筑摩書房作品一覧

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  • 長寿時代の医療・ケア ──エンドオブライフの論理と倫理 【シリーズ】ケアを考える
    4.5
    人生の最終段階においては、医療の選択をするのが難しい。最先端の治療が必ずしも患者本人の価値観に沿うとは限らないからだ。ゆえに、家族も悩み、揺れる。患者を大切に思うからこそ、ケアの現場は混乱を深めることになる。本書では、日本老年医学会で臨床倫理を牽引する著者が、医療・ケアの現場を丹念に調査し、医療者、患者、家族の苦悩をすくいあげ、人生の最終段階における医療はどうあるべきか、その考え方を示す。老年医学と臨床倫理の知見を踏まえつつ、超高齢社会における医療とケアの役割を整理する。
  • 教育格差 ──階層・地域・学歴
    3.9
    出身家庭と地域という本人にはどうしようもない初期条件によって子供の最終学歴は異なり、それは収入・職業・健康など様々な格差の基盤となる。つまり日本は、「生まれ」で人生の選択肢・可能性が大きく制限される「緩やかな身分社会」なのだ。本書は、戦後から現在までの動向、就学前〜高校までの各教育段階、国際比較と、教育格差の実態を圧倒的なデータ量で検証。その上で、すべての人が自分の可能性を活かせる社会をつくるために、採るべき現実的な対策を提案する。
  • 僕にもできた! 国会議員
    4.5
    1巻1,430円 (税込)
    国会議事堂の方向もわからない。専門家の講義を受けても何が問題かもわからない。そんな山本太郎が猛烈に学び、時に総理に挑み、時に牛歩し、災害対策、生活保護etc.数々の成果を上げるまでの大冒険! 対談 木村草太、松尾匡、朴勝俊、小久保哲郎
  • 糸を出すすごい虫たち
    3.0
    体重の二倍もの重さを支えることができる糸を出すミノムシ、柔らかくて強い糸を出すクモ……。身近に存在していてもずっと見過ごされてきた小さな虫たち。虫たちの作り出す優れた天然繊維に今注目が集まっている。
  • 動物園は進化する ──ゾウの飼育係が考えたこと
    4.0
    永年動物園でゾウの飼育係を務めた著者二人が人にもゾウにも優しい飼育方法を考えた。そこから見えてくる、未来の動物園の姿、ひいては野生動物との共生とは?
  • 詳講 漢詩入門
    4.0
    二千数百年の歴史をもつ中国文学。日本人にとっては、文学のみならず教養の主軸を為してきたといえるが、その中国文学の中でも、とりわけ詩歌の占める地位は高い。孔子が活躍していた春秋時代に最古の詩集『詩経』は成立したが、それ以前から中国に詩歌の歴史があったことは間違いない。その文明と共に長い歳月、詩歌は人々に愛され、その努力と工夫を蓄積しつつ歩んできたのだ。本書は、一般に「漢詩」と呼ばれる中国古典詩の、概念・テーマ・韻律上の規則・その他技巧等々について、初歩から易しく体系的に学べるものである。
  • 台湾物語 ──「麗しの島」の過去・現在・未来
    4.8
    旅行先として人気の台湾。しかし、ガイドブックに載る情報以外のことは、実は日本ではあまり知られていない。歴史、ことば、神様、建築、地名、映画、そして台北、台中、台南などの町々……この一冊を読めば、知らなかったさまざまなことがよくわかる。台湾でも活躍する日本人作家が語る、この島と人びとの昨日・今日・明日の物語!
  • 経済学的思考のすすめ
    3.5
    経済学の専門家でない人の経済本がよく読まれることがある。多様な議論があるのはよいが、それがトンデモなく間違っている場合は問題である。インチキな経済解釈がまかり通れば、間違った経済政策が採用され、人々を不幸にしてしまう危険性があるからだ。本書では、経済学が演繹法を用いて思考し、それが生活のさまざまな場面で活用できることを、実例を挙げて解説する。
  • パスティス ──大人のアリスと三月兎のお茶会
    3.7
    太宰、漱石、鴎外、賢治、芥川から、ドイル、アンデルセン、ケストナー、ベケットまで。古今東西の名作をもとに編み上げられた16のパスティーシュ小説集。禁酒時代にアブサンの代用酒として作られたパスティスが、以後もずっと人々の口を愉しませ、酔いを誘ってきたように、オリジナル作品を知らなくても、知っていればなお一層、小説の醍醐味を存分に楽しめる珠玉の作品集。
  • 自分づくりの文章術
    4.0
    文章を書くのは正直しんどい。さまざまな約束ごとがうるさいし、自分の内面や教養までがもろに評価されかねないのは相当の重圧だ。……それでも、迷ったり悩んだりしながら、結果的に書けたときの歓びは格別である。なぜか? それは、文章を書くことが、とりもなおさず「自分」をつくることだから。旧来の窮屈な文章観を駆逐し、自分にしか書けないことを楽しみながら書くコツを手ほどきする革命的な文章読本。
  • はじまりの数学
    3.5
    どうして数学を学ばなければいけないのか。その経緯を人類史から問い直し、数学の本質を明らかにし、その面白さを体験してもらう。画期的に欲張りな数学の入門書。
  • へろへろ ──雑誌『ヨレヨレ』と「宅老所よりあい」の人々
    4.1
    福岡の街中に、毅然としてぼけた、ばあさまがいた。一人のお年寄りが、最期まで自分らしく生きるために、介護施設「よりあい」が始まる。「自分たちで自分たちの場ちゅうやつを作ったらよかっちゃろうもん!」熱くて型破り、超個性的な人々が、前代未聞の特別養護老人ホームの開設を目指し、あらゆる困難を、笑いと知恵と勇気で乗り越えていく実録痛快エッセイ。
