あらすじ
できればこの不安の根源となる「わからない世界」には、お引き取り願いたいものです。この先に何が起こるか、どんなリスクがあるのかきちんとわかれば、ずいぶんと私たちの選択は容易になることでしょう。科学がいつの日かこの世のすべてを解き明かしてくれる、そう信じたい気持ちもあります。でも、恐らくそんな日は来ないし、それをただ待ち続けるような心の在り様も何か少し違うのではないか、私はそう思うのです。(「はじめに」より)
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Posted by ブクログ
18ページにある Control your own destiny, or someone else will (自ら選ばない者は、他人に支配される)は至言だと感じた.Y染色体が男児から男児へ伝わること、日本では縄文人が住み着き、その後弥生人が来たことが染色体の解析で分かることは面白かった.現代社会が、異論に対して狭量になっているとの指摘はその通りだと思う.経済的合理性を錦の御旗にして、格差を作り、敗者を顧みない社会になってきたことへの警鐘も重要な視点だ.原生生物から進化が始まったという話、別の先生から仕入れた知識ではLUCA(Last Universal Common Ancestor)のことだろう.最後に出てきた 「人間を人間たらしめているのは、他人の悲しみを想像して共感する能力だ」 は非常に素晴らしい言葉だ.いろいろなことを再認識させれくれる至言が満載の本だ.
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科学が発達した21世紀においても、解明できないこと、思いもよらないことが起こる。
生物学者の著者が、若い世代のに向けて
予期せぬことが起こる、消えない不安の中で自分を見失わないための大切なことを、
自身の経験や、生物学的視点から書かれた一冊。
最後の、著者が小学生の時の友達のこと、
「楽しい時間は一瞬で過ぎ去る」の一節で不意に泣いてしまった。
全体としては、次から次へと議題がふわっと出て来て、淡々と持論を述べていく印象なのですが、最後の章だけ何となく感傷的。
経済のところはトランプ政権のことも思い起こされ、必ずしも賛同しきれないところもありつつ。
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「はじめに」と帯に書かれていた内容に救われた気持ちになりました。報われない、分らないこと世界ですが、考え、今の時間を大切にしていこうと思いました。
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2025年中学入試最多出題とのこと。
入試の国語の長文問題が大好きだったので、ぜひ読んでみたいと思って手に取りました。
タイトルになっている「わからない世界」とどう向き合えばいいのかが著者の経験をまじえ分かりやすく書かれています。
人生は不確かな事象に溢れています。地震などの災害を予測することは困難ですし、どこに就職したらいいのか、誰と結婚したらいいのか…など人生に正解はありません。
著者は「絶対に正しい選択など誰にもできない。私たちにできることは、ベストの選択をすることではなく、自分の選択をベストにするように生きていくだけです」といいます。
そして、自分の選択をベストにするためにコツコツと努力することの大切さを述べています。
更に、リスクを前にして立ちすくみ、何かを選ぶことから逃げ続けていると、誰かに支配されてしまうと警鐘を鳴らします。
ちくまプリマー新書は中高校生向けですが、まさにその頃に読みたかったなぁと思いました。私は怖がりでそういう選択から逃げてしまったタイプだったので特に…。
他にも、現在の国際情勢を予見するような中国、韓国等の近隣の国との関係性についてや、科学と非科学との関係性などが書かれていて大人の自分も面白く読みました。ぜひ、中高校生に読んでほしいと思います。
Posted by ブクログ
2025年に中学入試国語出題数No.1作品だそうです。
確かに国語の問題で出そうな感じの内容の本です。
他の方も感想に書かれていたのですが、政治的にちょっと強いところがあり、中高生にこれを純粋におすすめするのはどうかと個人的に思う部分もありました。
落ちてくる卵焼き(p159)の箇所が印象的。
「目先の損得や状況の変化に惑わされず、ずっと揺るがず心に持ち続けること。そして絶えずそれに向けた努力を続けること。そうして「卵焼き」が落ちてくるのを待ち続けること。それが「信じる」という行為なのだと思っている。」
卵焼きが落ちてくるって、なんだろうって、読んでいない人は思うかもしれませんが、チャンスがくるみたいな感じです。詳しく知りたい方は本を読んでみてください(笑)。
Posted by ブクログ
途中生物の話ばかりになってしまって少し飛ばし読みしてしまった。
リスクのない選択肢はない。ベストの選択をするのではなく、自分の選択をベストにするように生きていくこと。
ホメオスタシス=恒常性が我々の中にあり、幸せも悲しみも全て慣れてしまう。なので常に求め続けるが、それもまた発展を続ける生命の本質。
Posted by ブクログ
生物の世界を引き合いに出しながら、この世の行く末を案じていた。
いつ来るかわからないチャンスをつかむために、日頃から準備をしておくことが大事だというところが心に残った。
私が学校で習った時の生物の知識からは、随分と進んだ新しい見識が得られて、良かった。
Posted by ブクログ
無謀じゃダメだし、臆病でもいけない!
消えない不安の中で、自分を見失わないために、大切なことを届けたい。(紹介文より)
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農学博士である筆者が、科学/非科学の二項対立に陥ることなく人生や社会について書いているエッセイ。
文学の引用があったり、遺伝子の話があったり、ご自身の想い出があったり、エッセイと言いつつも随所に知識が詰め込まれた不思議な読後感。
すぐに正解を求めたり、効率重視を良しとする世の中に、やんわり警鐘を鳴らしている。バランスと余裕を持って世の中を見つめている内容。
・「自分で選ぶ」大切さ
・世界は本当はとても複雑、効率がすべてではない
・「他人の悲しみを想像して共感する能力」がヒトを人たらしめている
まさに中高生や大学生など、現実を知るようになって、この世界をあきらめそうになったときに読むととても良い本。
「正しさ」を求められるこの世の中に違和感を感じたときに、「こんな考え方でもいいんだよ」と包み込んでもらえる。
子供たちのために、家の本棚に置いておこうかな。
Posted by ブクログ
先のことは本当にわからない。でもその見えない闇のようなものと向き合うことに、生きていく意味が、本当はあるのかもしれない。そんなことも思うのです。(「はじめに」より)
日本人のDNAはどこにルーツがあるのか?現代の日本人のあり方考え方に著者が自身の思い出を絡めて疑問を投げかけている。