筑摩書房作品一覧

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  • 飛田ホテル
    3.7
    社会の落伍者が集まるアパート「飛田ホテル」。刑期を終えたヤクザ者の有池が戻ると待っているはずの妻がいない。有池は妻の足取りを追うが、思いもよらなかった彼女の姿を知ることになる(表題作)。昭和の大阪、光の当たらない暗がりで悲しく交わる男女の情と性。自身も大阪のどん底を経験した直木賞作家が「人間の性」を抉り出す、傑作ミステリ短篇集。
  • 富野由悠季論
    4.1
    『機動戦士ガンダム』『伝説巨神イデオン』『Gのレコンギスタ』……。なぜその作品には強烈な個性が宿るのか。日本を代表するアニメーション監督の創作の謎を解き明かす!
  • 弔い 死に臨むこころ
    -
    東京下谷にある小さな寺の境内には、コメディアンたこ八郎をはじめ、恋多き詩人諏訪優、反骨の歌人坪野哲久、幻想文学の巨星と謳われた中井英夫ら、交遊を結び酒を酌み交わした人々が眠っている。彼らとの出会いと自らの半生をふりかえりつつ、死者への哀悼をこめて、弔いの作法とそのこころの大切さを説く。
  • 友達がいないということ
    3.7
    「便所めし」という言葉がある。友達がいないということは、なかなか人に言えないことだ。「もてない」よりも、場合によってはつらいことだ。文学作品を始めさまざまな視点から描く、ネット時代の友達論。
  • 友だちは永遠じゃない ──社会学でつながりを考える
    4.0
    凝り固まって息苦しいように感じられる人間関係や社会も「一時的協力理論」というフィルターを通すとちょっと違った成立の姿が見えてくる。そんな社会の像やそこで考えられる可能性を想像してみよう。
  • 友だちは無駄である
    3.9
    友だちってなんだろう? 「友だちというものは無駄な時をともについやすものなのだ。何もしゃべることなぞなく、ただ石段にすわって、風に吹かれて何時間もボーっとしたことのある友だち。失恋した友だちにただふとんをかぶせる事以外何も出来なかった日。中身が泣いているふとんのそばで、わたしはかつおぶしをかいていた」。佐野洋子は友だちをこんなふうに思っている。
  • ともに生きる仏教 ──お寺の社会活動最前線
    -
    地域社会の過疎化による仏教の衰退が問題化する一方で、2000年代以降、仏教界では新しい世代による「仏教の社会活動・文化活動」の波が訪れている。本書では、子育て支援、アイドル育成、演劇活動、NPOとの協働、貧困問題、グリーフケア、ビハーラ(仏教版ホスピス)などの多種多様な活動を取り上げ、その社会活動の最前線を、当事者と研究者が協力して紹介する。現代社会に寄り添う仏教の新たな可能性を探る。
  • 渡来人とは誰か ――海を行き交う考古学
    3.0
    今から1600年ほど前、倭の王権と各地の有力者は、競い合いながら朝鮮半島と交渉を重ね、みずからの治める地に渡来人を招き寄せていた。海を越えて倭にたどりついた渡来人は、訪れた地で地元の民と共生しながら、乗馬の風習、鉄器や須恵器の生産、漢字の使用など、多様な技術と文化を伝えた。一方、朝鮮半島に渡った倭人もおり、そこに定住するなど盛んな交流がなされていた。こうした渡来人の姿から、古代の相互交流の実像にせまる。
  • トランプ大統領のクーデター ――米連邦議会襲撃事件の深層
    3.0
    暴徒化した数千人のトランプ支持者による連邦議会襲撃事件。警官1名を含む5名の死者、700人以上の逮捕者を出したこの事件の深層を抉る渾身のドキュメント!
  • とりつくしま
    3.9
    死んだあなたに「とりつくしま係」が問いかける。この世に未練はありませんか。あるなら、なにかモノになって戻ることができますよ、と。そうして母は息子のロージンバッグに、娘は母の補聴器に、夫は妻の日記になった……。すでに失われた人生がフラッシュバックのように現れる珠玉の短篇小説集。
  • 砦に拠る
    1.0
    己が意志力と能力のあらん限りを燃焼し尽くしてダム建設反対の鬼と化し、ただ一人で国家と拮抗し、ついに屈することのなかった蜂の巣城城主・室原知幸。「法には法、暴には暴」のスローガンの下、奇抜な山砦戦術、芝居っ気たっぷりな作戦。そして六法全書を武器として果敢に闘った室原の凄絶な半生を、豊富な資料と丹念な聞き書きをもとに、躍動する文体で描ききった感動の記録文学大作。
  • 鳥のように
    4.0
    『記憶の切繪図』の続編。伝説の数学者が心に浮ぶままに綴った、交流のあった数学者のエピソード、数学教育、数学者の喜びと悲しみ。
  • トルコから世界を見る ──ちがう国の人と生きるには?
