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Posted by ブクログ
シリーズをこんなにも一気読みしたのは久しぶりで、最後まで映画を観ているような感覚で楽しめました。みんな無茶をするのでハラハラしてばかり。でもそこが良い(エンタメ大好き)
首謀者に関してはやっぱりお前か!になってしまったものの、今回もそこへ辿り着くまでにたっぷりワクワクしました。特にビリーの教育を存分に活かして、ビリーと対決したシーン。やっぱりジャズは「人」でいたいんだな…
3作目は、大人たちの存在感がgood。ヒューズ捜査官、G・ウィリアム、そしてコニーのお父さん。ジャズの緊張状態が続いている分、大人たちの選択、冷静さが絶妙に入ってくる。彼らの存在はこれからもジャズの支えになるんだろう。ジャズの人生は続くのだから。
ハウイーが想像した「田舎に隠棲して時々地元の事件を解決しているジャズ」も見てみたいけど、できるならビリーの青年期の物語を読んでみたいです。
Posted by ブクログ
ぶっちゃけ黒幕の正体は読めなかった。
中盤以降(看護師が登場するとこ)で漸く「ん??もしかして……」となるけど、ジャズを襲う試練は想像以上に過酷で残酷。なのでビリーとの直接対決からの怒涛の展開は、作中の言葉を借りるとアドレナリンでっぱなしで大興奮。
裏切られ続けたジャズの心情を思うと痛々しいですが、そんな彼を心から愛し案じ続けたコニ―と、剽軽な軽口を絶やさず支え続けたハウイー、思慮深く分別ある周囲の大人たちの存在が救い。
一巻は田舎町ロボズノットが舞台の青春ミステリ、二巻はNY舞台のサスペンスだが、最終巻でまた青春ミステリの様相が濃くなった。
父親が全米1のシリアルキラーであり、殺人の英才教育を施されたという生い立ち自体は他に類を見ない特殊さだが、「父親を乗り越える息子の物語」だと思えば、少年の成長ものとしては普遍的なテーマである。
だがこの話は単純にビリーを悪者にして終わらない。
ジャズが見る二つの夢が根底で繋がっているとわかった時はぞくぞくした。
みにくいJの「みにくい」はなるほどそういう意味も含んでたのね!と、真相を知った後ならすとんと腑に落ちる。
それにしてもこんなにイカレた黒幕は久しぶり……。
物語の黒幕として登場する狂気的な人物は、数多のフィクションで腐るほど見てきたが、終盤ジャズと対峙した黒幕が語る内容とその思考回路は本当にグロテスク。
「ジャズの人生にはビリーしかいなかったわけじゃない。ほかにもいろんな人がいて、いろんなものがあった。テレビも映画も、本も。ほかの子も、ほかの家族も。学校も。たくさんの見本があったし、お手本もたくさんいた。史上最高にお馬鹿な白人少年と、地球一セクシーなガールフレンドもね」
コニ―のこの言葉と、ジャズが「共通する部分以上に、それぞれ違ってる部分が大事だ」と語るくだりには涙ぐんでしまった……。
育った環境が人を作る。
だが環境以上に人を作るのは、人の心だ。
ジャズの生い立ちは過酷だし、親に与えられたトラウマは一生涯消えないだろうが、タナ―やコニ―、ハウイーなど、彼のことを心底案じ、手をさしのべてくれる他者に恵まれているので未来は明るい。
ラストシーンはグッドエンディングかバッドエンディングか賛否両論分かれる。
それは読んだ人がそれぞれ判断すればいいことだが、私はよい終わり方だと思った(完全なハッピーエンドとは言いにくい蛾……)
ジャズはあの人が死ぬその日まで、殺す選択はしないのだろうと確信した。
できることとすることは別である。
ましてや人が物じゃない、人は大事だと知ったジャズにとって、できることとしたいことには大いなる隔たりがある。
そしてもしジャズ自身が人は大事だと思えなくとも、ジャズを大事と、ジャスが大事だと思い続ける人々が近くにいる限り、彼は父親の二の舞にならないはずだ。
それに殺そうと思い続けるだけでシリアルキラーと同じと断定するなら、私達もシリアルキラー予備軍なのでは?
ムカツク上司にうざい同僚や同級生、うるさい家族……私達の周囲にいる、大事だと思いたくても、そう思いにくい人たち。よっぽどの聖人を除いて一度もヒトを殺したいと思った事がない者は稀だし、「いつでも殺せるんだから今日は殺さないでおこう」と自分を宥めてやり過ごす普通の人たちが、世の中なんて多いことか。
そして彼らは間違ってもビリーのような狂人でも異常者でもない。
ジャズが愛おしく踏ん張り続ける、こちら側の人間である。その大前提を忘れ、ジャズの葛藤を切り捨てた時に、私たちは本当のソシオパスに堕ちてしまうのではないか?
余談だが、タイトルは現代の方が良かった。
現在のタイトルも哀愁漂うし悪くはないのだが、原題(「血の血」)のインパクトが強すぎた。
黒幕がクライマックスで放つせりふだが、この一言にシリーズ通してのテーマ「逃れ得ぬ宿業」が集約されていて、非常に印象深い。
Posted by ブクログ
いやー面白かった!全三部作、途中でダレることもなく(主人公のガールフレンドと親友が自分勝手に動いてアレコレしちゃってたときはバカ!!と思ってたけど) きちんと、ほぼ全てに落とし前をつけてくれたところも良かった。
YA向けとは思えない濃密でかなり凄惨な描写もある作品だけど、その陰にはいつでも他者への思いやりや気配りが張り巡らされている。
主人公の親友の、ハウイーっぽく言うなら「一生かけても分かり合えない人間と、分かり合う必要はないよ、でも共存もできるし、もちろん殺さないことも出来るし、愛し合うことも出来る」てことなんだろうな。
良作です。
Posted by ブクログ
前作「殺人者たちの王」のラストで、三者三様の危機に陥ったジャズ、コニー、ハウイーの3人。
当然ながら、その危機が続いたままの状況から幕を開け、どうなるのか固唾を飲みつつページをめくる手が最後まで止まることはありませんでした。
本作では、ビリーを倒すために、ジャズが吹っ切れたかのように自分の持てるあらゆるスキル(彼が忌み嫌っていたシリアルキラーとしてのものも多分に含まれます)を駆使して、ビリーの行方を追います。
その変貌と逃走(あるいは追跡というべきか)の手口は、彼女のコニーや親友のハウイーを悲しませ戸惑わせるばかりでなく、読者である僕たちにも時には真剣に嫌悪感を抱かせるほどのものです。
三部作の中で、最もタフで残虐で、あらゆる面において残酷な様相を呈する本作、ジャスパーは何者になってしまうのか常にハラハラしっぱなし。
読み出したら止まらない覚悟を固めてお読みください。
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