生命とは何か 溶けていく「個体」の境界線

生命とは何か 溶けていく「個体」の境界線

ビジネス・実用
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「わたし」の中に無数の生命が潜んでいる。あなたの中の「他者」とは何か? 異なる生命体の共存と融合が形作る「生命」。最新研究でわかった「驚きの生命観」

中江有里さん(女優)絶賛
生物は独りでは生きられない。
「他者」とつながり、体の内の「内なる下界」に 生かされ、長い時を重ねて私はここに居ると感じ入った。


「はじめに」より
本書が描く生命の姿は、複合体としての実在である。「わたし」の中には、実は多くの生命体が複合体として存在している。それは遺伝子という意味でも、細胞内小器官(オルガネラ)という意味でも、また生物種の共生体という意味でもそうである。どこに区切りがあり、どこからが「わたし」で、どこからが「あなた」なのか、その境界さえ判然としないものも少なくない。生命は合体し、新たな形の生命を生んでいく。「あなた」と「わたし」は混在しており、そしてその合体は、時に物理的な「わたし」だけでなく、「意識」や「心」としての「わたし」にさえ影響を及ぼしている。

「あなたはだれ?」

本書を読み終えた時、その問いかけに、果たしてあなたはどう答えるだろうか?

第32回科学出版講談社賞受賞作家が描く「驚くべき生物たちの姿」

読み始めたらとまらない
ビックリ仰天のエピソード満載

●オオカミを群れのリーダーにするトキソプラズマ原虫
●ウシはウシだけでは ウシになれない?
●腸内細菌の移植で性格が変わる! 便移植で臆病なマウスが活発なマウスに
●光合成生物を取り込んだ生物を、さらに取り込んだ生物をさらに取り込む…葉緑体を巡る驚きの共生マトリョーシカ
●私たちの皮膚を守る保湿成分の生成にウイルス由来の遺伝子が関わっていた
●カマキリを「入水自殺」させる寄生者ハリガネムシの恐るべき宿主操作術
ほか

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  • カテゴリ
    :
    ビジネス・実用
  • ジャンル
    :
    学術・語学 / 理工
  • 出版社
    :
    講談社
  • 掲載誌・レーベル
    :
    講談社現代新書
  • タイトル
    :
    生命とは何か 溶けていく「個体」の境界線
  • タイトルID
    :
    2170415
  • ページ数
    :
    256ページ
  • 電子版発売日
    :
    2026年02月18日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    16MB

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生命とは何か 溶けていく「個体」の境界線 のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ

    タイトルと帯のとおり。
    生物学の知識がないため、難しいと感じる部分もあったけれど、大筋が面白すぎた。

    メモ
    ・トキソプラズマ
    ・自分の行動が自分の意志なのか、ウィルスのせいなのか、腸内細菌のせいなのか、遺伝情報にとけこんでいるウイルスはもう自分なのか・・・・・・
    ・自己複製する単位として個体を考えるとき、自己複製するための要件に他者や環境が入り込んでしまう。自己と他者の境界があいまい。
    ・意志は辻褄合わせのために後からやってくる。意志の立ち上がりの前に体が反応している。

    0
    2026年07月10日

    Posted by ブクログ

    「生命」という一見単純だが難解なテーマについて生物学の視点から考察を試みた新書。
    共生や寄生など変則的とも思える事象を挙げつつ、生命の本質に迫ろうとしている。

    「生物」や「生命」について学術界で完全合意された定義は存在しないのが現状ですが、敢えて踏み込もうとする著者の意思に敬意を表します。結論は読んでのお楽しみ。
    生命について考えさせられる数々の生物研究事例を丁寧に紹介しているので、唯々興味深いです。

    生物の意思決定において、多くの研究が外部因子の寄与を示唆していることに大いに驚きました。私たちの日々の決断も何かに操られている??今後のさらなる詳細メカニズム解明と事例蓄積に期待します。

    0
    2026年06月09日

    Posted by ブクログ

    ミトコンドリア、葉緑体など過去の共生から核を本体に完全に取り込まれている以外にも腸内細菌や共生細菌、ウイルスはいろいろなレベルでいる。
    ここで上げられているのは、トキソプラズマ原虫が猫の体内でしか再生産できないながら、他の動物の中でその生態を左右することで猫に行きつく。リスクを恐れない行動をとり、感染したオオカミはリーダーになる確率が46倍になるデータがあり、人間も感染した(全人類の推計1/3が感染)場合、起業、交通事故を起こす可能性が高くなる。
    こういった、いわゆるその生物そのものではない部分が生物の活動に大きな影響を与えている。

