エヴァ・ドーランの作品一覧

「エヴァ・ドーラン」の「終着点」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

作品一覧

  • 終着点
    3.8
    1巻1,500円 (税込)
    ロンドンの集合住宅に住む女性モリーのもとへ、娘のように親しくするエラから電話がかかってくる。駆けつけると、エラのそばには死体が転がっていた。見知らぬ男に襲われ、身を守るために殺してしまったのだという。警察の介入を望まず、死体を隠すふたり。しかしその後、モリーは複数の矛盾点からエラの「正当防衛」に疑問を抱く……冒頭で事件が描かれたのち、過去へ遡る章と未来へ進む章が交互に置かれ、物語はたくらみに満ちた「始まり」と、すべてが暴かれる「終わり」に向けて疾走する。英国ミステリ界の俊英が放つ、衝撃と慟哭の傑作。/解説=三橋曉

ユーザーレビュー

  • 終着点

    Posted by ブクログ

    最初から死体があるタイプのミステリー。主人公とおぼしき女性(エラ)が正当防衛で人を殺し、その親しい友だち(モリー)が呼び出され、死体隠匿を手伝うことになる(ここまで作品紹介にある内容)…そして、モリーには死体について、エラと死体について疑問が残る。
    なので、何も悪くないのに死体隠匿を手伝ったことで共犯者になって死体が見つかることに神経をとがらせながら、疑問を抱えていくモリーもある意味主人公である。読み進むにつれてモリーの側についていった。

    犯人は誰とかいう正統派ミステリーではないので、どういう心構えで読んでいけばいいのかわからず戸惑った。それが500ページ超えであるというのは気鬱でもあった。

    0
    2024年11月17日
  • 終着点

    Posted by ブクログ

    創元社様先読みキャンペーンにて読ませていただきました。社会運動に取り組む2人の女性の前に死体が。過去と現在が交錯しつつ、徐々に2人の姿があぶり出されていきます。ラストの展開に驚かされたあと、更に登場するスリリングな場面にのめり込めました。新たに注目する作家さんの登場に喜ばずにいられません。イギリスで起きている問題とそれに対する社会運動のリアルも知ることができました。こうした切り口の作品は初めてで、いまを知ることのできるミステリの醍醐味も味わいました。

    0
    2024年07月17日
  • 終着点

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    2人の視点で物語が進むが、先入観からエラメインの話だと思ってしまった。でも、殺人事件を介した2人の女性の関係性の話で、信頼、信頼の揺らぎ、裏切られた時の反応、とても悲しい話だと思った。
    未来に向かって時系列通りに進むモリーの視点では、エラに対して少しずつ疑念が生じていく過程が丁寧に描かれていく。時間を遡るエラの視点では、第一印象で感じたエラの印象と違和感の背景が徐々にわかっていく。なんかいびつさを感じる人との関係性とか章を重ねるごとに少しずつ違和感が大きくなって納得に繋がっていく。話の構成、進め方がすごいと思った。
    この作家さん、今の所他の話はシリーズものっぽいから読むかどうか悩み中だけど、単

    0
    2025年01月31日
  • 終着点

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ロンドンの社会問題を背景に、社会運動家のモリーとエラが抱え込む殺人トラブル。
    モリーの視点で進むストーリーに対して、エラの視点のストーリーはそもそもの「発端」に向けて過去へと遡る。
    話が進む(遡る)につれて若き活動家と思われていたエラの謎めいた生活が徐々に明らかに…という異色の構造をもつ作品。
    人間関係が複雑で、これ、誰だっけ?ということも多々ありながらも後半核心に迫ってくるあたりからは一気に読めた。
    若くて少々浅はか、かつ小狡いエラと、自分の生きる意義であった活動に対して自分の体力、気力の衰えを自覚し、孤独と心細さに哀しむモリーの対比が何とも。
    最後まで自分のことを与し易い相手と舐めてかかっ

    0
    2024年10月14日
  • 終着点

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    同月に出た『極夜の灰』なんかより楽しめました。出だしから嫌な女達(活動家ね)が出てきて、憂鬱になったが辛抱強く読んでいると最後に衝撃が・・・。これがなければ無星でしたよ。左翼や弱者のためにと信じて活動しているような人間が苦手な人には勧めません。

    0
    2024年09月23日

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