飛鳥部勝則のレビュー一覧

  • レオナルドの沈黙

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     コレクターとしても知られる元TVプロデューサーの清水大五郎の豪邸で開かれた降霊会。そこに霊媒師として呼ばれたのは、テレビの心霊番組などで話題になっている波紋京介で、家主の清水などは幽霊に否定的に懐疑的な考えを持っていて、彼のインチキを暴こうとするが、彼が語り出したのは、遠くにいる他者を思念で殺せる、というものだった。そしてその宣言通り、その降霊会で名の挙がった人物が死体として発見される――。

     異様な現場と異様な死体、解決の糸口すら掴める様子もなく、物語は後半まで進んでいって、本当に超常現象抜きで決着が付くのかな、と解決篇を読むと、確かに大風呂敷は畳まれていました。ただすっきりと綺麗な結末

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    2025年10月23日
  • ラミア虐殺

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     ある女性から依頼を受ける探偵、吹雪の山荘、クローズドサークルという本格ミステリーを思わせる導入から想像がつかない展開の連続と外連味マシマシながらも魅力的な世界観に思わず没頭し、明かされる『怪物』の正体と予測不可能なラストに打ちのめされた。

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    2025年04月30日
  • バベル消滅

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    厨二病っぽい雰囲気があるので、我に返らないうちに一気に読んでしまうのがコツ。でもやっぱり飛鳥部さんの本、好きだわ。復刊ありがとうございました。

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    2024年08月20日
  • バベル消滅

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    ー バスの中に子供たちが密集している。これは本当はかなり異常な事態なのではないだろうか。人間も生物である以上、他者の入り得ぬ領域、テリトリーを持っている筈である。その不可侵領域を最初から子供たちは奪われている。

    満員電車や混雑したバスで通学し、教室は鮨詰め状態、机ほどのスペースの確保もままならない。家でも同じだ。家族から侵食される。彼らには居場所がない。《場所》を確保できないのだ。

    しかし人は場所の中にしか存在できない。その時、現実に求められない場所を彼らはどこに求めているのだろう。 ー

    飛鳥部勝則の作品は本当に面白い。
    ミステリーの中に自分の絵画を使う稀有な作家。
    何でこんなに面白いの

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    2019年03月09日
  • レオナルドの沈黙

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    ネタバレ

    降霊会で予言された2つの遠隔事件。果たしてサイコキネシスで2人は殺されたのか?

    結末を知ってしまえばなんでもないんだけど、してやられた感がすごかったのと、こうやって人は信じちゃうんだな、っていう。
    妹尾と影屋コンビは好き。

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    2025年10月19日
  • ラミア虐殺

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    なかなか手に入らなかった飛鳥部勝則作品!

    初めて読みましたが良かった!

    一筋縄にはいかないミステリーで、キャラクター造形も良く、とても約二十年前の作品だと思えなかった!

    ミステリーというよりジャンルは飛鳥部勝則。

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    2025年05月02日
  • ラミア虐殺

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    つい最近まで1万円前後で取引されていた絶版本
    「マジでやられたミステリーリスト」収集のラスボス

    まさか文庫本で復刊するとは思わなかった
    ありがとうございます!

    というわけで堕天使拷問刑に続けて飛鳥部勝則を手に取った
    やっぱ好きだわこの作家

    リスト作品を集めているときにタイトルと装丁から勝手にイメージしていたものと違って、内容も文章も馴染みやすい

    小さいトリックのいくつかは読んでいてピンときた
    メインのトリックは、まあ、やられました

    ラミア虐殺というか、全員虐殺なわけだけどw

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    2025年04月27日
  • 冬のスフィンクス

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    夢の中で起きる殺人事件を描いた幻想的なミステリー小説。
    真相はやや面白味を欠いたものではあるものの、結末は切なくも美しく、素晴らしかった。

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    2023年05月02日
  • バベル消滅

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    美術教師の殺人現場には、バベルの塔をモチーフにした自身の作品が置かれていた。さらに第2の事件現場にもバベルの塔が残されていて...。他の作品同様、閉鎖的で薄暗い雰囲気、謎多き少女、この辺りを描かせたら右に出るものはいないだろう。彼女の残したメッセージもベタではあるが良い。ただ、仕掛けに二番煎じ感は否めない。

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    2019年10月15日
  • バベル消滅

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    えーっと、「濡れた心」読んだら読みたくなって、読み返し。
    やっぱこの人の描く、賢い少年は好きかもしれない。
    おじさんと少女でいうと、この話が一番好きです。

