもなぜ噓をつくのか
  • まさかの税金 ――騙されないための大人の知識
    4.0
    増税、減税と手取り、インボイス制度、ふるさと納税など、「税」は私たちの身近にある。庶民がせっせと働いて真面目に納めている税金、その使い道を決める議員がズルをするのは許せない。しかも、税金の制度は、政治家や富裕層ばかりが得するように作られていないか。はたまた、庶民が勘違いしている盲点はないか――税法のご意見番の先生が、庶民が知っておきたい「税」知識を解説する面白税金問答。「まさか」と騙されないために……制度や権力の闇とからくりを暴きます。
  • 景気はなぜ実感しにくいのか
    3.0
    「給料が上がらず生活が苦しい」という国民の実感と「景気は緩やかに回復している」という政府の発表は食い違っている。テレビや本で紹介される経済学者の言うことは現実問題と関係が無いとすら思える。どうしてデータと実感がズレるのか。GDPや景気動向指数はどのような仕組みなのか。景気の問題と二百年以上向き合ってきた経済学の歴史から、現代の政策に至るまで「景気」の実相を究明し、不透明な日本経済に光をあてる。
  • 忘れの構造 新版
    -
    「カラダは私の宇宙のブラック・ホールかもしれない。ブラック・ホールは光より速い速度で万物をひきよせているから見えないのだそうだ。言葉以上の速さで思考が突入する地点、それがカラダであり、思考の言葉にとってそれはナイというほかない。」人間はなぜ忘れるのだろう? “忘れ現象”に独自の光を当てて、人間が人間であることの意味を深く見つめる哲学エッセイの名著。 解説 若松英輔
  • ストリートの思想 増補新版
    4.0
    イデオロギーによる旧来の党派的「動員」とは異なる、自律性を帯びた資本/権力への抵抗運動はどのように現れたのか? パンクやニューウェイヴなど80年代のインディーズ文化を源流とし、90年代のサウンドデモや「素人の乱」を経て、3.11後の反原発・反政府・反グローバル資本主義デモへといたる地下水脈を読み解くオルタナティヴ思想史。2010~20年代の動きを増補して文庫化。
  • ヤンキーと地元 ――解体屋、風俗経営者、ヤミ業者になった沖縄の若者たち
    4.1
    生まれ故郷が嫌いだと吐き捨てるように言った、一人の若者。その出会いを原点に、沖縄の若者たちをめぐる調査は始まった。暴走族のパシリとなり、建設現場で一緒に働き、キャバクラに行く。建設業や性風俗業、ヤミ仕事で働く若者たちの話を聞き、ときに聞いてもらう。彼らとつき合う10年超の調査から、苛酷な社会の姿が見えてくる──。補論を付した、増補文庫版。
  • よりみち部落問題
    3.6
    私は被差別部落に生まれた。自らの出自を考えずに自由に生きることこそが、部落問題の解決ではないか。そう考える著者がたどりついた地平は――。被差別部落のみならず、あらゆる差別を考える一冊。たまたま被差別部落に生まれたために、部落問題についてあれこれ思い悩んだ半世紀。記者として取材した差別、共同体の過去・現在・未来、今こそ語りあかす。
  • 組織論の名著30
    4.0
    私たち人間は、組織をつくることで繁栄を遂げてきた。20世紀に興隆する組織論は、企業組織のあり方の探究などわめて実務的な面をもちつつも、他方で集団を形成し協働するという人間本性に根ざした学際的な学問だ。本書では、バーナード『経営者の役割』やウェーバー『支配について』といった近代組織の基底をなす議論から、リーダーシップ論、組織文化論、組織学習論、意思決定理論、さらにはオライリー&タッシュマン『両利きの経営』といった近年の著作まで国内外の名著30冊を精選。組織に生きるすべての人に向けられた最良のガイド。
  • ルポ アフリカに進出する日本の新宗教 増補新版
    3.5
    コンゴ、ウガンダ、ガーナ、ブルキナファソ、コートジボワール……アフリカ各国で著者が出会ったのは、なんと日本の新宗教を信じる現地住民たちだった。統一教会、創価学会、真如苑、崇教真光、幸福の科学、ラエリアン・ムーブメント、天理教などを信じる彼らの生活や思い、現地での実像や人気の理由に迫る、唯一無二のルポ。その後の情報を追記し、新章を増補。解説 安田峰俊
  • 洲之内徹ベスト・エッセイ2
    -
    「「かすみ草」を見ていると、私はふしぎに、いま自分はひとりだという気がする。いい絵はみんなそうかもしれない」白洲正子がその審美眼に全幅の信頼を寄せた「目利き」洲之内徹。獄中「転向」によって思想の意味を見失い、その場その場を生き延びる習性を身につけた。放蕩と諦観の果てに、洲之内が見出した美への「誠意」とは──。戦前に書かれた最初期の批評を含む美術エッセイの名筆を集めたアンソロジー第2弾。
  • ヘルシンキ 生活の練習
    4.0
    フィンランドの子育てに、目からうろこ。「母親は人間でいられるし、人間であるべきです」二人の子どもと海を渡った社会学者による現地レポート。「考え方が変わる」と大反響。待望の文庫化!