  • 炎のタペストリー
    4.4
    ハルラント聖王国の最西端“西ノ庄”の少女エヤアルは幼少のとき、魔法を暴走させて災厄を招き、“炎の鳥”に魔法を奪われた。成長した彼女は労働力として砦に連行されるが、そのとき、あらゆる物事を記憶する力に突如目覚める。彼女の力をめぐって動き出す陰謀と過酷な運命。エヤアルがもたらすのは平和か破滅か……。日本ファンタジーの旗手の新境地。
  • 文語訳聖書を読む ──名句と用例
    4.0
    明治期に出来上がって以来、一世紀以上にわたり愛読されてきた文語訳聖書。格調が高く、歯切れのよい翻訳は、文学はもとより、日常の日本語にいたるまで強い影響を与えた。本書は、キリシタン時代にさかのぼって文語訳成立の経緯をたどった後、名著をはじめ、多岐にわたる作品のなかで聖句や名句がどのように用いられてきたのか、言語文化へのはたらきを見ていく。日本人の精神生活と表現世界を豊かにした源泉へと読者をいざない、いまだ色あせることのない言葉の輝きを伝える。
  • 反対尋問
    4.0
    裁判の行方を大きく左右する証人による証言。だが、彼らがつねに真実を語っているとは限らない。一見、完璧にみえるその主張をどうやって切り崩し、議論の主導権を握り、事の真相を明るみに出すか。本書では名だたる弁護士たちが用いた反対尋問の技術を集め、豊富な実例とともにあますことなく紹介。初版刊行から1世紀以上経てもなお、アメリカの法律家にとってバイブル的存在でありつづけ、日本でも多くの法律家・法曹志望者を刺激してきたこの古典的名著には、一般の議論・討論にも応用できる数々のテクニックが凝縮されている。
  • 日本人はなぜ「頼む」のか ──結びあいの日本史
    -
    平安時代には父親などの「経済的庇護者」、中世には「主従制の主人」との関わりで使われた「頼む」という言葉。また、頼み頼まれる社会関係は近世に「義理」概念を生む基盤となるなど、日本史のなかで意味を変化させてきた。その変化は人と人の結びつきの変化を表している。『万葉集』『源氏物語』から「一揆契約書」「頼み証文」まで、様々な史料に現れる「頼む」の変遷を丹念に読み込み、日本人の社会的結合を描く、まったく新しい社会心性史の試み。
  • ハンナ・アーレント ──屹立する思考の全貌
    3.6
    何ものにも依らないユニークな「手摺なき思考」が注目されたアーレント。本書は、全体主義が勃興して消えて行った激動の現代史を考察し続けた彼女の思索の最深部に迫る一書である。哲学、政治、思想という三つの補助線を駆使しながら主要な各作品を詳細に読みとき、時代を超えて屹立する思考の全貌を把握する。悪の問題、世界疎外、経験と思考、……人間の現実を徹底して追究した問題群を、いま改めて問いなおす。
  • 対話をデザインする ──伝わるとはどういうことか
    3.5
    人と話をするときに、どういう言い方をするかということばかり、気にしていませんか? 対話において本当に大事なことは、対話を通して伝えたいことは何か、ということです。そして、対話を通して何を伝えるのかということは、あなた自身にしか決められません。本書では、自分の「テーマ」を発見することから始めて、話題の決め方、他者とつながり他者を理解する方法、納得と合意の形成まで、生活や仕事における対話とあなた自身の《生きる目的》の関係についてわかりやすくお話ししていきます。
  • 双極性障害【第2版】 ──双極症I型・II型への対処と治療
    4.0
    双極性障害(双極症)は、統合失調症と並ぶ二大精神疾患である。患者は平均して三分の一から二分の一の期間を抑うつ症状とともに過ごすことや、さまざまな社会的なハンディキャップを背負ってしまうことなどが明らかにされ、きわめて重大な疾患であるとの認識が強まっている。再発のリスクが高いこの病気は、どういった性格を持ち、診断と治療はどのようになされるのか。臨床と研究の双方に携わる著者が、理解のための基礎知識を解説する。最新の研究成果や豊富なQ&Aを収めた第2版。
  • 武器としての世論調査 ──社会をとらえ、未来を変える
    4.0
    内閣支持率が高い地域では宗教信仰率が高い。野党支持は若年層で伸び悩み。世論調査の見方を知り、精緻に分析していけば、こんなことがわかります。この社会に窮屈さを感じている人も、あなた自身の考えが政治に反映されないことが不満で「世論調査は捏造だ」と考えている人も、この本を読んでみてください。世論調査は、社会をとらえ、未来を変えるための武器です。どの地域に住む、どんな人が、どの政党を支持しているのか、一緒に見ていきましょう。そして彼らに働きかけ、この社会を変える方法を考えてみませんか。
  • 日本経営哲学史 ──特殊性と普遍性の統合
    3.5
    日本の経営哲学の核心には、古来「和魂」と呼びうる独特の宗教性・倫理道徳性・世界観がある。この和魂が劣化し、日本企業は「モノ造り」から「コト創り」への価値創造の転換に失敗したのだ。本書は、中世から現代までの日本の経営哲学の展開を概観し、渋澤栄一から松下幸之助・本田宗一郎らに至る代表的経営者の系譜をたどりつつ、その思想に顕れた和魂の実相を見る。そして日本再生に向け、日本的特殊性とグローバルな普遍性を最適統合した新和魂の経営哲学を提唱する。
  • 物語は人生を救うのか
    3.8
    世界を解釈し理解するためにストーリーがあった方が、人は幸福だったり、生きやすかったりします。実話とは? そして虚構とは? 偶然と必然って? 私たちの周りにあふれているストーリーとは何でしょう?
