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宮廷医女の推理譚
1758年、朝鮮王朝期。18歳のベクヒョンは、難関試験を突破し王族を診察する内医女(ネイニョ)になった。だがある夜、ベクヒョンが医術を学んだ恵民署(ヘミンソ)で、4人の女性が殺害される。3人は医女、最後のひとりは外出を禁じられている宮廷女官だった。事件を捜査する捕盗庁(ポドチョン)の役人は、怪しい供述をしたベクヒョンの師、ジョンスを殺人犯と断定した。彼女が犯人だと信じられないベクヒョンは、独自に事件を調べはじめ、捕盗庁の青年オジンの協力を得る。師の処刑を防ぐために、なんとしても真相を解明しなければ――。聡明な医女が謎解きに挑む爽快なミステリ。 -
本好きに捧げる英国ミステリ傑作選
現代英国を代表するミステリ作家にして愛好家マーティン・エドワーズが、英国探偵小説の一時代を築いた巨匠たちの名品から精選した「本」にまつわるミステリ傑作選。毒を盛られた愛書家が、死の直前に蔵書に書き残したアンダーラインの真相。売れっ子作家の妻を殺したい男が仕掛けるアリバイトリック。編集者が作家クリスチアナ・ブランドに宛てた原稿依頼書を誤って受け取った女性による奇妙な犯罪の顛末……。犯人当てからクライムストーリイ、〈奇妙な味〉からショートショートまで、様々なバリエーションで本好きに捧げる十六のミステリ!/【目次】序=マーティン・エドワーズ/作家に授ける殺人講義=G・D・H&M・コール/救いの天使=E・C・ベントリー/暗殺者クラブ=ニコラス・ブレイク/メガテリウム・クラブの奇妙な盗難事件=S・C・ロバーツ/殺意の家=フィリップ・マクドナルド/荒っぽいゲーム=A・A・ミルン/本の中の手がかり=ジュリアン・シモンズ/ある原稿=グラディス・ミッチェル/ある男とその姑=ロイ・ヴィカーズ/灰色の幽霊=マイケル・イネス/拝啓、編集者様=クリスチアナ・ブランド/あらかじめの殺人=マージョリー・ブレムナー/性格(キャラクター)の問題=ヴィクター・カニング/名誉の書=ジョン・クリーシー/きみが執筆で忙しいのはわかってるけれど、ちょっとお邪魔してもかまわないだろうって思ったんだ=エドマンド・クリスピン/章と節=ナイオ・マーシュ/解説=小山正 -
〈金庫破りときどきスパイ〉シリーズ
1940年ロンドン。金庫破りのエリーの前に、陸軍のラムゼイ少佐が現れ、北部のサンダーランドまで旅をするように指示される。また国のための任務につけると喜んだエリーは、翌日現地に向かう。しかし到着してすぐに、何者かにぶつかられ、トラックに轢かれそうに。親切な男性に助けられてことなきを得るが、少佐の手配してくれた下宿屋に入った直後、その男性が前の道路で倒れて死んでしまう。この不審な死は偶然なの? エリーは、空軍パイロットに扮した少佐と調査に乗りだす。凄腕の金庫破りと堅物の青年少佐が活躍する人気シリーズ第3弾!/解説=柿沼瑛子 -
戦前日本モダンホラー傑作選 バビロンの吸血鬼
「大正末期から昭和十年代半ばにかけての十数年間は都市部を中心に「昭和モダン」と呼ばれるスマートで軽快な大衆文化が栄え、人々がこぞって新奇な刺激と快楽を追い求めた時代であった。同時に、生活様式の変化にともなって昔ながらの怪談とは趣きを異にする新しいスタイルの怪奇小説が生まれ、娯楽として享受された時代でもある」(序文より)この時代の研究者が精選した21篇。当時ホラー小説の分野で中心的な存在だった〈新青年〉誌掲載作を除外し、犯罪実話雑誌から少年誌まで幅広い媒体から集めた。/【目次】序文 恐怖が娯楽だった時代 会津信吾/高田義一郎「疾病(しっぺい)の脅威」/椎名頼己「屍蝋(しろう)荘奇談」/渡邊洲蔵「亡命せる異人幽霊」/西田鷹止「火星の人間」/角田喜久雄「肉」/十菱愛彦「青銅の燭台(しょくだい)」/庄野義信「紅棒で描いた殺人画」/夢川佐市「鱶(ふか)」/小川好子「殺人と遊戯と」/妹尾アキ夫「硝子箱の眼」/宮里良保「墓地下(ぼちした)の研究所」/喜多槐三「蛇」/那珂良二「毒ガスと恋人の眼」/高垣眸「バビロンの吸血鬼」/城田シュレーダー「食人植物サラセニア」/阿部徳蔵「首切術の娘」/米村正一「恐怖鬼侫魔(きねま)倶楽部奇譚」/小山甲三「インデヤンの手」/横瀬夜雨「早すぎた埋葬」/岩佐東一郎「死亡放送」/竹村猛児「人の居ないエレヴエーター」 -
聖剣アルスルと傷の王
人間を滅ぼすほど危険な人外、六災の王討伐をかかげる鍵の騎士団。その評判を聞きつけたのは、六災の王自身――地動王だった。眷属のドブネズミ人外を遣わした王は、騎士団長アルスルが王の病を癒すことができたなら、かつて地下域(ヘル)の城郭都市エンブラから奪った花の大図書館を与えるという。大図書館をとり戻すため、南域(サウス)にむかった騎士団一行。自らの大剣に翻弄されるアルスルをまち受けていたのは、巨大な長城オーロラ・ウォール。そして人狼と恐れられるアスク公爵だった。変わり者の少女アルスルの戦いと成長を描く、好評シリーズ第三弾。 -
銃と助手席の歌
高校を退学になったばかりの少女チャーリーは、ある盗みをきっかけに姉の恋人と争いになり、抵抗の果てに彼を殺してしまう。その場に居合わせた見知らぬ大学生ナオの提案で、ふたりは死んだ男の車に乗り、死体を湖に捨て、ハイウェイを北へ走り出す。道中謎は尽きない。車を追ってくるのは何者か。ナオが死体処理に協力したのはなぜか。そして、車に積まれた大量の黄金はどこからきたのか――。やがて轟く銃声。炎天下のオーストラリアを舞台に家なき者の共闘を描く、ノンストップのクライムサスペンス! ウィルバー・スミス冒険小説賞受賞作。/解説=杉江松恋 -
リディア・チン&ビル・スミス・シリーズ
チャイナタウンに多大な影響力を持つギャングのボス、チョイが病没する。彼は遺言で、自らの所有する古い会館を堅気の姪メルに譲っていた。そこは再開発計画でタワーマンションが建つ予定の場所で、この相続が利害関係者のあいだに波風を立てることは必至だ。私立探偵のリディアは相棒ビルと、事態が片づくまでメルの護衛を務めることになるが、チョイの葬儀が終わった次の日、ギャングの幹部が何者かに殺されてしまう……。チャイナタウンを揺るがす一大事に最高のコンビが挑む現代ハードボイルド〈リディア・チン&ビル・スミス〉シリーズ!/解説=若林踏 -