  • 水木しげる厳選集 虚
    4.2
    「あの世もこの世も、過去も現在も未来も同時に存在するかのようにして、救われる」──怪優・佐野史郎の魂の遍歴は常に水木作品と共にあった。俳優としての指針ともなったゆるぎない世界観、幻想文学へ導いてくれた怪異譚の愉悦……「かたときも離れられない」と言わしめた傑作短編群から愛する「鬼太郎」シリーズの好編まで、ニヒリズムをユーモアに包んだ逸品を厳選。選者解説を付す。
  • 水木しげる厳選集 異
    4.0
    「わたしも水木しげるになりたい」──。作者とその生み出したキャラクターたちをこよなく愛する漫画家・ヤマザキマリが、広大無比な作品群からマイ・フェイバリットを厳選。代表作「河童の三平」「のんのんばあ」掌中の逸品から『ガロ』以降の諧謔と飄逸に富んだ傑作短編まで、選者ならではの視点で選び抜かれた、異境に遊ぶ奇譚集。水木ワールドとの出会いと愛を語る選者解説を付す。
  • ぼっちのままで居場所を見つける ――孤独許容社会へ
    3.8
    『アナ雪』でひとり氷の城を作ったエルサは本当に孤独だったのか? 運命の恋人、姉妹の愛、孤独から救うのは個人のつながりだけなのか? 映画、マンガ、英文学の名著、とある女王の史実までを読み解き、良い孤独のある社会、孤独を許容する社会を想像する。新時代を目指すカルチャー批評。 【目次】第一章 ロンリネスとソリチュード――または、エルサの孤独/第二章 孤独はいつから避けるべきものになったのか――ひとりぼっちのロビンソン/第三章 「ソウルメイト」の発見――依存と孤独とジェイン・エア/補論 「友達100人」は孤独を癒やしてくれるのか?/第四章 死別と孤独――ヴィクトリア女王から『葬送のフリーレン』へ/第五章 田舎のソリチュードから都会のロンリネスへ――森の生活と、ある探偵の孤独/第六章 自分ひとりの部屋と向かいのおばあさんの部屋――ヴァージニア・ウルフの場合/第七章 誰でも孤独でいられる社会へ――排除型社会と孤独
  • 金利を考える
    3.9
    住宅ローンや消費者金融、銀行預金に個人向け国債。私たちの身の回りには「金利」があふれている。「低金利だから円安になる」「金利を上げると不景気になる」といったニュースも、毎日のように聞こえてくる。これらの「金利」はお互いにどんな関係があって、それぞれの金利はなぜ/どうやって決まるのか。金利が動くと私たちの生活に何が起きるのか。金融政策の第一人者が、身近な事例をもとに根本から解き明かす。お金と社会を見る目が変わる、実践的経済学の書。
  • 5語で通じるすごい英語表現 ――94パターンで話がとぎれない
    5.0
    日本人の英語は丁寧だが、時代に追いついていない表現もある。ビジネスや旅先で、SNSでもう少し生きた英語、かっこいい英語を使いたい人はぜひ手に取ってほしい。決して難しいわけではなく、ほとんど「5語以内」のシンプルなやさしい表現で相手に通じて、「わかってるね」と思われる。あなたの英語をブラッシュアップして、会話力を爆上がりさせよう!
  • 社会保障のどこが問題か ――「勤労の義務」という呪縛
    4.0
    病気やケガをしたとき、出産や育児、そして介護が必要になったときの生活を保障する社会保険。働けなくなったときや老後の生活を支える年金制度。毎月の給料から天引きされているものの、いざというとき自分がどの給付を受けられるのかわかりにくく、申請するのもどこか後ろめたい。日本の社会保障はなぜこんなにも使いづらいのか。複雑に分立した制度の歴史から、この国の根底に渦巻く「働かざる者食うべからず」の精神を問い、誰もが等しく保障される社会のしくみを考える。
  • 持続可能な交通まちづくり ――欧州の実践に学ぶ
    4.7
    欧州では、大都市も地方都市も、街の空間を再編し、多様な移動の選択肢を提示することで豊かな生活を実現しつつある。これはEUが提示した「持続可能な都市モビリティ計画(SUMP)」に基づく交通まちづくりの成果といえる。欧州の事例をそのまま日本には適用できなくとも、良いところを学ぶことで活力を取り戻せるはずだ。欧州における最新の取り組みと背後にある考え方、日本の交通政策の歴史的経緯を踏まえつつ、これからの日本に求められる具体的な戦略を提言する。
  • 翻訳をジェンダーする
    4.0
    翻訳小説の女性達は原文以上に「女らしい」言葉で訳されていることがあります。翻訳と社会とわたし達の密接な関係を読みとき、性差別をなくすための翻訳、社会に抗する翻訳の可能性を探る一冊。
  • 東大ファッション論集中講義
    3.8
    ファッションとは何か? 衣服とは? 12のテーマを通じて文化や芸術としてのファッションを学び、歴史と未来に問う。東大生の反響を呼んだ一度きりの特別講義がその熱を凝縮した一冊となってよみがえる。
  • マンガ認知症【施設介護編】
    4.3