  • ガルガンチュア ガルガンチュアとパンタグリュエル1
    4.0
    フランス・ルネサンス文学を代表する作家フランソワ・ラブレーの傑作大長編、待望の新訳版。この巻では、巨人王ガルガンチュアの誕生・成長と冒険の数々、さらに戦争とその顛末が、笑いと風刺を織り込んだ密度の高い文体によって描き出されてゆく。現代的センスあふれる清新な訳文から、不朽の物語の爆発的な面白さと輝かしい感動が楽しく伝わってくる。
  • 神話学入門
    3.0
    神話は人類にとって普遍的であるが、同時に一見捉えどころのないものでもある。神々と人間の関係が疎遠になり、信仰が動揺してきたとき、神話ははじめて客観的・意識的に眺められるようになった。こうして「神話とは何か」という問いかけが、その没落とともに始まった。「神話学」の誕生である。本書はヨーロッパにおいて発達した神話学研究の系譜を丁寧に辿りつつ、定義と分類、様々な解釈を詳述し、重要な側面を余すところなく紹介する。神話とその背景としての民族・文化・社会、世界像や儀礼との関係を泰斗が解き明かす定評ある入門書。
  • 代数的構造
    3.5
    よく似たしくみをもつもの同士を同じものと見なす「パターン認識」。それは数学的な構造としては20世紀に深化発展した。数や多項式、関数などから、群・環・体などの有用な構造が取り出された。本書は抽象代数の基本概念を、歴史的背景をおりまぜつつ、ていねいな叙述でひもとく。随所に登場する卓抜な比喩は理解を助け、ガロア理論の意味まで望見させる。「体Σ/Kは地上に生えている大木に似ている。……基礎体は木の根に当たる。ガロア群は木を揺さぶる外からの力に比べられる」「秘密を探るのに、まずそれを揺さぶってみる……ここにガロアの理論のもつ射程の大きさがある」と。
  • 内村鑑三 ──その聖書読解と危機の時代
    -
    戦争と震災。この二つの危機に対し、内村鑑三はどのように立ち向かったのか。彼の戦争論はいかに変転し、震災論はどこへ行きついたか。本書は、聖書学の視点から、内村の聖書研究に基づく現実との格闘を、厖大な文章や数々の足跡に寄り添いながら追っていく。そこから浮き上がる思想的可能性と現代的射程とはいかなるものか。近代日本を代表するキリスト者の地歩を明らかにした、碩学畢生の書。
  • きのこの話
    4.3
    大きさも形も色も様々なきのこたち。切り株や倒木、立ち枯れの木、落ち葉はもちろん、生木にも。そして地面からもにょきにょき。森を注意深く見渡して、「きのこ目」になって探してみよう! カラー写真多数。
  • 関数解析
    5.0
    関数解析学は微分方程式や積分方程式などの問題を解くための方法として、20世紀初頭に誕生した分野である。現代では偏微分方程式のほか、数理経済学や数値解析など幅広い方面に応用範囲をもつ。本書はバナッハ空間の解説から始まり、一様有界性定理・開写像定理・閉グラフ定理などの基本定理を証明。そして話題はボッホナー積分や線形作用素の半群にまで及ぶ。証明の式変形は非常に丁寧で、論理展開を追いやすいように書かれている。関数解析の基礎を過不足なくおさえた名教科書。
  • 近代という教養 ――文学が背負った課題
    3.5
    1巻1,595円 (税込)
    「近代」とはいったい何だったのか? ラディカルに近代化を果たさねばならなかった日本では、その文化的側面の多くを「文学」が背負うことになった。役割を担わされた文学は「新しさ」を表出するために進出し続けた。その進化論的パラダイムにとりつかれた時代との格闘が「教養」の源泉となり、現在まで私たちの底流で生き続けている。テクスト分析を駆使し、日本近・現代の文化的慣習の形成過程をくっきりとあぶり出す斬新な論考。
  • 「読まなくてもいい本」の読書案内 ──知の最前線を5日間で探検する
    4.3
    「何を読めばいいんですか?」と聞かれるたびに困った。「読むべき本」が多すぎる! だから「実は読まなくてもいい本」を決めればいいのでは、と考えた。「知のパラダイム変換」が起きた今、複雑系、進化論、ゲーム理論、脳科学、ICT(情報通信技術)の分野で「読むべき本」が浮かび上がる驚きの読書術。文庫版書下し「リベラル化する世界の分断」を加えパワーアップして再登場!
  • 官僚制と公文書 ──改竄、捏造、忖度の背景
    -
    官僚や官僚機構の劣化は、眼を覆いたくなるほど凄まじい。歴史への責任をともなう公文書の改竄、数々の立法および行政上のエビデンス(根拠)の捏造。エリート官僚たちによって勤勉に偽装作業が繰り返されていた事実が、次々と発覚している。いつから日本の官僚機構は、これほどまでに壊れてしまったのか。人事をふくめた組織構造、意思決定、情報公開法や公文書管理法など、官僚統制のシステムを問いなおし、「官邸主導」の暴走をえぐる。
  • 英語の処方箋 ──「日本人英語」を変える100のコツ
    4.0
    教科書で習った“Long time no see.”は、実は使うと相手を不快にさせる場合がある!? “will”と“be going to~”って、どう使い分けるの? 会話をふくらませるコツは何? 日本人が英語を学ぶ上でつまずくポイントを熟知した著者が、改善するために必要な知識をわかりやすく解説。日本人がしやすいミス、会話・文法のポイント、マナー、英語の特徴などを知的に、愉快に講義する。英語表現の面白さが存分に味わえる一冊。
  • 死体は誰のものか ──比較文化史の視点から
    3.5
    死体を忌み嫌い、人の目に触れないようにする現代日本の文化は果たして普遍的なものなのだろうか。中国での死体を使った民衆の抵抗運動、白骨化できない死体「キョンシー」、チベットの「鳥葬」や悪魔祓い、ユダヤ・キリスト教の「復活」「最後の審判」、日本の古典落語に登場する死体、臓器移植をめぐる裁判。様々な時代、地域の例を取り上げ、私たちの死体観を相対化し、来るべき多死社会に向けて、死体といかに向き合うべきかを問い直す。
  • 航空のゆくえ ──自由化の先にあるもの
    -
    戦後、欧米主導の枠組みで発展してきた航空の世界は、国防上の必要による航空の制限が時代遅れとなり、航空技術の発展に伴って20世紀末には自由化へと向かうことになった。コードシェアやアライアンスの普及、LCCの登場、運賃の多様化で運航が柔軟になり、国々が地域として一体化し多国間での航空の自由化が目指されるようになっていくなか、世界の空が行きつく先には何が待っているのだろうか。航空の発展史をひもときつつ、エアラインの世界から地球の将来を展望する。
  • 自公政権とは何か ──「連立」にみる強さの正体
    4.4
    自民党「一強」と言われて久しい。だが、実際には公明党との連立政権である。この政権には、政治学の理論では説明し難い謎がある。例えば両党の重点政策を比較すると、違いが少なくない。平和と福祉を重視する公明党は、民主党およびその後継政党の立場に近い。2016年の参院選以降、衆参両院で過半数を占める自民党は、単独政権を作ろうと思えば作れるのに、そうしない。なぜか? 本書は自公政権を中心に多角的な分析を行い、強さの理由を解き明かす。日本政治の“今”を深く理解し、今後を展望するための必読の書!
