作品一覧

  • 孤独・孤立社会の果て 誰もが当事者になる時代【特別版】
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    1巻660円 (税込)
    【WedgeONLINE PREMIUM】 孤独・孤立社会の果て 誰もが当事者になる時代【特別版】“ 孤独・孤立は誰が対処すべき問題なのか。  内閣府の定義によれば、「孤独」とはひとりぼっちと感じる精神的な状態や寂しい感情を指す主観的な概念であり、「孤立」とは社会とのつながりや助けが少ない状態を指す客観的な概念である。孤独と孤立は密接に関連しており、どちらも心身の健康に悪影響を及ぼす可能性がある。  政府は2021年、「孤独・孤立対策担当大臣」を新設し、この問題に対する社会全体での支援の必要性を説いている。ただ、当事者やその家族などが置かれた状況は多岐にわたる。感じ方や捉え方も人によって異なり、孤独・孤立の問題に対して、国として対処するには限界がある。  戦後日本は、高度経済成長期から現在に至るまで、「個人の自由」が大きく尊重され、人々は自由を享受する一方、社会的なつながりを捨てることを選択してきた。その副作用として発露した孤独・孤立の問題は、自ら選んだ行為の結果であり、当事者の責任で解決すべき問題であると考える人もいるかもしれない。 だが、取材を通じて小誌取材班が感じたことは、当事者だけの責任と決めつけてはならないということだ―― この記事は月刊誌『Wedge』2024年10月号特集「孤独・孤立社会の果て 誰もが当事者になる時代」に、同誌2023年10月号「加速するヤングケアラー支援 理念だけでは語れない(前編)(大山典宏)と、同誌2023年11月号「加速するヤングケアラー支援 理念だけでは語れない(後編)(大山典宏)の記事を加えた特別版です。 Part 1 孤独・孤立はすぐそばに「問題」本格化はこれから 石田光規 早稲田大学文学学術院 教授 Column 1 つながりが希薄になった日本人 編集部 Part 2 中高年男性の孤独 処方箋は「ゆるい依存先」 若月澪子 ジャーナリスト Column 2 シニア男性限定! 「おとこの台所」が支持される秘訣 編集部 Part 3 〝没イチ後〟に露呈 自活力なき男性が直面すること 小谷みどり シニア生活文化研究所 代表理事 Part 4 ひきこもり支援は〝魔法の杖〟 美談だけでは語れない 大山典宏 高千穂大学人間科学部 教授 Interview1 人々が抱くひきこもりへの誤解 変わるべきは社会では? 石川良子 立教大学社会学部 教授 Column 3 自分が暮らす街をどのくらい知っていますか? 編集部 Interview2 子ども時代を〝置き去り〟に 若者が孤独感を強める理由 萩原建次郎 駒澤大学総合教育研究部 教授 Part 5  居場所のない女の子たちを「自業自得」だけで片付けないで 編集部 Part 6 「一億総生きづらさ時代」に一筋の光はあるのか? 菅野久美子 ノンフィクション作家
  • 自己決定の落とし穴
    4.0
    1巻935円 (税込)
    自分のことは、自分で決める――。本来善しとされるはずなのに、どこか疲れるのはなぜ? そもそも自分で決めるってそんなによいものなのか。他人の決めたことにはどこまで踏み込んでよいのか。「自己決定」をめぐるこの社会の自縄自縛をときほぐす。 【目次】第一章 自分で決めることに息苦しさを感じてしまう……個人化が進む一方で責任を求められる社会/第二章 決定に対する責任の所在……集団と個人の決定をめぐる責任の論理/第三章 決定を回避する私たち……選ばずに済ませるためのエビデンスと合理性/第四章 自分で決めたことに追いかけられる私たち……こうありたいと望んだ「自分らしさ」に囚われる/第五章 決めたことへの介入は「余計なお世話」?……一人になる決定を尊重するか、孤独・孤立を問題視するか/第六章 緩やかに決められる社会へ……決められない・誤ってしまう「弱さ」を受け入れるには
  • 友だちがしんどいがなくなる本
    3.5
    1巻1,265円 (税込)
    「友だちのことは好きだけど、いっしょにいると『しんどい』と感じることがある」 「会話についていくため、作業的に話題のコンテンツを見ている」 「メッセージの返信が遅くならないようにチェックしてしまう」 こんなふうに感じて、苦しくなっている人はいませんか。 じつはその苦しみ、あなただけが抱えているものではなく、いまの世の中の多くの人がもつ悩みです。 友だち関係について「しんどい」と感じるのは、じつはあなた個人の問題ではありません。 じつは、いまの社会が、多くの人に「友だち関係を維持すること」を強いるような構造になっているのです。 気鋭の社会学者が解き明かす、まったくあたらしい「人間関係の教科書」です。 ●私がすべての人を「知り合い」とよぶ理由 ●かつての社会と現代社会でまったく変わった「友だちの在り方」 ●「ずっと友だち」でいなくてもいい ●インターネットとスマートホンが劇的に変えた、私たちのコミュニケーション ●古代の哲学者たちは「友だち」をどう研究したのか ●ゲーム理論から考える、正しい友たちとの付き合い方 ●学校でも家庭でもない、ゆるやかな「場」をもつことの重要性 ……ほか