極夜の灰
1967年末。精神科医のジャックはワシントンDCの陸軍病院で、顔と両手を包帯で覆われた男と向かいあっていた。旧知のCIA幹部から、北極圏にある陸軍の極秘基地で発生した火災の調査を依頼されたのだ。発電室で出火し、2名が死亡。重度の火傷を負って昏睡から目覚めたコナーは、唯一の生き残りで、何が起きたのか思いだせないという。同じ火災現場で発見された遺体は、一方はかろうじて人間の形を残していたが、もう一方は灰と骨と歯の塊だった。なぜ遺体の状態にこのような差が出たのか? 幾多の謎と陰謀が渦巻く衝撃のミステリ長編!/解説=村上貴史 -
ダムゼル 運命を拓きし者
イノフェ公国は貧しかった。干魃で農耕ができず、経済は物々交換に依存する始末。そんな公国のプリンセス、エロディに、豊かな島国オーリア国の王子から結婚の申しこみがあった。エロディが嫁いでくれば、公国を援助してくれるというのだ。豪華な婚礼衣装、贅を尽くした料理、オーリア国は母国とは天と地ほども異なっていた。おまけに夫となる王子はうっとりするほど素敵なのだ。だがエロディはどこか違和感を覚えていた。そして結婚式の夜……。貧乏国のプリンセスが機知と勇気で運命を切り拓く、Netflix映画原作の異世界ファンタジイ登場! -
冬の王
ルーシ北部の領主の娘ワーシャは、変わった少女だった。人には見えない精霊を見る力をもっていたのだ。だが母が亡くなり、新しい母アンナがやってきたことで、彼女の運命は一変した。アンナは熱心なキリスト教徒で、精霊を悪魔と呼び、怯え嫌ったのだ。さらに都から派遣された司祭が村人の精霊信仰を禁じたため、本来人々を悪しきものから守っていた精霊たちの力が弱くなってしまった。ある冬、村を極寒と夜の化け物が襲った。ワーシャは精霊を助け、化け物と戦うが……。心のままに自由に生きようとする少女ワーシャの闘いを描く、三部作開幕。 -
影を呑んだ少女
メイクピースはずっと母とふたりで暮らしていた。悪夢にうなされるたび、母は怒った。メイクピースは幽霊を憑依させる体質だから、抵抗しなければいけないというのだ。そんなある日、ロンドンで暴動に巻きこまれ、母が命を落としてしまう。残されたメイクピースのもとへ会ったこともない亡き父親の一族から迎えが来た。父は死者の霊を取り込む能力をもつ旧家の次男だったのだ。父の一族の屋敷で暮らし始めたメイクピースだったが、屋敷の人々の不気味さに嫌気がさし、逃げだす決心をする。『嘘の木』の著者が17世紀英国を舞台に描く歴史大作。/解説=杉江松恋 -
地球の中心までトンネルを掘る
代理祖父母派遣会社のエースとして、核家族の子どもの「ばあば」を演じて報酬を得ている女性(「替え玉」)。自分の中の発火遺伝子に怯えながら、製菓店の娘に恋する青年(「発火点」)。折りヅルを用いた遺産相続ゲームに挑む一族の男たちと、その審判を務める孫のぼく(「ツルの舞う家」)。大学を卒業し、何者にもなれず生きてきたある朝、ふと裏庭にトンネルを掘り始めた三人の若者(表題作)。――とびきりヘンで、優しく、がむしゃらな人々を描いた11の物語。シャーリイ・ジャクスン賞と全米図書館協会アレックス賞を受賞した珠玉の短編集。/【目次】替え玉/発火点/今は亡き姉ハンドブック:繊細な少年のための手引き/ツルの舞う家/モータルコンバット/地球の中心までトンネルを掘る/弾丸マクシミリアン/女子合唱部の指揮者を愛人にした男の物語(もしくは歯の生えた赤ん坊の)/ゴー・ファイト・ウィン/あれやこれや博物館/ワースト・ケース・シナリオ株式会社/謝辞/特別エッセイ=津村記久子/解説=倉本さおり/収録作原題・初出情報 -
リディア・チン&ビル・スミス・シリーズ
「証明してくれよ、おれが犯人だと」銃を持って私立探偵ビル・スミスの家に押しかけてきた男はそう言った。彼の名はサム・テイバー。かつての依頼人で殺人者だ。収監された刑務所で絵の才能を見出されて仮釈放となり、現在は画家として活躍中。記憶も証拠もないが、最近ニューヨークで起きた二件の女性殺害事件は自分の犯行だと主張するサムの話の真偽を調べるため、ビルはサムと交流のある美術業界の関係者を相棒リディアと訪ねる。だがその矢先に、第三の犠牲者が……。必読の現代ハードボイルド〈リディア・チン&ビル・スミス〉シリーズ!/解説=吉野仁 -
猟区管理官ジョー・ピケット・シリーズ
ワイオミング州猟区管理官ジョー・ピケットの盟友ネイトのもとへ、連邦政府の秘密組織の男たちが人質を取って現れた。彼らは政府に追われているネイトの容疑を抹消することと引き換えに、ある任務を依頼した。州南部の砂漠地帯で大規模テロを計画している可能性がある、駐米サウジアラビア大使の息子の動静を探れ、と。ネイトは引き受けざるを得なかったが、この件には何か裏がありそうで……。一方のジョーも、ネイトが失踪したという情報を受けて、砂漠地帯へと向かう。不毛の荒地を舞台に、大迫力のアクションが繰り広げられる冒険サスペンス!/解説=堂場瞬一 -
カッコーの歌
「あと七日」意識を取りもどしたとき、耳もとで笑い声と共にそんな言葉が聞こえた。 頭が痛い……。わたしは……わたしはトリス。昨日池に落ちて記憶を失ったらしい。少しずつ思い出す。母、父、そして妹ペン。ペンはわたしをきらっている、憎んでいる、そしてわたしが偽者だと言う。なにかがおかしい。破りとられた日記帳のページ、異常な食欲、恐ろしい記憶。そして耳もとでささやく声。「あと六日」。わたしに何が起きているの? 大評判となった『嘘の木』の著者が放つサスペンスフルな傑作。英国幻想文学大賞受賞、カーネギー賞最終候補作。/解説=深緑野分 -
図書館島異聞 翼ある歴史
帝国オロンドリアを二分した大乱は、書物と言葉を巡る戦いでもあった。そのただ中を生きた四人の女性たち――貴族出身ながら戦いにその身を投じた剣の乙女、彼女を愛した遊牧民の歌い手、帝国を支配する思想を創り上げた男を父に持つ女司祭、そして反乱の指導者である王子の秘密を知る王家の娘。彼女たちは正史から葬られようとしているそれぞれの物語を、自らの言葉で語り始める。響きあう四つの物語からやがて立ち上がるのは――デビュー長編にして世界幻想文学大賞など四冠『図書館島』の著者が贈る、書物と言葉を巡る傑作本格ファンタジイ。/解説=河野聡子 -