  • 不道徳的倫理学講義 ──人生にとって運とは何か
    4.2
    我々がこの世界で何をなし、何を受け取るかは、「運」というものに大きく左右されている。しかし、あるべき行為や人生をめぐって議論が交わされるとき、なぜかこの「運」という要素は無視されがちだ。特にその傾向は、道徳や倫理について学問的な探究を行う倫理学に顕著である。それはいったいなぜだろうか。本書では、運が主に倫理学の歴史のなかでどう扱われ、どのように肯定や否定をされてきたのか、古代ギリシアから現代に至る人々の思索の軌跡を追う。そしてその先に、人間のあるがままの生をとらえる道筋を探る。
  • 考古学講義
    3.7
    科学的な手法の発達によって、近年、考古学の成果が多数挙がり、考古学の年表は全面的に書き換えられつつある。旧石器捏造事件で考古学の危うさが指摘されて以来、科学的な確からしさが常に問われている。そこで実証的な考古学の最新成果を一般の読者にわかりやすく伝えるとともに、通説をそのままなぞるような水準にとどまらない、挑戦的な研究を紹介。旧石器時代から古墳時代までの全貌がわかるだけでなく、考古学ファンの批判に耐え、知的好奇心を満たす最前線の研究案内。
  • イネという不思議な植物
    4.6
    植物の常識に照らすと、生態が少し奇妙なイネ。だがそれゆえに、人に深くかかわりその生活や歴史までも動かしてきた。イネとは何か、なぜ人を魅了してやまないのだろう。その秘密にせまる。
  • 5日で学べて一生使える! プレゼンの教科書
    3.6
    プレゼンは、これからの社会で誰もが身につけるべき、欠かせないスキル。自分の言葉を届けたい。人の心を揺さぶりたい。言葉の力で世の中を変えたい。そんな望みをもつ君たちに贈るアドバイス満載。授業発表からビジネスまで、必携の入門書。
  • 友だちは永遠じゃない ──社会学でつながりを考える
    4.0
    凝り固まって息苦しいように感じられる人間関係や社会も「一時的協力理論」というフィルターを通すとちょっと違った成立の姿が見えてくる。そんな社会の像やそこで考えられる可能性を想像してみよう。
  • 「お客様」がやかましい
    3.8
    現代の日本社会は「お客様=神様」として扱うが、客の不満はゼロになるどころか、不満は増大し、自主性の欠如や拝金主義、暴力につながっていく。「お客様」社会の問題点と脱却法を考える。
  • ラーメンの誕生
    4.0
    日本の国民食ラーメン。そこには、中国伝来の製麺技術が吸収・同化されたうえで、日本料理ならではの伝統がいくつも盛り込まれている。明治維新までの肉食忌避が解消され、安くてうまくて栄養いっぱいの食べ物が求められるようになると、全国で爆発的に普及。インスタントラーメンの発明を経て、世界中に広まっていく。外来文化を取り入れては積極的なアレンジを繰返す、日本人の凄まじい情熱と知恵。本書は、膨大な史料を踏まえて描かれた壮大な歴史ドラマである。巷間のラーメン情報の底本となったラーメン通史の決定版。
  • ドライブイン探訪
    4.4
    道路沿いにひっそりと佇むドライブイン。クルマ社会、外食産業の激変の荒波を受けながら、ドライバーたちに食事を提供し続けた人々の人生と思いに迫る傑作ルポ。
  • 概説文語文法 改訂版
    -
    傑出した国語学者・言語学者であった著者による古典文法の概説書。文法がどのような組織を持っているか総体として受けとめ、たんに作品解釈のためだけではなく、それ自体、教養として学ぶことを提唱する。大きく「文」「語」「付属語」「表現」に分けて解説。
  • 倫理学入門
    4.0
    倫理学こそ哲学の中枢に位置する学問である──。本書の冒頭で、著者はこう強調する。人間のあらゆる行動や思索、生き方を根本的に規定するのは倫理であり、したがって倫理学とはまさに「人間とはなにか」を問う学問にほかならない、と。では、この問いに思想家たちはどう向き合い、どんな答えを導き出してきたか。それを明らかにすべく、アリストテレス、エピクロス、ストア派から功利主義、カント、ヘーゲルらを経て20世紀にいたるその歩みを三つの潮流に大別し、それぞれの思想を簡明に解説してゆく。人間の根本原理としての倫理をときあかす円熟の講義。
  • 古文読解のための文法
    -
    「その文を構成する語句のまとまりをはっきりとつかみ、語句と語句とのかかわりをはっきりとみること、つまり、文脈をはっきりとさせることが、まず努めるべきこと」。古文の文法的読みについて、著者はこのように目標を掲げる。そのために必要な事項を平易に解説したものが本書であり、これをもって「佐伯文法」はひとつの達成をみた。用言・助動詞の活用から『徒然草』『源氏物語』の読解まで、言葉が言葉として実際に用いられる場面に即しつつ、そこにある法則が述べられる。複雑な古文の世界へ分け入るにあたり、座右に置いておきたい書。
  • 資治通鑑
    4.0
    『資治通鑑』は11世紀なかば、北宋の皇帝英宗の詔により編纂された編年体の歴史書である。中国の戦国時代から北宋建国前年に至るまで1362年間にわたる歴代君臣の事績をまとめた本書は、「治を資(たす)く」という書名の示す通り統治者が参照すべき書として、『貞観政要』と並び政治家や学者の読むべきものとされた。294巻にのぼるこの膨大な『通鑑』のなかから、本文庫では後漢の「党錮の禁」、南北朝時代に勃発した「侯景の乱」、そして大唐帝国を揺るがした「安史(安禄山)の乱」を綴った巻を収録。権力者たちのたくらみが交錯するドラマが流麗な訳文で蘇る。
  • 数学基礎論
    3.8
    数学基礎論──それは20世紀とともに始まった、新しい数学の分野である。その黎明期には、カントルやラッセルによって相次いで見出された集合論のパラドックス、そして、ゲーデルの不完全性定理など、数学の根幹を揺るがす発見が続いた。しかし数学基礎論は、決して数学の息の根を止めてしまったのではない。「ミレニアム懸賞問題」として知られるP=NP問題(P≠NP予想)やファジー論理、さらには人工知能との関わりなど、数学の最先端を切り開く分野でもあるのだ。日本を代表する数学基礎論の大家がその歴史、および現代的なトピックについて平易に解説した入門書。
  • 代数入門 ──数と式
    5.0
    数学では、変化する数や量を表す際に、x、y、zのような記号を用いる。この「代数的方法」なくして数学をすることはできないし、実際、高校数学でははじめに「数と式」を学ぶ。けれど、そもそも「数や量を記号で表す」とはどういうこと? 文字だらけの数式を見るだけで、たじろく人も多いはず。本書はトランプや樹形図のように具体的な例を出発点にして、種々の多項式や方程式に慣れるところまでを目指す。「たくさんの人に数学を」という著者の思いの結実した、晩年の名教科書。遠山数学の集大成がここにある!
