作品一覧

  • わからない世界と向き合うために
    3.7
    1巻825円 (税込)
    できればこの不安の根源となる「わからない世界」には、お引き取り願いたいものです。この先に何が起こるか、どんなリスクがあるのかきちんとわかれば、ずいぶんと私たちの選択は容易になることでしょう。科学がいつの日かこの世のすべてを解き明かしてくれる、そう信じたい気持ちもあります。でも、恐らくそんな日は来ないし、それをただ待ち続けるような心の在り様も何か少し違うのではないか、私はそう思うのです。(「はじめに」より)
  • 遺伝子とは何か? 現代生命科学の新たな謎
    値引きあり
    4.3
    1巻550円 (税込)
    2003年にヒトゲノムの解読が完了したが、これで「遺伝子」がわかったのかというとそうではない。DNAにコードされている遺伝子の構成が判明したことで、ヒトゲノムの複雑さがかえって判明してきた。また、DNAに遺伝子はコードされているが、それらは非コード配列やそのコピーである多様なRNAなどによって、たくみに制御されていることがわかってきた。「遺伝子」とは、それらの制御機構を抜きにしては語れないし、「遺伝子」の概念は新たなステージで考える必要があるのではないだろうか?  本書では、メンデルの実験から、ワトソン、クリックによる二重らせんモデルの発表など、「遺伝子」をめぐる科学史を追いかけながら、「遺伝子」の正体を問い続ける。ゲノムの解読は終わりではなく、「遺伝子とは何か?」という、古くて新しい問いとその答えをめぐる研究の始まりであることを明らかにする野心的な一冊。
  • 科学と非科学 その正体を探る
    4.0
    1巻825円 (税込)
    本書は、科学と非科学のはざま、言うならば「光」と「闇」の間にある、様々な「薄闇」に焦点を当てた本である。「科学的」なものと「非科学的」なものは、そんなに簡単に区別できて、一方を容赦なく「断罪」できるのか? 「科学的な正しさ」があれば、現実の問題はなんでも解決できるのか? 何が「真実」で「異端」なのか? 分子生物学者が科学の可能性と限界を見つめ、私たちが生きる意味をも捉えなおしたサイエンスエッセイ
  • ウイルスは生きている
    4.1
    1巻869円 (税込)
    私たちのDNAの中には、ウイルスのような遺伝子配列が多数保存されており、生命活動で重要な役割を果たしている。極言すれば、我々の体の中にウイルスがいるから、我々は哺乳動物の「ヒト」として存在している。果たしてウイルスとは何者なのか? 生物の進化に大きな役割を果たしたウイルスは「ただの物質」なのか?それともやはりある種の「生命体」と見なすべきなのか? 一気読み必死のサイエンスミステリー
  • 生命のからくり
    4.2
    1巻869円 (税込)
    現在の地球に存在する多様な生き物たちは、単純な化合物から進化してきたと考えられている。「生命」が単なる物質から決別し、その脈打つ「鼓動」を得たのは、どんな出来事が転換点となったのだろうか? 本書では、最近の生命科学の進展から得られた数々の知見を通じて、生命の根源的な性質を「自己情報の保存とその変革」という二つの要素と捉える。これらが悠久の時を経て織りなす「生命」という現象の「からくり」に迫る。(講談社現代新書)

ユーザーレビュー

  • ウイルスは生きている

    Posted by ブクログ

    「はじめに」から最後まで、ずっとワクワクしっぱなし。すごく面白かった。インフルエンザの由来から、進化、生命観まで。

    幅広い学術知識を再構築した、素晴らしい科学読みもの。

    0
    2025年02月20日
  • わからない世界と向き合うために

    Posted by ブクログ

    18ページにある Control your own destiny, or someone else will (自ら選ばない者は、他人に支配される)は至言だと感じた.Y染色体が男児から男児へ伝わること、日本では縄文人が住み着き、その後弥生人が来たことが染色体の解析で分かることは面白かった.現代社会が、異論に対して狭量になっているとの指摘はその通りだと思う.経済的合理性を錦の御旗にして、格差を作り、敗者を顧みない社会になってきたことへの警鐘も重要な視点だ.原生生物から進化が始まったという話、別の先生から仕入れた知識ではLUCA(Last Universal Common Ancestor)のこ

    0
    2024年10月25日
  • 科学と非科学 その正体を探る

    Posted by ブクログ

    科学と非科学 その正体を探る
    著:中屋敷 均
    講談社現代新書

    おもしろかった。
    科学とは、確定しているものではなく、生命とおなじように生きているという考えには納得でした。

    ノーベル生理学賞を受賞したバーバラ・マクリントックの動く遺伝子の話がでてくる
    「科学的に正しければ、理解され受け入れられる」
    という科学の基盤をなす了承事項は、そんなに単純なものではないことを告げている
    彼女は何十年も時代を先取りをしていたが故に、その内容をだれもが理解できずに、無視をされることとなる
    本書は、このエピソードが告げる、科学的真実とは何か、という問いを投げかけているのである

    気になったのは、以下です

    0
    2024年10月13日
  • 生命のからくり

    Posted by ブクログ

    私は生粋の文系人間で、理数系の書籍はことごとく避けてきたが、生命の起源とか原理に興味が湧いたので覚悟を決めて本書を手に取ってみた。

    本書の趣旨はシンプルで、生命の設計図に当たるDNAは自己情報の保存と変革の相反する性質を内包しており、それゆえ弁証法的に生物が今日の姿まで発展してきたというものである。後半では人間の文明の発展も同様で、過去の偉人の知見を元に各時代の天才達が新しい1ページを書き足して来た歴史に触れている。

    生命の起源については軽く触れられているのみだが、最新の有力な説としては、海底の熱水噴出孔から始まったのでは無いかということだ。なお、核戦争が起きて地上の生物が全滅しても、まだ

    0
    2024年03月28日
  • 生命のからくり

    購入済み

    1章のブフネラや細胞内小器官とウイルスの比較検討から、生きているとはどういうことか、生命と非生命の境界はどこにあるのかと展開する話題にただちに引き込まれる。2章以降もどうやってDNAを中心とした生命のしくみが発達してきたのか、生命の本質は何なのかについて深い考察があり知識をアップデート出来た。ウイルスや分子生物学についてもっと学びたくなった。

    #深い #タメになる

    0
    2024年02月24日

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