    3.9
    西洋と東洋、どうしたら二つの文化の融合が可能かを考え続けてきた国・トルコ。トルコの考え方を通して、異文化理解やグローバルとはどういうことかを考える。
  • とんでもねえ野郎
    4.1
    江戸蒟蒻島「真武館」の道場主、桃園彦次郎はとんでもねえ野郎だ! 借金ふみ倒し、無銭飲食、遊廓泊りの朝帰り、……日々是やりたい放題。それでも妻の若菜はいつもニコニコと道場で子供達に剣術を教えている。時は幕末、しかしこの男にはな~んにも関係ない。起承転々、桃園彦次郎放蕩控。【対談:杉浦日向子・久住昌之氏】
  • トーヴェ・ヤンソン ――ムーミン谷の、その彼方へ
    4.7
    ヤンソン研究の第一人者が8年の歳月をかけて書き上げた遺作にして、決定版評伝。ムーミン谷はなぜ生まれたのか。いったいかれらは誰なのか。その謎はトーヴェ・ヤンソンの生涯をたどると見えてくる。
  • ドゥルーズ入門
    3.4
    没後十年以上の時を経て、その思想の意義がさらに重みを増す哲学者ドゥルーズ。しかし、そのテクストは必ずしも読みやすいとはいいがたい。本書は、ドゥルーズの哲学史的な位置付けと、その思想的変遷を丁寧に追いながら、『差異と反復』『意味の論理学』の二大主著を中心にその豊かなイマージュと明晰な論理を読み解く。ドゥルーズを読むすべての人の羅針盤となる決定的入門書。
  • 道鏡 ――悪僧と呼ばれた男の真実
    3.3
    女帝・称徳天皇に取り立てられ重用された奈良時代の僧侶、道鏡(?~772年)。女帝に取り入って皇位さえうかがった野心家として、長く悪名が根付いているが、本当にそのような人物だったのだろうか。さまざまな伝説を検証し、最新資料を検討すると、道鏡は実際には政治に関与することなく、天皇への仏教指導に終始した人物としての意外な実像が見えてくる。史料の綿密な検討によって、謎が多く、悪評にまみれた時代の寵児の実像に迫るとともに、古代政治の実態を描き出す。
  • 道教とはなにか
    5.0
    中国は儒教の国ではない! 道教こそが今でも生き生きと脈打ち、人々から篤い信仰を得ている。「道教がわかれば、中国のことはまるごとわかる」と魯迅は言ったが、中国人の精神構造を知るための鍵は道教なのである。では道教とはなにか? この問いに対する答えは単純ではない。なぜなら、道教は教理、哲学、経典を中心にした宗教体系ではなく、呪術、儀礼、戒律を基礎とした民族宗教であって、文献・資料からだけではその全貌を窺い知ることができないからである。本書では文献による歴史的理解は当然のこととして、東南アジアの華人街の現地調査も踏まえ、中国人のこころの拠りどころとしての「気の宗教」の本質を紹介する。冒頭に初学者のための「道教をめぐるQ&A」を付す。
  • 道化的世界
    3.7
    道化は硬直化した秩序のいたるところに軽快な身振りで登場し、脱臼作用(=イタズラ)を仕掛けてまわる──さまざまな現実のレヴェルをダイナミックに捉えてゆく感受性や方法論を鍛えるためにこそ、〈道化〉的知のモデルが求められている。縦横無尽の行動力と旺盛な知的好奇心で現代日本の知的文化状況に対し、常に挑発者として振るまいつづけてきた著者が、知のあらゆる領域へ向けて果敢な展開を示した最初の道化論集。
  • どうして英語が使えない? ――「学校英語」につける薬
    3.2
    『試験に出る英単語』と『基本英文700選』で大学には合格した――でも少しも英語ができるようにならなかったあなたへ。英和辞典が気づかない英日一対一対応という幻想と、学校英語・受験英語の人工言語化が日本人の英語力を低くしているのではないか。英語のシャワーでこれまで習い覚えた英語を unlearn する必要がある。アクション映画で決まり文句と生の発音を体得し、TIME の記事から60%の理解で速読・粗読する独自の方法を提示する。学校英語の害毒を中和するための Modest Proposal。
  • どうして男はそうなんだろうか会議 ──いろいろ語り合って見えてきた「これからの男」のこと
    4.1
    非モテの苦しみ、マウント合戦、マチズモ、男同士のケアの不在……。どうして男はそうなんだろう? 6人のゲストと語り合って見えてきた、男の今とこれから。
  • 同時代史
    4.7
    暴帝ネロの自殺後、ローマ帝国に泥沼の内乱が勃発した。各地の総督がその配下の軍隊に担がれて、次々と皇帝となったのである。紀元69年1月1日、ゲルマニア軍のウィテッリウスは、ヒスパニア総督であった元首ガルバに叛旗を翻す。アレクサンドリア軍からは、ウェスパシアヌスが皇帝として奉戴されていた。その結果、多くの市民の血が流れ、三人の皇帝が斃れた。そこには、人間の欲望が絡みあい、殺戮、陰謀、裏切りなど、凄まじい政争が繰り広げられた。本書は、希代の歴史家タキトゥスが、この同時代の壮大な歴史ドラマを、臨場感溢れる雄渾な筆致で記録したローマ史の大古典。
  • 同日同刻――太平洋戦争開戦の一日と終戦の十五日
    4.1
    太平洋戦争中、人々は何を考えどう行動していたのか。敵味方の指導者、将軍、兵、民衆の姿を、著者の蒐集した膨大な資料を基に再現。開戦の日、昭和16年12月8日と終戦にいたる昭和20年8月1日から15日までの、同日同刻の記録が戦争に翻弄された人間の狂気、悲劇、愚かしさを焙り出す。
  • 銅像歴史散歩
    4.0
    明治期に欧米から入ってきた「銅像」文化は日本人に合っていたらしく、日本風にアレンジされて各地に次々に建てられていった。明治期後半には偉人の像、昭和初期には全国の小学校に二宮金次郎像、近年はアニメのキャラクターなども立ち、第3次ブームと呼べるほど増え続けている。それぞれの銅像の背負っているものを掘り下げていくと、日本の近現代史が見えてくる。
  • 童貞としての宮沢賢治
    3.5
    宮沢賢治は生涯独身を貫いた。それを自己犠牲による高邁な思想と捉えず、彼の作品を性的妄想がうずまく不純な産物として読みなおすと、これまでとは違う賢治像に出会える。「童貞」として、他者との関係を自ら断っていく賢治の生き方は、現代のさまざまなコミュニケーション障害の病につながり、また絶対的な他者との同一化を目指すテロリズムの思想にも親和性をもつ。まったく新しい宮沢賢治の世界を俯瞰する、挑戦的な一冊。
  • 道徳および立法の諸原理序説 上
    5.0
    イギリス近代を代表する思想家にして法学者ジェレミー・ベンサム(1748‐1832)。本書は、近体功利主義の創始者として知られる彼の代表作と目される記念碑的著作である。ここでベンサムは、人間の快と苦痛のみに基礎づけられた功利性の原理をもとに個人と共同体のありようを徹底的に解析し、そこから真に普遍的な法体系を導出しようと試みる。その挑戦はわれわれをどこに導くのか? 刊行より200年以上経てもなお倫理学、法哲学、政治思想など広範な分野に圧倒的な影響を与え続けている名著を、このうえなく清新かつ平明な訳文で送る。上巻は「第13章 罰すべきでない場合」まで。文庫オリジナル。
  • 道徳的に考えるとはどういうことか
    4.0
    その考えは正しいか正しくないか、あるいはそれをすべきか否か――。私たちは日々、様々な道徳的判断を迫られ、あるときは自然に、また別のときには悩みに悩んで結論を下す。こうした判断はしばしば、自分たちの外部にある絶対的な規準を個別の現実に当てはめるものとして思い描かれる。だが、そんなふうにすべてを一刀両断できる規準などありうるだろうか。「非主流派倫理学」の立場からプラトン、ウィトゲンシュタイン、一ノ瀬正樹、槇原敬之らの実践を取り上げることで、道徳的思考の多様で奥深い内実を浮き彫りにする哲学的探究。
  • 道徳を問いなおす ――リベラリズムと教育のゆくえ
    4.0
    「人に親切にしろ」「故郷を愛せよ」「社会のマナーは守ろう」。学校の道徳の時間に教えられてきたのは、このような徳育でしかなく、こういった言葉はもう十分、聞き飽きた。では、いまの時代・社会にフィットした道徳とは何か?また、それをどのようにして、子どもたちに教えたらよいのか?本書では、様々な倫理学の知見を掘り下げながら、哲学的にその本質に迫っていく。ひとりでは生き延びることができない時代に、他者と共に生きるための道徳が求められる。
  • 動物園は進化する ──ゾウの飼育係が考えたこと
    4.0
    永年動物園でゾウの飼育係を務めた著者二人が人にもゾウにも優しい飼育方法を考えた。そこから見えてくる、未来の動物園の姿、ひいては野生動物との共生とは?