    大好きな祖母が認知症になってしまい、母と二人で介護に取り組むマンガ家、ニコ。在宅介護が限界を迎えて施設に入居してもらったものの、祖母の認知症の症状がみるみる悪化していきました。ふたりはしょっちゅう呼び出され、かかる費用は月40万円……!? じつは、認知症の人には「向かない施設」があるんです。「施設介護の始めどきって?」「この行動は本人からのSOS?」「職員さんとどう話せばいいの!?」「施設で最期を迎えるのはかわいそう……」介護事業を立ち上げて30年のコジマさんと認知症の心理学の専門家・サトー先生が、認知症の施設介護の不安を解きほぐします。
  • 歴史学はこう考える
    3.7
    史料の山に埋もれ、ひたすら解読している? 過去の出来事の是非を論争する? このようなイメージがある歴史学では実際に何が営まれているのか。明らかにしたいものは様々でも、歴史学には共通のプロセスがある。史料とはなにか。それをどう読んでいるのか。そこからオリジナルな議論をいかに組み立てるのか。歴史について語る前に、最低限知っておきたい考え方を解説する。
  • 洲之内徹ベスト・エッセイ1
    -
    「買えなければ盗んでも自分のものにしたくなるような絵なら、まちがいなくいい絵である」。かつて小林秀雄が「今一番の批評」と称賛し、美術エッセイ「気まぐれ美術館」で人気を博した洲之内徹。陰惨な戦争体験を引きずり、癒すことができない飢えを抱えながら、屈託のある達観の文を書いた。振り返られることが少なくなった異才の随想を、稀代の美術評論家・椹木野衣が選りすぐったコレクション。
  • 暗渠マニアック! 増補版
    3.3
    かつてあった川、暗渠の存在を知るとまち歩きが一気に楽しくなる。著者は、歴史を掘り下げ情緒豊かに描き上げる吉村生と、調査データを元に俯瞰的に暗渠に迫る髙山英男、二者が織りなす暗渠偏愛本。東京(杉並、巣鴨、荒川等)をはじめ近郊三県、札幌から那覇、台北まで。文庫化にあたり、下北沢、横浜、豊橋(暗渠上ビル)、堺(古墳)の暗渠40頁分を書し下ろした。
  • 大阪・関西万博 「失敗」の本質
    4.1
    遅々として進まないパビリオン建設。肩透かしを食らう機運醸成。理念なき中、喧伝される経済効果。夢洲の開発にかける維新の思惑。過去の成功体験に引きずられながら、詰めが甘いまま進行してしまった大阪・関西万博。現状のまま開催されれば、「成功」とは到底言えないだろう。なぜこうした事態に陥ったのか。その真相を深掘りする。
  • 樹木の教科書
    4.0
    どれも似ていて、見分け方がわからない。よく見かけるけれど、名前を知らない。樹種はわかっても、どんな特徴をもつのかわからない―。特徴、利用法、環境との関係など、樹木の生態がわかれば、地球の歴史と進化が驚くほどクリアに見えてくる! 植物学の第一人者が、地球環境のなりたちを樹木でひもとき、カラー写真を用いてやさしく説く入門書。
  • 「性格が悪い」とはどういうことか ――ダークサイドの心理学
    3.3
    ダークな性格として、典型的なものは「マキャベリアニズム」「サイコパシー」「ナルシシズム」「サディズム」の四つである。それぞれの特性、測定方法を紹介、また仕事の相性、職場での行動、人間関係、異性との付き合い方等を分析し、どんな問題に結びつきやすいか、さらにその気質は遺伝なのか、環境なのかにも迫る。「悪い」性格が社会に残っていることには理由があり、どんな人にもダークな面はあることも明らかにする。
  • バトラー入門
    4.2
    現代のジェンダーとセクシュアリティ研究の方向性を決定づけたとされるジュディス・バトラーの主著『ジェンダー・トラブル』は、その難解さでも名高い。実は、バトラーの理論を理解する鍵は、当時のフェミニストやセクシュアル・マイノリティが置かれていた現場――社会と歴史と思想の文脈にある。クィア理論って何? ブッチ/フェムやドラァグ論はどこから来たの? パフォーマティブってつまりどういうこと? バトラーの主著『ジェンダー・トラブル』を時代ごと理解する。
  • 闇の中国語入門
    4.2
    「生活が苦しい(日子很难过)」「ひとりぼっちだ(很孤)」「もう精神の限界です(我的精神快要崩溃了)」。お金の不安や競争に疲れて悲鳴を上げるのは、どの国の若者も一緒です。一方で、こんな状況を離れて「奢求(過度の望み)」を持たず、「风险(リスク)」を回避し、「没出息(意気地なし)」と言われながらも「塦平(寝そべる)」ことを選ぶ人も出てきました。経済の悪化や社会への不満、同調圧力への反発は、中国社会に新たな文化を生み出しています。心と社会の闇を表現する45の言葉から読み解く、かつてない現代中国文化論。
  • 戦国武将と男色 増補版
    3.5
    「織田信長×森蘭丸、上杉謙信×直江兼続、武田信玄×高坂昌信… 戦国武将が麗しい小姓を寵愛するのは当然の嗜みで、人々はその関係を心から礼賛した―」とする「常識」は、どこまで事実なのだろうか。本書では、史料をベースに、俗説と実像を区別していく。男心と歴史を動かした武家衆道の盛衰史。
  • 老後は上機嫌
    -
