飛鳥部勝則のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
コレクターとしても知られる元TVプロデューサーの清水大五郎の豪邸で開かれた降霊会。そこに霊媒師として呼ばれたのは、テレビの心霊番組などで話題になっている波紋京介で、家主の清水などは幽霊に否定的に懐疑的な考えを持っていて、彼のインチキを暴こうとするが、彼が語り出したのは、遠くにいる他者を思念で殺せる、というものだった。そしてその宣言通り、その降霊会で名の挙がった人物が死体として発見される――。
異様な現場と異様な死体、解決の糸口すら掴める様子もなく、物語は後半まで進んでいって、本当に超常現象抜きで決着が付くのかな、と解決篇を読むと、確かに大風呂敷は畳まれていました。ただすっきりと綺麗な結末 -
Posted by ブクログ
ー バスの中に子供たちが密集している。これは本当はかなり異常な事態なのではないだろうか。人間も生物である以上、他者の入り得ぬ領域、テリトリーを持っている筈である。その不可侵領域を最初から子供たちは奪われている。
満員電車や混雑したバスで通学し、教室は鮨詰め状態、机ほどのスペースの確保もままならない。家でも同じだ。家族から侵食される。彼らには居場所がない。《場所》を確保できないのだ。
しかし人は場所の中にしか存在できない。その時、現実に求められない場所を彼らはどこに求めているのだろう。 ー
飛鳥部勝則の作品は本当に面白い。
ミステリーの中に自分の絵画を使う稀有な作家。
何でこんなに面白いの -
Posted by ブクログ
あとがきを読む限りなかなかの経緯をもっての文庫化だったようで。興味深い。
雪山の山荘というクローズドサークルでの連続殺人というまあ王道というかベタというかな本作ですが、プロローグにある「異形の怪物」が話にどう絡んでくるのか・・・ていうか思わせぶりなセリフは多いけど、最後の最後までその辺の話がとにかくでてこない。いやそれだけじゃなくてとにかく「過去になにかあったような」感じのにおわせな伏線がやたら出てくる割にこっちも最後まで回収されない。思わせぶりな伏線めいたものもあんまりたくさんだと逆にもう気にならなくってきてしまう。もうちょっと小出しにしてくれてたほうが話に引き込まれるんだけど。。。