  • 童謡の百年 ──なぜ「心のふるさと」になったのか
    4.0
    心にしみる曲と歌詞。ウサギを追った山、小川の岸のすみれやれんげ。まぶたに浮かぶ日本の原風景。2018年は、童謡が誕生して百年。心のふるさと、次世代に継承すべき文化財などとよく言われるけれど、仰々しい言い方だ。そもそも童謡とは何だろうか。わらべ唄や唱歌とは違うのか。人気を博した児童歌手やうたのおばさん、アニメソングにCMソング……。歌の流行とメディアの発達は密接にかかわっている。時代や社会の変化で、どう歌われ消費されてきたのかを辿り、童謡がまとう権威の正体を明らかにする。
  • 童話集 銀のくじゃく
    4.5
    みどり色のくじゃくを織ってほしいと注文を受けたハタおりの若者は、銀のくじゃくを織りたくなって……。表題作「銀のくじゃく」ほか「あざみ野」「熊の火」など、美しいもの、かなわぬものにあこがれてうつろう人の心を、香り高い幻想にしたてた、七つのメルヘン。書き下ろし作品「火影の夢」「青い糸」所収。
  • 童話集 白いおうむの森
    -
    死んだ人の住む地底の暗い森。生きている人から死んだ人への思いを運んでゆく白いおうむ。少女は偶然その森に入りこんだのだが……。表題作「白いおうむの森」ほか「雪窓」「鶴の家」「長い灰色のスカート」など、人と人との出会い、そして別れ。その喜びと悲しみを美しい筆致で描いた童話七篇を収録。
  • ドキュメント 感染症利権 ──医療を蝕む闇の構造
    4.2
    救命か、金儲けか。新型コロナ感染爆発に際して露わになった、危機下における医療と政治のせめぎ合い。政官財学の構造的絡まりによる邪悪な「利権の闇」「見えない壁」が立ち現れ、救命のための公平な医療を阻む。明治・大正期の公衆衛生の草創期、「七三一部隊」にみる医学の暴走と悪用、戦後医療界に残った細菌戦人脈、官僚主義と隔離政策の誤謬、グローバル化する薬の特許とバイオテロ……。近現代日本とともにあった感染症のウラで蠢く黒い構造を、白日の下に暴く。
  • ドキュメント高校中退 ――いま、貧困がうまれる場所
    3.9
    毎年十万人近い高校生が中退している。彼らの多くは貧しい家庭に育ち、まともに勉強する機会など与えられず底辺校に入学し、やめていく。アルバイトすらできず貧困状態へと落ちていく。いま、貧しい家庭からさらなる貧困が再生産されているのだ。「高校中退」を語らずして貧困問題を語ることはできない。
  • ドキュメント 北海道路線バス ――地域交通 最後の砦
    4.0
    鉄道廃線を引き継いだ北海道の路線バスは、過疎化や少子高齢化により危機に瀕している。自然環境もきびしく、冬の日本海沿いでの運行は突風、ホワイトアウト、猛吹雪で困難を極めるが、運転手は高度な運転技術と旺盛な使命感で日々闘っている。バス輸送の現場はいかなる問題に直面しているのか。運行管理者、運転手の生の声を徹底取材。DMV、BRTの現在や、イギリスのバス復権の動きも調査し、バス2024年問題や運転手不足への対策に向けた提言も行う。 【目次】まえがき/第一章 真冬の路線バス――過酷な気象条件のなか北を目指す/第二章 自然とのきびしい闘い――今日も走る国鉄代替バス/第三章 生活バス路線を守る――道東・中標津町の闘い/第四章 道北を走る長距離都市間バス――札幌~枝幸298㎞、5時間半の旅/第五章 日本最北のバス路線――宗谷バスを走らせる人たち/第六章 人手不足社会への試行――自動運転バスはどこまで進化するか/第七章 DMVとBRT――バスの可能性を広げる試み/第八章 イギリスのバス復権――徹底したバス優先施策で利用客を呼び戻す/第九章 続く路線バス運営の試練――コロナ禍と2024年問題/終章 バス運転手不足への提言/あとがき/参考文献
  • ドキュメント 北方領土問題の内幕 ──クレムリン・東京・ワシントン
    -
    鳩山内閣の時に締結された日ソ共同宣言によってソ連との国交が回復し、シベリア抑留者の返還や日本の国連加盟などが実現した。しかしそれには、ソ連ばかりでなくアメリカの思惑や米ソの確執、それに何よりも自民党内の激しい権力闘争を克服しなければならなかった。同時に、「北方領土問題」はここから始まったのである。一九九〇年代以後に次々に明らかになった新資料を用いながら多くの謎を読み解き、日本外交の原型と可能性をも浮き彫りにする。
  • 独学という道もある
    3.8
    高校へは行かずに、独学で大学へ進む道もある。通信課程の大学で学び、学者になる方法もある。レールはひとつではない。世界の価値観は多様だ。自分のペースで学び、生きていくためのヒントと勇気をくれる一冊。
  • 独学の技術
    3.7
    長引く構造不況のなか、知識や技能を見につけ、自分の価値を高めたいという動機から「勉強ブーム」が続いている。しかし、勉強への意欲はあっても、何を、どのように勉強したらよいのかわからない向きも多い。本書では、勉強には「技術」があり、それは人に伝達することができるという考えのもと、その方法・手順を、独学者に向けて具体的に解説する。
  • 独学の精神
    3.7
    なぜ私たちはかくも「無教養」になったのか。本書は、現代の日本人が見失った「独学の精神」をめぐる思索である。「ほんとうに大事なことは何ひとつ教えることなどできない」「学ぶことは身ひとつで生きる自分が学ぶというあり方でしかなされえない」―単純で大切な事実について、根っこから考え抜く。
  • 独裁と孤立 トランプのアメリカ・ファースト
    4.0
    「アメリカ・ファースト」を信条とするトランプ米大統領。自国の利益を最優先するその姿勢は、多くの国民に支持された。自分とは相容れない閣僚を次々と更迭して独裁体制を築き、国際秩序の安定に関心がなく、同盟国を軽視し、自由貿易に消極的で、移民に対し排外主義的な姿勢を取るトランプ大統領。超大国トップが掲げるアメリカ・ファーストとは何か? 米国内の分断が深まり、国際社会に混乱が生じても、少なからぬ米国民が支持するのはなぜか? 政府高官や研究者などへの多数の取材と膨大な資料から、その真実に迫る!
