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昨今、中絶をめぐる議論が続いている。経口中絶薬の承認から配偶者同意要件まで、具体的にこの問題をどうとらえればいいのか。かつて戦後日本は「中絶天国」と呼ばれた。その後、世界が中絶の権利を人権として認める流れにあるなか、日本では女性差別的イデオロギーが社会に影を落としている。中絶問題の研究家が、歴史的経緯をひもとき、今後の展望を示す。
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Posted by ブクログ
2023年までの中絶に関する法律や、WHOなど世界の医療の流れと、その中で日本ではどのような状況であったかの、調査がまとめられている 後半、不妊治療への医療助成の話など、リプロ・ヘルス&ライツの観点から中絶と少し離れた話も含まれる 多少反復している箇所もあるが、全体としてわかりやすい コロナ禍で世界...続きを読むがこの分野でも激変した事がわかる。アメリカの2025トランプ政権下のWHO脱退や中絶禁止など、この本の続きの世界状況もすごく気になる
中絶に良いイメージを持つ人はほとんどいないだろう。 堕胎、経済的困窮、望まぬ妊娠などなど、とにかく「中絶=悪」としか思えないのが多くの人の本心だろう。 また、近時のニュースでは、生まれた子を放置して死なせる(保護責任者遺棄及び死体遺棄)女性の処罰が話題に上る。 そこに至る背景として、パートナーの同意...続きを読むが得られないまま中絶期間を過ぎていた、ということがある(24頁)。 考えてみてほしい。 なぜ中絶が罪で、そして女性だけがその罪を被るのか。 父親たる人間には何の咎もなく、「おろせよ」といった言葉で済まされてしまう現実を。 法的にもおかしな話で、刑法で堕胎罪があるのに母体保護法でそれは修正されている。 不同意堕胎が罪になることは理解できるが、それ以外は修正条項がある以上罪としては不適切ではないか。 第3章の筆者の経験は、読んでいて辛い。 中絶した我が子、流産した我が子。 私は2人も死なせてしまった、その思いを書くためにどれだけ悩んだのだろう。 だからこそ、正しい性のあり方、避妊の仕方、育児は体系的に学ばなければならない。 そんな方法があったら簡単に中絶する人が増える、わけないでしょう? 流産であっても、とんでもない量の血が流れ、ひどく痛む。 中期中絶に使用されることのある頚管拡張材ラミナリアは、私は出産時に使ったが、入れるのも抜くのも激痛だ。 2度と使いたくない。 女は馬鹿だから安易に中絶する、なんて思っているのはどこのどいつだ? 女性の人権は世界的に見れば我が国は確立されているとは言い難い。 決して他国に比べ制度が整っていないわけではないのに、とにかく女性にのみ負担をかけることが多すぎる。 何度も言うがとにかくわが国は早急にこのギャップを埋めるべきだ。 資源も金もない国なのだから、人を大事にするしかない。 しかしそれこそがこれから強みになる。 新たなるジャパンアズナンバーワンを目指すなら、まずは足元からだ。
高橋新書ガイドから。こちらはどちらかというと第三者目線。だからこその、産科医療への厳しい視点が興味深い。確かに、利権絡みで旧態依然とした医療がまかり通っているとしたら、それは社会にとっての不利益。ただそもそも、自身の経験としても感じたことだけど、出産が保険適応外ってのが意味不明。それがために生じてい...続きを読むる祖語も少なくない、ってことを、本書で改めて思い知らされた次第。あと、水子供養って概念が比較的新しいものである、ってのもちょっとビックリ。これも感じていたことだけど、確かにおかしな概念だもんな。生を受けていない存在が、なぜに現生を呪う?極論すれば、つけ込み詐欺、みたいなもんだわな。
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