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島の版画館で警備員として働く風見国彦は、毎日決まった時間に訪れるセーラー服の美少女に気づく。閉館までアントニスゾーンの版画『バベルの塔の崩壊』の前に立ちつくしている少女に、風見は興味を抱く。同じ頃、島では連続殺人事件が発生。殺人現場には必ず『バベルの塔』の絵が残されていた。事件の犯人は誰か、バベルに秘められたメッセージは何か、そして美少女との関係は? 自作の絵画と小説を融合させるという新しい試みで注目を集める作家の、ミステリ・マインド溢れる一作。
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Posted by ブクログ
厨二病っぽい雰囲気があるので、我に返らないうちに一気に読んでしまうのがコツ。でもやっぱり飛鳥部さんの本、好きだわ。復刊ありがとうございました。
ー バスの中に子供たちが密集している。これは本当はかなり異常な事態なのではないだろうか。人間も生物である以上、他者の入り得ぬ領域、テリトリーを持っている筈である。その不可侵領域を最初から子供たちは奪われている。 満員電車や混雑したバスで通学し、教室は鮨詰め状態、机ほどのスペースの確保もままならない...続きを読む。家でも同じだ。家族から侵食される。彼らには居場所がない。《場所》を確保できないのだ。 しかし人は場所の中にしか存在できない。その時、現実に求められない場所を彼らはどこに求めているのだろう。 ー 飛鳥部勝則の作品は本当に面白い。 ミステリーの中に自分の絵画を使う稀有な作家。 何でこんなに面白いのに、絶版のまま放って置かれるのだろう? 他の作品も読みたいのに、絶版の為にネットの中古では1万円超えして中々手に入らない。時間あるときに神保町で宝探ししたいなぁ〜。
美術教師の殺人現場には、バベルの塔をモチーフにした自身の作品が置かれていた。さらに第2の事件現場にもバベルの塔が残されていて...。他の作品同様、閉鎖的で薄暗い雰囲気、謎多き少女、この辺りを描かせたら右に出るものはいないだろう。彼女の残したメッセージもベタではあるが良い。ただ、仕掛けに二番煎じ感は否...続きを読むめない。
えーっと、「濡れた心」読んだら読みたくなって、読み返し。 やっぱこの人の描く、賢い少年は好きかもしれない。 おじさんと少女でいうと、この話が一番好きです。
図像学ミステリ2作目。前作と比較するとちょっとゴチャついてトリックが分かりづらかった。 作者の絵画も前作ほどは効果的に使われていなかったのが残念。
うーん。 この反則ギリギリの感じ… ってがギリアウトなんじゃねーかっていう… この話の流れでこのネタをぶっ放してくるなんて思わないって普通。 事件自体は、島で起こる幾つもの殺人事件の各現場に残された『バベルの塔』というミッシングリンクを頼りに、事件の繋がりを探し真相に迫る。 というミステリのど真ん...続きを読む中なんだけどね… 結末は意見の割れるとこでしょう。 こんなこと言ってても好きなんですよね。 こーゆーの。
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