  • 「ふつう」の子育てがしんどい
    4.0
    1巻2,530円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 現代の子育ては、目の前のことで精一杯になり、社会から「孤立」しがちである。 自力で頑張ることが「ふつう」とされる子育ては、過酷なサバイバルゲームだ。 子育ての実態を明らかにし、ひとりで苦労を抱え込まない仕組みを考えるための本。
  • 効率重視の教養は本物か
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ●文字リテラシーを守るために何ができるか 武田 徹 ●〔鼎談〕ファストな社会の歩き方 倍速視聴から誇示的消費まで 稲田豊史×レジー×佐々木チワワ ●真に面白いものは本とヒューマニティから生まれる 落合陽一 ●新自由主義の行き着く先で 加速する社会に抗うために 木澤佐登志 ●強制的なつながりが縮小する時代 最適化・リスク回避を目指す人間関係の行く末 石田光規 ●音楽の聴き方に見る時間のリベラリズム 鮎川ぱて ●流行りのビジネス書と「論破」ブームが生み出す不毛地帯 面白い知的作業のために何ができるか 堀元 見
  • 「友だち」から自由になる
    4.0
    1巻880円 (税込)
    そもそも「友だち」とはどんな人間関係を指すのか? 現代社会を生きる私たちの友人関係は、あらかじめ「友だち」という枠を当てはめ、そこに合うように関係の中身を調整することで成り立っている。古代ギリシアの時代から、歴史的に「友だち」がいかに変質してきたかを示し、それでもなお現代に成立しうる友情について考える。SNSやリモートが当たり前になった現代人のためのまったく新しい友情論。
  • 格差と分断/排除の諸相を読む
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    1巻3,630円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 格差はいかにして生じ、 人びとの行動や意識にどのような影響をおよぼすのか。 職業や教育などの社会階層、ジェンダーや国籍(ナショナリティ)、社会関係(ソーシャル・キャピタル)、政治参加や国民意識などにおける様々な格差とその影響について、社会学の視点と手法を通じて明らかにする。
  • 「人それぞれ」がさみしい ――「やさしく・冷たい」人間関係を考える
    3.9
    1巻825円 (税込)
    人づきあいをしなくても回る社会ができあがっていった中で、不安定なつながりを維持するべく変化したコミュニケーション、それでも「人それぞれ」では片付けられない問題、引き起こされる分断と対立を見ていくとともに、「人それぞれ」のその先を模索する。
  • 孤独と怒りに社会は軋む
    -
    1巻330円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 (目次より) ●〔対談〕暴走する心のメカニズム ネガティブ感情はどこから来てどこへ行くのか 中野信子×木原祐健 ●人に迷惑をかけたくない…… 都市に沈みゆく声なき孤立者たち 石田光規 ●〔対談〕格差拡大、少子高齢化、巨額の財政赤字 分断と貧困が進む日本社会「三重苦」からの打開策は? 湯浅 誠×田中拓道 ●孤独・孤立対策担当大臣に聞く 喫緊の課題に、大胆に対応する 坂本哲志 ●関心競う経済に振り回されるメディアと私たち 「非実在型炎上」は何を示すのか 鳥海不二夫 ●「キャンセル」が飛び交う不寛容な国・アメリカ フランシス・フクヤマ/聞き手:会田弘継 ●犯人は「一人で死ね」ばいいのか? 暴発型事件の背後に横たわるもの 磯部 涼 ●〔対談〕ひきこもると意欲が低下する 「コロナうつ」と「欲望」の関係 斎藤 環×佐藤 優
  • 友人の社会史
    3.5
    1巻2,640円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 近くて遠い、私たちの「親友」―― 「親友」とは何でも相談できる身近な存在か、それとも複雑で不安定な友人関係の中で理想化された幻想なのか。 新聞記事に表れた「親友」分析を通じて、「友人関係」に向けられた社会の目線を読み解く。