  • 読書からはじまる
    4.1
    「読まない本」にゆたかさがある。「たくさん読む」が正解ではない。「一生忘れない」なんて嘘? 最も長く、最も深く人類と共に在り続けてきた「本」というメディアは、私たちの想像よりもずっと優しく、あらゆることを許してくれる友人だ。本はあなたを孤独にしない。読書が苦手、活字に疲れた――そんな本音にもあたたかに寄り添う、「人間」を楽しむ至高のエッセイ。
  • 読書嫌いを覚醒させる至高のブックリスト
    3.0
    本が読めない人にこそ知ってほしい名作たちを、読書がつらかった文学研究者が紹介します。絵本・マンガから小説、学術書まで、面白さと読みやすさで選び抜いた本を50冊以上掲載! 【目次】まえがき/第1章 読めない人も読める人も、絵本からはじめよう。/第2章 古今東西、マンガはいつも僕たちの味方だった。/第3章 「物語の魅力」の本質が児童文学でわかる。/第4章 ノンフィクションから透けて見える「生」。/第5章 小説をうまく読めない。でも楽しく眺めることはできる。/第6章 物語のように読める本で学問に触れてみる。
  • 読書道楽
    3.6
    幼少期に四畳半で読んでいた少年漫画誌・児童文学。大学時代、学生運動の最中に出会った詩と文学。高畑勲・宮崎駿と出会ってから読んだ日本文化論・文学……。スタジオジブリのプロデューサーによる、半自伝的読書録。
  • 読書の学
    5.0
    言語は、事実のコミュニケーションのための媒体であるばかりではない。言語自体がまた人間的事実であり、そこに集約されている著者の態度が精密に読み込まれてはじめて、読むことは十全な読書となる。論語・史記から契沖、宣長、徂徠にいたるまで、漢籍や和書を縦横にし、著者の内部に生起し蓄積する感情・思考・論理を通して内的事実に降り立つ実践を展開する。事実に触発される意識をたどり、読書論を超えて学問論にいたる。著者の悠然たる文学的逍遙につき随って、その思考の筋道をつぶさに経験する一巻。
  • 独仏「原発」二つの選択
    3.5
    東日本大震災後の原発事故は、世界の原子力政策に大きな影響を及ぼした。欧州を牽引するドイツとフランスも同様。ドイツは二〇二二年までに全原発の停止を決め、フランスは原発依存の低減を目指しながら依然、国策として重視する。廃止を目指すにしても存続するにしても激しい対立と軋轢が起こる。日本ばかりでなく、世界が直面するジレンマである。特派員として両国で取材した記者二人が見た、独仏国内のルポルタージュ。欧州連合(EU)加盟の隣国同士ながら、対応が両極端に分かれたそれぞれの苦悩に迫る。
  • 独立自尊 ──福沢諭吉と明治維新
    4.0
    福沢諭吉は、西洋文明との対比のなかで、日本文明の特質を根源的に考察し、国家の発展には何が必要かを問い続けた。そして、脈々たる熱情をもって人々に精神の変革を訴えかけた。本書は、中津藩時代から晩年まで、因習に挑み、明治国家建設に邁進した生涯を描いたものである。『学問のすゝめ』『文明論之概略』の論評や朝鮮問題の再検討など、随所に示される著者の見解は、国家の歩みとともにあった人物の統一的把握をもたらすだろう。福沢の思想の真髄を明快に伝える最良の評伝。
  • どこからが病気なの?
    4.2
    私たちは元気なときもあれば、病気のときもある。「がんです」と診断されても自覚症状がない場合もある。その境界線はどこにあるのだろう? 病理医ヤンデルが教える病気のしくみ。
  • 土曜日は灰色の馬
    3.7
    恩田陸が眺める世界。小説、漫画、映画に音楽、舞台まで…少女時代からありとあらゆるエンターテインメントを堪能し、物語を愛し続ける作家の眼にはどんな世界が映っているのか? その耳では、どんな響きを感じているのか? どんな言葉で語るのか? 軽やかな筆致で想像力の海原を縦横無尽に楽しみ尽くす、とびきり贅沢なエッセイ集。
  • ドライブイン探訪
    4.4
    道路沿いにひっそりと佇むドライブイン。クルマ社会、外食産業の激変の荒波を受けながら、ドライバーたちに食事を提供し続けた人々の人生と思いに迫る傑作ルポ。
  • ドル化とは何か ──日本で米ドルが使われる日
    3.5
    ドル化とは、日々の経済活動において、国内通貨のみならず米ドルなど信用力が高い外国通貨が使われる経済現象である。財政破綻を迎えた新興国においてその動きが顕著だが、いまや先進国最悪の財政を抱える日本でも、人々が資産防衛の為に預金を米ドルに交換し、日々の決済を米ドルで行う日がやってくるかもしれない。本書では歴史的なドル高の裏で世界的に進んだドル化の分析を通じて、日本で行われている経済運営の見直しを提言する。
  • ドン・キホーテ 前篇(1)
    -
    スペインの片田舎の紳士が、騎士道小説の読みすぎで妄想に取り憑かれ、「世の不正を正すため」従士サンチョ・パンサと愛馬ロシナンテを引きつれ、遍歴の騎士となって旅に出る。狂気と正気の衝突、夢想へ向かっての猪突猛進、溌剌とした純愛。魅力的な登場人物とユーモアに溢れた世界文学史上に永遠の命をもつ人生探求の長篇。
  • ドングリの謎 ──拾って、食べて、考えた
    4.4
    「ボルネオで世界最大のドングリを拾う」長年の夢を叶え学校に戻った僕を、同僚や生徒からのたくさんの質問が待っていた。ドングリって何? 「ドングリの木」があるの? 果実なの、種子なの? ドングリについている帽子みたいなやつって何? なぜドングリからは虫が出てくるんだろう? 生物教師が拾いながら、食べながら考えた「ドングリの謎」。楽しいイラスト多数。
  • 内調 ――内閣情報機構に見る日本型インテリジェンス
    4.3
    日本の内閣情報機構は公的情報が少なく、内部証言も断片的だったため、これまで実態が未解明だった。本書は一九三六年に情報委員会が設置される前夜から、動揺する国際秩序への対応を迫られた一九七二年頃までの実態を、この間の情報機関に深く関わった三人のキーパーソン、横溝光暉、吉原公一郎、志垣民郎が残した資料と証言をもとに描く。政府寄りの世論形成に取り組み、時には他省庁の取り組みにくい政策課題に自らの存在価値を見いだした内閣情報機構の実像に初めて迫る。
  • 内的時間意識の現象学
    4.5
