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Posted by ブクログ
猟区管理官ジョー・ピケットのシリーズ。15作目。
「越境者」に続く作品。2015年原著発行、2022年翻訳発行。
ワイオミングの広大な自然を背景に、仕事と家族を愛する愚直で善良なジョーの苦難と活躍が描かれます。
ジョーの養女エイプリルが、殴打されて道路端で発見された。
エイプリルは、幼い頃事件に巻き込まれ、問題のある親からジョー夫婦が引き取った娘。
反抗的で頑なだったが、それなりにモテるようになって居場所を見出していた。
出来た恋人はロデオスターのダラス。駆け落ちしたのだが‥
昏睡状態のエイプリルに、ジョーとメアリーベスは悲痛な思い。
ジョーはダラスを疑うが、なぜかダラスは怪我をして実家に戻っており、無関係だと親に主張される。
ジョーは、仕事でキジオライチョウの大量殺戮事件もかかえていた。
一方、盟友ネイトが、散弾銃に撃たれて重傷を負う事件まで起きる。
危機に次ぐ危機。
悪役の強烈さが半端なく、濃い。
ネイトが撃たれている状況で一体どうなる?という終盤から。
これはまた‥
読みごたえがありました☆
Posted by ブクログ
シリーズ作品の難しい事は、毎回キャストを総動員しないといけないことだろう。
個性豊かなキャラが増えるごとに、読者は新作でお気に入りのキャラの登場を期待する。それを裏切らずに見せ場を作りつつ新作を書くのは並大抵のことではないだろう。
特にシリーズの魅力の一つが、雄大なオレゴンの自然の風景(そしてそこで熟成された人々の生き方・価値観)であるだけに舞台も変えにくいだろうし…。
そういった制限がありながらも、本作は見事にいくつかのエピソードを束ね、お馴染みのキャストを配置しラストまで一気に楽しめる仕上がりになっている。
キャストが年を取り(成長し)、すこしずつ言動が変わる辺りもリアルで、こちらも感情移入しやすくなる。
本国でのシリーズは続いているようなので、是非、このまま翻訳を続けてほしい。
Posted by ブクログ
今までピケットシリーズに嵌って、胸躍らせながら既に10冊以上読んできた。
さて、何がこんなに私の琴線に触れるのだろうと考えたら、ふと浮かんだドラマがある。あの有名な「大草原の小さな家」だ。あのドラマにも嵌り、どれだけ毎回楽しみにして観たことか。
勝手な考えだが「ピケットシリーズ」と「大草原シリーズ」には共通点が多いような気がする。家族構成も似ている。大自然に囲まれているという舞台設定も似ている。
そして何よりも家族愛や正義とはという部分に共通点があるように思える。
まったく嵐の地平に触れませんでしたが、「大草原の小さな家」に夢中になった方は、その現代版としてピケットシリーズは十分に楽しめるような気がする。
Posted by ブクログ
久々に、主人公ジョー・ピケットに直球勝負で攻撃をかけてくる手強い敵手の登場。ここ数年のシリーズ作品中、最もピケット・ファミリーがピンチに襲われる強編に驚かされる一作。
ロデオスターのダラス・ケイツを追って家出をしてしまっていた娘エイプリルが、意識不明の重症状態で発見され、救急病棟に運び込まれる。静脈麻酔薬プロポフォールで鎮静・昏睡の状態が始まる。
キジオライチョウの大量殺戮事件に直面していた猟区管理官ジョーは、エイプリルの事件を聴いて、シリーズ中でも最大と言えるべき怒りを爆発させる。キジオライチョウの調査団員の高圧的態度に対しては冷徹な疑念を走らせながらも、エイプリル事件の容疑者に対しては、心が壊され、冷静さを欠いてしまうという一面が多々見られる。感情的なジョーを描写する珍しいシーンが連続する。
同時期に、読者は拘留中のネイト・ロマノウスキーが仮釈放されると同時に、罠にかけられ重傷を負うというショッキングなシーンに直面させられる。ネイトも意識不明状態となり、エイプリルと同じ病院に運び込まれる。
いつも事件のど真ん中に置かれるというジョー・ピケット。しかし、これまで以上に家族の危機に直面するジョーの姿は巻を通じて痛ましい。
そして何よりも本作で登場する悪党どもの傲慢さが、許し難い。<荒野のディック・フランシス>と称される本シリーズだが、本家の作品が毎作、強烈な悪意や殺意と対峙する特徴を持つように、本作はまた一段と悪の側の描写が激烈である。さらにその中心となる人物が誰であるのか? 読み進めるに従い明らかになる悪の側の風景が、いつも以上に凄まじい。
であればこそ、後段のジョーの側の反撃のパワーも、いつも以上に激しいように思える。極度な怒り。激闘。情念の爆発。鋼鉄の意志。ジョーも彼をとりまく家族も。入院中のネイトがどんな役割を本作で演じるかも、是非本作を貫く緊迫感とともに体感頂きたい。
シリーズ中でも屈指の力作となる本書。家族の物語としても貫かれているピケット一家のストーリーだが、そこに新たな里程標が加わった感のある本書はシリーズ読者ならずとも、必読の一作である。
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