自由研究には向かない殺人
高校生のピップは、友人のコナーから失踪した兄の行方を探してくれと依頼される。兄のジェイミーは、2週間ほど前から様子がおかしかったらしい。コナーの希望で、ピップはポッドキャストで調査の進捗を配信し、リスナーから手がかりを集めていく。関係者へのインタビューやSNSなども丹念に調べることで、少しずつ明らかになっていく、失踪までのジェイミーの行動。ピップの類い稀な推理が、事件の恐るべき真相を暴きだす。年末ミステリランキング第1位『自由研究には向かない殺人』続編。この衝摯の結末を、どうか見逃さないでください!/解説=阿津川辰海 -
図書館島
文字を持たぬ辺境の島に生まれ、異国の師に導かれて書物に耽溺して育った青年は、長じて憧れの帝都に旅立つ。だが航海中、不治の病に冒された娘と出会ったがために、彼の運命は一変する。世界じゅうの書物を収めた巨大な王立図書館のある島で幽閉された彼は、書き記された〈文字〉を奉じる人々と、語り伝える〈声〉を信じる人々の戦いに巻き込まれてゆく――デビュー長編にして世界幻想文学大賞、英国幻想文学大賞、ジョン・W・キャンベル新人賞、クロフォード賞の四冠を制覇した驚異の新人による、書物と言葉をめぐる傑作本格ファンタジイ。/解説=乾石智子 -
越境者
ワイオミング州猟区管理官の職を辞したジョー・ピケットは、ルーロン知事の意向で現場に復帰していたが、新たな任務を与えられる。巨大製薬会社の跡取りスコギンズが失踪し、FBIは、州の辺境に住む富豪テンプルトンが前々から暗殺業を営んでおり、スコギンズを標的にしたのではと疑っていた。さらにスコギンズ失踪の前後、ジョーの友人のネイトらしき男が近くで目撃されていた。ジョーは知事の指令でFBIに協力し、テンプルトンの本拠地へ情報収集に赴くが……。ジョーがネイトと敵対!? 全米ベストセラーの冒険サスペンス・シリーズ!/解説=三橋曉 -
手/ヴァランダーの世界
田舎暮らしを願っていたヴァランダーに、同僚のマーティンソンが物件を紹介した。購入を考えたヴァランダーだったが、なんと家の裏庭で地面から人間の手の骨が突き出しているのを見つけてしまう。地面の下には骸骨と衣服の残りが埋まっていた。ヴァランダーは過去に遡って家の持ち主を調べ始める……。著者が書店キャンペーン用に書き下ろした、『霜の降りる前に』と『苦悩する男』の間に位置する中編「手」と、マンケル本人によるシリーズの各作品、人物、地名の紹介を網羅した「ヴァランダーの世界」を併録。シリーズファンなら絶対見逃せない一冊。/【目次】手/著者あとがき/ヴァランダーの世界/1 始まりと終わり、そしてその間になにがあったか?/2 クルト・ヴァランダーの物語/3 ヴァランダー、そして彼の家族と周辺の人々/4 人物索引/5 ヴァランダーの地理的世界/6 地名索引/7 ヴァランダーの好きなもの/8 文化索引/訳者あとがき -
時間旅行者のキャンディボックス
1967年のイギリスで、4人の女性科学者がタイムマシンの開発に成功し、300年先の未来までの時間旅行が実現した。そして、時間移動を厳格に管理すべく、国家からも独立した〈コンクレーヴ〉と呼ばれる巨大なタイムマシン運用組織が誕生した。時間旅行を独占するのはもちろん、タイムトラベラーが起こした犯罪も、この組織が独自に対処する。だが、タイムトラベルには精神に及ぼす深刻な副作用があった。ある殺人事件に遭遇した女性オデットが〈コンクレーヴ〉に潜入し、事件の調査を進めるうちに、その恐るべき事実が明るみに……異色の時間SF!/解説=堺三保 -
湖の男
その白骨は干上がった湖底で発見された。頭蓋骨には殴られたらしい穴があり、壊れたソ連製の盗聴器が体に結びつけられている。30年以上前の事件らしいことから、エーレンデュル捜査官の手に捜査が委ねられた。丹念な調査の末、ある失踪事件が浮かび上がる。アイスランド全土をまわっていた農業機具のセールスマンが、婚約者を残し消息を絶っていたのだ。男の名は偽名で、彼の身分証明記録は一切なかった。男は何者で、何故消されたのか? 捜査が浮かびあがらせたのは、時代に翻弄された哀しい人々の真実だった。北欧ミステリの巨人渾身の大作。ヨーロッパミステリ大賞、バリー賞受賞! -
おせっかいなゴッドマザー
あこがれの彼と晴れて両思いになったケイティ。ところがはじめてのデートの朝、待ち合わせ場所に現れたのはおせじにも有能そうには見えないフェアリーゴッドマザー。よりによって生涯でいちばん必要のないときに「本物の恋を見つける手助けをする」とは。なんとかお引き取り願ったものの、肝心のデートは緊急事態発生でお流れ。前途多難だ。一方、魔法の悪用を企む一味が派手な広告戦略に打って出たため、対策を講じることになった(株)MSI。ケイティはまたしても危険な任務につくはめに。だが、それがふたりの仲に早くも亀裂を生じさせることになろうとは……。おしゃれでロマンチックなファンタジー。好評シリーズ第三弾。/解説=妹尾ゆふ子 -
魔物のためのニューヨーク案内
その求人広告は冴えない書店の掲示板に貼られていた。まさにゾーイが求めていた仕事。地方都市で雑誌の仕事をしていたが、既婚者の上司と恋愛関係になった挙句、ぼろぼろになってニューヨークに帰ってきた。大好きなこの街のガイドブックの仕事ができれば、願ったりだ。大喜びで応募したゾーイだったが、なぜか会社側はゾーイでは会社に馴染めないの一点張り。経歴も実力にも自信のあるのになぜ? 食い下がって面接にこぎつけたものの、そこで彼女が目にしたのは、とんでもない世界だった。おしゃれな街NYを舞台にしたポップなファンタジー。 -
ホテル・リッツの婚約者
1942年、イギリスの特別作戦執行部の工作員であるわたし、マギー・ホープは亡き友になりすまし、ドイツ占領下のパリに潜入していた。異父妹のエリーゼをイギリスへ連れ帰るため。さらには、戦局の行方を左右する重大な情報を持っているはずの工作員を救うため。滞在先の〈ホテル・リッツ〉で高名なデザイナーのココ・シャネルと知り合ったわたしは、一瞬たりとも気を抜けない日々の連続を過ごしていた。そんな折、イギリスの工作員ネットワークに亀裂が生じる。裏切り者がいるのか? ニューヨーク・タイムズ・ベストセラーの大人気シリーズ!/解説=上条ひろみ -
