作品一覧

  • 頭山満 ──アジア主義者の実像
    3.7
    1巻880円 (税込)
    明治から昭和まで活動し、「無位無官」の浪人ながら多方面に政治的影響力を持った頭山満(とうやま・みつる)。日本のアジア侵略を肯定していたという理由で、その評価は高くないまま現在に至る。だが国権主義を無前提的に悪として、頭山の行動や言説を解釈することは客観的とは言えないだろう。頭山の生涯をたどりなおし、アジアとの連帯感と侵略志向とがいかなる形で彼の中で併存していたかをアジア主義との連関で読み解きつつ、近代日本のアジア観を問いなおすことを試みる。
  • アジア主義全史
    -
    1巻1,705円 (税込)
    江戸中期~明治期日本に起源を持つアジア主義は、中国などアジア諸国と連帯して西洋列強に抵抗し、アジア解放を目指すものだった。それは1930年代以降の日本のアジア侵略に名目を与えてしまった。だが大東亜共栄圏の思想は興亜論に形を借りた脱亜論であり、決してアジア主義ではない。戦前の中国のアジア主義や、現代日本の「東アジア共同体論」などに形を変えた左右両極のアジア主義的言説にも注目。真のアジア共生への道を探るべくアジア主義の全貌を描き、その再評価を試みる。

ユーザーレビュー

  • 頭山満 ──アジア主義者の実像

    Posted by ブクログ

    右翼の巨頭、頭山満の出自は、自由民権運動の民権論者であった。
    戦後に構築された頭山の虚像に対して、本来の彼の思想的形跡や、活動から見える実像を再検証する本書。

    頭山は国権主義者として知られるが、本書を読むに国権は民権運動の果てにある理念の一つであり、民権運動を推し進めるにあたり、やはり皇道のような強固なイデオロギーが必要だったのではないかと思う。
    そこには、信じる者がなければ生きられない人間本来の弱さへの洞察と、それを勘案した社会構想があったのではないか。
    頭山は著作が少なく、実際に彼が考えていたことはよくわからない。しかしながら、英米の物質主義、帝国主義と対置する何等かの思想的なコンセプト

    0
    2025年03月30日
  • 頭山満 ──アジア主義者の実像

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    戦前の話。結構維新の時にどうしていたのかが引きずっていると感じる。これだけの人物でも戦況の把握は難しかったんだな。

    0
    2021年12月19日
  • 頭山満 ──アジア主義者の実像

    Posted by ブクログ

    太平洋戦争に突き進む日本。その建前はアジアから西欧列強を駆逐し、日本の天皇を頂点とする大東亜としてのアジア諸国の統一。その思想の始まりはそれより遥か以前、日中戦争が始まる以前から存在している。
    頭山満と言えば、現代日本人にとっては右翼の祖としてのイメージが強い。果たして本当の頭山満とはどのような人物、どのような思想を持っていたのか。また、その思想を持つに至る経緯に迫る一冊である。当の本人はと言えば、特に国政において何らかの役職についていたわけでも無く、軍隊で活躍したような人物でもない。だが、当時の数多くの国内政治家、思想家、民族運動家、文人などから絶大な支持を得ていただけでなく、孫文や蒋介石、

    0
    2025年05月16日

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