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人生の最終段階においては、医療の選択をするのが難しい。最先端の治療が必ずしも患者本人の価値観に沿うとは限らないからだ。ゆえに、家族も悩み、揺れる。患者を大切に思うからこそ、ケアの現場は混乱を深めることになる。本書では、日本老年医学会で臨床倫理を牽引する著者が、医療・ケアの現場を丹念に調査し、医療者、患者、家族の苦悩をすくいあげ、人生の最終段階における医療はどうあるべきか、その考え方を示す。老年医学と臨床倫理の知見を踏まえつつ、超高齢社会における医療とケアの役割を整理する。
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Posted by ブクログ
臨床倫理の立場から、医は死にどう向き合うべきかを考えてきた著者の本。
まず、改めて驚いたのは、食べられなくなった高齢者に対する、胃ろうなどの治療に対する医療者の意識が、2000年代はじめの10年間で大きく変化したこと(著者等の定量的な調査結果は貴重なものだ)。
2010年代、母の最期を巡って、介護施設の医師や介護士と話をする中で、無理な治療は行わずに、自然に任せたいとの希望がすんなり受け入れられたが、あれは、その前の大きな変化があってのことだったということだろう。
今後、延命治療の終了、尊厳死、積極的安楽死等、日本でも、死の定義を広げざるを得ない時代となっていく。日本では、こういった議論はなかなか進まないだろうた漠然と思っていたが、上述の人工的水分・栄養補給法の意識の変化同様、10年スパンでみると、大きく変わり得るのかもしれない。その際、著者等の臨床倫理をベースにした考え方の枠組み作りは重要になるだろう。
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