ユーザーレビュー

  • 自己決定の落とし穴

    Posted by ブクログ

    理性など西洋哲学に疑念を持っていることから、発売日すぐに手に取った。自分で決めるという自由は一見良さそうに感じるが、責任を負う・孤独に陥ることなどマイナス面も大きい。例えば、孤独は肥満・運動不足より死亡するリスクが高まることが研究で判明している。なぜこのようになったのか。読んでいて感じたことは、ムラ社会・空気など過去から研究されていた人間関係からの脱却。物・サービスが豊かになり「今・ここ」が即時的に楽しめるようになったことが影響しているのではないだろうか。コミュニケーションも体力と同様に鍛えないと衰える。どうすればつながりを保てるのか、関心のある人に読んで欲しい本。

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    2025年08月11日
  • 「人それぞれ」がさみしい ――「やさしく・冷たい」人間関係を考える

    Posted by ブクログ

    現代は『人それぞれ』の多様性が認められはじめて、ずいぶんと昔よりは生きやすくなっていると思う反面、他人とクイックに繋がれる希薄な人間関係にうっすらとした寂しさを感じてこの本を読みました。

    ・異質な他者を取り込むには深い対話が必要

    ・最適化願望をいったん脇におき、つながりへの期待値を下げ、人にはプラスの面もマイナスの面もあるというごく当たり前の事実に立ち返る必要がある

    ・人付き合いの基本と本質は、期待通りにいくこと、期待にそぐわないことも含めて共に過ごしていくこと

    人間関係を築く際に自分に足りてないことや、これからの人付き合いに意識していきたいことが明確になった気がします。

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    2024年07月05日
  • 「人それぞれ」がさみしい ――「やさしく・冷たい」人間関係を考える

    Posted by ブクログ

    超良かった。ぜひ「昔は良かったなぁ」と思っている人には読んでほしい
    個人主義の弊害について書かれているが、
    ネットでの過剰な「叩き」、「親ガチャ」にまで言及されており、とても読み応えがあった

    気づき
    ・集団から離れた「人それぞれ」社会は、「つながりは自分で調達する」ことを意味する。それは「相手からも魅力的である」必要があるため、人間関係がコスパ重視になる。
    ・人間関係のコスパ主義は、人間関係を狭める。
    「人にはプラス、マイナスどちらもある」ということを今一度思い出すべき
    ・現代の「叩き」に共通するのは「異質な他者の不在」である。異質な他者をも取り込む必要性

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    2023年02月22日
  • 「人それぞれ」がさみしい ――「やさしく・冷たい」人間関係を考える

    Posted by ブクログ

    この著者さんの言っていることが、自分に当てはまっていた。一人でいるのが気楽で落ち着くし、人との関係は疲れるし面倒くさい。何より自分と合わない人との関係なんて、もっといやだ。だけどこの本を読んで、少し価値観を変えてもらえた。

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    2022年09月07日
  • 「人それぞれ」がさみしい ――「やさしく・冷たい」人間関係を考える

    Posted by ブクログ

    誰しもが口にしたことのある、「人それぞれ」という言葉。

    多様性の受け皿として、便利に使われているものの、それは対立を避けるためのものであり、極端に言えば、それは無関心なのです。

    この本では、集団から個人への転換と共に訪れた、個人主義と多様性の間でどう生きるべきかを事例を用いて解説しています。

    「人それぞれ」を枕詞にし、個人主義とは言いながらも、他人をまるで腫物扱いにして、無関心を正当化するのは、やはりどこか歪んでいると思います。

    そして、大きな問題は、個人レベルで行われるそれらのことが、社会全体に浸透して、自己責任論が蔓延っていることだと思います。

    サンデル教授が述べていた、能力主義

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    2022年01月27日

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