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なぜ、日本人の心は靖国神社から離れてしまったのだろうか?祀るべき子孫を欠いたまま国のために命を失っていった若人たち。彼らを祀るという日本古来のこの先祖崇拝という民間習俗の発露として、靖国神社は明治1年に創建され、以来130年間日本人の信仰と道徳観を護り続けてきた。しかし、戦後という時代の渦の中でなぜたびたび問題として浮上し、こんなにも歪んだイメージで語られるようになったのだろうか?本書では、お社(やしろ)の発祥・創建に溯り、栄光から屈辱、安寧から危険という戦前から戦後への変遷と断絶の歴史を描き出すことで現代日本を見つめ直していく。戦後の泰平の世に慣れた日本人が失ったこの「誇り」と高貴な精神の原点を、われわれの内なる信仰と伝統を通して考える警世の書である。
...続きを読むPosted by ブクログ 2015年09月29日
冒頭の「自ら与え、施し、捧げることをよしとしたかつての日本人に対し、戦後日本人は何かにつけて貰うこと、要求すること、奪うことを旨としている」という指摘がある。慧眼である。特に、本書後半、英霊への鎮魂を柳田国男の説をなぞりながら、「この祭りは、祭ってくれるべき子孫を欠いた若き英霊達を安らかにあの世に在...続きを読む
Posted by ブクログ 2014年01月21日
何かと話題の靖国問題。そもそも靖国神社って何?という疑問がわかってスッキリする。
民俗学的要素もあって読んでて面白かった。建立された明治期から今までの靖国神社の様子が大体分かる。靖国で競馬をやっていたとは知らなかった。
それに靖国参拝で色々言うようになったのが実は最近の事だったという事に驚いた。少...続きを読む
Posted by ブクログ 2013年09月18日
是非、一読されることを薦める。
靖国神社について、知らなかったことが非常によくまとまった一冊。
大変、勉強になった。自分があまりにも知らなさ過ぎたことに慙愧の念すら覚える。
招魂社として創建し、別格官幣社としての成立。
正岡子規や田山花袋などの著書からも見られるように、当時は上野公園や日比谷公園...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年11月08日
森鴎外の研究者であり保守派の論客として知られる著者が、靖国神社をめぐる諸問題について論じた本です。
靖国神社では、どのような教義にもとづいて英霊たちが祀られているのかということを、その内在的な論理に沿って書かれた本を読みたいと思い、本書を手に取ったのですが、本書の最初のほうでは、靖国神社の成立につ...続きを読む
Posted by ブクログ 2009年10月04日
ざっと目を通した印象では、著者は、靖國神社を宗教的神社と考えてはいないと思う。宗教色は認めてはいるが、日本人の「伝統」「習俗」の神社であり、戦後米国占領軍によって、宗教団体だと認定された、と指摘している。■よって、憲法上の宗教団体では無いとする。靖國は日本古来の道徳の公準であり、それを守ることが、英...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年05月10日
首相の靖国神社参拝が毎年ニュースになる。
A級戦犯が合祀されていることが中国の怒りを買う理由であると思っていた。
しかし、実際はどうなのか
そもそも靖国神社とはどういう性質のものなのか
宮崎哲弥氏の著書を読み
靖国神社を巡る諸所の問題がなぜ起こるのか
その答えを探して読んでみた。
様々な資料...続きを読む
Posted by ブクログ 2011年04月20日
[ 内容 ]
靖国神社は、先祖崇拝という日本古来の民間習俗の発露として明治二年に創建され、以来百三十年間日本人の信仰と道徳観を護ってきた。
なぜ、戦後の時代の渦の中でたびたび問題として浮上し、歪んだイメージで語られるようになったのだろうか?
本書では、お社の発祥・創建に溯り、栄光から屈辱、安寧から危...続きを読む
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