  • 大阪 ──都市の記憶を掘り起こす
    4.3
    キタとミナミの違いとは何か? 梅田の巨大地下街はどのように形成されたのか? 2025年万博予定地「夢洲」の暗い過去とは? 梅田、船場、アメリカ村、飛田新地、釡ケ崎、新世界、法善寺横丁、ユニバ、夢洲……気鋭の地理学者が街々を歩き、織田作之助らの著作を読み、この大都市の忘れられた物語を掘り起こす。大阪とはどんな街なのか? これを読めば、見える景色はがらりと変わる。
  • ともに生きる仏教 ──お寺の社会活動最前線
    -
    地域社会の過疎化による仏教の衰退が問題化する一方で、2000年代以降、仏教界では新しい世代による「仏教の社会活動・文化活動」の波が訪れている。本書では、子育て支援、アイドル育成、演劇活動、NPOとの協働、貧困問題、グリーフケア、ビハーラ(仏教版ホスピス)などの多種多様な活動を取り上げ、その社会活動の最前線を、当事者と研究者が協力して紹介する。現代社会に寄り添う仏教の新たな可能性を探る。
  • 問い続ける力
    4.0
    「自分で考えなさい」──誰もが一度は言われたことがある言葉だろう。でも、何をどう考えたらいいのか? そこで、様々な分野で突出している達人、9人のもとをたずねて聞いてみた。「どんなことを考えてますか?」時代、社会、文化、アート、性、経済、人間とAI……、問い続け、考える達人たちとの縦横無尽の対話は深く、広く、「Think Different」のヒントにあふれている。
  • 感情の正体 ──発達心理学で気持ちをマネジメントする
    3.3
    抑えられないネガティブな感情。怒り、悲しみ、屈辱感、劣等感、後悔……。ポジティブ感情もそうだけれど、どうにも思い通りにならないのが人間の気持ちです。勉強や仕事の能率を上げ、友情や公共心を育むには「感情の安定」が大切ですが、どうすれば身につくのでしょう。非行やいじめ、ひきこもり、発達障害や児童虐待との関係は? 世界の最先端研究から感情の正体に迫り、効果的なマネジメントの技術を盛りだくさんに紹介します。職場で学校で家庭で、実践できるテクニックやアイデア多数!
  • 論理的思考のコアスキル
    4.5
    論理的思考力を確実に強化するには、論理とは何か、思考とはどのような頭脳行為かを原理的に理解したうえで、核となるスキルをトレーニングしていくことが最も有効である。本書では必須となる3つのコアスキル「適切な言語化」「分ける・繋げる」「定量的な判断」について、習得のためのプログラムを具体的に、体系的に示してある。
  • 感情天皇論
    4.0
    1959年、皇太子明仁のご成婚パレードの日、一人の少年が皇太子とその妻に石を投げた。三島由紀夫はその行為に「天皇と国民が個人として対話をする」というテロルを見て戦慄し、石原慎太郎はそれを隠蔽しようとした。そして即位した明仁天皇が行ってきたのは、かつて庵野秀明が描いた人類補完計画が成ったかの如き、統合の実践としての感情労働だった。『少女たちの「かわいい」天皇』から一時代を経て書かれた、「終わり」の平成天皇論。
  • ヨーロッパ現代史
    4.3
    第二次大戦後、ヨーロッパ諸国は「和解」に向け歩んできた。だが、現在は自国中心主義勢力が各国で拡大し、英独仏ロによる「大国の時代」が復活しつつある。この危機の本質を理解するには、これまでの七十数年の歴史を繙かねばならない。福祉国家の成立とその行き詰まり、新自由主義時代の到来と東欧革命、エスニシティの噴出、グローバル化の進展、財政危機や難民問題、反EUなど現在の危機に至るまで、国際関係のみならず各国の内政との関わりからも描き出す決定版ヨーロッパ史。
  • 教授だから知っている大学入試のトリセツ
    4.0
    二〇二〇年、大学入試は、一体どう変わるの? AO・推薦入試にはどういう対策をすればいいの? ただ暗記するだけでは答えられない、思考力・表現力が求められる入試へ立ち向かうために。
  • イラストで読むAI入門
    3.8
    AIは本当に優れているのか? そもそもAIって何? その歴史から進歩の過程まで、数式を使わずに解説。AIはどのように私たちの生活に入ってくるのか? はじめの一歩から丁寧にイラストで読み解くAI入門。
  • 中高生からの日本語の歴史
    -
    言葉は人々の暮らしや文化を映し出す鏡。普段何気なく使っていても、じつはそこには数々の複雑な歴史や秘密が隠されている。日本語の成り立ちや仕組みを知り、美しく使いこなすための技をやさしく学ぼう。
  • 精神現象学 上
    4.0
    感覚的経験という最も身近な段階から、数知れぬ弁証法的過程を経て、最高次の「絶対知」へと至るまで──。精神のこの遍歴を壮大なスケールで描き出し、哲学史上、この上なく難解かつ極めて重要な書物として、不動の地位を築いてきた『精神現象学』。我が国でも数多くの翻訳がなされてきたが、本書は、流麗ながら、かつてない平明な訳文により、ヘーゲルの晦渋な世界へと読者をやさしく誘う。同時に、主要な版すべてを照合しつつ訳出された本書は、それら四つの原典との頁対応も示し、原文を参照する一助となす。今後のヘーゲル読解に必携の画期的翻訳、文庫オリジナルでついに刊行。【※本電子書籍版には、紙書籍版本文の上欄、下欄に付した4つの原典(グロックナー版全集第二巻、ホフマイスター版、ズールカンプ版全集第三巻および大全集版〔アカデミー版〕)とのページ対応は含まれません。】
  • 芭蕉 最後の一句 ──生命の流れに還る
    4.0
    旅に病んで夢は枯野をかけめぐる──松尾芭蕉、最後の句として知られる死の四日前深夜の「病中吟」である。日々旅にして旅を栖とした俳聖の、最期のイメージに相応しい。けれども実はその翌朝、弟子二人を枕頭に呼び「清滝や波に散り込む青松葉」を遺している。「改作」というのだが、これこそが辞世の句である。「不易流行」「軽み」そして最後の一句へと、境涯深まる芭蕉最晩年の五年半に焦点を当て、その実像に迫る。
  • えーえんとくちから
    4.3
    「えーえんとくちからえーえんとくちから永遠解く力を下さい」「「はなびら」と点字をなぞる ああ、これは桜の可能性が大きい」──この世界への鋭敏で繊細なまなざしから生まれたやさしくつよい言葉たち。彗星のように短歌界にあらわれ、2009年、惜しまれながら二十六年の生涯を閉じた夭折の歌人のベスト歌集が没後十年を機に未発表原稿を加え待望の文庫化。
  • インドの思想
    3.0