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    2015年08月19日
  • ラミア虐殺

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    UMAが冒頭に出て、その後雪山山荘ミステリーのフォーマットで話は進み、登場人物の謎の風呂敷が広がっていきラストでそれらが収束する。ただ読みながら感じていた通りの展開が多く謎が膨らむ中盤に比べラストが尻窄みに感じてしまった。
    不思議な世界観のミステリーで楽しめました。

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    2025年11月18日
  • ラミア虐殺

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    あとがきを読む限りなかなかの経緯をもっての文庫化だったようで。興味深い。

    雪山の山荘というクローズドサークルでの連続殺人というまあ王道というかベタというかな本作ですが、プロローグにある「異形の怪物」が話にどう絡んでくるのか・・・ていうか思わせぶりなセリフは多いけど、最後の最後までその辺の話がとにかくでてこない。いやそれだけじゃなくてとにかく「過去になにかあったような」感じのにおわせな伏線がやたら出てくる割にこっちも最後まで回収されない。思わせぶりな伏線めいたものもあんまりたくさんだと逆にもう気にならなくってきてしまう。もうちょっと小出しにしてくれてたほうが話に引き込まれるんだけど。。。

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    2025年06月10日
  • ラミア虐殺

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    ネタバレ

    この作品をどのジャンルに定めたら良いのか? 読み終えたいま考えている。
    大きな枠組みではミステリなのだろうが、最後まで読んだ今は日本版『ドクターモローの島』ともおもわずにはいられない。

    読ませてくれる作品だか、期待値が高かった為、読み終えて、なんとも言えない気分があるのは事実。

    変化球的な作品をお望みなら、本作を薦める。

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    2025年04月17日
  • バベル消滅

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    図像学ミステリ2作目。前作と比較するとちょっとゴチャついてトリックが分かりづらかった。
    作者の絵画も前作ほどは効果的に使われていなかったのが残念。

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    2024年10月23日
  • 砂漠の薔薇

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    ミステリ。
    何というか…飛鳥部さんらしい作品という他ない。
    とにかく登場人物が変な人ばかり。
    個人的にはそれだけで楽しめる。
    ミステリ的には…玄人向けでしょうか。

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    2021年12月19日
  • 冬のスフィンクス

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    『砂漠の薔薇』と一部登場人物はリンクしていますが、どちらを先に読んでも構わないでしょう。
    相変わらずの奇怪な登場人物たちと幻想的な舞台でずぶずぶと引きずりこまれてしまいます。
    夢の中での殺人ということで、いろいろと疑ってかかって読むと意外と真っ当な(?)ミステリで驚くかもしれません。
    解決自体も細かな伏線を張ってあり巧いものの案外あっさりしています。
    しかし、最後に明かされる夢の境界にはすっかり騙されてしまいました。

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    2014年12月06日
  • バベル消滅

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    うーん。
    この反則ギリギリの感じ…
    ってがギリアウトなんじゃねーかっていう…
    この話の流れでこのネタをぶっ放してくるなんて思わないって普通。

    事件自体は、島で起こる幾つもの殺人事件の各現場に残された『バベルの塔』というミッシングリンクを頼りに、事件の繋がりを探し真相に迫る。
    というミステリのど真ん中なんだけどね…
    結末は意見の割れるとこでしょう。

    こんなこと言ってても好きなんですよね。
    こーゆーの。

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    2014年11月26日
  • 冬のスフィンクス

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    ネタバレ

    詩的な文章が心地よい、美と狂気の幻想ミステリ。
    みずあめのようなねろねろ~っとした文体にのっけられ、現実と夢の世界を、気持ちよく行き来させられてしまう。
    一方では、切ない余韻の残る恋愛ミステリでもある。
    以下、ネタバレ。






    すべてが「自分でまいた種」というのは、感情の逃げ場がなくて悲しいものだ。
    「ピグマリオン」がハッピーエンドになれなかったとしたら、こんな感じかな。

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    2011年06月06日
  • 冬のスフィンクス

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    まず、個人的に乾いた感じの文章が読み辛かった。ストーリーはほぼ夢の中(しかも絵画の世界)で進行しているっていう設定で、変にリアリティが足りなくて入り込めなさそうな気がしたけど幾重にも重なる夢と現実のせめぎ合いにだんだん引き込まれていった感じ。あと、著名な絵画や心理学者が登場したりでちょっと読み進めにくいけど好きな人は絶対楽しい!全体的にすごい独特

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    2009年10月04日