赤上裕幸の作品一覧
「赤上裕幸」の「分断のニッポン史 ありえたかもしれない敗戦後論」「三木武吉の裏表」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「赤上裕幸」の「分断のニッポン史 ありえたかもしれない敗戦後論」「三木武吉の裏表」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
おそらくSNS上の紹介で手に取ったのだが望外に得るものがあった。
「歴史のif」という題材自体には、エンタメ性に優れたメディアであること以外の役割を意識することもなかったが、この反実仮想が歴史学上でいかなる機能を持ちうるかという論争が存在すること自体が新鮮な感覚であった。
章立てに「仮想戦記」が取り上げられていることに訝しんだが、なるほどメディア論で親しんでいる佐藤卓己氏の元で研究されていたとのこと。
欧米の歴史研究者自体は仄聞することもない名前ばかりであったが、比較的親しみのある作家も散見されページを繰る手が捗った。メディア史の考察として注力されていた架空戦記などは、縁遠い過去の出来事
Posted by ブクログ
以下、引用
●自由主義か共産主義かというイデオロギーの優越だけでなく、価値観の基準にはさまざまな「物差し」が存在する。流通する情報量を「物差し」にする発想に異論はあるかもしれないが、磯田のこの読み替えは重要である。というのは、分断国家ニッポンの発想が冷戦下のみ有効なわけではないことに気づかせてくれるからだ。20世紀は、アメリカとソ連の冷戦構造を背景として、わかりやすい二項対立で世界を把握でき、「分断」の状況も想像しやすかった。しかし、21世紀は、冷戦構造の終結、情報量の圧倒的な拡大等に伴い、単純化して世界を捉えるのが難しくなっている。だからこそ、イデオロギーとは異なる視点(=「物差し」)で現