    長い歴史と多数の異なった民族から成り、広大な地域の中で様々な伝統文化を併存させている国インド。日本人には想像もできないほど人々の考え方の振幅は大きいが、その精神的豊かさには瞠目すべきものがある。多様でありながらインドの底流をなす思考方法とは何か。本書では、国名「インド」の由来やインダス文明の興隆から説き起こし、ヒンドゥー教、ジャイナ教、仏教、『マハーバーラタ』と『ラーマーヤナ』の二大叙事詩、論理学など、インドを特徴づける主要な思想のエッセンスを、仏教・インド哲学研究の泰斗が解説する。
  • 現代の初等幾何学
    4.7
    数学の理論の公理系にあらわれる基本的な用語は無定義なものであるべきだという公理主義の思想。この思想は、初等幾何学すなわちユークリッドの平面幾何学をめぐる考察のなかから生まれた。その意味で初等幾何学は現代数学の母であり、いまなお「生きた」数学の理論である。本書はヘルマン・ワイルの提唱した公理系にもとづいて、ユークリッドが展開した初等幾何学の再構成を試みる。平面を2次元の内積空間と捉えることで、数学の種々様々な理論と自然につながり合う「現代的な」幾何学が得られるのだ。幾何学が本来もつ証明の面白さを損なわないよう初学者への配慮も溢れる一冊。
  • 増補 死者の救済史 ──供養と憑依の宗教学
    -
    数々の未練を残してこの世を去った死者たち。その無念に、残された者は何をしてあげることができるのか。この問いに日本人は古くから執心し、多種多様な解決策を練り上げてきた。祟りと祀り、穢れと祓い、供養と調伏、そして死者との直接の交流である憑依。これらをさまざまな角度から再検討し、さらに比較宗教学的な見地を織り込むことで、生者と死者とが邂逅する局面と、そこで行われる交流や対決、取引に新たな光を当ててゆく。文庫化にあたり、靖国神社を集合性と個人性との相克の場として捉えた論考「靖国信仰の個人性」を増補した決定版。
  • 宗教生活の基本形態(全) ──オーストラリアにおけるトーテム体系
    -
    宗教の本質的要素=宗教生活の基本形態を明らかにした古典的名著を清新な新訳で送る。上下巻を合本した「完全版」、待望の電子化。【上巻】序論「探求の目的」と、宗教の定義を検討しアミニスム、ナチュリスムなどの主要学説を批判した上でトーテミスム研究の略史を扱った第一部「前提問題」、さらに第二部「基本的信念」のうち、トーテミスムの概念を掘り下げ、その原理であるマナの概念を析出する第七章までを収録。【下巻】霊魂と精霊の概念を扱う第二部「基本的信念」の後半に続いて、禁忌の体系や供犠、また償いの儀礼や聖概念の両義性を検討する第三部「主要な儀礼的態度」を収める。「結論」では、研究結果を再検討し、共通の行為としての宗教儀礼が社会を「作り直す」根源的行為であることを解明する。詳細な訳者解説を付す。
  • 愛の本 ──他者との〈つながり〉を持て余すあなたへ
    4.1
    「この本を手にとってくれた君が、自分以外の人間や身の周りの世界に対して、ゴツゴツした岩みたいなよそよそしさを抱いているとしたら、そんな感覚から自由になれる考え方があることを知ってほしい。……自分を取り囲む世界と多少なりともなめらかにつながっていけるイメージを持ってくれたらいい……」。名著『友だち幻想』へと続くテーマを、やさしく深く語りかけるようにつづった「幸せ」のデザイン。
  • 味見したい本
    4.0
    読むだけで味わいが広がる食についての本38冊を読むエッセイ集。第1章は「少し前の食卓」。古川緑波、内田百間、武田百合子らの食描写は? 第2章は、かぼちゃから弁当まで「台所で読む」。第3章は餃子や焼肉、うなぎなど食堂らしいメニューの本が並ぶ。第4章から第7章までは、カレー、お菓子やコーヒー、最後は酒本で締める。「食の本」フルコースをご堪能あれ。
  • 帝国の陰謀
    4.0
    純粋な「形式性」と起源なき「名前」の流通によって現実が作られる時代。それは、いかにして生まれたのか──。19世紀中葉、一組の義兄弟が陰謀を企てる。兄の名は、ルイ=ナポレオン。フランス皇帝ナポレオン1世の甥である。かたや父親を異にする弟の名は、ド・モルニー。「私生児」にして、のちの内務大臣・立法院議長である。権力奪取の計画は首尾よく運び、ここにフランス第二帝政の幕が上がることとなる。希薄で、シニカルな相貌をまとって……。ド・モルニーが遺した二つのテクストを読解し、マルクスが見落としたものを軽やかに描く、著者最初の書き下ろし作品。
  • ネオンと絵具箱
    4.0
    現代美術作家・大竹伸朗の視点で切り取る日常の雑感と創作への思い。絵画や音楽、展覧会、スクラップブックや夢日記、ロンドン、別海、宇和島での日常、路上と創作、趣味、家族、友人、過去、未来、そして現実と妄想……日々浮かぶトリトメなきテーマの裏にあぶり出る「わからない雑景」。未収録エッセイ28篇、カラー口絵8頁を収録。2003~2011年のエッセイ。
  • 使える!経済学の考え方 ──みんなをより幸せにするための論理
    3.8
    経済学とは単なる「お金儲け」の学問ではない。「どうすれば、みんなが幸福になれるか」を探究する営みだ──。世の中では、ある人の幸せが他の人の不幸へとつながることがしばしば起こる。では、そうした不可避の困難のもと、あるべき社会の形をどう構想すればよいのか。本書は最先端の確率理論を駆使して、この難題に鋭く切り込む試みである。不確実な世界における人間の行動様式の本質を抽出し、そこから、自由で平等な社会のあり方をロジカルに(しかし熱いハートで)基礎づける。
  • 使える!確率的思考
    3.7
    ギャンブル、天気予報、ビジネスから人間関係まで、この世は不確かな事柄でいっぱいだ。私たちは、偶然に翻弄されながら、可能性の高さを見積もったり比較したりして、自らの行動を決断せねばならない。では、賢く適切な選択をするにはどうすればよいか? そこで強い味方となるのが「確率的思考」である。本書は、数字の苦手なわれらにも腑に落ちる平明な語り口で、確率のテクニックを駆使して考える術を伝授する。ツキの正体、統計数字のからくり、人づきあいやビジネスでの意思決定法など、魅力に富んだ事例満載で愉快に学べる一冊。
  • 解説 百人一首
    -
    現代語訳と易しい語句説明、そして歴史的背景や古文の読み方、楽しみ方も根本から学べる「解説」と「余録」つき。遊びながら、寄り道しながら、子どもたちが自ら学ぶ力を養うという、受験教育とは一見対極にある方法をとりながら、灘校を第一級の進学校になるまで導いた、その授業とはいったいどんなものだったのか? 橋本流教育実践が凝縮された、古文入門の決定版。
  • 解説 徒然草
    5.0