    人間が生きるというのは非常に面倒くさいが、どうせなら、笑って面白く、長い人生、楽しんだもん勝ち! 舌鋒鋭い生物学者と、自称「面白中毒」のイラストレーターが贈る、抱腹絶倒の人生賛歌。「つまらない」と「面白い」の違い/「発見」のよろこび/先のこと考えない/適当にAIやコンピューターに頼る/変化を歓迎する/世の中のヘンなこと、冗談を探す/マイノリティーをおそれない/首尾一貫はバカのやること/頑張るのはNG……朗らかに面白く生きるヒント満載の楽しい本。
  • ミステリー食事学
    3.0
    昭和24年に江戸川乱歩を唸らせデビューした小説家・日影丈吉のもう一つの顔は、名だたる有名ホテルの料理人たちに仏語を教えた料理研究家であった。伝説の毒薬から悪食珍味に絶品フレンチ、メグレやホームズ、クイーンら名探偵が口にしたはずの各国の味の裏側まで、世界の「食」と「謎」をたっぷりと語る。グルメ文化史としての魅力も輝く名エッセイ、待望の復刊。
  • ニッポンの思想 増補新版
    4.8
    80年代の浅田彰・中沢新一・柄谷行人・蓮實重彦がもたらした知の衝撃、90年代における福田和也・大塚英志・宮台真司の存在感、ゼロ年代を牽引した東浩紀、テン年代と切り結ぶ國分功一郎と千葉雅也―。およそ半世紀にわたるこの国の思想と批評の奔流を一望したベストセラーに、二つの新章を加え更新して文庫化。
  • 岡倉天心『茶の本』の世界
    -
    明治時代に国を挙げて西洋化に突き進むなか、 日本美術の発展に功績を残した岡倉天心(1863‐1913)。ボストン美術館中国・日本美術部の責任者として、 東洋の美術を欧米に紹介し、1906年刊行のTHE BOOK OF TEA(『茶の本』)が全米ベストセラーとなったことで国際的に知られる。 岡倉天心の曾孫であり、近現代の国際関係史を専門とする著者が、国際文化交流の見地から『茶の本』をこれまでに知られていなかった視点をふんだんに盛り込んで徹底解説する決定版入門書。
  • 税という社会の仕組み
    3.9
    税を納めたくない気持ちはどこからくるのだろう。税は使い道を選択し、払うことができるものだ。世界や日本の税制の歴史、問題点や展望を見つめ民主主義を実現するための税という仕組みを考える。 【目次】第1章 私たちはなぜ税金を納めるのか/第2章 税制の歴史的発展/第3章 日本の税制の発展史/第4章 これからの世界と税金/第5章 税金を私たちの手に取り戻す
  • ネットはなぜいつも揉めているのか
    3.7
    日々起きる事件や出来事、問題発言をめぐって、ネットユーザーは毎日のように言い争っている。他人が許せないのは、対話が難しいのはなぜか。物事の見え方に違いが生まれるのはなぜなのか。背景にある社会やメディアのあり方を考える。 【目次】第一章 「表現の自由」をめぐる闘争/第二章 ソーシャルメディアの曖昧さと「権力」/第三章 エコーチェンバーの崩壊と拡大する被害者意識/第四章 「不寛容な寛容社会」とマスメディア批判/第五章 二つの沈黙、二つの分断/終章 単純さと複雑さのせめぎ合い/あとがき
  • 隠された聖徳太子 ――近現代日本の偽史とオカルト文化
    4.0
    日本史上、最も神秘に満ちた「聖人」――聖徳太子。近代において「人間太子」も登場するが、それは無論ただの人間ではない。日本が「西洋化」する中、彼と西洋との繫がりが語られる。そして「オカルトブーム」では、前近代と異なる形で「超能力者」として新たな命を吹き込まれる。様々な姿の太子を描く人々は、何を求めてきたのか。太子の「謎」は、人間の「隠されたもの」への強い関心を搔き立てる。本書では「歴史」と「偽史」の曖昧な境界を歩みつつ、その真相を読み解く。
  • 宇宙の地政学
    3.7
    21世紀に入って中国が独力で有人宇宙飛行に成功、著しい躍進を遂げ、米国の宇宙覇権を脅かすほどとなった。同時に米国ではニュースペースと呼ばれる民間宇宙ベンチャー企業等の開発が本格化し、宇宙の地政学は米ソから米中へ、国策から民間へ、国威発揚からビジネスへ、そして平和利用から軍民一体へと大きくシフトした。月探査から月基地建設、さらに将来的には、火星移住も計画されている。世界中で活気づく宇宙開発の最前線をぜんぶレポートする。
  • 経済学の思考軸 ――効率か公平かのジレンマ
    3.8
    経済学は、資源や財源など与えられた制約の中でどうやりくりするかという問題に絶えず直面し、解決策をひねり出そうとします。「拡大する格差を何とかするには」「全世代型社会保障は可能なのか」「市場メカニズムのカギを握る情報というファクター」「人口減少下におけるトレードオフの大命題」……難題の数々に、経済学の“ものの考え方”を駆使して、効率と公平という2本の評価軸をもとに、その発想と思考を交通整理します。「経世済民」をとことん突き詰め、社会全体の「幸せ」について追究する一冊。
  • 古生物学者と40億年
    3.5