    現代哲学、思想、そして科学にも大きな影響を及ぼしている名著の新訳。フッサールの現象学はなによりも学問の基礎づけを目指すが、その際「いちばん根底に横たわる」問題が時間である。時間は一瞬で流れ去るのに、多くのものはなぜ持続的に「存在する」ということが可能なのか。フッサールは、「客観的時間」というものへの信憑を括弧に入れて、それが意識のなかでどのように構成されるのかを解明する。そして、時間を構成する意識それ自体が時間のなかに現れてくるという根本的な事態に光を当て、「意識の壮大な生体解剖」を行う。詳密な訳註と解説を付し、初心者の理解を助ける。
  • 内部被曝の脅威 ――原爆から劣化ウラン弾まで
    4.3
    放射性物質を体内にとりこみ、長時間にわたって身体の内側から放射線を浴びる内部被曝。ヒロシマでの被曝後、六十年にわたり研究を続けてきた医師と気鋭のジャーナリストが、そのメカニズムを解き明かし脅威の実相に迫る。劣化ウラン弾などの大量使用により新たな様相を帯びる「核の脅威」に斬り込んだ、警世の書。
  • 直木賞をとれなかった名作たち
    3.7
    1巻2,035円 (税込)
    直木賞をとってしかるべきだった83作品を独自基準で選出。理屈抜きに面白い名作を紹介し、文壇のこぼれ話を交え昭和から現在までの文学史を裏側から描き出す。
  • 長生きしても報われない社会 ──在宅医療・介護の真実
    4.0
    長い療養が必要な病気にかかったとして、安静に過ごせる居場所はあるだろうか。「病院から地域へ」という掛け声のもと、地域包括ケアシステム、在宅医療が推奨されているが、その内実は患者をないがしろにするものが多い。そういった環境で、私たちは安心して長生きし、死を迎えることができるのだろうか。在宅医療・介護や看取りの身近な現場から認知症医療、そして地域、自治体、国へと枠を広げながら、日本の医療の問題点とそこに残された可能性を探る。
  • 長生きの方法 ○と×
    -
    予防、治療、そして卒業へ──。人類が経験したことがない長い「老後」において、私たちはどのように医療と付き合っていけばいいのか。自らも65歳を超えて老後の生き方を模索する医師が、巷に流布する長生きの方法、老後の生き方にまつわる思い込みを一刀両断。高齢期に生活習慣病の予防をして意味があるのか? 食べ物や運動に気をつかえば寿命が延びるのか? 定年後の地域デビューは逆効果? 最新の研究成果をもとにした、人生100年時代の健康&生き方指南!
  • 長い老後のためのお金の基本 ──年金・貯金・投資がわかる
    3.3
    「年金は七〇歳まで出なくなる?」「定年後、一人二〇〇〇万円は必要」「老後破産」「下流老人」等々、老後の生活の不安をあおる情報が飛び交っている。どれがフェイクで、どれが現実なのか? 定年後のビジネスマンの標準的な家計を想定して、「年金」「貯金」「投資」「保険」「介護」「相続」のそれぞれ正しい知識を、ベテランのファイナンシャルプランナーが解説する。正しい情報を持てば、今、自分がとるべき道がみえてくる。
  • 長くて短い一年 ──山川方夫ショートショート集成
    3.5
    将来を嘱望されながらも34歳で亡くなった夭折の天才・山川方夫のショートショートを日下三蔵によって集成するオリジナル・コレクション第2弾。第2ショートショート集『長くて短い一年』、「EQMM」連載のエッセイをまとめた『トコという男』を完全収録。全集からも漏れていた未刊行作品2篇を加えてこの分野における成果を一望できる決定版作品集。小林信彦による「山川方夫のこと」も特別収録。
  • 長崎聞役日記 ――幕末の情報戦争
    -
    欧米列強からの高まる開国の圧力に対して長崎聞役が設けられ、藩と日本の命運を賭けた情報活動が行われた。初めて公開された聞役の日記が物語る日本外交の原点。
  • ナショナリズム ──その神話と論理
    3.0
    日本ナショナリズムは、なぜ第二次大戦という破局的帰結にいたったのか。それ以外の可能性は本当に存在しなかったのか。──これが、かつて自らも日本浪漫派に熱狂した青年であった橋川文三が生涯抱え込んだ難問であった。この問いに向き合うべく、橋川は明治維新前後の黎明期へと遡行し、その起源に肉薄する。水戸学から松陰へと至る士族の流れと中間層における国学の系譜との相克。その間隙を衝くように行われた明治政府の国民統合政策。「隠岐コミューン」に託したもう一つの可能性……。日本ナショナリズムの形成過程をダイナミックに描き出す、第一級の古典。
  • ナショナリズムの復権
    3.5
    国家を考えることは、人間の根源的なあり方を考えることだ。第二次大戦後のリベラル・デモクラシー体制への違和を表明したアーレントや吉本隆明は「全体主義」の中に何を見て、いかなる国家を構想したのか。江藤淳や橋川文三、丸山眞男らは、ナショナリズムをめぐりいかなる思想的対決をくり広げたか。数々の名著から、ナショナリズムと無縁たりえぬ現代人の精神構造を明らかにし、国家の問題を自らの課題として引き受けることの重要性を提起する。注目の若手思想史家の論考。
  • ナショナリズム ――名著でたどる日本思想入門
    3.3
    近代国家日本は、いつ何のために、創られたのか。否応もなくナショナリズムを自覚せざるをえない時代状況の中にある我々が、もっとも根源的なところから問題を捉えなおすために、日本ナショナリズムの起源と諸相を十冊のテキストを手がかりとして網羅。「思想史」をいまここで使える道具箱へと変貌させる野心作。
  • なぜあなたは英語が話せないのか
    4.0
    英語なんていくら勉強してもうまくならない。そう言い切る前にちょっと待って。あなたと英語の関係を見直してみましょう。修復すべきことがあるかもしれません。あなたのまわりにこんな不思議な人はいませんか。英語が得意なわけではないのに、相手の意図が十分にわかり、的確な応対ができる人。英語はただ表面的に「覚える」ものではありません。実践的な訓練と同時にことばの持つ奥深い力を認識することが必要です。毎日の生活の中で英語との新しいつきあい方を提案する画期的な一冊。
  • なぜ男は女より多く産まれるのか ──絶滅回避の進化論
    4.0
    すべては「生き残り」のため。競争に勝つ強い者ではなく、環境変動に対応できた者のみが絶滅を避けられるのだ。素数ゼミ、チョウ、人間らの「そこそこ」「負けない」戦略から、“絶滅回避”を第一原理とする新しい進化論を展開する。
  • なぜ親はうるさいのか ──子と親は分かりあえる?