    0
    2026年05月16日

    Posted by ブクログ

    良書である。

    『生物とは何か』という書名であるが、最終的に、哲学的な問いにつながっていく。
    最終章のタイトルは、『そして「わたし」とは何か』である。

    まさに、わたし自身の哲学的な関心・疑問に沿っている。

    ⚫︎第1章
    トキソプラズマ原虫(真核単細胞生物)について。

    ほぼすべての温血動物に感染可能。
    全人類の3分の1は感染者と推定される。
    感染者は、ドーパミンやテストステロンが増加し、リスクのある積極的行動をとる傾向がある。

    ⚫︎第2章
    腸内細菌についての話。

    植物のセルロース・ヘミセルロースなどは難分解性であり、草食動物でも自身では分解できないので、腸内細菌の作る酵素で分解される。
    ウシ・ヤギなどの反芻動物(偶蹄目)は、腸内細菌を培養しながら、細菌そのものを殺菌・分解して、タンパク源とする。
    ウマ・サイなどの反芻しない奇蹄目は、腸内細菌自体を栄養源にはできない。
    腸内細菌との共生なしには、ヒトも動物も生きられない。

    ⚫︎第3章
    腸内フローラの話。

    腸から脳へのシグナルがある。
    腸内フローラは、精神疾患や人格形成にまで関係している。
    便移植により、体質や性格まで変わる。

    ⚫︎第4章
    細胞内共生の話。

    地球上のバイオマス炭素総量の82%が植物。
    光合成という大発明のおかげ。
    生命活動(化学反応)を駆動するエネルギーを、無尽蔵ともいえる太陽光から取り出す。

    ⚫︎第5章
    ゲノム退縮の話。

    宿主との共生の結果、宿主から供給されるものは、細菌自身で作る能力を失う。
    遺伝子のわずかな突然変異だけで、共生菌化することも。
    ゲノムが短いもののほうが早く複製が済むため、増殖速度が速くなる。

    ⚫︎第6章
    ヒトゲノムの中に入り込んでいる多数のウイルス由来の遺伝子配列について。
    (その大きな役割、そしてウイルス進化論)

    ⚫︎第7章
    異なる起源のゲノムが、複数で混在したまま、"個体"を成すことについて。

    ポテトとトマトを細胞融合させた、雑種植物「ポマト」は、両者の遺伝情報が同居(異質四倍体)。
    パンコムギは異質六倍体、栽培イチゴは異質八倍体。
    「地衣」という、複数種の菌と複数種の藻類が共生した「ミニ生態系」的な"個体"。
    「接ぎ木」というキメラ、異なったゲノム情報を持つ細胞が"個体"の中で共存する。

    ⚫︎第8章
    寄生者が宿主の行動を支配する「宿主操作」について。

    ハリガネムシは、カマキリを入水自殺させる。
    ハリガネムシのゲノムは、10%以上が、カマキリ由来、それを使って宿主を操っている。
    カマキリの脳における遺伝子発現を操作するのではなく、自身のゲノムから作ったタンパク質により、宿主を操作している。

    ⚫︎最終章
    「わたし」は、他者・外界・世界から、区切れるものなのか?という問い。

    生物の持つ情報には、DNAによる「遺伝情報」と、脳細胞のネットワークからなる「脳情報」の二つがあるとする論がある。
    固有の「脳情報」を持つということが、私たち人間が「個体」や「自我」を区別する基準となっている。

    しかし、生物の大部分には、そのような「個体」は、存在していないだろう。
    そして、生物の生存や自己複製には、例外なく何かの外部環境に依存している。

    p.211 …形而下には、どこにも混じりけのない純粋な「わたし」など、そもそも存在しないのである。

    p.212…形而上の世界でのみ、固有の『個体』そして「わたし」が存在できるのだ。

    (しかし、例えば、腸内細菌が無意識に与える影響を加味すれば)

    p.214 …それは疑いもなく、私たちの中枢神経系が、すなわち「脳情報」が、何者かの介入を受けた証拠である。そしてその事実は、私たちの形而上の『個体』でさえ、何者かの「意思」と一体化してしまうことを示唆している。

    p.214 …どんな生き物にも、そして私たちの脳情報による『個体』にさえも、他から完全に独立した混じりけのない「わたし」などは存在していないかもしれない。

    人間も生物である以上、腸内細菌をはじめとした生物的環境や生物サイクルから、逃れた存在ではない。
    人間の思考というものも、その影響下で行われているものである。

    本書の主張に、四畳半哲学者の視点から、さらにプラスするならば、形而上学的な「わたし」についても、「言語ゲーム」をはじめとした文化的・歴史的な関係性の積み重ねなくしては、思考することは不可能である、ということがある。

    つまり私たちは、生物としても、思考する人間としても、「環境の積み重ね」から離れた、完全に自由な思索などは、元来、行えないのだ。

    -----

    生物的環境から「わたし」を切り分けることは出来ないだろう、というのが本書の主旨である。
    それを読みながら考えていると、やはり、さらに根本的な疑問に突き当たる。

    そもそも物理法則に従った物理運動が行われているだけの世界において、「生物」が誕生し、「意識」が生まれる必要性が、まったく無いとしか思えないのだ。

    微生物が、人間の「心」に影響を与えることも不思議だが、それ以上に、

    ⚫︎身体という物質から、非物質である「心」が、なぜ、どうやって生まれるのか?
    ⚫︎逆に言えば、非物質である「心」が、なぜ、どうやって物質である身体を動かすのか?