    ロマンあふれるイメージが強い古生物学だが、その研究現場は苦悩の連続だ。40億年に及ぶ地球環境や生命進化の歴史を明らかにすべく、化石を手がかりにして、今は絶滅してしまった古生物の生態や地球環境の変動の歴史までを紐解こうとするが、バイアスだらけ、わからないことだらけ。化石は過去に地球に生息していた古生物の遺骸や痕跡が地層の中に残されたもの。長い年月を経て変形していることもあるし、化石が完全体であることはほとんどない。そこで、古生物学者は化石や地層に刻まれた情報からだけでなく、現在の生物を観察したり、数理モデルを駆使したり、様々なアプローチも用いて研究に挑んでいる。何億年も前の世界に思いを馳せながら一歩一歩進む学問の世界を気鋭の古生物学者が描き出す!! 【目次】第一章 古生物学とは/第二章 地層から古生物学的な情報を読み解く難しさ/第三章 古生物学の基礎知識/第四章 化石から「わかること」とは……?/第五章 化石を研究しない古生物学者/第六章 古生物学の研究はブルーオーシャン/あとがき
  • 人生のレールを外れる衝動のみつけかた
    4.0
    「将来の夢」や「本当にやりたいこと」を聞かれたとき、それっぽい答えを言ってやり過ごしたことはないですか? 自分を忘れるほど夢中になれる「なにか」を探すためにスマホを置いて一歩を踏み出そう。 【目次】序章 なぜ衝動は幽霊に似ているのか/第一章 衝動は何ではないか/第二章 衝動とは結局何ものなのか/第三章 どうすれば衝動が見つかるのか/第四章 どのようにして衝動を生活に実装するのか/第五章 衝動にとって計画性とは何か/第六章 どうすれば衝動が自己に取り憑くのか/終章 衝動のプラグマティズム、あるいは実験の楽しみ/あとがき
  • 「頭がいい」とはどういうことか ――脳科学から考える
    3.7
    「頭がいい」とは、IQや記憶力だけでなく、感覚や運動能力、アートと創造性、他者の気持ちがわかる能力なども含まれる。どんな仕組みで良くなるのかを脳科学の観点から解説する。そのような能力を発揮し続けるための力を「脳の持久力」と名付け、そこに深く関係する脳細胞、アストロサイトの働きを紹介し、人間の脳とAIの比較、今求められる知性について著者の考えをまとめる。
  • 日本の台湾人 ――故郷を失ったタイワニーズの物語
    4.5
    戦前まで日本であった台湾。戦後政治に翻弄される台湾。政界、経済界、学界、そして芸能界、文芸分野まで、広く活躍する台湾出身者たちがつないできた日本と台湾の深い絆をたどる。蓮舫、安藤百福、羅邦強、ジュディ・オング、余貴美子、東山彰良、温又柔、辜寛敏とリチャード・クー、そして陳舜臣、邱永漢……。彼らのファミリーヒストリーから、日台関係の光と暗部を浮き彫りにする。
  • ゼロから始めるジャック・ラカン ――疾風怒濤精神分析入門 増補改訂版
    4.2
    20世紀における思想的な震源地のひとつであるラカン。その理論は、思想としての側面と、実践臨床としての側面の二面性をもち、両者が渾然一体となっていることに難しさがある。本書は、著者みずからの精神分析の体験にもとづき、実践臨床の側面からラカンの本丸に迫る。ラカンの核心を読み解く超入門の書、『疾風怒濤精神分析入門』増補改訂版。
  • 君主制とはなんだろうか
    4.1
    ファラオ、女王、天皇らが統治する「君主制」。この世界最古の政治制度がわかると、世界史がもっとおもしろくなる!君主の誕生から革命を経て、現代までを一望する、かつてない君主たちの5000年史。 【目次】はじめに 「王様は何でえらいの?」/第1章 王の誕生――太古から古代へ/第2章 理想の王とは――古代から中世へ/第3章 絶対君主制への道――中世から近世へ/第4章 市民革命の時代――一七世紀から二〇世紀へ/第5章 二一世紀の君主制
  • 労働法はフリーランスを守れるか ――これからの雇用社会を考える
    4.0
    アプリで仕事を請け負い、ウーバーやアマゾンの配達員として働くギグワーカーたち。時間にとらわれず、働きたいときに働くのは、自由に見える。しかし労働法によって保護されない個人事業主には、労災保険が適用されないばかりか、最低賃金や長時間労働の規制も、失業時の補償もない。その勤務実態はときに苛酷で、危険も伴う。労働法は誰のための法なのか。欧米各国の動向も視野に、フリーランスの「労働者性」を問いなおし、多様な働き方を包摂するこれからの雇用社会を考える。
  • 倫理学原論 ――直感的善悪と学問の憂鬱なすれちがい
    3.0
    本書は、倫理学を学びたい人、社会の多様な出来事に倫理的問題を見出だそうとする人に向けて、倫理的諸問題と倫理学の関係を斜めに解き明かし、倫理学の全体像を描き出す。まず倫理・倫理学とは何かを整理し、倫理学という学問の日本における受容史を解説。さらに、倫理学のもつ根本問題――倫理の実践はどうあるべきか、真の善を目的とした行動に人々を駆り立ててよいのか――を根源から考察。学問としての倫理学が真に目指すべきものと、倫理学的観点の面白さとを伝える。
  • 日本の物流問題 ――流通の危機と進化を読みとく
    3.6