遭難信号
アイルランドの小さな町で、ハリウッドを夢見て脚本を書き続けてきたアダム。恋人のサラが仕事でバルセロナに出張し、まったく連絡がとれなくなってしまう。だが出発から数日後、アパートにサラのパスポートが郵送されてくる。それには「ごめんなさい――S」とサラの字で書かれた付箋が貼ってあったが、封筒の文字は別人のものだった。彼女に何があったのか? アダムは恋人を追い、手がかりをもとに地中海クルーズ船に乗り込む。千以上もの客室を持つ豪華客船で暴かれる、予想外の真実。巧みな構成力と謎解きの妙味を味わえる衝撃のサスペンス!/解説=穂井田直美 -
グリーン車の子供
7年ぶりに、「盛綱陣屋」の微妙役への出演依頼があった老歌舞伎俳優・中村雅楽。しかし、雅楽は子役の配役が気にいらず、出演をなかなか快諾しない。そんな中、法要のため大阪を訪れた雅楽は、友人の竹野記者とともに帰京する新幹線のグリーン車で、一人の幼い少女と隣同士になる。東京へ到着する直前に「陣屋」への出演を決意した理由とは? 《中村雅楽探偵全集》第二巻は、第29回日本推理作家協会賞を受賞した「グリーン車の子供」を含む全18編。日本推理作家協会賞受賞時の著者の言葉など、資料も併録。【収録作】「ラッキー・シート」/「写真のすすめ」/「密室の鎧」/「一人二役」/「ラスト・シーン」/「臨時停留所」/「隣家の消息」/「美少年の死」/「八人目の寺子」/「句会の短冊」/「虎の巻紛失」/「三人目の権八」/「西の桟敷」/「光源氏の醜聞」/「襲名の扇子」/「グリーン車の子供」/「日本のミミ」/「妹の縁談」/徳間ノベルズ版『グリーン車の子供』 あとがき=戸板康二/受賞の言葉=戸板康二/創元推理文庫版解題=日下三蔵 -
生贄の木
森の中で、袋に入れられ木から吊るされていた三人の人間が発見された。イカれたパーティー・ガール、狂気に冒された配給所の聖女、そして小児性愛者。ひとりは助かり、ひとりは手遅れ、ひとりは瀕死の状態だった。同じ頃、小児性愛者に誘拐されていたと見られる女の子がマロリーに保護される。ココと名乗るその少女は妖精のような顔立ち、音楽的才能などからウィリアムズ症候群と診断された。ココの心を思いやるチャールズと対立しながらも、マロリーはココに犯人を思い出させようとする。マロリーと少女の奇妙な絆を描く、好評シリーズ。/解説=大矢博子 -
バッキンガム宮殿のVIP
1942年、戦争がつづくロンドンに戻ったわたし、マギー・ホープは、ドイツの強制収容所に収監されている異父姉妹と再会できる日を心待ちにしつつ、特別作戦執行部(SOE)で事務の仕事についていた。そんななか、MI‐5の長官から、ある事件の捜査協力を要請される。SOEの訓練を受けた女性ばかりが行方不明になり、そのうちの一人の死体が発見されたというのだ。死体の状態から、犯人はあのいまわしい事件を模倣しているとしか思えないのだが……。マギー・ホープ、今度は戦時下のロンドンで勃発する連続殺人事件に挑む! 大好評のシリーズ第6弾。 -
穢れた風
風力発電施設建設会社のビルの中で、夜警の死体が発見された。一見、階段を踏み外したための事故死に思われたが、監視カメラに侵入者が写っていたことで、にわかに殺人の様相を呈する。奇妙なことに、社長室のデスクの上になぜかハムスターの死骸が残されていた。これは一体何を意味しているのか? 風力発電の利権をめぐって次々に容疑者が浮かびあがり、さらに第二の殺人が。再生可能エネルギーにかかわる国家的犯罪なのか? 人々の欲望と、巨大な陰謀に呑み込まれる刑事オリヴァーとピア。〈ドイツミステリの女王〉による新たな傑作が誕生!/解説=大矢博子 -
約束
ロス市警警察犬隊スコット・ジェイムズ巡査と相棒の雌のシェパード、マギーは、とある住宅街で逃亡中の殺人犯を捜索していた。匂いを頼りにマギーがたどり着いた家のなかには、容疑者らしい男が倒れており、さらに大量の爆発物が。同日、同時刻、同じ住宅街。私立探偵のエルヴィス・コールは失踪した会社の同僚を探しているという女性の依頼を受けて調査をしていた。単なる偶然か、それとも? 嘘をついているのは誰か。幾重にも重なる偽りの下に真実はあるのか。警察と探偵、スコット&マギーとコール&パイク、固い絆で結ばれたふた組の相棒の物語。 -
偽りの書簡
1952年、独裁政権下のバルセロナ。上流階級の未亡人が扼殺され、新人記者のアナが独占報道の担当に抜擢された。警察は強盗殺人として早期解決させようとするが、納得できない彼女は被害者宅から押収された書類を調べ、恋文を発見する。差出人がわからなかったが思わぬ援軍を得る。はとこの文献学者ベアトリズは、文章の綴り方、言い回し、形容詞等からその手紙を書いた人物像を巧みに導き出し、驚くべき手がかりを見つけ出してみせた。言語と文学をこよなく愛する文献学者と猪突猛進の新人記者、姉妹のようなふたりが織りなす傑作ミステリ!/解説=大矢博子 -
埋葬された夏
1984年6月。16歳の少女コリーンは殺人容疑で逮捕される。イギリスの海辺の町アーネマスの異分子だった彼女は、有罪となり治療施設に収容された。そして20年後、進歩した科学技術が当時の証拠品から未知の人物のDNAを検出し、勅撰弁護人が再審を求めて動きだす。調査を依頼された私立探偵が町を訪れ、かつての関係者たちと会うことで甦る日々。悲劇に至るまでの1年ほどのあいだに何があったのか――現在と過去が交錯する構成が読者に投げかける、被害者捜しの趣向と衝撃の真相――そして鮮烈な幕切れ。感嘆をもたらす傑作英国ミステリ。/解説=霜月蒼 -
ウィンター家の少女
ウィンター邸で男が殺された。男は保釈中の殺人犯で、裁縫用の鋏で胸を刺されていた。屋敷にいたのは70歳の老婦人と、小柄な聖書マニアの姪だけ。どちらかが侵入者を正当防衛で殺したのか? だが老婦人ネッダは58年前、この屋敷で9人の人間が殺された“ウィンター邸の大虐殺”以来行方不明になっていた女性だった。ネッダは当時12歳。果たして彼女が事件の犯人だったのか? 今までいったいどこにいたのか? 今回の事件との関わりは? 謎が謎を呼ぶ迷宮のような事件に、完璧な美貌の天才ハッカー、ニューヨーク市警のマロリーが挑む。/解説=若林踏 -