    4.2
    親が過干渉になる仕組みを、子ども・大人・母親の立場から徹底究明。「逃げられない」あなたに心得ておいてほしいこととは。渾身の全編漫画描き下ろし!
  • なぜ地球は人間が住める星になったのか?
    4.5
    宇宙の進化の中で地球はどのようにして生まれたのか。地球が生命に適した環境になり、多くの生命が栄え、その生命が地球の環境を変えてもきた共進化の歴史を地球科学のアプローチで探る入門書。
  • なぜと問うのはなぜだろう
    3.5
    心とは何か? ある/ないとはどういうことか? 人は死んだらどこに行くのか──好奇心に導かれて人類が問いつづけてきた永遠の謎に、自分の答えを見つけるための、哲学的思考への誘い。
  • なぜ人と人は支え合うのか ──「障害」から考える
    4.3
    障害者について考えることは、健常者について考えることであり、同時に、自分自身について考えることでもある。2016年に相模原市で起きた障害者殺傷事件などを通して、人と社会、人と人のあり方を根底から見つめ直す。
  • 謎解き 聖書物語
    3.9
    ノアの方舟、バベルの塔、出エジプト……旧約聖書の有名な物語の数々。それは本当に起こったことなのか? それともたんなるフィクションに過ぎないのか? 最新の考古学的知見を用いながらひとつひとつ明らかにする。旧約聖書の物語がこれ一冊でわかる!
  • ナチズムの記憶 ――日常生活からみた第三帝国
    3.0
    第三帝国といえば、ゲシュタポの監視のもと恐怖と暴力で国民を支配したイメージがある。しかし、当時を回想する住民証言から現れるのは、ナチズムへの不満や批判ではなく、むしろ正反対の「ナチスの時代はよい時代だった」という記憶だ。ごく平凡な普通の人びとが、ナチズムとは一定の距離をおきながらも、非政治的領域のルートを通じ、政策を支持するようになる。農村ケルレと炭鉱町ホーホラルマルクという、二つの地域での詳細なインタヴュー資料を中心に、子どもや女性までもが、徐々にナチ体制に統合されていった道程をあばきだし、現代のわれわれにも警鐘を鳴らす一冊。
  • なつかしい本の話
    5.0
    「本とは、むしろ存在である」。『アーサー王騎士物語』『モンテ・クリスト伯』『谷崎潤一郎集』…。自身の虚弱さや母との死別といった、堪えがたい現実から幼き著者を解放してくれたのは、病床の枕元に積み上げられた本だった。昭和を代表する文芸評論家が、第二次世界大戦の戦中から戦後の重苦しい空気とともに、本だけが支えであった自身の幼少期から青年期を回想する。
  • 70歳までに脳とからだを健康にする科学
    4.0
    健康で長寿になれる正しい方法を、生命科学の最新の知見に基づいて解説します。タンパク質を食べることとボケない秘訣、なぜ太るのか・なぜやせないのか、栄養のキホン、健康長寿のために大切な筋力、ここまで分かった驚きの最新脳科学、病気の診断・予測をもっと便利に、遺伝性疾患も治療できる時代……脳とからだを最適化する科学は、ここまで進んでいるのです。科学でナットクの新常識!
  • 斜め論 ――空間の病理学
    4.2
    ケアは、どうひらかれたのか? 「生き延び」と「当事者」の時代へと至る「心」の議論の変遷を跡付ける。垂直から水平、そして斜めへ。時代を画する、著者の新たな代表作! 自己実現や乗り越えること、あるいは精神分析による自己の掘り下げを特徴とする「垂直」方向と、自助グループや居場所型デイケアなど、隣人とかかわっていくことを重視する「水平」方向。 20世紀が「垂直」の世紀だとすれば、今世紀は「水平」、そしてそこに「ちょっとした垂直性」を加えた「斜め」へと、パラダイムがシフトしていく時代と言える。本書は、ビンスワンガー、中井久夫、上野千鶴子、信田さよ子、当事者研究、ガタリ、ウリ、ラカン、ハイデガーらの議論をもとに、精神病理学とそれにかかわる人間観の変遷を跡付け、「斜め」の理論をひらいていこうとする試みである。著者は、2015年のデビュー作『人はみな妄想する』でラカン像を刷新し、國分功一郎、千葉雅也の両氏に絶賛された気鋭の精神医学者。デビューから10年、新たな代表作がここに誕生する。
  • なにも見ていない ――名画をめぐる六つの冒険
    NEW
    4.0
    絵画を見るとき、私たちはどれだけその作品のことをきちんと見ているだろうか。あらゆる美術作品にそれらしい説明を加えてみせる図像学(イコノグラフィー)は、一見作品を丁寧に読み解いているようで、実は紋切り型の解釈に押し込め、通り一遍の主題に還元しているだけではないか。本書では、「細部」に着目したアプローチでフランス美術史学の新たな地平を開いた著者が、ベラスケス《ラス・メニーナス》、フランチェスコ・デル・コッサ《受胎告知》、ティツィアーノ《ウルビーノのヴィーナス》などの名画を意外な着眼点から読み解いていく。絵画を見ることの真の魅力をユーモアたっぷりに伝える好著。
  • ナビゲート!日本経済
    3.8
    日本経済の動き方には法則がある。それは「体質」といってもいい特性である。経済はどう動き、どう認識され、そして時にどう「誤診」されるのか。それをよく知れば、地価や株価の変化を察知し、予想外のショックにも対応できる。本書では、さまざまな経済データを用いて「病状」を読み解き、不景気の病因を「診断」し、経済学で「治療」を試みる。大局的な視点から日本経済の過去と未来を整理する、信頼できるナビゲーター。
  • ナポリ ――バロック都市の興亡
    -
    個性あるイタリアの都市のなかでも、最もエネルギーに満ちあふれた街・ナポリ。本書では、強大な帝国スペインの影響下にあった時代を経て「イタリアのパリ」と謳われたベル・エポックの頃までの栄華を極めた時代に焦点をあて、芸能・歌謡・祝祭空間として発展を遂げたバロック都市の魅力をあますところなく紹介する。
  • 名前も呼べない
    3.6
    元職場の女子会で恵那は恋人に娘ができたことを知らされる。かつての父との出来事や、異性装の親友メリッサに救われた大学の飲み会、保育園で誤解を受けた保護者との関係、自身の女性性をもてあまし、生きづらさを抱える恵那の支えとなっていた恋人の裏切りを知り、自暴自棄となった恵那が伸ばす手の先にあるものは―。第31回太宰治賞受賞作がついに文庫化!