    生産と消費の間にあって、企業努力と労働者の犠牲の上に成り立っていた「安くて早くて確実な、安心の物流」は終わりつつある。3K職種といわれる業界で始まった働き方改革「物流の2024年問題」は、低賃金を残業でまかなってきたドライバーや人手不足に悩む企業など流通業界ばかりか消費者にも衝撃をもたらした。しかしAIによる効率化、危険な作業やきつい重労働を軽減するロボット化なども飛躍的に進歩している。戦後の発展史からボトルネックの正体、そしてこれから起こるブレークスルーまで、物流の来し方行く末を見通す一冊。
  • 見習い天使 完全版
    4.0
    小説の面白さを追求し続けた作家・佐野洋。人間の尽きることのない欲望を無駄のない描写とテンポのよい運びで読ませる物語は、古びることのない魅力を持つ。さらに、その全てには予想を裏切る結末も――。人間世界を見つめる“見習い天使”が全23篇の案内役を務める構成も洒落た連作ミステリが完全版で甦る。巻末には編者日下三蔵の詳細な解説に加え、星新一による解説も特別収録する。
  • はじめて行く公営ギャンブル ――地方競馬、競輪、競艇、オートレース入門
    4.0
    インターネット時代、多チャンネル時代の現代は、自宅のテレビでも公営ギャンブルを観戦できるが、ぜひ競技場へ足を運んでいただきたい。たった100円から、感動と興奮の体験を得られるのだ。美しく疾走する姿、アスリートの卓越した技術、レース後の荒い息遣い、観客たちの歓声と怒号を感じるはず。昭和レトロな食堂でB級グルメに舌鼓を打ちながら、ツキの波に思いを馳せると、次のレースの予想が、むくむくと湧き上がってくる。全国の公営競技場を、旅行の目的地のひとつにするもよし、推しの選手を応援するもよし。お小遣いが増えたなら、なおのことよし。大人の遊びの嗜み方を伝授します。インターネット時代、多チャンネル時代の現代は、自宅のテレビでも公営ギャンブルを観戦できるが、ぜひ競技場へ足を運んでいただきたい。たった100円から、感動と興奮の体験を得られるのだ。美しく疾走する姿、アスリートの卓越した技術、レース後の荒い息遣い、観客たちの歓声と怒号を感じるはず。昭和レトロな食堂でB級グルメに舌鼓を打ちながら、ツキの波に思いを馳せると、次のレースの予想が、むくむくと湧き上がってくる。全国の公営競技場を、旅行の目的地のひとつにするもよし、推しの選手を応援するもよし。お小遣いが増えたなら、なおのことよし。大人の遊びの嗜み方を伝授します。
  • 「叱らない」が子どもを苦しめる
    4.6
    「叱らない」教育に現役スクールカウンセラーが警鐘を鳴らす一冊。なぜ不登校やいじめなどの問題は絶えないのか。叱ること、押し返すことの意義を取り戻す。現在、不登校状態の子どもは小中学校合わせて約30万人。これまでは「無理させず休ませる」支援が主流でしたが、それだけでは改善しない事例が増えてきていると、現役のスクールカウンセラーが警鐘を鳴らします。
  • 70歳までに脳とからだを健康にする科学
    4.0
    健康で長寿になれる正しい方法を、生命科学の最新の知見に基づいて解説します。タンパク質を食べることとボケない秘訣、なぜ太るのか・なぜやせないのか、栄養のキホン、健康長寿のために大切な筋力、ここまで分かった驚きの最新脳科学、病気の診断・予測をもっと便利に、遺伝性疾患も治療できる時代……脳とからだを最適化する科学は、ここまで進んでいるのです。科学でナットクの新常識!
  • 高校生のための経済学入門【新版】
    3.7
    毎日の経済ニュースの捉え方や見方を高校生が理解できるように、経済学の考え方を徹底的に分かりやすく解説します。需要と供給、市場メカニズム、金利、格差、効率と公平、景気、物価、GDP、人口減少と経済成長、インフレ、金融政策、税金と財政、社会保障、円高と円安、比較優位、貿易と世界経済……ポイントやキーワードを押さえながら、経済学の全体像を一気につかみましょう。ビジネスパーソンや大学生など、高校生以外の学びなおしにもピッタリの最高の入門書。
  • 妻に稼がれる夫のジレンマ ――共働き夫婦の性別役割意識をめぐって
    3.8
    共働きが一般化し、女性の社会進出が進んだ現在、妻のキャリアを優先する家族が現れ始めた。バリバリ稼ぐ妻を支えるため、仕事を離れて主夫となり、子育てをメインで担う夫たち。収入が下がり、社会的な立場が不安定になったとき、彼らの胸の内に去来するものとは――。駐在員の夫として海外で暮らす「駐夫(ちゅうおっと)」と、キャリアを重ねる妻を持つ夫たち12人にインタビュー。稼ぐ力と男らしさを巡る葛藤と、自らの決断を活かして新たなキャリアを切り開く新時代の夫の姿が見えてくる。
  • 世界の神々100
    4.0
    世界の神話には個性豊かな神々が登場し、残酷さ、暴力性、美醜、エロスなど我々の想像を軽々と超えていく。世界を統べる王者、戦闘を司る戦神、地上に豊穣をもたらす生産の神、ときに慈しみときに闘う女神たち、いたずらもののトリックスター神、技術や医術を操る神、死つまり冥界に君臨する死神。本書では、インド、ギリシア、北欧、ケルト、エジプト、日本、中国など各地の神話から100神を、神話学者の視点で解説する。天地創造、命の起源、農耕の誕生……原初の世界のエッセンスと面白さを縦横に味わう“神様ハンドブック”!