月の夜は暗く
「母さんが誘拐された」ミュンヘン市警の捜査官ザビーネは、離れて住む父から知らせを受ける。母親は見つかった――大聖堂で、パイプオルガンの演奏台にくくりつけられて。遺体の脇にはインクの入ったバケツが置かれ、口にはホース、その先には漏斗が。処刑か、なにかの見立てなのか? おまけに父が容疑者として勾留されてしまった。ザビーネは父の嫌疑を晴らすべく、連邦刑事局の腕利き変人分析官の捜査に同行する。そして浮かび上がったのは、ひと月半のあいだに、別々の都市の聖堂で、同様に奇妙な殺され方をした女性たちの事件だった。『夏を殺す少女』の著者が童謡殺人に挑む! -
殺人者たちの王
21世紀最悪の連続殺人犯ビリー・デントが脱獄して二カ月、ジャズのもとをニューヨーク市警の刑事が訪れた。父ビリーに施された殺人者としての英才教育を生かして、ニューヨークの連続殺人、通称ハット・ドッグ・キラーの捜査を手伝ってほしいというのだ。渋々ニューヨークに同行するジャズ。だが事件を調べるうちに、故郷で起きた“ものまね師”事件との繋がりに気づく。そして被害者の遺体に書かれた〈ゲームへようこそ、ジャスパー〉のメッセージ。まさか父が? 悩みながらも事件を解決しようとするジャズ。好評の異色青春ミステリ第2弾!/解説=穂井田直美 -
悪魔の羽根
再読必至。誰にも真相は見抜けない!2002年、シエラレオネで5人の女性が殺害された。現地の元少年兵3人が起訴されるが、ロイター通信社の記者コニーだけはイギリス人のマッケンジーを疑っていた。2年後、バグダッドでマッケンジーに遭遇したコニーは、嗜虐趣味を持つ彼に拉致監禁されてしまう。3日後に解放されイギリスに戻った彼女は、マスコミを逃れて田舎町に隠れ住む。解放時にほぼ無傷だったうえに、あいまいな証言ばかりで監禁中の出来事を警察に話さないコニー。彼女はいったい何を隠しているのか? 圧巻の心理描写と謎解きの妙味を堪能できる英国ミステリの女王による渾身のサスペンス。/解説=松浦正人※紙書籍版とはカバー画像が異なります。 -
〈エステリエンの殺人シリーズ〉
スウェーデン南部スコーネ地方の風光明媚なエステリエンで、不動産開発を目論んでいた不動産ブローカーでテレビタレントの女性が死亡した。開発に反対する地元住民を懐柔するために購入した彫刻の上に転落したのだ。事故かはたまた殺人か。事件を担当するのは、原因不明の失神発作の療養のために現地に滞在していたストックホルムの国家殺人班の敏腕捜査官と地元警察署の駆け出し女性刑事。お洒落な都会のエリート刑事と、やる気はあるが経験の足りない田舎の刑事。馬は合わないのに意見は合ってしまう二人は、容疑者だらけの事件を解決できるか。 -
群狼
猟区管理官ジョー・ピケットは、隣の地区の猟区管理官から、ドローンがミュールジカの群れを追い立てている件で協力を要請される。ドローンを使う狩猟は違法だ。情報を集めていくうちに、ドローンの所有者が2年前に東部から来た男で、ジョーの三女ルーシーのボーイフレンドの父親らしいとわかるが、なぜか捜査にFBIが絡んでくる。一方、鷹匠のネイトは、アリゾナ州ナンバーの車に乗ったガン・ケースを持つ男女を目撃し、不穏な予感を抱くが……。ジョー・ピケットVS.冷酷非情な暗殺者チーム! 大人気冒険サスペンス・シリーズ待望の最新作。/解説=吉野仁 -
暴風雪
猟区管理官ジョー・ピケットは、アレン州知事からある事件の捜査を命じられる。昨年7月に、英国大手広告会社社長の女性が、サラトガ地区で失踪した。彼女はジョーの娘シェリダンが働く高級リゾート牧場に滞在後、空港へ向かう途中に忽然と姿を消していた。行方を探るためにジョーが現地へ赴くと、盟友の鷹匠ネイトが現れる。彼はジョーに、タカ狩りに関する問題の解決に協力してほしい、その代わりジョーの調査を手伝うと言う。サラトガ担当猟区管理官の謎めいた離職も絡んで、事態は予想外の展開に……。大人気冒険サスペンス・シリーズ新作!/解説=若林踏 -
ボニーとクライドにはなれないけれど
コンビニ店員のルイーズは、学費のためにその店へ強盗に入った青年デルと恋に落ちた。ふたりはトレーラーハウスで暮らしていたが、デルの学位取得をきっかけに、デルの姉の仕事を手伝うという犯罪とは無縁の人生を始めることにする。だが旅に出たふたりには次々に事件が降りかかり、そのたびにあらたな土地へ向かう羽目に……。窃盗を疑われたり、ワイン泥棒に加担したり、結婚式を挙げようとした教会では強盗の人質にされてしまう。はたしてデルとルイーズは安住の地を見つけられるのか? チャーミングな恋人たちを描く連作ミステリ短編集。/【収録作】ルームミラー/手数料/来歴/女王さまのパーティ/極寒/ウェディングベル・ブルース -
〈刑事トム・バビロン〉シリーズ
2019年2月。ベルリン国際映画祭の開会式場に悲鳴が響き渡った。オープニングで、女性が殺害される瞬間を撮った予定外の映像が上映されたのだ。金髪の女性が何者かに襲われ、大きな釘で心臓をひと突きされていた。しかも、彼女は市長の娘で女優の卵だと判明。映像はあまりにもリアルで、目出し帽の人物が上映を強要したという。トム・バビロン刑事は捜査を始めるが、相棒の臨床心理士のジータは、映像内の壁に残されていた「19」に自分との共通点を見つけて戦慄する。そして新たな惨劇が!『17の鍵』につづく、疾走感抜群のシリーズ第2弾。/解説=吉野仁 -
銀行強盗にあって妻が縮んでしまった事件/奇妙という名の五人兄妹
妻が奇妙な強盗事件に遭遇した。犯人はお金に興味を示さず、居合わせた人々から「もっとも思い入れのあるもの」を奪っていったという。以来、なぜだか妻の身長は縮んでいき……(『銀行強盗にあって妻が縮んでしまった事件』)。祖母の授けた不思議な〈力〉に悩まされてきた五人兄妹。ある日、祖母から〈力〉を消してやると告げられた三女は、ひと癖もふた癖もある兄妹たちを集めるために奔走する(『奇妙という名の五人兄妹』)。――おかしな運命が照らし出す、夫婦の、兄妹の、家族のつながり。カウフマンの輝きに満ちた小説世界を2冊合本で贈る。/解説=牧眞司 -
