作品一覧
ユーザーレビュー
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Posted by ブクログ
最初から死体があるタイプのミステリー。主人公とおぼしき女性(エラ)が正当防衛で人を殺し、その親しい友だち(モリー)が呼び出され、死体隠匿を手伝うことになる(ここまで作品紹介にある内容)…そして、モリーには死体について、エラと死体について疑問が残る。
なので、何も悪くないのに死体隠匿を手伝ったことで共犯者になって死体が見つかることに神経をとがらせながら、疑問を抱えていくモリーもある意味主人公である。読み進むにつれてモリーの側についていった。
犯人は誰とかいう正統派ミステリーではないので、どういう心構えで読んでいけばいいのかわからず戸惑った。それが500ページ超えであるというのは気鬱でもあった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレロンドンの社会問題を背景に、社会運動家のモリーとエラが抱え込む殺人トラブル。
モリーの視点で進むストーリーに対して、エラの視点のストーリーはそもそもの「発端」に向けて過去へと遡る。
話が進む(遡る)につれて若き活動家と思われていたエラの謎めいた生活が徐々に明らかに…という異色の構造をもつ作品。
人間関係が複雑で、これ、誰だっけ?ということも多々ありながらも後半核心に迫ってくるあたりからは一気に読めた。
若くて少々浅はか、かつ小狡いエラと、自分の生きる意義であった活動に対して自分の体力、気力の衰えを自覚し、孤独と心細さに哀しむモリーの対比が何とも。
最後まで自分のことを与し易い相手と舐めてかかっ -
Posted by ブクログ
二人の視点で過去と未来を交互にえがく、死体を隠した二人の女性はどんな終わりを迎えるのか… #終着点
■あらすじ
エラは取り壊し予定が近づくマンションの一室で男の死体を発見した。友人のモリーがその部屋を訪れると、相談して死体をマンションのエレベーターシャフトに隠すことにした。死体はじきに見つかってしまうのだが、果たして彼女たちはどのような終着点を迎えるのだろうか…
■きっと読みたくなるレビュー
サスペンスフルでドエンタメな展開かと思いきや、思った以上にじっくり読ませる社会派小説。心情描写がきめ細やか表現されたミステリーで高品質な文芸作品でもあります。
本作でメインの謎は、死体で発見される男