  • 世にもあいまいなことばの秘密
    3.9
    [「結構です」→YES NOどっち? 「それですね」→どれやねん 「この先生きのこるには」→先生! こうして誤解は広がっていく] 「冷房上げてください」「大丈夫です」。言葉には、読み方次第で意味が変わるものが多々あり、そのせいですれ違ったり、争ったりすることがある。曖昧さの特徴を知り、言葉の不思議に迫ろう。 【目次】1 「シャーク関口ギターソロ教室」――表記の曖昧さ/2  「OKです」「結構です」――辞書に載っている曖昧さ/3 「冷房を上げてください」――普通名詞の曖昧さ/4 「私には双子の妹がいます」――修飾語と名詞の関係/5  「政府の女性を応援する政策」――構造的な曖昧さ/6 「2日、5日、8日の午後が空いています」――やっかいな並列/7  「20歳未満ではありませんか」――否定文・疑問文の曖昧さ/8  「自分はそれですね」――代名詞の曖昧さ/9 「なるはやでお願いします」――言外の意味と不明確性/10  曖昧さとうまく付き合うために
  • 仕事と江戸時代 ――武士・町人・百姓はどう働いたか
    3.5
    常に変化を求められながら、同時に変わらなさもあると感じる私たちの働き方。そもそも現代日本人の働き方の源流はどこにあるのだろうか。明治時代、産業革命以降の資本主義の流れのなかで形成されていったと見る向きもあるが、戦国時代の戦乱から解放され、おおいなる社会的・経済的発展や貨幣制度の成熟を背景に、多様化・細分化していった江戸時代の労働事情が、その源にあると本書では考える。当時の社会を形作ったあらゆる階層の働き方を丁寧に掘り起こしながら、仕事を軸に江戸時代を捉えなおす。
  • 人が人を罰するということ ――自由と責任の哲学入門
    4.2
    人間は自由意志をもつ主体であり、過ちを犯した者が咎められ罰されることは、古くから共同体における基本的なルールと考えられてきた。一方、自由の存在を否定し「刑罰は無意味だ」とする神経科学や社会心理学の立場がある。はたして人間は自由な選択主体か。私たちが互いを責め、罰することに意味はあるのか。抑止、応報、追放、供犠といった刑罰の歴史的意味を解きほぐし、自由否定論、責任虚構論の盲点を突く。論争を超えて、〈人間として生きること〉を根底から問う哲学的探究。
  • 中学受験で大好きな学校に入ろう
    3.3
    都市部では常識の中学受験。どんな学校を目指すのがいいのでしょうか。伝統校か、保護者にとって理想的な実績を誇る難関か、大学附属か、国際性を謳う中高か、科学や医学系の進路に特化する学校か、最寄駅から近い利便性を重視するのか……。でも、大学入試の方法も社会が求める人材も、大きく変化している現代。保護者世代が考える「いい学校」は大切な我が子の大事な六年間を託すのに、本当にふさわしい学び舎でしょうか。学校のなにを評価して志望するといいのでしょう? 大人が見るべき視点を指南します。
  • 増補 戦う姫、働く少女
    5.0
    ポップカルチャーには現代女性の働きかたが反映されている――。異性愛と家父長制を否定した『アナと雪の女王』や、アイデンティティの労働がいかなるものかを示した『魔女の宅急便』、「無賃家事労働」の問題をラブコメにおとしこんだドラマである『逃げるは恥だが役に立つ』など、数々の映画やドラマを縦横無尽、クリアに論じた文芸批評を大幅増補・改訂して文庫化。
  • 食卓の世界史
    4.0
    地理的条件、調理技術、伝統、交易の盛衰――「料理」を通してみると、歴史はますます鮮やかになる。古今東西の英雄から、時には庶民の食卓まで、興味深いエピソードと歴史的なレシピで案内する。 【目次】1 ハンムラビ 古代メソポタミア野菜の「三本柱」/2 アレクサンドロス三世 食事は質素で大酒飲み/3 ネロ 絶滅危惧種最後の一本/4 楊貴妃 茘枝は幼少期の味/5 ハールーン・アッ=ラシード 食は市場にあり/6 バシレイオス一世 古代から中世へ/7 チンギス・ハン  「赤い食べ物」「白い食べ物」/8 マルコ・ポーロ 大旅行家が観察した食事情/9 コロンブス 近世の食卓へ/10 エルナン・コルテス 「コロンブス交換」の時代/11 スレイマン一世 多様な遺産を継承するオスマン帝国/12 カトリーヌ・ド・メディシス 「伝承」の真実/13 ルイ14世 洗練されたサーヴィスの確立/14 フリードリヒ二世 コーヒーではなくビールを飲め!/15 リンカーン 感謝祭とクレオール料理/16 コナン・ドイル 大英帝国のカレー/17 夏目漱石 一生にして三食を経る/18 マクドナルド兄弟 ファストフードの誕生
  • ルポ 歌舞伎町の路上売春 ――それでも「立ちんぼ」を続ける彼女たち
    3.5
    2022年の晩秋、歌舞伎町の一角で「立ちんぼ」をする若い女性が急増した。「たちんぼ」とは路上売春のことだ。風俗店で働くのとは違い、買春客に金を奪われたり、ラブホテルの密室で暴力を振るわれたりといったリスクがあるにもかかわらず、彼女たちはなぜ路上で「売る」のか。毎日新聞社会部記者が、60人以上の女性たちのほか、自分たちに貢がせようとするホストたち、彼女らを支援し続けるNPO、路上売春を取り締まる警察など、100日以上にわたって多角的に取材、その「リアル」に迫ったルポ。
