ユーザーレビュー 偽りの書簡 R・リーバス / S・ホフマン / 宮崎真紀 新聞記者と言語学者の女性コンビが手紙や本から謎解きする過程を、じっくりじっくり楽しみました。人物設定がしっかりしていて、どの登場人物も魅力的。謎を解くにつれて窮地に追いやられていくところからの鮮やかな逆転劇がほんとに面白い!しかし、戦後まもないスペインが舞台という時代の閉塞感もあって、すっきり大団円...続きを読むといかないところがまた深い。ちょっと今の時代とリンクしているところもあってすんなり読めました。 Posted by ブクログ 偽りの書簡 R・リーバス / S・ホフマン / 宮崎真紀 ★3.5 東側ではないヨーロッパにあって、スペインがこれ程長きに渡り戦争と独裁政権下に身を置いていたとは知らなかった。それも1970年代までとは驚きだ。確かにスペイン内戦は聞いたことがあり、内戦時の悲劇を描いた『蝶の舌』も印象深い映画だった。 本作品は内戦後のスペインが舞台だが、言論統制が敷かれ、...続きを読む反体制派と見なされた人々は容赦なく粛清されるまったく自由のない社会。それゆえ、誰が敵で誰が味方なのか分からない状況が終盤まで続き、最後まで緊迫感が途切れることはなかった。個人的には編集長が味方で良かったが。 ヒロイン達はなかなか魅力的なキャラなのだが、あの社会情勢下で生きて行くのには、これからも様々な危機に直面し、葛藤し、足掻く日々であろうことは想像に難くない。特にベアトリス。シリーズ中に亡命できるといいのだが…。 Posted by ブクログ S・ホフマンのレビューをもっと見る