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Posted by ブクログ
練習による上達、発達、ひらめきといった無意識的な認知的変化は「創発」によって起こっている。
創発というアプローチで、上記の上達、発達、ひらめきの3つの認知的変化のメカニズムを説明している認知科学の本。
全然異なるように思えるこれら3つの現象は、「創発」の概念を用いると共通する説明が可能である、としている。
ここでの「創発」とは、何か新しいものを作り出すことだが、「発見」や「発明」との違いは以下2点。
- 還元不可能:創発されたものはそれを作り出すための要素の性質からは説明できない=還元できない。
- 意図の不在:人の明確な意図なしに生み出される。
こういう創発的な過程こそが認知的変化とのこと。
とまあこれだけだとなんか小難しいが、実際読むと順序立てて丁寧に説明してくれているので分かりやすい。
練習による上達、発達、ひらめき、それぞれについて実験とその分析が出てくるのだが、これが非常に面白い。結論としては、どれも「多様なリソース(冗長性)」「揺らぎ」「環境」によって創発が起こって成る認知的変化だ、となるのだが、そこに至る分析過程が結構ワクワクした。
あと、ひらめきの章に出てくる以下の表現(抜粋)が印象に残っている。
人間が意識できていることは思考のごくごく一部なのだと改めて思った。
> 意識の知らない間に、寡黙で働き者の無意識的な学習のシステムが働き、(中略)意識の方はボンクラだから、それにまったく気づけない。そして無意識システムが学習を重ね、相当程度までよい配置のパターンを作り出す。すると、意識システムもさすがにそれに気づく。そして「わかった」と叫んで、成功を横取りしているのだ。
Posted by ブクログ
第一章の「能力という虚構」というタイトルからして面白い。
ちくまプリマー新書という体裁に油断していると、知的にどんどん引っ張っていかれる。
知識はモノじゃなくてコト。環境と経験が混ぜ合わさって、その場で立ち現れるもの。
言葉を「粗雑な伝達メディア」と論じていることにもおかしみを感じる。私がずっと「言語化」という言葉に抱いていた違和感が刺激された。
思考力、判断力、非認知能力……ラベルを貼って測れるものにしようとする動きへの、静かで鋭い問いかけ。「学び・教育をなめている」と著者が書いてから30年以上経ってもなお同じことを書かねばならなかった、という一節には考えさせられる。
「ひらめいた時の驚きは、実は自分の無意識的な心の働きに対してのものなのだ」の一文は思わず栞にしたくなった。
Posted by ブクログ
学びとは、ただ与えられたものをこなせば良いということではない。
与えられたものが、有識者にとって練り上げられたものであっても、それは単なる立方体の一側面を見たにしかすぎない。
一側面しか見ていないのだから、そこから多面を推測することが容易ではないことがわかる。
そして、この立方体を伝達する術はない(いまのところ)。
つまり、本書でいっていることは、そういうことだと思う。
結局、私たちに必要なのは探求心や知識欲だし、そういった欲望に向かわせる動機である。
そして、学校とはそういった動機付けを促す場であってほしいし、教師自身も常に探求の人であってほしい。
人は、欲望に向かって勝手に学ぶものだ。
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ビジネス・実用
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