作品一覧

  • 近代日本メディア議員列伝・7巻 三木武吉の裏表 輿論指導か世論喚起か
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    1巻2,970円 (税込)
    吉田茂を政権の座から引きずり下ろして鳩山一郎内閣を作り、1955年に自由党と民主党を統一して保守合同を成し遂げ自民党を作った最大の功労者・三木武吉。東京専門学校を出て憲政会に所属、代議士の傍ら東京市会議員、報知新聞社長を兼任、気骨ある党人派として「寝業師」「ヤジ将軍」「政界の大狸」などの異名をもって知られた。大物ながら本格的な研究に乏しかった稀代の政治家に光を当て、議会政治史の裏面を解きほぐす。
  • 分断のニッポン史 ありえたかもしれない敗戦後論
    3.5
    災害、感染症、格差……いま各所で「分断」が叫ばれる。だが歴史を遡ると、敗戦直後には国が分割される恐れが実際にあり、分断統治や架空戦記を描いた小説・マンガが人気を博してきた。欧米の学界ではこうした「歴史のif=反実仮想」の歴史学は重要な研究として認知されてきたが、本書は本邦で数少ない試みである。さらに震災等による列島分断を描いた未来小説も検証。最悪のシナリオを描いた作品群から、危機克服のヒントを学ぶ。  おもな登場作品は井上ひさし『一分ノ一』等の歴史改変小説、佐藤大輔『征途』等の架空戦記、小松左京『日本沈没』等の未来小説、『国境のエミーリャ』等のマンガ作品etc. 計100超。
  • 「もしもあの時」の社会学 ──歴史にifがあったなら
    4.0
    1巻1,595円 (税込)
    歴史にifはないと言われる。そうだろうか?「もしもあの時、~だったなら」というifの思考は、ある時代を生きた人々の、実現しなかった願望、失敗に終わった計画など、「ありえたかもしれない未来」の把握を可能にする。歴史に埋もれた「敗者」を救い出し、「未来」への視角を開く「歴史のif」。SFのP.K.ディック、歴史学のファーガソン、哲学のベンヤミン、社会学の大澤真幸らを取り上げその思考を検討し、「歴史のif」の可能性を指し示す。

ユーザーレビュー

  • 「もしもあの時」の社会学 ──歴史にifがあったなら

    Posted by ブクログ

    おそらくSNS上の紹介で手に取ったのだが望外に得るものがあった。

    「歴史のif」という題材自体には、エンタメ性に優れたメディアであること以外の役割を意識することもなかったが、この反実仮想が歴史学上でいかなる機能を持ちうるかという論争が存在すること自体が新鮮な感覚であった。

    章立てに「仮想戦記」が取り上げられていることに訝しんだが、なるほどメディア論で親しんでいる佐藤卓己氏の元で研究されていたとのこと。

    欧米の歴史研究者自体は仄聞することもない名前ばかりであったが、比較的親しみのある作家も散見されページを繰る手が捗った。メディア史の考察として注力されていた架空戦記などは、縁遠い過去の出来事

    0
    2024年07月06日
  • 分断のニッポン史 ありえたかもしれない敗戦後論

    Posted by ブクログ

    歴史のif。日本が分断されていたらという視点から日本社会を斬る。

    終戦工作が遅れていたら日本はアメリカだけでなくソ連やイギリスと分割統治されていたかもしれない。歴史のifではあるが、ちょっとした偶然が重ならなければ起きていたパラレルな世界。

    本書は日本の分断や一部地域の独立という異質な視点から日本社会を解明する試み。

    紹介、引用される作品の多さにはただただ感嘆。ただし、結局のところ何を主張したかったのか論点があいまい。

    0
    2022年01月24日
  • 分断のニッポン史 ありえたかもしれない敗戦後論

    Posted by ブクログ

    歴史のifを描く小説・漫画から危機克服のヒントが学べるかはさておき、歴史のifを描く小説・漫画を好物とする身からすると、ああ懐かしいという作品から、こんなのがあったのか、見落としていたという作品まで同窓会みたいな気分で読んだ。(本来想定されていない読者なのだろうw

    0
    2021年08月11日
  • 分断のニッポン史 ありえたかもしれない敗戦後論

    Posted by ブクログ

    歴史のifを題材にした作品の評論。ここで危機管理といわれてもなあ、というのが第一印象。考えがばらばらということもあるし、純粋にシミュレーションしているわけでもなくエンタメ性がどうしても入っている。ようは結末がある、という点が研究とは違うところ。

    0
    2022年04月20日
  • 分断のニッポン史 ありえたかもしれない敗戦後論

    Posted by ブクログ

    以下、引用

    ●自由主義か共産主義かというイデオロギーの優越だけでなく、価値観の基準にはさまざまな「物差し」が存在する。流通する情報量を「物差し」にする発想に異論はあるかもしれないが、磯田のこの読み替えは重要である。というのは、分断国家ニッポンの発想が冷戦下のみ有効なわけではないことに気づかせてくれるからだ。20世紀は、アメリカとソ連の冷戦構造を背景として、わかりやすい二項対立で世界を把握でき、「分断」の状況も想像しやすかった。しかし、21世紀は、冷戦構造の終結、情報量の圧倒的な拡大等に伴い、単純化して世界を捉えるのが難しくなっている。だからこそ、イデオロギーとは異なる視点(=「物差し」)で現

    0
    2022年03月06日

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