  • 名前も呼べない
    3.6
    1巻1,606円 (税込)
    恋人と過ごした不貞の日々。世間の外側で生きる、ただ一人の親友。毎週、同じ時間にかかってくる母親の電話。ちらつく父親の記憶。知らない誰かが奏でるピアノの音。──すべてが澱のように、少しずつ心に沈殿してゆく。「ねえ、私、どうしたらよかったんだろう?」第31回太宰治賞受賞作。「変わらざる喜び」改題。書き下ろし「お気に召すまま」収録。
  • ナマケモノは、なぜ怠けるのか? ──生き物の個性と進化のふしぎ
    4.3
    ナメクジ、ダンゴムシ、モヤシ、イモムシ、雑草……。いつも脇役の、「つまらない」生き物たち。しかしそのつまらなさの裏に、冴え渡る生存戦略があった! ふしぎでかけがえのない、個性と進化の話。
  • なめくじ艦隊 ―志ん生半生記―
    4.1
    「あたしはちょうど、うちにおったなめくじみたいに、切られようが突かれようがケロンとして、ものに動じずに、人にたよらず、ヌラリクラリとこの世のなかの荒波をくぐりぬけ……」(本文より)。酒がいっぱいあるということで満州行きを決意した話など、昭和落語を代表する噺家が酒、女、バクチ、芸をしみじみと語る。五代目古今亭志ん生の人柄がにじみでた半生記。
  • 悩んでなんぼの青春よ ──頭がいいとはどういうこと?
    3.3
    社会と現実の自分のはざまで、ややこしく考え、うろうろする。若い頃はそんなことこそが大事だと稀代の数学者は語る。身近な悩みに答える人生探究の1冊。
  • なんだか今日もダメみたい
    4.0
    映画、舞台、音楽、テレビを横断する〈表現者・竹中直人〉を紐解く全編書き下ろし自伝的エッセイ集。家族や学生時代のエピソードから俳優や音楽家との交流まで。
  • 何のための「教養」か
    3.4
    「教養とは何か」「教養を身につけるとはどういうことか」古今東西繰り返されてきた問いに、教養の力で人々の合意形成を図ってきた“地を這う哲学者”が真正面から取り組む。すぐれた選択を導く知、思慮深さとは何か、考えてみよう。
  • 南北戦争を戦った日本人 ――幕末の環太平洋移民史
    -
    南北戦争の兵役記録には2名の日本生まれの兵士の名がある──サイモン・ダン、ジョン・ウィリアムズ。英語名の彼らは誰なのか? なぜアメリカにいたのか? その人物像は? 人の移動が厳しく制限されていた日本を離れ、アメリカに生きた/生きねばならなかった彼らの消息を、日米両国の資料から丹念に探査する。漂流民、密航者、あるいは幕府使節の脱落者……海を渡った日本人移民の歴史と19世紀中頃のアメリカ社会史が、アメリカ戦史上最大の死者を記録した南北戦争で交差する。 【目次】序章 日系アメリカ人二世テリー・シマとの出会い──はじめに/1 南北戦争に従軍した日本人がいた/2 アジア・太平洋系移民と日本人移民/3 南北戦争に従軍した日本人──これまでの研究と人物像/第1章 南北戦争とマイノリティ──アジア・太平洋系移民/1 南北戦争前の移民動向/2 一八六三年連邦徴兵法/3 アジア・太平洋からの移民兵士/4 中国人兵士の記録/5 中国人兵士の表象/6 マイノリティとしての立場/第2章 日本生まれの二人に近づく──アメリカでの記録から/1 サイモン・ダン/2 ジョン・ウィリアムズ/3 報奨金とブローカー/4 さらなる探索/第3章 漂流者・密航者たち/1 漂流者たち/2 漂流者ジョセフ・ヒコ/3 漂流者の実像/4 密航者たち/第4章 幕末の日本人の移動──使節団と密航者との接点/1 幕末の使節団/2 咸臨丸の概要/3 乗組員と不明者/4 乗組員の記録──センサスと死亡統計/5 万延元年の遣米使節団/6 竹内使節団と池田使節団/7 留学生/終章 旅の終わりに/あとがき
  • 南北朝正閏問題 ――歴史をめぐる明治末の政争
    -
    1巻1,716円 (税込)
    国定教科書の記述をきっかけとして起きた、日本の南北朝時代において南朝と北朝のどちらが正統かをめぐる明治末の論争は、当時の閉塞的な政治状況もあり、重大な政治問題と化した。最終的に政府は危機を乗りこえたが、深刻なダメージを負った。多様なアクターがそれぞれ自分の信念や思惑をもって活動した結果として生じた、深刻かつ複雑なこの南北朝正閏問題を、現代政治における歴史問題・皇室報道問題の原点として徹底的に掘り下げて考察。そこから浮かびあがる近代日本の特質に迫る。 【目次】はじめに/第一章 南北朝正閏問題の背景/第二章 南北朝正閏問題の突発/第三章 藤沢元造の質問に向けて/第四章 大日本国体擁護団と政府弾劾決議案/第五章 桂内閣による「第一の政治決着」/第六章 南北朝正閏論争の構造/第七章 桂内閣による「第二の政治決着」/おわりに/参考文献/言説分析原典一覧/あとがき
  • 南方の志士と日本人 インドネシア独立の夢と昭和のナショナリズム
    -
    1巻1,606円 (税込)
    「インドネシア人」初の日本留学生、ウスマンとガウス。二人が来日したのは、一九三〇年代の日本。ナショナリズムが台頭するなか、頭山満らと出会い、大アジア主義を学び、アジア各地からの志士と交流を深めながら、インドネシア独立をひたむきに目指した。日本人女性との恋愛・結婚、特務機関への協力、独立の志士としての活動など波乱に満ちた人生を、国内外でのフィールドワークと膨大な文献から描き出す。「親日」と「反日」の間で揺れ動いた二人の軌跡から浮かび上がってくる昭和秘史。比類なき労作の誕生である。
  • なんらかの事情
    4.0
    これはエッセイ? ショート・ショート? それとも妄想という名の暴走? 翻訳家岸本佐知子の頭の中を覗いているかのような「エッセイ」と呼ぶにはあまりに奇妙で可笑しな物語たちは、毎日の変わらない日常を一瞬で、見たことのない不思議な場所に変えてしまいます。人気連載、待望の文庫化第二弾。今回も単行本未収録回を微妙に増量しました。イラストはクラフト・エヴィング商會。
  • 苦手から始める作文教室 ──文章が書けたらいいことはある?
