作品一覧 2019/05/10更新 イソップ寓話 その伝承と変容 試し読み フォロー 奪はれた歴史 試し読み フォロー 国民精神の復権 試し読み フォロー 再検証 東京裁判 試し読み フォロー さらば東京裁判史観 試し読み フォロー 昭和天皇 試し読み フォロー 昭和天皇とその時代 試し読み フォロー 東京裁判の呪ひ 試し読み フォロー 東京裁判 幻の弁護側資料 ──却下された日本の弁明 試し読み フォロー 靖国神社と日本人 試し読み フォロー 靖國の精神史 試し読み フォロー 「ゆとり教育」が国を滅ぼす(小学館文庫) 試し読み フォロー 和辻哲郎と昭和の悲劇 試し読み フォロー 1~13件目 / 13件<<<1・・・・・・・・・>>> 小堀桂一郎の作品をすべて見る
ユーザーレビュー 東京裁判 幻の弁護側資料 ──却下された日本の弁明 小堀桂一郎 東京裁判に関する本は数多く、論点もほぼ出尽くした感があるが、本書は却下された膨大な弁護側資料を抜粋し、解説を付して編集したものである。裁判過程を分析する上での一次資料の整理として極めて高い価値を持つとともに、被告人の弁護を主眼とする法廷資料であることを割り引いたとしても、大東亜戦争の全体像を歴史的事...続きを読む実に基づいて実に多面的に考察しており、公正な歴史認識を持つための必須文献である。敗者の「弁明」とは言え、決して「弁解」ではない堂々たる日本の主張を読むことができる。本書に限ったことではないが、正しい歴史認識の普及と日本の名誉回復を願った小堀桂一郎氏の地道で真摯な取り組みには頭が下がる。勝者であると敗者であるとを問わず、あの戦争を本当に反省しようと思うなら、まずは本書を繙くべきである。 訴追理由の「平和に対する罪」を論駁した高柳弁護人の冒頭陳述は、正統的な国際法理論に即した精緻な論理構成が圧巻であるが、他にも思わず膝を打ちたくなる箇所は多い。徳富蘇峰は日本は欧米帝国主義を手本にしたのであって、その技倆のまずさを笑うのは勝手だが、之を咎め、責め立てるのは不公平ではないかと言って憚らない。日本の南部仏印進駐がアメリカの態度硬化の引き金を引いたとされることが多いが、ブレークニー弁護人は対日経済封鎖は実は南部仏印進駐の前に決定されていたことを明らかにしている。またローガン弁護人も日本が戦争準備に入るはるか以前から戦争計画を着々と進め、立ち上がらざるを得ない状況に日本を追い詰めたのは連合国側であるとし、パリ不戦条約が禁止する戦争には国家の存立を脅かす経済制裁が含まれるとする米上院の解釈を引いて、日本の行った行為が自衛戦争であると主張する。さらに満州事変当時、無法地帯と化していた中国大陸の実情や熾烈を極めた日貨排斥運動など、大陸での日本の軍事行動にも少なからず理があったことを示す事実が具に報告されている。 東京裁判が事後法による勝者の裁きであるという手続上の瑕疵だけでなく、侵略の共同謀議という事実誤認に基づくものであり、法的正当性がないことに今や議論の余地はない。一方、多分に復讐劇の性質を帯びた政治ショーであることを認めつつも、A級戦犯と引き替えに天皇を免責にし、勝者と敗者が過去と決別するための言わば「手打ち式」だとする見方(宮台真司)がある。この論によれば東京裁判を否定することは旧連合国との戦後の友好の基礎を掘り崩すことになるという。一見国際政治の力学を見据えた現実的判断のようにも見えるが、非力ゆえに力の前に譲歩することと卑屈になることは同じではない。あからさまな対立を避けるために現実に折り合いをつけることと、声高に主張はしないまでも、歴史の歪曲に対して毅然とした態度をとることは矛盾ではない。東京裁判の結果である「諸判決 (judgements)」を受け入れても、そこで正しいとされた事実や歴史観を含む「裁判」そのものは受け入れないというのはそういうことだ。それはこの国の過去と未来に対する我々の最低限の責任であり、それすら放棄するのは長いものに巻かれて今さえ無難にやり過ごせばよいという身勝手な敗北主義以外の何ものでもない。 Posted by ブクログ 靖国神社と日本人 小堀桂一郎 冒頭の「自ら与え、施し、捧げることをよしとしたかつての日本人に対し、戦後日本人は何かにつけて貰うこと、要求すること、奪うことを旨としている」という指摘がある。慧眼である。特に、本書後半、英霊への鎮魂を柳田国男の説をなぞりながら、「この祭りは、祭ってくれるべき子孫を欠いた若き英霊達を安らかにあの世に在...続きを読むらしめんがために、あるべかりし子孫に代わって共同体の営民が営む祭りである」という文章が在る。とかく、政治的文脈、イデオロギー的文脈に捉えられがちな靖国の本質を、後世のために大切に誌し置かれた。 Posted by ブクログ 靖国神社と日本人 小堀桂一郎 首相の靖国神社参拝が毎年ニュースになる。 A級戦犯が合祀されていることが中国の怒りを買う理由であると思っていた。 しかし、実際はどうなのか そもそも靖国神社とはどういう性質のものなのか 宮崎哲弥氏の著書を読み 靖国神社を巡る諸所の問題がなぜ起こるのか その答えを探して読んでみた。 様々な資料...続きを読むから 靖国神社の成立から 招魂社としての性格 日本の家制度まで 靖国神社を中心として「日本人」というものを考えさせられた。 巻末に神風特攻隊隊員の遺書が抜粋されており 涙なしに読むことはできなかった。 Posted by ブクログ 東京裁判 幻の弁護側資料 ──却下された日本の弁明 小堀桂一郎 まず、恥ずかしながら歴史に疎い私は、「東京裁判」が極東裁判を 意味することすら知りませんでした。 私がこの本を読むきっかけとなったのは、得意先のお客様から 勧められたことでした。 しかし、読んでみて思ったのは、「史実とはいったい何なのか?」です。 戦争開戦までに日本が、英米から極限まで経済的に追...続きを読むい詰められた 事実。中国の属国であった歴史。事実上何の意義もなかった三国同盟 など。 名古屋の河村市長の南京虐殺に関する発言ではないが、歴史とは そんなに単純なものではない筈だ。 自虐的に「日本が悪かった」とだけ言うのではなく、もっと冷静に いろいろな観点を取り入れて、自分なりの歴史観・世界観をもつ べきと深く感じた。 Posted by ブクログ 和辻哲郎と昭和の悲劇 伝統精神の破壊に立ちはだかった知の巨人 小堀桂一郎 小堀先生一流の見識がいかんなく発揮された著作である。ただ、和辻哲郎に焦点を絞ったというよりは、敗戦の結果豹変した知識人に対する異論を強く表明したというほうが適切と思う。 Posted by ブクログ 小堀桂一郎のレビューをもっと見る