    という、「心身問題」が気になって仕方ない。

    そして、あらゆる生物は、「自己を保存する」、少なくとも「増殖する」という方向性を持った運動をしている。
    下等な微生物において、そこに「意思」と呼べるものはないだろうが、その運動にさえ、増殖するという方向性が明確にある。

    この事実が、不思議で仕方ない。

    著者は、生命を、

    p.218 …生命の原理とは「情報の保存」と「情報の変革」という二つの相反するベクトルが相互に作用するサイクルの中で、「幸運」が蓄積されていくシステム…

    と、定義している。

    意味のない物理運動だけが起こるはずの宇宙で、なぜ、そのような「ベクトル」、つまり方向性を持った運動が起こり、それに勤しむ「意思」が生まれる必要があるのか?

    これに、科学で答えることは難しい。

    著者は、

    p.218 もしこの世に、何かを発展・展開させていくために必要な理のようなものがあるとしたら…

    と書いている。

    おもしろい仮定(仮想・想像)である。
    宇宙の成立と共に、もしくは、それより前に、そのような「普遍的な理」が存在する、なんてことがあるのだろうか?

    人類が、答えにたどり着けるのか分からないが、とにかく、不思議なものである。

    0
    2026年03月22日

    Posted by ブクログ

    とても刺激的な本だった。生命とは何かというタイトルで、特にキーワードは”共生”だろうか。扱うテーマがとても興味深い。例えば、

    ・トキソプラズマという寄生虫に感染するとアクティブな気質に変わる。人類の約1/3が感染している。感染された生物は、オオカミで言うとリーダー、人間でいうと起業家になる確率が高い。
    ・ヒトゲノムの中にウイルス由来のものがあり、スイッチとしての制御や遺伝子として利用されていたりする。
    ・カマキリを操り入水自殺させるハリガネムシ

    生命体は単独で生きているわけではなく、様々な他の生物との共生を通じて生き、進化しているということだろう。ミトコンドリアが他の生物を飲み込んだものだというのは昔から聞いていたが、他にも多数の例があることがよくわかった。学校の授業でもこうしたテーマを扱うと生物に興味を持つ学生も増えるのではと思う。

    トキソプラズマの例も興味深い。非常にエネルギッシュでアクティブな人は時々いて会社でも頭角を現しているものだが、そういう人はトキソプラズマを保有してるんだろうな、と思う。他の生物と合体して強くなる、寄生獣やデビルマンの世界だ。

    0
    2026年04月30日

    Posted by ブクログ

    難しかった。第一話の「怒れる大神」と第八話「水に向かうカマキリ」だけはどうにか読めた。

    リーダー格の狼は「トキソプラズマ原虫」に感染していることがアメリカで分かった。感染すると、リスクを恐れない大胆な行動をとるようになり、性欲も強くなるらしい。ヒトに感染した場合、重篤な症状になることがあるらしいが、ドーパミンやテストステロンが増加し、リスクのある積極的行動をとる傾向になるとか。

    寄生したハリガネムシがカマキリを水辺に誘導し、そこでカマキリの何倍もあるハリガネムシがお腹を食い破るようにしてハリガネムシが脱出する。その後、カマキリは死んでしまう。寄生虫が脳内操作をする。まるで映画のエイリアンだ。

    この本で描かれているのは、生命の姿というものは、複合体としての存在しているということだ。

    0
    2026年08月06日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    「私」という生物は、決して単独で成り立っているわけではないということがよくわかりました。

    遺伝子レベルでも、細菌レベルでも、異なる生命体との融合で「私」が成り立っている。

    0
    2026年10月01日

生命とは何か 溶けていく「個体」の境界線 の詳細情報

  • カテゴリ
    :
    ビジネス・実用
  • ジャンル
    :
    学術・語学 / 理工
  • 出版社
    :
    講談社
  • 掲載誌・レーベル
    :
    講談社現代新書
  • タイトル
    :
    生命とは何か 溶けていく「個体」の境界線
  • タイトルID
    :
    2170415
  • ページ数
    :
    256ページ
  • 電子版発売日
    :
    2026年02月18日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    16MB

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