    4.3
    作文のテーマの立てかたや書くための準備、書き出しや見直しの方法などを紹介。その実践が自分と向き合う経験を作る。若い人に手解く、心に効く作文教室。
  • ニガヨモギ
    3.8
    人として、女としての「業」を表現する新感覚アーティストのデビュー作。紙一重の鋭さで、あなたのココロの隙間を埋めましょう。’94GOMES賞を受賞したザッツ先見ゼミ、人類の霊的救済に尽力するGIVO&AIKO、さらにフランスの魔性を学ぶファムファタルレッスン…。めくるめく妄想ワールドに、虚をつかれてハッ!とすることうけ合い。
  • 肉体の門――田村泰次郎傑作選
    4.0
    敗戦直後の廃墟の東京で、獣になって身を売る若い女たちの集団。その中に突然現われた一人の男をめぐって起こるドラマを描いた表題作「肉体の門」。死と隣り合わせた欲望のひしめく中で人間のつながりを求める男女の姿を描いた「肉体の悪魔」「春婦伝」「蝗」。さらに彼の主張を集約したエッセイを収め、田村文学のエッセンスを贈る。
  • 西田幾多郎『善の研究』を読む
    5.0
    『善の研究』は西田の最初の著作ながら、晩年に至るまでの思索全体を貫く考え方が示されている主著。その魅力は、西洋の哲学と格闘しながら、その不十分性を乗り越えて物事の真相に迫ろうとする西田の思いがそのまま表現されている点にある。仏教や儒教など、東洋の思想的な伝統も踏まえた広い視野で哲学の世界に新しい眺望を切り開いた本書の面白さや意義を分かりやすく解説。西田の思考を丁寧に読み解き、西田が語ろうとしたことを深く掘り下げる、格好の西田哲学入門。
  • 西成山王ホテル
    3.0
    片足に障碍を持ちながら山王町で水商売をする澄江は年下で喘息持ちの高井と心を通わせるが、西成で生きる人々の業がふたりに悲劇をもたらす(「湿った底に」)。裕福な家に育ち空虚な人生を送っていた青年と夜の街で奔放に踊る女性。互いに惹かれあいながらもすれ違う男女の行方(「落葉の炎」)。「魂の観察者」と称された作家が大阪西成を舞台に描く傑作短篇集。
  • 虹色と幸運
    3.9
    イラストレーターの珠子、大学職員のかおり、雑貨店を始めた夏美。30代になった3人が、人に会い、おしゃべりし、いろいろ思う一年間。「なんだか目の前の作業してるうちに八年も経っちゃったよ」「どうするかなー、今後の人生」。仕事、恋愛、家族関係。人生は迷うが面白い! 人、風景、出来事など日常の細部が輝きを放ち、生きることを肯定する感動作。
  • 二十世紀(上)
    4.2
    二十世紀は戦争と革命の時代だったとも言える。一方で、一年ごとに見ていけば、意外にも大事件の起こった年は少ない。そんなふうに私たちは毎日を普通に生きているのだ。しかし、普通が激動に結びつくことは理解されにくい。一体、この百年で、何が変化し、何が変わらなかったのだろう? 生活レベルのことから、芸術、経済、政治まで、橋本治が、歴史の全体像を身近なものへと手繰り寄せる。
  • 二十一世紀の資本主義論
    4.0
    グローバル市場経済にとっての真の危機とは、金融危機や恐慌ではない。基軸通貨ドルの価値が暴落してしまうグローバルなハイパー・インフレーションである。しかし、自由を知ってしまった人類は好むと好まざるとにかかわらず、資本主義の中で生きていかざるをえない。21世紀の資本主義の中で、何が可能であり、何をなすべきかを考察し、法人制度や市民社会のあり方までを問う先鋭的論考。
  • 二重国籍と日本
    3.5
    人は親や出生地を選べない。ますます多元的になる社会で、複数の国籍を持つ人は必然的に増えていく。蓮舫氏問題で脚光を浴びた「二重国籍」だが、国籍法の運用は旧態依然かつ不透明で、ナショナリズムに絡めた一方的なバッシングも目立った。外国出身者を親に持つ有望なスポーツ選手へ送られる拍手喝采の大きさとは、あまりにも対照的だ。国籍法の規定で外国居住の日本国民が国籍を剝奪される「悲劇」に抵抗する訴訟も起きている。国籍と日本人。私たちはどう考えればいいのか。いま、国民的議論が求められている。
  • 20ヵ国語ペラペラ ――私の外国語学習法
    4.2
    終戦間もない北海道網走での少年時代。著者は、雑音まじりのラジオから聞こえる異国の言葉に胸をときめかせ、語学に邁進した。そして独学で英語を磨き日米交換留学生になり、教材が入手困難な中あらゆる方法を駆使して30歳で「20カ国語」をマスターした。語学上達のノウハウを惜しみなく開陳した名著であり、外国語の習得に熱中した一人の青年の青春記。
  • 二〇世紀の自画像
    3.3
    二〇世紀は日本にとって、実にめまぐるしい百年間でもあった。空前の豊かさと膨大な人的犠牲という強烈なコントラストに彩られたこの世紀は、その時代を体験した人間にどのように映ったのだろうか。優れた文明批評家として知られる著者が、この百年を再考し、新たな混沌が予感される現代を診断する。

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