リトル・グリーンメン 〈MJ-12〉の策謀
ジョン・O・バニオン、大統領をも番組に呼べる、超売れっ子のテレビ・パーソナリティ。このプリンストン出の秀才は、首都ワシントンの最高レベルのセレブたちの人気者だ。ネイサン・スクラブスもワシントンの住人だったが、彼は古いビルの奥にあるオフィスにひとり、各地で主婦がUFOに拉致され暴行されたという報が入るのを待つばかり。007を夢見ていたのに、〈MJ=12〉なる怪しい機関に回されたのだ。やけになった彼の、華々しい活躍ぶりが癇に障るバニオンを拉致してやろうという思いつきがすべての始まりだった。抱腹絶倒の大陰謀小説! -
危険な男
ジョー・パイク、海兵隊あがりの元警官で、現在はロスで私立探偵を営んでいる。銀行の帰りに窓口で応対してくれた女性イザベルが拉致される現場を目撃、見過ごすことはできず、追跡して彼女を救い出す。二人組の犯人を警察に引き渡し、一件落着と安心したのも束の間、なんと二人組は保釈されてしまった。それを知ったイザベルは、犯人が再び自分を狙うのではと恐れ、パイクの電話にメッセージを残すも失踪する。だが、二人組は保釈直後に何者かに殺されていた。パイクは相棒コールの助けを借り、イザベルの行方を追うが……。実力派の著者最新作。/解説=若林踏 -
ロンドン、ドッグパーク探偵団
ルイーズは愛犬のミニチュア・ダックスフンドのクラウスを連れて友人といつもの公園を散歩中、よりによって人間の死体を見つけてしまう。すぐに警察に通報して事態は彼女の手を離れた……はずだった。ところが死んでいた男性は、かつての犬の散歩仲間で、彼の犬が亡くなってからは疎遠になってしまっていた人物と判明。良心のとがめも手伝って、ルイーズはドッグランの仲間と一緒に彼の死の真相を探りはじめるが……。犬飼いあるある満載。イースト・ロンドンを舞台に、愛すべき犬たちとその飼い主が大活躍のコージーミステリ・シリーズ開幕。 -
孤独な夜
クリスマス間近のノース・ヨークシャー。郊外に停められていた車の中で、女性の刺殺体が発見された。事件前、アナ・カーターはその車に男が乗り込むところを目撃していた。ただ、勇気がなく、そのまま通り過ぎてしまったのだった。アナはパートナー仲介エージェントの料理講座担当者で、殺された女性は講座の参加者だった。ケイト・リンヴィル巡査部長も実はこの講座に登録したばかりだった。同じ頃、老婦人が自宅で死亡し介護士の女性が姿を消すという事件が起きていた。ケイトは着任したばかりの女性警部補パメラの下、事件に取り組むことに……。 -
黄昏の銃声
猟区管理官ジョー・ピケットは、ガイドがグリズリーに襲われた山中へ向かっていた。しかし現場到着の前に、すぐ戻れという連絡が入る。ヒューイット判事が自宅で何者かに狙撃されたのだ。だが弾は妻のスーに当たり、彼女は瀕死の重傷を負ってしまった。判事は自分が有罪を宣告した者の中に犯人がいるはずだと断定し、ジョーを含む法執行官たちに捜査を命じる。ジョーは射撃のプロである盟友、鷹匠のネイトに協力を仰ぐが、ネイト自身と彼の家族にも予想外の窮地が待ち受けていた……。『群狼』に続く、大人気冒険サスペンス・シリーズ!/解説=霜月蒼 -
対立
昔ながらの製法を愚直に守って美味しいパンを作るパン屋の店主が撃たれて死んだ。通報を受け急行したロヤコーノ警部たちだが、思わぬ横槍がはいる。検察庁マフィア対策班が介入してきたのだ。この件は地元マフィアに極めて不利な証人である店主の口封じが目的だと決めつけてかかる彼らとは反対に、ロヤコーノは現場の状況からマフィアの犯行ではないと推理する。ピラース検事補の尽力もあり、P分署は独自の捜査を進められることになったが、失敗すれば署の廃止は避けられない……ドラマも話題の人気警察小説、21世紀の〈87分署〉シリーズ!/解説=古山裕樹 -
九年目の魔法
ため息をつき、本をベッドに伏せる。前に読んだはずだけど、こんな題名だったろうか? 壁にかかった写真の額を見上げる。これもこんな写真じゃなかったはず。この九年間で本当にあったことと、今おぼえていることが喰い違っている。まるで過去が変えられてしまったかのよう。大学生のポーリィは、十歳のころの思い出をたぐり寄せた。そうだ、近くの屋敷でお葬式が! そこで、あの人、リンさんと出会って、ずっと歳上の男の人なのに仲良しになって、それから……それから、とても恐ろしい何かが起こりはじめた……失われた時を求める少女の、愛と成長と闘いをつづる現代魔法譚!/解説=三村美衣 -
夜明けまでに誰かが
高校生のレッドは、キャンピングカーで友人3人、お目付け役の大学生2人と春休みの旅行に出かけていた。だが人里離れた場所で車がパンク。携帯の電波は届かない。そして何者かに狙撃され、残りのタイヤと燃料タンクを撃ち抜かれてしまう。午前零時、サイドミラーにかけられたトランシーバーで、狙撃者から連絡が。その人物は6人のうちのひとりが秘密をかかえている、命が惜しければそれを明かせと要求してきた。制限時間は夜明けまで。閉ざされた空間で展開される極限の探り合いと謎解き。『自由研究には向かない殺人』の著者の新たな傑作!/解説=大矢博子 -
クリスティ書店の事件簿
美しい雪山の書店、ブック・シャレー。故郷に帰ってきたエリーは、姉のメグと看板猫のアガサとともに、ミステリ好きの集うこの書店を切り盛りしている。ある日、山腹と麓をつなぐゴンドラの中で男の刺殺体が発見された。男は死の直前に書店を訪れ、アガサ・クリスティ『春にして君を離れ』のサイン入り初版本と、不可解なメモ書きを残していた。時を同じくして、店からは従業員の女性が姿を消す。ふたつの事件には関係が? エリーとメグは、ミステリ好きたちの知恵を借りて推理を働かせることに――謎と雪が降り積もる書店が舞台の新シリーズ! -
ほんとうの名前は教えない