  • 安楽死が合法の国で起こっていること
    3.8
    日本にも、終末期の人や重度障害者への思いやりとして安楽死を合法化しようという声がある一方、医療費削減という目的を公言してはばからない政治家やインフルエンサーがいる。「死の自己決定権」が認められるとどうなるのか。「安楽死先進国」の実状をみれば、シミュレートできる。各国で安楽死者は増加の一途、拡大していく対象者像、合法化後に緩和される手続き要件、安楽死を「日常化」していく医療現場、安楽死を「偽装」する医師、「無益」として一方的に中止される生命維持……などに加え、世界的なコロナ禍で医師と家族が抱えた葛藤や日本の実状を紹介する。
  • 「悪所」の民俗誌 ――色町・芝居町のトポロジー
    3.0
    「“悪”という言葉の裏側には、だれきった日常性を破壊するデモーニッシュな力が潜んでいた」(「あとがき」より)。都市の盛り場は、遊女や役者など賤視された「制外者」たちの呪力が宿る場所だった。なぜ、ひとは「悪所」に惹かれるのか。芸能を業とする人びとは、どのように暮らし、どんな芸を生み出したのか。「遊」「色」「悪」の視座から日本文化の深層をさぐる。
  • 世界を動かした名演説
    3.8
    名演説とは時代や歴史、社会問題や政治運動を色濃く記録したサムネール(縮図)だ! 武器にもなり癒しにもなる言葉の力とは。チャーチルの第2次世界大戦の戦況を逆転させた演説から、ドイツ発史上最強の謝罪演説、ゼレンスキーの戦時下演説まで。冷戦、戦争責任、グローバルサウス、人種差別、宗教戦争、コロナ禍そしてウクライナ戦争。現代史と世界情勢の要点を、話術のコツと合わせて総覧し、歴史に残る名言を味わい尽くす。
  • 無言板アート入門
    3.6
    誰かがなにかの目的で立てたはずなのに、雨風や紫外線などの影響で文字が消えてしまった街角の看板たち。そんな“もの言わぬ看板”=「無言板(Say Nothing Board)」を、作り人知らずのストリートアートとして鑑賞する。美術評論家である著者が、まち歩きの道すがらに発見、収集した路上の芸術をカラーで約200点収録&解説。これを読めば、いつものさんぽ道がまったく新しい美術館に見えてくる!
  • ランキングマップ 世界地理 ――統計を地図にしてみよう
    3.3
    自然環境は悪化している? 人口はまだ増え続けるの? ランキングと地図で世界の地理を可視化すると、これまでとは違った変化がみえてくる。トリビアな話題から深刻な問題まで、高校の地理教師が自作の地図を駆使して解説する。
  • エネルギー危機の深層 ――ロシア・ウクライナ戦争と石油ガス資源の未来
    4.3
    ロシア・ウクライナ戦争の背後で繰り広げられる、エネルギーをめぐるもう一つの戦い。企業活動や私たちの生活に深刻な打撃を与え、国際エネルギー機関が「史上初のエネルギー危機」とまで呼ぶ今日の危機的状況はなぜ引き起こされたのか。本書では、ウクライナ侵攻とそれを契機とする制裁の応酬について、エネルギーの視点から徹底的に読み解くことで、石油・天然ガスをめぐる最新地図と、その深層にある流れを明らかにしていく。近年の脱炭素潮流も踏まえつつ、エネルギー資源をめぐる世界情勢とその未来に光を当てる現代の必読書。
  • ガンディーの真実 ――非暴力思想とは何か
    4.7
    ★中島岳志氏推薦! 「今後、この本を抜きにしてガンディーを語ることはできないだろう」★ 贅沢な食事をしないこと、搾取によってつくられた服を着ないこと、性欲の虜にならないこと、異教徒とともに生きること、そして植民地支配を倒すこと――。ガンディーの「非暴力」の思想はこのすべてを含む。西洋文明が生み出すあらゆる暴力に抗う思想・実践としての非暴力思想はいかに生まれたのか。真実を直視し、真実と信じるものに極限まで忠実であろうとしたガンディーの生涯そのものから、後の世代に大きな影響を与えた思想の全貌と限界に迫る。ガンディー研究を一新する新鋭の書!
  • 古代史講義【海外交流篇】
    3.3
    邪馬台国、倭の五王の時代から平安時代の鴻臚館交易にいたるまでの時代を追って、日本列島と中国の隋・唐や高句麗・百済・新羅・加耶など半島諸国、さらに渤海といった東アジアとの多面的な海外交流の実情を解説。諸地域との間に起きた政治的事件や文化交流をテーマとした十五講で最新の研究状況を紹介しながら、時代背景としての列島古代の国際的環境の実像を明らかにする。東アジア的視野から海外交流・国際関係をとらえ直し、グローバルな歴史像を展開する新しい古代史。
  • 創造性はどこからやってくるか ――天然表現の世界
    3.5
    何も閃かない、ネタ切れ、考えが浮かばない、アタマが硬い、センスに自信がない……。悩んでいてもいいアイデアは湧いてこない。それはふいに降りてくるものだ。従来の科学モデルでは説明できない想定外で不気味なものを思いつき、作り出そうとする、計算不可能な人間の創造力。それはどこからやってくるのだろうか。生命科学、哲学、文学から芸術理論までを自在に横断し、著者みずからも制作を実践することでみえてきた、想像もつかない世界の〈外部〉を召喚するための方法。

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