    伝説の国語教師による超ロングセラーの古文参考書。著者は、寄り道しつつ、遊びつつ『銀の匙』1冊を3年間かけて学ぶという独自の教育スタイルにより、灘校を東大合格者数ナンバーワンに導いたと言われる。本書には、その授業実践のすべてが凝縮されている。現世への無常観を抱きつつ、なお時代を、人をあたたかな目で見つめつづけた兼好の名随筆より、珠玉の断章をセレクト。やさしい現代語訳や語句注釈で学び、ユーモアと人間味あふれる解説でさらなる広がりに触れながら、古文の世界に楽しく親しむことができる、入門書の決定版。
  • たった一言で印象が変わる大人の日本語100
    4.3
    大人なら当然知っておきたい日本語の言葉や表現を、「気のきいた会話の一言」「あらたまった場での信頼される言葉遣い」「敬語を間違えて恥をかかないために」「知的な印象を与える熟語」「電話とメールの定型フレーズ」「昔は誤用だったが、今は定着した表現」の6章に分けて解説。仕事の場はもちろん、日常生活でも「教養のある大人」としての基本的な語彙力が、これ一冊で身につく。
  • 知っておきたい腹痛の正体
    4.0
    過敏性腸症候群やひどい便秘で、日常に不快を感じ、不便な日常を送る人は少なくありません。下痢と便秘を交互に繰り返して、“快腸”なときはほとんどないという中高年の人もいます。お腹の検査は辛くて苦しいという先入観や羞恥心もあり、病院から足が遠のく人もいますが、怖い病気を心配するなら、むしろ早期発見こそ重要。お腹の治療で成果を上げている専門医が、痛みの原因や見分け方、病院へ行くタイミング、検査の実際、予防法まで、本書でやさしく解説します。
  • 古代史講義【戦乱篇】
    3.9
    古代においては、さまざまな戦乱が繰り広げられていた。その中でもとくに時代を大きく動かした面のある十五の戦い・政争を時代順に取り上げ、通時的に歴史展開を見通す。単純に戦乱の経緯を叙述するだけではなく、最新の研究状況を紹介しつつ、時代背景となる古代社会のありさまを明らかにする。古代史の最新の研究成果を一般読者にわかりやすく伝え、かつて教科書で書かれていたために広まってきた誤解などを正す、実証史家たちによる大好評の「古代史講義」シリーズ第2弾。
  • こころの人類学 ──人間性の起源を探る
    -
    「わかちあい」「おもいやり」「いつくしみ」。人類に普遍的に見出されるこころのはたらきはどこで生まれたのか。カナダ・インディアン、北海道のアイヌ、ロシアのコリヤーク、モンゴルの遊牧民、インドのラダック、そしてチベット。人間と動物が本来的に同一だとする初原的同一性の思考にこそ「こころの起源」がある。半世紀にわたる世界中でのフィールドワークから、様々な社会に共通して見られる人間の生態とこころの本質を解明する。
  • 言語学講義 ──その起源と未来
    3.6
    生成文法、構造主義、社会言語学、……旧来のイメージや枠組みを飛び越え、複雑系言語学、言語死の問題など、言語学には新しい知見や切り口がどんどん登場している。本書では、言語学の全体像や基本の構造を俯瞰しつつ、重要な分岐点にさしかかっている議論や新しい枠組みまでを縦横無尽に取り上げ「言語学の今」を浮かび上がらせてみたい。国家、発達障害、人工知能、……現代に即したキーワードも切り口に、最新言語学をガイドする。
  • 日本が外資に喰われる
    4.5
    1980年代後半、世界を席巻したジャパンマネーは、バブル崩壊によって一挙に奈落の底に突き落とされた。その結果、途方もない規模の不良債権が浮上し、名門(大)企業が破綻、次々に姿を消していった。そして気づいてみると、多くの日本企業の大口株主は海外投資家によって占められ、株式市場は、現物も先物も、圧倒的に海外投資家の独擅場になっている。時代が暗転する転換点となった不良債権処理ビジネスの力学を丁寧に追いながら、「失われた三十年」に秘められた謎を読みとく。
  • 教養としての政治学入門
    4.3
    政治学をこれから学ぼうとする読者や、社会人として最低限知っておくべき教養として政治学を身につけたいという読者に向けて、最先端の研究者が最新の論点を提示。いま政治学で何が問題になっているのか、なぜそれが争点なのかを、政治史・政治理論・国際政治・福祉政治・行政学・地方自治などの専門研究者が、「日本と世界」「歴史と思想」「比較と地域」の3部構成、12のテーマで幅広く、わかりやすく論じる。学問の面白さ、大切さを伝える、初学者から学べる現代政治学案内。
  • その情報はどこから? ──ネット時代の情報選別力
    3.8
    私たちはいつの間にかインターネットと毎日繋がっています。知らず知らずのうちに行動や考えがインターネットに影響されているかもしれません。たくさん流れてくる情報に惑わされないために大切なこととは。
  • キュートな数学名作問題集
    3.6
    数学嫌い脱出の第一歩は、良問との出会いから。「注目すべきツボ」に届く力を身につければ、様々なものごとの「本質」を見抜く力に応用できる。めくるめく数学問題たちの世界へ、いざ。
  • スポーツを仕事にする!
    3.8
    スポーツには「する・みる・ささえる」の三つの側面がある。今や「ささえる」のプロが多く活躍する時代になった。気鋭のスポーツジャーナリストが、急増する大学のスポーツ関連学科や、急成長する職業の「今」をレポートする。
  • 生きものとは何か ──世界と自分を知るための生物学
    4.5
    自分を知るには、まず生きもののことを理解しておく必要がある。生きものの形や時間にはどのような特徴があるのだろう? 何のために生きているのだろう? 生きものの本質を明らかにする冒険的な試み。
  • うちのご飯の60年 ──祖母・母・娘の食卓
    4.7
    家族の歴史をたどることで、昭和初期の山村の自給自足生活から現在の都市の「一人一人が楽しむ」個食まで、日本の食と社会が通ってきた変化の道筋を描き出す。
  • ルポ プーチンの戦争 ──「皇帝」はなぜウクライナを狙ったのか
    4.2
    ハイブリッド戦争の内幕とは。毎日新聞モスクワ特派員が両国政府と親露派の要人を取材、砲撃と空爆で破壊された街に潜入して、戦闘員と市民の声を聞く。激動のロシア情勢を伝えるルポルタージュ。
  • ドングリの謎 ──拾って、食べて、考えた
    4.4
    「ボルネオで世界最大のドングリを拾う」長年の夢を叶え学校に戻った僕を、同僚や生徒からのたくさんの質問が待っていた。ドングリって何? 「ドングリの木」があるの? 果実なの、種子なの? ドングリについている帽子みたいなやつって何? なぜドングリからは虫が出てくるんだろう? 生物教師が拾いながら、食べながら考えた「ドングリの謎」。楽しいイラスト多数。
  • フランス革命の志士たち ──革命家とは何者か
    4.3
