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近年における社会のデジタル化の進展はめざましいものがある。ソーシャルメディアの普及、多様な電子端末の登場、電子書籍への移行…。こうした急激な変化の前に、創作者の権利、すなわち著作権のあり方も再考を迫られている。著作物の複製・改変・送信が一般化し、アナログ時代の法体系では対応しきれない状況にあるのだ。著作権をめぐり、今何が変わり、何が問題となっているのか。われわれはどんな点を心得ておかなければならないのか。基本的な仕組みから明快に説き起こす。
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Posted by ブクログ
2010年の発行で、今から12年前なので、すごく古いかと思っていたら、ほかの本と比較して最も未来のことを示した本であった。 著作家について自分が権利を守るために、限定させていく考えもあるが、サザエさんのように著作権が厳しすぎるために、メディア・リテラシーの学習でサザエさんを使えるのが日本だけであり...続きを読む、海外ではサザエさんをまったく知らないことがある。
同人活動や二次創作の場面において、著作権は昨今のトレンドです。 しかし、実際の創作当事者が知っている知識としては、一個人の見解により法解釈をまとめたネット上のページによるものに過ぎないケースがほとんどです。 そういったページは、大体が「こういうことをすると著作権違反になるかもしれないから、気をつけ...続きを読むましょう」という、いわば自動車免許試験の問題文と答えを丸暗記させるような内容のものだったりします。 創作にあたっている人はやはり、自分たちが取り締まられるのが怖いですから、必死に「熟読」します。 しかし、そもそも著作権法が前提とした社会構造がすでに崩壊しきっていて、時代に合わない法律なのではないか、ということを深く考える人はそういません。 中には、時代に合わない法律は変えようと言うと、こちらがまるで法を犯したくて仕方がないように決めつける人がいます。 そういう人にこそ読んでもらいたい一冊です。 法が成立した社会情勢や目的のところから立ち返らないと、自分で自分の首を絞めることになるよ、ということが端的に描かれてるように思いました。 ネット上でそのページを「熟読」することさえ、もしかしたら著作権法違反になる可能性もあったのかもしれないのですから…
100年以上前の著作権が生まれた時代から、今のデジタルの世紀までの間で、技術が驚くべき進歩を遂げ、著作権問題がが一般の人にも避けて通れなくなった現在。メディアの変遷とそれに著作権に関する法律がどう解釈され、適用されれていったのか、具体例も紹介しながら、ていねいに解説してくれています。非常にわかりやす...続きを読むい。 著作権のことについてこの本1冊を読むだけでも、ずいぶんと目を開かされれる。市井の人々も、この本を読んで著作権に関する教養は付けておきたい。
まねきTV判決を始め最近は著作権が話題に上ることも多いが、この本は、著作権制度の現代の課題や将来のあるべき姿を素人にも分かりやすく解説してくれる。もっと星をつけたいくらい。
著作権とその周辺にある基本的考え方を簡潔に整理し、その歴史的変遷を述べながら、現在の過剰な権利擁護の流れに危機感を持つ著者の姿勢に共感。仕事柄、「科学の世界と著作権」はとくに興味深かった。商業的利益を追求したいものはいくらでも伸ばせばいいけど、人類の共有財産とすべきものはパブリック・ドメインでという...続きを読むのはまさに正しいと思います。
これからの著作権制度がどうあるべきか。 著作権者の権利を守り、利用の制限を厳しくした場合の功罪。著作権者の権利を弱め、利用の制限を緩やかにした場合の功罪。 これらを著作物の性質ごとに、技術の発展やビジネス環境の変化によっても変わってくる状況に則して、丁寧に解説しています。 現行法では違法か合法か、...続きを読むなどという次元ではなく、今後どうあるべきか、ということを一人一人が考えていく上で必要な知見が得られます。
著作権に関する判例などから今後の流れ・考え方の概説 日本の著作権について考えるときの基本概念や,判断材料となる過去の判例や条約などの制定過程などを示しながら今後どうしていけばよいか考えが示されている。 具体的には,以下のような話題を扱っている。 * ソニーのビデオレコーダー判決 * Winny判決...続きを読む * 著作権保護期間延長の是非 * フェアユースの利点・欠点 * サイエンス・コモンズ(科学技術分野のライセンス) * ウィキペディアのライセンス切り替え(GFDL▷CCライセンス) 巻末に参考文献として,判例の正式な名称や書誌情報がきちんと明記されており資料としての価値が高い。 今後のライセンスや著作権のあり方,基本概念を抑える上で有益だった。
著作権に関する書籍は多いがどれも難しかったり、求めている情報がなかったりと不満なものが多かった。 これは、もしかして今まで見た中でもっとも満足がいく内容だったかも知れない。 取り上げられている事例等もアップツーデートなものが多い。 著者が法律家なのにあまりそれも感じさせない。 お薦め。
署名の通り、ネット関連の日本・アメリカの判例を簡単に説明している本です。一通りの重要判例は網羅しているので、IT業界で働いている方で、最近の著作権事情を知りたい方にはいいかもしれません。一方で、著作権自体については、軽く触れられている程度なので、著作権を全く知らない人にとっては、少しきつい内容かもし...続きを読むれません。アメリカの判例の説明では、「寄与侵害」と「代位侵害」という2つの概念を使って、判例における侵害がどのようなもので、その結果それが侵害に当たるかどうかということを説明しています。「寄与侵害」とは、ユーザーが侵害していることを知っていて、それを誘発した、または自主的にその侵害に寄与したことに着目して、その侵害したユーザーの責任を問うもので、「代位侵害」とは、侵害することが出来る立場にあるにも拘らずこれを防止せず、そのことによって利益を得ている人に対して、その立場を同一視して責任を問うという考え方です。 その他米国のフェアユースの考え方も簡単に触れていますので、デジタル著作権導入書としては、よく出来ていると思います。 (取り上げられている判例) ・ソニー判決 ・ナップスター判決 ・グロックスター判決 ・カラオケ法理 ・ファイルローグ事件(日本版ナップスター事件) ・ウィニー事件 ・口クララ事件
著作権の歴史的成り立ちから、最近のメディア・デジタル著作権絡みの話題まで、順を追ってわかりやすく解説している。入門書としても、最近の動向を読み解くにも使え、特段の予備知識なく読めるのでおすすめです。
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野口祐子
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