生きるために、他人になりすまして“仕事”をしてきた“わたし”。今回はボスから、エヴィという女の経歴を使い、ルイジアナ州の小さな町に住む男ライアンの裏稼業について調べろと指令を受けた。偶然を装ってライアンと出逢い、同棲にこぎつけ、順調に調査をつづけていたある日、状況が一変。パーティで紹介された女性が、自分そっくりの外見で、自分の本名を名乗り、自分自身が経験した出来事を語ってきたのだ。“わたし”になりすましている彼女は何者なのか? 目的は? 〈ニューヨーク・タイムズ〉ベストセラー第1位の大型サスペンス!/解説=若林踏 -
終着点
ロンドンの集合住宅に住む女性モリーのもとへ、娘のように親しくするエラから電話がかかってくる。駆けつけると、エラのそばには死体が転がっていた。見知らぬ男に襲われ、身を守るために殺してしまったのだという。警察の介入を望まず、死体を隠すふたり。しかしその後、モリーは複数の矛盾点からエラの「正当防衛」に疑問を抱く……冒頭で事件が描かれたのち、過去へ遡る章と未来へ進む章が交互に置かれ、物語はたくらみに満ちた「始まり」と、すべてが暴かれる「終わり」に向けて疾走する。英国ミステリ界の俊英が放つ、衝撃と慟哭の傑作。/解説=三橋曉 -
女彫刻家
オリーヴ・マーティン――六年前、母親と妹を切り刻み、それをまた人間の形に並べて、台所の床に血みどろの抽象画を描いた女。嫌悪と畏怖をこめて彫刻家と呼ばれるこの無期懲役囚について一冊書け、と版元に命じられたライターのロズは、覚悟を決めて取材にかかる。まずはオリーヴとの面会。並はずれた威圧感に震え上がったが、相手は意外にも理性の閃きをのぞかせた。かすかな違和感は、微妙な齟齬の発見をへて、大きな疑問に逢着する……本当にオリーヴがやったのか? 謎解きの興趣に恐怖をひとたらし。その絶妙な匙加減が、内外で絶賛を博した、ミステリの新女王の出世作。MWA最優秀長編賞に輝く、戦慄の第二長編!/解説=野崎六助 -
飛蝗の農場
ヨークシャーの荒れ野で農場を営むキャロルのところに、謎めいた男が転がりこんできた。嵐の夜、雨宿りの場所を請う男を警戒してことわる一幕を経て、不幸な経緯から、キャロルはショットガンで男に怪我を負わせる。看護の心得のある彼女は応急処置をほどこし、回復までの宿を提供することにしたが、意識を取りもどした男は、過去の記憶がないと言う。何もかもが見かけどおりでないかもしれない。そんな奇妙な不安のもとに始まる共同生活――背後で繰りひろげられる異様な逃避行! 幻惑的な冒頭から忘れがたい結末まで、圧倒的な筆力で紡がれる悪夢と戦慄の物語。驚嘆のデビュー長編。/解説=三橋曉 -
〈フィンレイ・ドノヴァン〉シリーズ
何者かが、オンラインの掲示板に、元夫スティーヴンの殺害依頼を投稿した!?――作家のフィンレイは、子育てに奮闘しつつ、遅れている原稿の執筆に取り組んでいた。だがスティーヴンの件が気になって仕事が手につかない。オンライン掲示板を眺めていると、あるアカウントの人物が、依頼に食いつこうとしているのを発見する。どうやらプロの殺人請負人らしい。フィンレイはベビーシッターで同居人のヴェロと一緒に、元夫が殺害されるのを阻止しようと奔走するが……。どこに連れていかれるかわからない、極上のジェットコースター・サスペンス!/解説=若林踏 -
炎の爪痕
ヘレナ・フレミングは憂鬱だった。家族で引っ越してきたシェトランド本島の家の納屋で、まえの持ち主が首吊り自殺を遂げて以来、何者かが敷地に侵入し、謎めいた紙片をあちこちに残していくのだ。たまりかねてジミー・ペレス警部を訪れ相談をした翌日、同じ納屋で今度は女性の首吊り死体が発見される。彼女は島の旧家モンクリーフ一家の子守りだった。ふたつの死に関連はあるのか? ペレスは上司のウィローや部下のサンディとともに捜査に当たる……CWA最優秀長編賞受賞作『大鴉の啼く冬』から始まったペレス警部シリーズ、感慨無量の最終巻。/解説=古山祐樹 -
彼岸の花嫁
リーランは、富豪のリン家が彼女を亡き息子の花嫁に望んでいると父に言われる。年ごろの娘にとって幽霊の花嫁(ゴーストブライド)なんてあんまりな話だ。おまけに数日後リン家に招待された彼女は、そこで当主の甥である青年と恋に落ちる。彼が結婚相手ならよかったのに。やがてリーランは毎晩夢の中で、リン家の亡き息子に結婚を迫られるようになる。恐ろしさから病の床についた彼女だったが、霊媒からもらった薬のせいで幽体離脱してしまう。生霊となったリーランはどうにかして幽霊との結婚から逃れようとするが……。死者と生者の世界が交錯する幻想的な恋物語。 -
半鐘の怪
明治中期の東京。元・岡っ引きの半七老人が若き日に遭遇した事件を新聞記者に語って聞かせる時、江戸の捕物が鮮やかに蘇る! 毎晩、旗本の家に現れるびしょ濡れの女の幽霊の正体を暴く「お文の魂」。素人芝居の最中、舞台用の刀が本物の刀とすり替えられ、若旦那が死んだ事件の真相を探る「勘平の死」。火事でもないのに何度も半鐘を鳴らすなど、人々を不安がらせる悪戯を続ける犯人を突きとめる「半鐘の怪」など18編。〈シャーロック・ホームズ〉シリーズの影響を受けて誕生し、全ての捕物帳の原点となったシリーズからよりすぐった傑作選、降臨。/【目次】お文の魂/勘平の死/お化師匠/半鐘の怪/奥女中/朝顔屋敷/猫騒動/鷹のゆくえ/津の国屋/向島の寮/蝶合戦/筆屋の娘/あま酒売/冬の金魚/三つの声/かむろ蛇/幽霊の観世物/二人女房/編者解説=末國善己 -
自由研究には向かない殺人
高校生のピップは自由研究で、5年前に自分の住む町で起きた17歳の少女の失踪事件を調べている。交際相手の少年が彼女を殺害し、自殺したとされていた。その少年と親しかったピップは、彼が犯人だとは信じられず、無実を証明するために、自由研究を口実に警察や新聞記者、関係者たちにインタビューをはじめる。ところが、身近な人物が次々と容疑者として浮かんできてしまい……。予想外の事実にもひるまず、事件の謎を追うピップがたどりついた驚愕の真相とは。ひたむきな主人公の姿が胸を打つ、英米で大ベストセラーとなった謎解きミステリ!/解説=若林踏 -
地の告発
