小堀桂一郎のレビュー一覧
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東京裁判に関する本は数多く、論点もほぼ出尽くした感があるが、本書は却下された膨大な弁護側資料を抜粋し、解説を付して編集したものである。裁判過程を分析する上での一次資料の整理として極めて高い価値を持つとともに、被告人の弁護を主眼とする法廷資料であることを割り引いたとしても、大東亜戦争の全体像を歴史的事...続きを読むPosted by ブクログ
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まず、恥ずかしながら歴史に疎い私は、「東京裁判」が極東裁判を
意味することすら知りませんでした。
私がこの本を読むきっかけとなったのは、得意先のお客様から
勧められたことでした。
しかし、読んでみて思ったのは、「史実とはいったい何なのか?」です。
戦争開戦までに日本が、英米から極限まで経済的に追...続きを読むPosted by ブクログ -
小堀先生一流の見識がいかんなく発揮された著作である。ただ、和辻哲郎に焦点を絞ったというよりは、敗戦の結果豹変した知識人に対する異論を強く表明したというほうが適切と思う。Posted by ブクログ
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年末年始に勉強しようと選んだ。単純に靖国神社の立ち位置について学ぶことができるかと思って手に取ったが、聖徳太子から江戸時代の国学にいたる日本の基盤となる思想史についての学問的な解説だった。和辻哲郎の「家」の存続が日本人の精神の維持にとって必要であるとのこと。
「家」については、実際、団塊の世代と...続きを読むPosted by ブクログ -
著者は、大正期から終戦直後にかけて、知識人たちが伝統を忘却したために時代の移り行きを正しく認識することができずにいたことを批判的な観点から論じています。同時に、日本思想史を独自の立場からとらえていた和辻哲郎の状況のなかでの発言に、一定の留保を置きつつも評価しています。
著者はまず、ポツダム宣言の受...続きを読むPosted by ブクログ -
「小・中学生の勉強時間が世界最低レベルの国」「小・中学校レベルの算数ができなくても大学生になれる国」これこそが我々の母国、日本の現実なのです。この現実の中で実施されるゆとり教育。これは本書中、随所に指摘されているとおり、「ゆるみ教育」以外の何者でもありません。人の人生にとって重要な教育、ひいては国家...続きを読むPosted by ブクログ