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明治から昭和まで活動し、「無位無官」の浪人ながら多方面に政治的影響力を持った頭山満(とうやま・みつる)。日本のアジア侵略を肯定していたという理由で、その評価は高くないまま現在に至る。だが国権主義を無前提的に悪として、頭山の行動や言説を解釈することは客観的とは言えないだろう。頭山の生涯をたどりなおし、アジアとの連帯感と侵略志向とがいかなる形で彼の中で併存していたかをアジア主義との連関で読み解きつつ、近代日本のアジア観を問いなおすことを試みる。
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Posted by ブクログ
右翼の巨頭、頭山満の出自は、自由民権運動の民権論者であった。 戦後に構築された頭山の虚像に対して、本来の彼の思想的形跡や、活動から見える実像を再検証する本書。 頭山は国権主義者として知られるが、本書を読むに国権は民権運動の果てにある理念の一つであり、民権運動を推し進めるにあたり、やはり皇道のような...続きを読む強固なイデオロギーが必要だったのではないかと思う。 そこには、信じる者がなければ生きられない人間本来の弱さへの洞察と、それを勘案した社会構想があったのではないか。 頭山は著作が少なく、実際に彼が考えていたことはよくわからない。しかしながら、英米の物質主義、帝国主義と対置する何等かの思想的なコンセプトを探り、アジアの連帯による帝国主義の打破を訴えていたスケールの大きさはうかがえる。 金玉均や、孫文、そしてラーズ・ビハーリー・ボーズ等、朝鮮、中国、インド等の要人との広く、そして深い交友関係を持ち、アジア主義の実現を目指した頭山の軌跡は、やはり現在も西洋近代の資本主義の弊害が叫ばれる現在への示唆も多分にあるのではないかと思う。 また、日和見ではなく、忠義や誠に生きる彼のメンタリティは個人的にも見習いたい。
太平洋戦争に突き進む日本。その建前はアジアから西欧列強を駆逐し、日本の天皇を頂点とする大東亜としてのアジア諸国の統一。その思想の始まりはそれより遥か以前、日中戦争が始まる以前から存在している。 頭山満と言えば、現代日本人にとっては右翼の祖としてのイメージが強い。果たして本当の頭山満とはどのような人物...続きを読む、どのような思想を持っていたのか。また、その思想を持つに至る経緯に迫る一冊である。当の本人はと言えば、特に国政において何らかの役職についていたわけでも無く、軍隊で活躍したような人物でもない。だが、当時の数多くの国内政治家、思想家、民族運動家、文人などから絶大な支持を得ていただけでなく、孫文や蒋介石、王兆銘など中国の指導者達、インドのラス•ビハリ•ボース(中村屋のボース)、ベトナム独立運動の指導者ファン・ボイ・チャウなど、海外の指導者達からの信頼も得ている。死に際しては天皇からも弔意金が出るなど、正に歴史に名を残し、歴史を動かし続けた豪傑であった事は確かだ。 本書はその頭山満の生まれから、政治結社を立ち上げ、更には中国から指導者達を受け入れては支援し続けた経緯など、頭山に魅せられ、思想に影響を受け、世界史を動かし続けた周囲の人物を含めた激動の歴史を振り返る内容となっている。様々な交わりの中から犬養毅や伊藤博文など日本史でよく名前を聞く人物も多く登場し、日本の明治以降近代史を振り返りながら、頭山が如何に歴史に大きな影響を与えてきたか、激動の時代を思想面で一気に理解して行くことになる。アジア主義、その後の日本の敗戦結果からも分かる通り、必ずしも安易な道のりではなかったが、一貫してアジア統一に向けて強い思いを持ち、1944年に日本の敗戦を目前にして、敗戦を知らずにこの世を去る。 単なる右翼の元祖だと思って本書を読んでいると、全く違う頭山の姿が見えてくる。日本を思い、アジアを思い、真の世界平和を目指した1人の国士としての頭山の姿を知るきっかけになる一冊だ。
戦前の話。結構維新の時にどうしていたのかが引きずっていると感じる。これだけの人物でも戦況の把握は難しかったんだな。
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