かつて『大鴉の啼く冬』の事件で重要な役割をはたしたマグナス老人が病死した。ペレス警部たちが参列したささやかな葬儀の最中、墓地や近くの農場が巻きこまれる大きな地滑りが発生。被害状況を確認すると、土砂が直撃した空き家から身元不明の女性の遺体が見つかる。ところが検死の結果、女性は地滑りの起きる前に死んでおり、しかもその死は他殺と判明。ペレス警部は被害者の身元割り出しを急ぐが、思わぬ事実が明らかに……。シェトランド諸島を舞台に英国現代本格ミステリの進化と深化を実証しつづける名シリーズの、新たなマイルストーン。/解説=吉野 仁 -
菖蒲狂い
柳橋の船宿に居候する、“若さま”と呼ばれる謎の侍がいた。姓名も身分も一切不明だが、事件の話を聞いただけで真相を言い当てる名探偵でもあった。扇に秘められた暗号の謎を解く「舞扇の謎」。菖蒲作りの名人の娘が殺され、些細な手がかりから犯人の異様な動機に辿り着く「菖蒲狂い」。祭りで同じ酒を飲んだ4人のうちひとりが毒殺された。犯人がどのように毒を仕込んだのかを暴く「面妖殺し」など、250編近い短編から厳選した25編を収録。「五大捕物帳」の一つにして、〈隅の老人〉に連なる、伝説の安楽椅子探偵シリーズの決定版、登場!/【収録作】「舞扇の謎」/「かすみ八卦」/「曲輪奇談」/「亡者殺し」/「心中歌さばき」/「尻取り経文」/「十六剣通し」/「からくり蝋燭」/「菖蒲狂い」/「二本傘の秘密」/「金の実る木」/「あやふや人形」/「さくら船」/「お色検校」/「雪見酒」/「花見船」/「天狗矢ごろし」/「下手人作り」/「勘兵衛参上」/「命の恋」/「女狐ごろし」/「無筆の恋文」/「生首人形」/「友二郎幽霊」/「面妖殺し」/編者解説=末國善己 -
カメレオンの影
アクランド英国軍中尉は、派遣先のイラクで爆弾によって頭部と顔面に重傷を負い、片目を喪失する。昏睡から目覚めた彼は他人にふれられると暴力的になり、極端な女性嫌悪を示して看護師や精神科医を戸惑わせていた。退院後、除隊した彼はロンドンに住むが、暴力事件を起こしたことがきっかけで警察に拘束されてしまう。近隣では、軍歴のある一人暮らしの男性ばかりが自宅で殴殺されるという事件が続発しており、警察の捜す犯人像に合致しているアクランドは尋問されるが……。〈現代英国ミステリの女王〉が巧みな心理描写で紡ぐ傑作サスペンス。/解説=三橋曉 -
大忙しの蜜月旅行
とうとう結婚へと至ったピーター・ウィムジイ卿と探偵小説作家のハリエット。披露宴会場から首尾よく新聞記者たちを撒いて、従僕のバンターと三人で向かった蜜月旅行(ハネムーン)先は、〈トールボーイズ〉という古い農家。ハリエットが近くで子供時代を送ったこの家を買い取っており、ハネムーンをすごせるようにしたのだ。しかし着いてみると、家は真っ暗で鍵がかかっており、待っているはずの前の所有者は見当たらず。訝りながらも滞在していると、地下室で死体が発見されて……。シリーズ最後の長編が創元推理文庫についに登場! 後日譚の短編も収録。/解説=三橋曉 -
おめざめですか、アイリーン
1888年夏。鉄道事故で“死亡”したオペラ歌手アイリーン・アドラーは、夫のゴドフリーと親友ネルの三人で、パリ郊外の村で静かに暮らしていた。だが、持ち前の好奇心が、ふたたび彼女を冒険と推理の旅へといざなう。セーヌ川から引き上げられた男の死体にあった謎の入れ墨、ゴドフリーが命を救った若い女性ルイーズの“死”……アイリーンたちはこれらの真相を追い、モンテカルロへと赴く。かの地で待つのは、さらなる事件と謎、そして同じく事件解決に乗り出した名探偵ホームズとの再会……稀代のヒロインによるヴィクトリア朝ミステリ第2弾。/解説=池澤春菜 -
白い雌ライオン
春の祭典を目前にしたスウェーデンの田舎町で、不動産業者の女性が行方不明になった。良き妻、幸せな母、教会の熱心な信徒がなぜ? 失踪か、それとも事件か、事故か。ヴァランダー警部らは彼女の足取りを追い、最後に向かった売家へ急いだ。ところがその近くで謎の空き家が爆発炎上、焼け跡から発見されたのは、黒人の指と南アフリカ製の銃、ロシア製の通信装置だった。二つの不可解な事件の関連は? スウェーデンとロシア、そして南アフリカを結ぶ糸は? EU各国で爆発的な人気を誇るベストセラー作家の、CWAゴールドダガー受賞シリーズ。/解説=吉野仁 -
クリムゾン・リバー
山間の大学町周辺で次々に発見される惨殺死体。拷問され、両眼をえぐられ、あるいは両手を切断され……。別の町でその頃、謎の墓荒らしがあった。前後して小学校に入った賊は何を盗み出したのか? まるで無関係に見える二つの町の事件を担当するのが、司法警察の花形と、自動車泥棒で学費を稼ぎ警察学校を出た裏街道に精通する若き警部。なぜ大学関係者が不可解な殺人事件に巻き込まれたのか? 埋葬されていた少年はなぜ死んでからも何者かに追われているのか? 「我らは緋色の川(クリムゾン・リバー)を制す」というメッセージの意味は? 二人の捜査がすべての謎をひとつに結び合わせる。フランス・ミステリの概念を変えた記念碑的傑作!/解説=吉野 仁 -
哲学者の密室
三つの事件を経て、矢吹駆に対する自分の感情を持て余していたナディア。そこに起こった新たな事件は、頭部を殴打され、背中に刺傷を負った死体が、誰も入ることのできぬはずの三重密室の中で発見される、という衝撃的なものであった。さらに、その謎を追う彼女の前に、第二次大戦中、コフカ収容所で起こった密室殺人事件が浮かび上がってくる。二つの事件の思想的背景には、二十世紀最大の哲学者のある謎が存在した。ナディアに請われ、得意の本質直観による推理で事件に立ち向かう矢吹駆の前には宿敵イリイチの影が……!? 現代本格探偵小説を生み出した大量死の謎をも解き明かす、シリーズ最高傑作の呼び声高い第4作。/解説=田中博 -
忘却のパズル
かつて整形外科医だったジェニファーは、現在アルツハイマー病を患っている。そんな彼女に殺人容疑がかけられてしまう。殺されたのはジェニファーの親友である女性で、なぜか死体の右手は4本の指が切断されていた。手を専門としていたジェニファーは重要参考人として事情聴取を受けるが、病気のせいで記憶が曖昧になっており、体調次第では親友のことさえ思い出せない。彼女の記憶や独白、ノートの文章、介護人や子供たちの伝言など、パズルのピースのように断片的な記述が描き出す驚愕の真相とは。記憶を失っていく語り手が紡ぐ衝撃のミステリ!/解説=吉野仁