    混迷の時代に現れる革命家。彼らの語った壮大な理想とその言葉、その生き様はいまもわれわれを惹きつけてやまない。近代を切り開いたフランス革命にも、多くの革命家が現れては散っていった。彼らは何を夢見、何を求め、何を成し遂げたのか。真に変革をもたらす者とそうでない者はどこがちがうのか。そもそも人はどのようにして革命家になるのか。志を抱えつつも、時に転び、時代に追い越され、時に皮肉な結末を迎えてしまったフランス革命の志士たち。彼らの肖像を通して、変革の時代をいかに生きるかを考える。
  • シベリア鉄道紀行史 ──アジアとヨーロッパを結ぶ旅
    4.5
    列強による世界分割のさなか、ロシアの極東開発の重点を担ったシベリア鉄道。20世紀の歴史に翻弄され続けたこの鉄道を旅した近代の日本人の目は、車窓に何を見たのか。ヨーロッパに至る憧れの旅路、軍隊や流刑の民を極東に送る脅威の鉄道、夢の共産主義国家、危険な脱出劇の舞台……当時のガイドブックや新聞記事、ジャーナリストや政治家、作家や芸術家らの記述をたどり、シベリア鉄道という表象装置のイメージ変遷を追う。
  • 教養派知識人の運命 ──阿部次郎とその時代
    4.0
    大正教養主義の代表者・阿部次郎。その著『三太郎の日記』は自己の確立を追求した思索の書として、大正・昭和期の学生に熱烈に迎えられた。だが、彼の人生は、そこをピークに波乱と翳りに包まれていく──。本書は、同時代の知識人たちとの関係や教育制度から、阿部次郎の生涯に迫った社会史的評伝である。彼の掲げた人格主義とはいかなるものであったのか。落魄のなかでも失われなかった精神の輝きに、「教養」の可能性を探る。
  • 死の文化を豊かに
    4.7
    誰もがいつかは迎える「死」。その瞬間は遅かれ早かれ必ずやってくる。鳥取市のホスピス「野の花診療所」でこれまでたくさんの人々の死に立ち会ってきた著者は、その経験をもとに、もっと「死」についてざっくばらんに語り合う文化があってもよいのではないか、と疑問や提案を投げかける。温かくそして謙虚に死と向き合う臨床医のしなやかなエッセイ。
  • 柳田国男論・丸山真男論
    4.0
    体液のように流れる柳田の文体と方法にかたちをあたえ、彼のえがいた稲の人としての「日本人」の鮮明な画像と、そこに見えかくれする「山人」や「アイヌ」の影に徹底した考察を加える「柳田国男論」。丸山の戦争体験の批判を入口に、『日本政治思想史研究』における徂徠学の評価の分析を軸にすえ、丸山政治学が幻想の「西欧」という虚構の立場を設定して初めて切り拓いた地平を検証する「丸山真男論」。近現代の代表的な思想家を俎上にのせ、雄勁なスケールでその核心を論じる。
  • 身体の時間 ──〈今〉を生きるための精神病理学
    4.5
    現代社会では速さが求められる。効率は、すべてにまさる免罪符だ。そこでは“今”は、未だ結果を得ない不全の時間にすぎず、そのことが、身体を疎外し、心の耐性に負荷をかける。本書では、新型うつ病や解離性障害など、様々な精神病理を臨床例から検証、時代の加速化が視野を狭め、不意打ち的外傷が蔓延する現代に、私たちが生命性を回復し、“今”を豊かに生きるためになにが必要か、その叡智を探りだす。
  • 分断社会を終わらせる ──「だれもが受益者」という財政戦略
    3.3
    他人に対して冷淡で不機嫌な社会──。それが今の日本だ。世代間、地域間、性別間、所得階層間それぞれの対立が激化し、私たちは、バラバラな存在へと追いやられている。永続的な経済成長をあてにする勤労国家レジームが、こうした状況を生み出した。本書は分断社会を終わらせるべく、すべての人の基礎的ニーズを満たすという「必要原理」に基づく財政戦略を提唱。暮らしの安心の実現が、格差是正と経済成長を実現させることを説く。来るべき未来を構想する、希望の書である。
  • 大学の未来地図 ──「知識集約型社会」を創る
    3.8
    「知恵とそれを活用する人が集積する場」、それが大学だ。「デジタル革命」を契機に、社会のあり方は劇的に変わりつつある。変化のスピードも激しい。こうしたなか、大学はどのような役割を果たし得るのか? 日本の大学は、多様で最先端の研究者を数多く擁し、優れた人材を輩出してきた。豊富な人材ネットワークを持ち、大学間をつなぐ高度な情報インフラも整備している。だからこそ大学は、全世代が活躍する「知識集約型社会」モデルを創ることにも貢献できる――。東京大学総長による、まったく新しい大学論である。
  • 思いつきで世界は進む ──「遠い地平、低い視点」で考えた50のこと
    3.9
    「あんな時代もあったよね」と懐かしんで振り返ることができないここ数年の怒濤の展開。国会でも巷でも、まともな議論はなりたたないし、小難しいことを言われると、言ってくる相手に怒りを覚えるような輩だらけ。さらには、世界も日本も、バカが偉くなってしまい、それに疑問をもつことにも麻痺しちゃっている今日この頃。そんな世の中に起きた日常の変化から世界的な事象までを見渡した時評集。
  • これなら書ける! 大人の文章講座
    4.0
    30年近くプロとして文章を書いてきた著者が、「人に読んでもらえる」文章を書く33の秘訣を公開する。大事なことは、「うまい文章」を書こうとしないこと、「文章とは何か」という本質に気付くことだ。話すようにどんどん書いていけばいい。メール、LINE、フェイスブックなどの注意点も。大人は若者より経験や知識がある。それを素直にシンプルに伝えよう。「相場観」を持てば、ネタはどんどん見つかる。
  • 中学生にもわかる化学史
    3.7
    世界は何からできているのだろうか。古代ギリシアの哲学者たちは考え「元素」を発想した。人間の手で世界は作り変えることができるはずだと、中世の錬金術師たちは実験をくり返して化学変化の基礎を築いた。やがて近・現代の科学によって元素の正体はぞくぞくと解明され、新元素さえ作り出せるようになった。かつてニュートンも夢想した“賢者の石”は実現しつつあるのか――。そんな化学の道程を歴史エピソードでたどり、最先端技術のすごさに迫る。
  • ゲノム編集の光と闇 ──人類の未来に何をもたらすか
    3.8
    2018年11月、中国の研究者が「ゲノム編集をした受精卵から双子の赤ちゃんを誕生させた」と発表した。生命の設計図をいとも簡単に操作し、実際に子どもを誕生させたという報告の衝撃は大きく、倫理的・社会的な議論が巻き起こっている。本書は「ゲノム編集」という最先端の生命科学技術を基礎から解きほぐして紹介しながら、それが拠って立つ生命科学の歴史と系譜をも辿ることで、私たちが手にする利益と内包する問題点のせめぎ合いを追う一冊である。

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