ー バスの中に子供たちが密集している。これは本当はかなり異常な事態なのではないだろうか。人間も生物である以上、他者の入り得ぬ領域、テリトリーを持っている筈である。その不可侵領域を最初から子供たちは奪われている。
満員電車や混雑したバスで通学し、教室は鮨詰め状態、机ほどのスペースの確保もままならない
...続きを読む。家でも同じだ。家族から侵食される。彼らには居場所がない。《場所》を確保できないのだ。
しかし人は場所の中にしか存在できない。その時、現実に求められない場所を彼らはどこに求めているのだろう。 ー
飛鳥部勝則の作品は本当に面白い。
ミステリーの中に自分の絵画を使う稀有な作家。
何でこんなに面白いのに、絶版のまま放って置かれるのだろう?
他の作品も読みたいのに、絶版の為にネットの中古では1万円超えして中々手に入らない。時間あるときに神保町で宝探ししたいなぁ〜。